The end of the journey 〜最果ての旅〜 作:カズめぐ
目が覚めると、目の前には見慣れた光景があった。
どうやら、戻って来れたみたいだ。
僕は起き上がり、アスカを探す。
アスカはあの場所に横になっていた。
「アスカ。」
僕はアスカに声をかける。
「戻ってきたのね。」
「うん。」
「本当にこれでよかったの?」
「うん。」
「後悔は?」
「してない。君がいるから。」
「ふんっ。アンタも言うようになったわね。」
「アスカのおかげで強くなれたんだ。」
「あっそ。で、これからどうするの。」
アスカは顔を横に向け、遠くの方を見る。
「みんなが戻ってくるのを気長に待つよ。」
「そっ。まあいいわ。私も付き合ってあげる。」
「ありがとう、アスカ。」
「とにかく移動しましょ。ほら、私のこと丁寧に運びなさい。」
「わかったよ。」
こうして、僕はアスカを抱きかかえ、あてもなく歩いていくのだった。
………
3年後。
僕たちは、普通の暮らしをしていた。
本来、僕らは取り返しのつかないことをしたのだが、大人の陰謀に巻き込まれた子供ということで、今は監視下に置かれてること以外、特に変哲もない生活を送っている。
僕自身も驚かされたのだが、みんなが戻ってくるのは唐突だった。
朝、目が覚めると、何事もなかったかのように街があり、人がいたのである。
一般市民こそは何が起きたか全く覚えていないが、政府の関係者は流石に情報を握っていたみたいだ。
そして今に至る。
僕とアスカは今も一緒に暮らしている。
本当はマンションの部屋はアスカの分もあるのだが、僕の部屋に住み着いてる。
昔と変わったことがあるとすれば、ミサトさんがいないことだ。
ミサトさんだけではない。
サードインパクト以前に死んだ人はやっぱり戻って来なかった。
父さんは何をしているのだろうか。
生きているのか死んでいるのかもわからない。
でも、もう寂しいとは思わない。
僕には大切な人がいるのだから。
「シンジ〜。ご飯まだー?」
アスカがリビングから声をかけてくる。
「あと少しだから、待ってて。」
「はーい。」
数分後、僕は出来上がった料理をテーブルに並べる。
「あら、随分と豪華じゃない?何かあったの?」
アスカが並べられた料理を見て感想を述べる。
「今日はアスカと初めて会った日なんだ。」
「へぇー。あんた、そんなこといちいち覚えてるのね。」
アスカが呆れた顔で僕のことを見てくる。
「アスカだって覚えてるくせに。アスカの部屋のカレンダーに書いてあったよ。」
「ちょっ!アンタ何かって見てんのよ!?」
「ごめんて。とにかく、いただきますしよ??」
僕はアスカを宥め、食事を勧める。
「はぁ。まだ、アンタと会ってから暦上では4年しか経ってないのね。」
「まあ、色々なことがあったからもっと長く感じるけどね。」
「そうね。色々あったわね。」
「うん。」
「私といるの飽きちゃった?」
アスカが不安そう顔で聞いてくる。
「飽きないよ。何があってもね。僕はアスカのことが好きだし。ずっと一緒にいるよ。」
「ふーん。どうかしら。無敵のシンジ様はモテモテだものね。」
「そんなこと言われてもな…。僕はアスカしか見てないし…。というか、アスカの方がモテモテだよね??」
「私がモテるのは当たり前じゃない。何言ってるのよ。」
「そうだね…。」
「でも、安心しなさい。この惣流・アスカ・ラングレー様は一生碇シンジと一緒にいてあげるわ。感謝しなさい。」
照れ隠しなのか、顔を赤くしながら言っている。
「ありがとう、アスカ。じゃあ、いただきますしようか。」
「えぇ、そうね。」
「「いただきます」」
僕たちの長い旅はあの日終わりを迎えた。
しかし、僕たちの物語はまだ始まったばかりなのであった。
-END-
一応これにてお終いです。
今まで、本当にありがとうございました。
なんとか完結させられたのも読んでくれた皆様のお陰です。
次はこれの日常系か全く別物書くか迷っていますが、もし書いていたらその時もどうかよろしくお願いします。