The end of the journey 〜最果ての旅〜 作:カズめぐ
私が、一度目に目を覚ました時、私はシンジに首を絞められていた。
「気持ち悪い。」
私は泣き崩れるシンジにその言葉を浴びせる。
なぜ、この言葉を発したのかは、私もわからない。
自然と口から漏れていた。
しかし、今ではこの言葉が二人の記憶が蘇るトリガーである。
私たちは何回もこの場面に遭遇した。
その度にシンジは絶望している。
そんなシンジを見て、最初の方は内心ほくそ笑んでいた。
私を見捨てた罰だと思って見ていた。
しかし、何回もそんな姿を見ているうちにそのようなことは思わなくなってしまった。
おそらく、この世界の真実について少し知ってしまったからであろう。
そして、こないだの出来事で私はこの世界の真実を全て知ることになった。
なぜか、この世界には惣流・アスカ・ラングレーが存在しなかったのである。
恐らく、シンジがこう願ったのだろう。
『惣流・アスカ・ラングレーが傷つかない世界にしたい』と。
傷つかない=存在しないは流石に驚いた。
しかし、私がいない代わりに、偽物の私が存在した。
シンジはその世界で偽物の私を傷つけ、絶望していた。
けれど、なんだかんだで、シンジはその世界をいいものに仕上げてしまったのである。
私はそれを見て反吐が出た。
私の偽物を救って、シンジが満足している。
そんなのは許せない。
私には何もしてくれないのに、なぜ偽物は救うのだろうか。
シンジは私だけを見てればいい。
私だけに罪の意識を感じればいい。
私だけを…。
今の私の心はシンジへの憎しみが7割で構成されている。
残りの3割は口にしたくない。
これを口にしたら、私は私じゃなくなる。
私の存在意義はいかにシンジを苦しめるかだ。
でないと、私は…。
……
あの世界から帰ってきたシンジが夢物語を語っている。
「当たり前じゃないか。今の記憶があれば絶対に世界を変えれる。」
変えられるわけがないじゃない。
「わかったわ。じゃあ、もし記憶の継続性があった世界に行きあたっても、この場所に戻ってきてしまったら、そん時は私の言うことひとつ聞きなさいよ。」
「何で、そんな約束しなきゃいけないんだよ。」
「それくらい覚悟があるのかって話よ。」
「覚悟ならあるよ。」
覚悟なんてあっても、どうせ戻ってくるのよ。
「そう。なら、契約成立ね。そろそろ、私も自分が傷つくのは飽きてきたし、いいわ。せいぜいもがきなさい。」
そう。
これでもう終わりにしましょ。
最後に今までにないほどの絶望を与えてあげるから。
でも、安心して。
あなたの心が折れてしまったとしても、ちゃんと私が…。
こうして私とシンジは最果ての旅へと出たのであった。
これからもちょくちょくアスカ視点も書いていきたいと思いますー!
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次回更新日は3月20日0時を予定しています。