ワールドトリガー x ウルトラマンZ 作:全て儚き名も無き遠い理想郷
原作のタイミングでのイルガ―襲撃はありません。
怪獣が来た後にあれ来たらヤバいし。
ゼットのオリジナル形態は出しませんが、シグマブレスターは検討中です。
それではどうぞ。
「避難状況はどうなっている!」
「避難はほとんど完了しています!既にB級部隊による攻撃が開始!」
迅の予知による警告通り、上空から二体の怪物と巨人が飛来した。
本部は事前の情報による大規模な被害を理由に召集できる隊員をかき集め、即座に一般市民の避難を開始。怪物と巨人が飛来したのが警戒区域だったこともあって避難はスムーズに進み、もうすぐ避難が完了するところまで進んでいた。
「よりによって遠征部隊がいないときに来るとは…!」
「鬼怒田開発室長!」
「既に砲撃の準備はできとる」
「怪物と巨人、未だ交戦中!」
怪物と巨人は飛来してから戦闘を続けていた。
口から青色の熱線を吐きながら進撃する怪物に対して巨人は熱線を食らいながらも怪物の足止めをするように正面から挑んでいた。
指揮を執る忍田はモニターを見ながら思考を巡らせる。
(遠征部隊がいない間を狙っての襲撃か…?それにしてはこちらの情報を掴んでなさすぎる)
ボーダー精鋭部隊の遠征部隊がいないのを狙ってきたのだとすれば他に幾らでも手はあったはずだ。仮に警戒区域外に出現させれば一般市民の避難と迎撃で分断できる。今までのイレギュラー
(まさか、
ありえない。
だが、今の現状と感じる違和感から忍田がそう考えた直後、通信が入った。
『ストレイジの結城です!』
「なんだ!今はお前たちに構っている場合ではない!」
『あの怪物と巨人は
「なに!?」
結城から告げられた情報に指令室全体が驚愕する。
ありえない事だった。
この三門市に攻撃を仕掛けてくるのは
「その根拠は!?」
『
「それだけで断定はできないだろう!」
『衛星に介入して入手した画像からはっきりした。あの怪物と巨人は宇宙から物凄い速度でやってきたんだよ。今からそっちに画像を送る』
明日奈の横から口を出した一夏から指令室に画像が送られる。
本部長補佐の沢村が送られてきた画像をモニターに出す。
そこには二枚の画像があった。
一枚は怪物、もう一枚は巨人。
「まさか、怪物を追って巨人はやってきたのか…!」
「し、しかし忍田本部長!地球外からの襲撃などありえないでしょう!」
「現にこうして証拠は上がっとる!」
「し、しかしですね…」
「どうあれ、
城戸の簡潔な言葉に指令室全体が静まる。
まさか、地球外から襲来してきたなんて誰も想像がつかなかった。
否、考えもしなかった。
三門市への襲撃が
あくまでそれは架空の出来事であって、現実に起きるわけがない。
「全隊員に通達。敵は
「本部長」
「わかっている。相手が
敵が
「一般市民及び訓練生と一般職員は避難。全隊員は避難を優先に対象を…」
忍田が指示を飛ばそうとした時だった。
作戦室に通信が入る。
『忍田本部長、お話があります』
通信を入れてきたのは暁だった。
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ー三輪秀次sideー
「敵が
「おいおい、マジかよ…」
本部からの通信で告げられた内容に俺と米屋は驚愕した。
だが、同時に納得した。
さっきから攻撃を仕掛けているのにも関わらず効果が薄いのはそれが理由だったのだと。
(敵がトリオン体でないのなら
だが、それがわかったところでどうなるというのだ。
相手が
そうでないのなら例え遠征部隊がいたのだとしても状況は変わらない可能性の方が高い。
さっきから自分たち以外の部隊が攻撃を仕掛けるが同様に効果が薄いうえに、怪物と巨人が揉み合うようにして戦闘をしており、下手をすれば巻き込まれて
こちら側の攻撃は効果は薄いながらも効いてはいる。
しかし、相手がトリオン体でないのかそもそもトリオンによる干渉を受けないのかはわからないが、怪物と巨人のどちらに対しても足止めにもなっていなかった。
「打つ手なしかぁ…」
「くっ…!」
投げ出すことはしない。打つ手があるのならそうしたい。
俺にはやることがある。
まだ、仇をとっていない。
