The end of the journey 〜最果ての旅〜 作:カズめぐ
『総員第一種戦闘配置』
「目標は?」
『駒ヶ岳防衛線突破されました』
『第1から18番装甲まで損壊』
「18もある特殊装甲を一瞬で…。」
「エヴァの地上迎撃は間に合わないわ。初号機と2号機をジオフロント内に配置。頼むわよ、アスカとシンジ君…。」
……
ジオフロント内にて。
「アスカ。もうすぐ来るよ。大丈夫?」
「あんた誰に向かって言ってるわけ?」
「アスカが心配で…。」
「はんっ。あんたに心配されるほど落ちぶれちゃいないわよ。自分の心配でもしてなさい。」
ドゴーン
空が割れる音がした。
「おいでなさったわね。」
僕たちから少し離れたところに第14使徒が現れた。
「さてと、今までの借りをきっちり返さないとね。」
アスカはそう言い、使徒向かって走り出す。
すると、使徒は腕のようなものをたたみ出した。
「シンジくるわよ!」
「わかってる!ATフィールド全開!!」
僕は伸びる下の腕をアスカから守るために、ATフィールドを展開した。
僕のATフィールドによって腕が弾かれた使徒は懐がお留守になり、隙ができる。
「もらったーー!!」
そこをアスカがプログレッシブナイフでコアを砕きにかかった。
しかし…。
「なっ!」
アスカのナイフが弾かれる。
使徒が硬い殻のようものでコアを覆ったのである。
「ちょっ、シンジ何よこれ!?」
「僕にも分からないよ!アスカとにかく離れて!」
「そんなの言われなくてもわかってるわよ!あっ…。」
アスカは体勢を整え、一旦引こうとしたが、使徒の腕が再びアスカに襲い掛かろうとしていた。
「アスカ!!」
僕は2号機の前に出て、アスカの盾となった。
ブシュッ。
初号機の片腕が切り落とされる。
「ぐっ…。」
「シンジ!?あんた何してんのよ!?」
僕はアスカに痛みを堪えながら聞く。
「アスカは怪我ない?」
「あんた人のことより自分のこと心配しなさいよ!?」
「よかった。無事なんだね…。」
「くっ、このバカシンジ…。ミサト!もっと硬いものないの??」
「今用意できるものだと、ソニック・グレイブしかないわ。」
「いいから出して!」
「アスカのところにソニック・グレイブを射出!」
アスカは射出されたソニック・グレイブを握った。
「サンキュー。ミサト。」
アスカはそう言うと、また使徒に向かって走り出した。
「アスカ!?一人じゃ危ないよ!!」
「ふんっ。あんたは自分の心配してなさいって言ったでしょ。」
アスカは僕の心配をよそにすさまじい操縦技術で使徒の伸びる腕の攻撃をかわし、懐まで潜り込んだ。
「アスカにこんな操縦ができたなんて。」
ミサトはごくりと唾を飲む。
「今のアスカのシンクロ率は150%よ。」
「150!?今までで最高の数値じゃない!?」
「ええ、おそらくシンクロテストでは手を抜いてたのでしょうね。」
「今はいいとして、これならやれるんじゃないかしら。」
「どおおりゃーーーー」
アスカは使徒のコアを覆ってる殻に向かって、思いっ切り、太刀を振り下ろした。
パキンっ
太刀が折れ、破片が飛び散る。
しかし、今回は見事に殻も砕くことができていた。
「もういっちょーーーー!」
アスカは既に折れてしまった太刀で、コアを砕こうと、振り下ろそうとする。
しかし、現実はそう甘くなかった。
使徒は再び、腕でアスカの首を切ろうとしていたのである。
「アスカ!!」
僕はATフィールドを全開にしてアスカを守りにいく。
ザシュッ
使徒の腕は2号機ではなく、初号機の頭を切り落とした。
「シンジ…?」
アスカの問いかけに初号機は反応しない。
「アスカ!今のうちにコアを!」
ミサトさんの声で我に帰ったアスカは、太刀で素早くコアを砕きにいった。
「いっけーーーーー」
パキン
使徒のコアが砕けた。
「使徒の殲滅を確認!」
「ミサト!?シンジは!?」
「パイロットの状況は??」
「わかりません。応答がありません。」
「すぐに救助に向かって!」
「シンジ…?」
……
「知ってる天井だ。」
僕は目を覚ますと、ネルフの治療室にいた。
隣を見ると、僕の手を握りながら寝ているアスカがいる。
「おはよう。シンジ君。」
アスカの後ろに立っていた、カヲル君が僕に話しかけてきた。
「カヲル君。使徒はどうなったの?」
「使徒は見事彼女が倒したよ。」
「よかった…。で、僕はどうしてここに?」
「覚えてないのかい?」
「うん。少し記憶が曖昧なんだ。」
「君は使徒に頭部を切り落とされたんだよ。」
「えっ、なのに僕は生きてるの?」
「切り落とされる直前に神経接続を僕が切ったからね。」
「カヲル君が助けてくれたんだ。ありがとう。」
「僕よりも、そこで寝ている彼女に礼を言った方がいいよ。」
「アスカに??」
「あぁ、彼女に頼まれていたんだ。万が一のことがあったら任せたって。」
「アスカがそんなことを。」
「バカシンジ…?」
カヲル君と話しているとアスカが目を覚ました。
「アスカ。おはよう。」
「おはよう…、じゃないわよ!?あんた大丈夫なの??」
「おかげさまで。アスカ、ありがとうね。」
「はっ?私は何も…。フィフス、あんた何も言ってないでしょうね?」
「さぁ?僕はもう帰るよ。シンジ君、お大事にね。」
そう言うと、カヲル君は逃げるように帰っていった。
「あんた、何聞いたの。」
アスカが睨みながら、問い詰めてくる。
「何も聞いてないよ…。」
「じゃあ、なんでお礼なんて言ったの。」
「ずっと、看病してくれてたのかなと思って…。」
「ほんとにそれだけ。」
「うんっ…。」
「なら、いいわ。リツコたちを呼んでくるから少し待ってなさい。」
「わ、わかった。」
その後、リツコさんが来て、軽く検査をした結果、特に問題はなかったため、僕は無事家に帰ることができたのだった。