The end of the journey 〜最果ての旅〜   作:カズめぐ

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第六話

次の日の朝。

僕は一人で学校に向かっていた。

朝起きた時には既にアスカがいなかったのである。

行き先はもちろんわからない。

制服はかけてあったので、学校に行ってるわけではなさそうだ。

そんなことを考えながら歩いていると、少し先の方に人影が見えた。

その人影は僕に気づいたのか、僕の方にどんどん近付いてくる。

そして、僕はその人が誰なのかがわかった時、固まってしまった。

 

「初めまして。碇シンジ君。」

 

僕の目の前にはカヲル君がいた。

 

「どうして、カヲル君が…。」

 

「おや?君とは初対面のはずだけど。もしかして、君は今までの君と在り方が違うのかな。」

 

「カヲル君がいる…。カヲル君が生きてる…。」

 

「僕はここにいるよ碇シンジ君。」

 

「うわぁぁぁぁ」

 

僕は泣き出してしまった。

 

「大丈夫かい、シンジ君。」

 

カヲル君が心配そうに僕のことを見ている。

 

「ごめんね、カヲル君…。僕は君のことを何回も何回も…。」

 

「いいんだよ。シンジ君。僕は君の幸せを履き違えてしまっていたからね。当然の報いを受けたまでさ。」

 

「そんなことないよ…。カヲル君は誰よりも僕の幸せを願ってくれた。なのに、僕は君を…。」

 

「シンジ君。気にしないでくれ。君と僕は今こうして会えてるじゃないか。だから、会えたことの喜びを分かち合おう。」

 

「うん…。やっぱり、カヲル君も在り方が違うんだね。」

 

「僕は使徒だからね。リリンとは違うんだよ。この円環にずっといるのさ。」

 

「でも、どうして、カヲル君はこの時期にここにいるの?」

 

「君のお父さんがシナリオ通りに動いていないから、委員会から監視役として寄越されたわけだよ。」

 

「それってつまり…。」

 

「そう。シンジ君が未来を変えてると言うことだ。」

 

「でも、僕は綾波を…。」

 

「誰にでも失敗はあるさ。でも、君はそこで立ち止まってるわけにはいかないと言われたはずだよ。」

 

「それでも、僕は胸を張って未来を変えたとは言えないよ。」

 

「ふふ。相変わらず、シンジ君はガラスのように繊細だね。でも、今は自らの手で幸せを掴み取ろうとしてる。全部、セカンドのおかげなのかな。全く、羨ましいな。シンジ君のそばにずっと入れるなんて。」

 

「たしかに、アスカのおかげで僕は変われたよ。でも、アスカは僕のそばにいれてよかったなんて全く思ってないと思うよ。」

 

「それは彼女の口から聞いたのかい?」

 

「聞いてないけど…。」

 

「ふふ。今度聞いてみるといいよ。彼女は全てを知りながら君のそばにいる。相当なお人好しだよ。」

 

「…。機会があったら聞いてみるよ.…。」

 

「ところでシンジ君、君は今、明日のことで困ってるんじゃないかい?」

 

「うん。」

 

「なら、それについて少し話をしよう。よかったら僕の部屋に来ないかい?」

 

「カヲル君の部屋に?いいよ。」

 

こうして僕たちはカヲル君の部屋に向かった。

カヲル君の部屋に着くと、中にはピアノがあった。

 

「ピアノ…。」

 

「覚えているかいシンジ君?」

 

「もちろんだよ。」

 

「なら、少し一緒にひかないかい?」

 

「いいよ。」

 

僕たちは1時間ほどピアノを弾いた。

そして今に至る。

 

「で、シンジ君は明日の使徒をどうやって倒すんだい?」

 

「それはまだわからない…。」

 

「今のシンジ君なら、倒せると思うよ。君のATフィールドは昔より遥かに強固だ。それに、彼女もついてる。」

 

「でも、倒すだけじゃダメなんだ。S2機関も取り込まないと…。」

 

「S2機関のことは気にしなくていいよ。そこは僕がなんとかしよう。だから、君は倒すことだけに集中しなよ。」

 

「えっ、ほんとに大丈夫なの?」

 

「もちろん。僕を信じておくれ。」

 

「わかった。信じるよ。」

 

「ありがとう。」

 

僕がこの時、その方法をちゃんと聞いとけばよかった死ぬほど後悔したのはまだ先の話。

僕とカヲル君はしばらく談笑をした後、僕は部屋を後にし、家に帰った。

 

……

時刻は18時。

ミサト宅にて。

 

「ただいま。」

 

「あんた今まで何してたのよ!?」

 

「アスカこそ、朝いなかったけど何してたんだよ…。」

 

「まずは私の質問に答えなさいよ。」

 

「…。カヲル君のとこにいたんだ。」

 

「はぁ???なに?あんた、やっぱりホモだったわけ??」

 

「違うよ!カヲル君は僕にとっての大切な友達だ!」

 

「はんっ。どうだか。それより、なんであいつがもう来てんのよ。」

 

「僕たちが少しずつ未来を変えてるんだよ。」

 

「それで、あいつが早くに来たわけ?あーやだやだ、未来なんて変えなきゃよかったわ。」

 

「どうしてそこまでカヲル君を毛嫌いするんだよ…。」

 

「ナルシスホモだからよ。」

 

「はぁ。もういいよ。アスカの分からずや。」

 

「そんなことより、あんた明日のことはどうしたのよ。」

 

「ちゃんと考えたわけ?」

 

「カヲル君が今の君たちなら大丈夫だって言ってた。」

 

「それを鵜呑みにしたと。」

 

「うん。でも、僕とアスカがいれば大丈夫だと僕も思うよ。」

 

「それで明日転けても私のせいにすんじゃないわよ。」

 

「絶対大丈夫だよ。」

 

「ほんとに能天気ね。」

 

「ははは…。それより、アスカ。カヲル君がアスカのことお人好しって言ってたけどどう言う意味なんだろ。」

 

「はぁ?その情報だけじゃわかんないわよ。他に何か言ってなかったの?」

 

「アスカは全てを知ってるだろうとも言ってたよ。」

 

「…。他は。」

 

「他は特にないかな。」

 

「そう…。あいつの戯言よ。気にするだけ無駄だわ。」

 

アスカはそう言うとどこかに行ってしまった。

結局、その日アスカは帰ってくることはなかった。

こうして、僕らは第14使徒戦当日を迎えたのであった。

 

 

 

 




次回は3月23日0時に投稿します。
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