あいつの代わりに、俺が仇を取らなければならない。
『セブンガー着陸します。セブンガー着陸します』
聞き慣れたアナウンスが聞こえてきた。
セブンガーが着陸したのと同時に月見さんから通信が入る。
『セブンガーが介入するそうよ。他の隊員は避難行動に専念しろとのこと』
「なんだと…!?」
「おいおい、そりゃ無茶だろ」
俺は急いで夏樹に通信を入れる。
程なくして夏樹が応答した。
「夏樹!誰の指示だ!」
『俺の意思だ。全部隊共通でトリガーによる攻撃が薄い、ならトリオン関係なしのセブンガーが行くのが賢明だ』
「お前、自分が何を言ってるかわかってるのか!?忘れたか!?お前のトリガーには
『わかってる』
「わかってない!もしトリオン体が解除されれば助からないぞ!」
ストレイジに渡されている護身用トリガーには
つまり、セブンガーが動かなくなる=トリオン体の解除ということだ。
そんなこと、誰よりも夏樹自身がわかっているはずだ。
「お前は
『…このまま何もしなかったら俺は姉さんに叱られる。それに、こういう時に動けなかったらストレイジに入った意味がないし、ボーダーに残った意味がないんだよ』
それにな、と夏樹は続けた。
『俺は死なないよ、秀次』
「…勝手にしろ」
『ああ』
そう短く残して夏樹は通信を切った。
「くそっ…!」
ーーーーーーーーーーーーーーー
セブンガーが現着する少し前。
「な、何よ、あれ…」
「ネ、
「でかすぎるよ…」
「もう終わりだ…」
生徒たちが怯える声を零しながら嵐山隊の指示に従い避難シェルターへと避難していくのを横に夏樹は目前の怪物と巨人ーーーベムラーとウルトラマンゼットの戦いを見ながら思考していた。
自分にできることはないのか。
自分に何ができるだろうか。
(セブンガーでどこまでやれる…?)
セブンガーは過去にトリオン兵を撃破した実績を持っているが、元々は災害への対処を目的に制作されているため戦闘を想定していない。
隊員たちが対処に当たっているとはいえ、あれだけの巨体に加えて混戦状態だ。早急に何とかしなければ一気に全隊員が
そう考えていると暁から通信が入る。
『夏樹、悪い知らせだ』
「何かあったのか?」
『ああ、本部及び玉狛支部のトリガーでさえ怪物と巨人相手に大した効果を上げれてない』
「玉狛支部のトリガーでも…!?」
ボーダー玉狛支部。ボーダー最強と名高く、夏樹とはある事情から関わりがある支部でもある。
玉狛支部が駆り出されるほどの事態であると本部が認めたことでもある。同時にその玉狛支部のトリガーでさえ大した効果を出せていない、つまりはボーダーの攻撃はほぼ通っていないに等しいことの証明だ。
『ついでにこれも朗報じゃないんだが、相手が
「嘘だろ…」
『残念ながらマジだ』
トリガーを起動して換装する戦闘用のトリオン体はトリオン以外の攻撃ではダメージを受けない。だが、あの怪物の攻撃は戦闘用のトリオン体を破壊する程の攻撃をしてくるとなれば死ぬことはなくても戦うことが出来なくなる。トリオン体の再構築には時間がかかるからだ。
相手はトリオン体を破壊する攻撃をしてくるのにこちらの攻撃はほとんど通らない、まさに打つ手なしの状況だった。
『…夏樹、更なるバッドニュースだ。怪物のやつ避難所目指して進んでる』
「なんだって…!?」
『巨人が進行を食い止めてるが抑えきれてない』
見れば巨人は怪物の進行を止めようと正面から挑んでいるがまともに相手されていない。
ふと、夏樹は思い立ったようにセブンガーを見上げた。
怪物の全長とセブンガーの全長は同じくらいだ。詳しくは正確に計測しなければわからないが、夏樹はほぼ正確に二つの全長を推し量ることができた。
「…暁、本部に伝えてくれ。セブンガーで怪物の相手をする」
『お前正気か!?セブンガーは災害対処用だってお前が一番わかってるはずだ!トリオン兵を倒すのでやっとだったのにあんな化け物相手に勝てるわけないだろうが!!』
「でも、このまま手をこまねいているわけにもいかない」
『だからってお前な…!』
「頼む」
通信越しに暁はいやでも理解できてしまった。
確かにそうだ。このまま打つ手がないからと手をこまねいている間にも敵は避難所に迫っている。
