The end of the journey 〜最果ての旅〜 作:カズめぐ
量産型エヴァとの戦闘の最中。
僕は母さんの声を聞いた。
『シンジ。あなたには本当になさなければいけないことがあるのよ』
母さん。
わかってるよ。
僕が本当にしなくてはいけないことがなんなのか。
だから、終わらせるね。
僕たちの未来のために。
「うん。長い旅もこれで終わりだよ。アスカ。」
アスカはおそらく気付いている。
この言葉の本当の意味を。
「別にいいじゃない…。こういう未来でも…。」
アスカは下を向きながらボソボソと話している。
「そうだね。でも、この未来にはあの頃の僕たちには辿り着けないよ。」
「そんなのわかんないじゃない!!」
アスカが顔をあげ、泣きそうな顔で訴えてきた。
「わかるよ。これは今の僕たちだからできた未来なんだ。だから、本来存在しない未来だよ。」
僕は諭すようにアスカに話す。
アスカは泣くのを堪えているのか、ぷるぷると震えていた。
「わかってたわよ…。初めから…。今回の旅で最後にするつもりだったのよ…。シンジに全部話して…。でも…。」
アスカは言葉を詰まらせる。
僕はアスカが話し始めるまで黙って待っていた。
「でも…。あんたとようやく気持ちが通じ合って、こんな未来があるなら、ずっと見ていたくなったのよ…。」
とうとう、アスカは泣き始めてしまった。
アスカはアスカなりにすごく悩んでいたんだろう。
こんなこと終わらせなきゃいけない。
でも、終わらせたくない。
僕と同じだ。
「アスカ。ごめんね。ここまで、悩ませてしまって。僕が弱かったから。自分の未来を受け入れられなかったから。でも、大丈夫だよ。僕がアスカを好きっていうこの気持ちは、どんな未来になっても変わらないから。ずっと、そばにいるからさ。だから、そんなに怖がらないで。」
僕はアスカを強く抱きしめる。
この気持ちがアスカに伝わるように。
「…。約束しなさいよ…。アンタは一生私に償いなさい。それでも、償いきれないことをしてきたんだから。今度、約束破ったら許さないんだからね…。」
「約束する。僕は一生アスカに償ってくよ。だから、僕たちの未来に向かって歩こう。」
「わかったわよ。そこまで、覚悟決まってるならいいわ。アンタに着いていくわよ。」
アスカは泣き崩した顔で笑みを浮かべて見せていた。
「シンジ。お前はそれで本当にいいのか。」
突然、背後から声がした。
振り向くとそこには父さんが立っていた。
「父さん…。」
「シンジ。もう一度聞く。その選択で本当にいいのか。」
「うん。いいんだ。アスカが一緒なら僕は大丈夫だよ。」
「ふっ。私もそう思っていたさ。失う時までな。だから、私は作られねばならんのだ。お前の母親、ユイを失わない世界を。邪魔をするなら、シンジ。許さんぞ。」
「父さん。もうやめなよ。そんなことをしたって、母さんは喜ばないよ。」
「お前に何がわかるというんだ。ユイを失った痛み。お前にわかるはずがない。いや、わからせてやろう。今、ここでな。」
父さんはそう言うと、銃口をアスカに向けた。
パァン
乾いた銃声が響き渡る。
次の瞬間、なぜか父さんが倒れこんだ。
「全く。逃げ足がはやいひとなんだから。」
声の方を向くと、そこにはリツコさんがいた。
「リツコさん…?」
「大丈夫よ。安心して。麻酔銃だから。命に心配はないわ。」
「どうして助けてくれたんですか?」
僕は素朴な疑問をぶつける。
「失う痛みをわかっていながら、それを息子に同じ思いをさせようとする彼を見たくなかったのよ。ただ、それだけよ。」
「そうですか。でも、ありがとうございます。」
「いいのよ。それより、行くのよね。」
「はい。」
僕は真剣な顔で答える。
「そう。なら、邪魔者は消えるわね。」
そう言うと、リツコさんは父さんを引きずりながらどこかに行ってしまった。
アスカはというと、泣き疲れたのかこの状況の最中寝てしまっていた。
もしかしたら、もう戻っているのかもしれない。
なら、待たせて怒られるのもアレなので僕も終わりにするとしよう。
僕はアスカの寝顔を見ながら言った。
「アスカ。愛してるよ。」
目の前が真っ暗になる。
意識が遠のいていく。
こうして、僕たちの最後の旅は幕を閉じたのであった。
あとは、エピローグを書いて終わりの予定です!
もしかしたら、納得いかなくて消すかもしれませんが、よろしくお願いします!