セブンガーが撃退できる保証はないし、進行方向を変えれれば奇跡と言えるレベルだ。
行かせたくない。
それが暁の本音だった。
しかし、今の状況下でボーダーはほぼ無力に近い。時間さえかけられれば倒すことは可能かもしれないがそんな悠長なことを言ってる間に避難所は終わる。
『…俺の方から伝えておく』
「…助かる」
『生きて帰ってこい。これだけ言っとく』
「ああ」
そう返すと夏樹は通信を切る。
暁が本部の方に連絡を入れておいてくれる。
ならば自分がすることはあの怪物を何とかして避難所から遠ざけることただ一つだ。
セブンガーを数秒見据えて覚悟を決めた夏樹に背後から声が掛けられる。
「あんた、死ぬつもりか?」
「君は?」
「俺は空閑遊馬。そんなことより、あんたあれを相手にするつもりなのか?」
「ああ」
空閑の質問に夏樹は真っ直ぐに返す。
「死ぬよ?」
「…まあ、そうだろうな」
「なんで行くんだ?そのロボットは戦闘用じゃないんだろ?」
「あの怪物が避難所に向かってる。それを少しでも食い止めるために行くだけだよ」
空閑と相対していると彼を追いかけて三雲と木虎がやってくる。
「空閑!僕と一緒に避難す……どうかしたのか?」
「いや、この人がロボットであの怪物を止めに行こうとしてたから」
「なんだって!?」
「あなた、正気なの?あれはA級でも相手になっていないのに…」
「知ってるよ」
「なら、どうして!」
声を荒げる木虎に夏樹は冷静に返す。
「それが、俺がボーダーに残った理由であり、
「贖罪…?」
「で、でも…!」
「あなた、やっぱり…!」
「木虎、本部長からの指示だ。セブンガーが時間を稼ぐ間に避難を完了させるぞ」
本部からの指示を受けた嵐山と時枝が木虎に指示を伝えるべくやってきた。
「嵐山先輩!しかし…!」
「木虎、上からの命令だよ」
「時枝先輩まで!…わかりました。行くわよ二人とも」
そう言って木虎は若干納得しないながらも三雲と空閑の二人を連れてその場を離れる。
残った嵐山と時枝の二人は夏樹と向かい合う。
「春川、行くんだな?」
「…はい」
「帰ってきてくださいよ春川さん。みんな心配してるんですから」
「…ああ」
「戻ったら綾辻の相手をしてやってくれ。暫く話せてなかっただろう?」
「…わかりました。戻ったら顔出しますね。それじゃ、後は頼みます」
そう言うと夏樹はセブンガーの方へ、嵐山と時枝の二人は避難所の方へと向かっていく。
夏樹がセブンガーに乗り込んでから数秒後、セブンガーの目が光り起動すると背面に装備されたブースターを使って飛行すると怪物と巨人の戦う場所へと向かっていった。
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「さて、着いたわけだが…」
避難所へ向かう怪物とそれを止めようとする巨人の構図で違いないはずだと夏樹は考える。
事実、避難所へと進行するベムラーを何とか阻止しようと攻撃をするウルトラマンゼットの図は夏樹の予想した通りだった。
セブンガーの最大稼働時間は5分、トリオン体でいられる時間も同じく5分。
後ろには避難所、今本部の部隊が総出で別の避難所への避難を誘導している最中。
なら、自分がやることは一つ。怪物の足止め一択だ。
「トリガー
夏樹は護身用トリガーを起動してトリオン体への換装を完了させる。
5分。それがリミットだ。
『実用稼働時間残り5分』
「どう見たって、こっちが味方だよな…!」
コックピット内部のアナウンスが鳴ると同時に夏樹は声を荒げてゼットがベムラーから後退したところに突っ込んでいきベムラーの顔面に右ストレートを打ち込む。
ベムラーは少しばかり後退したぐらいで大したダメージは与えられていないようだが、今は倒すことよりも時間を稼ぐことがメインだと思考を切り替える。
夏樹はベムラーから目線を離さずにスピーカーをオープンに切り替えてゼットに話しかけた。
「あんた、味方か?味方じゃなくてもいいけど、相手は同じなんだから少しばかり手を貸してくれ」
「聞きたいことは色々あるがそれは後だ」と付け加えるとゼットは何も語らなかったが大きく頷いた後、セブンガーの隣に立った。
それだけで十分だと夏樹は笑みを浮かべる。
「よし、なら協力してあいつをやるぞ!」
「キアッ!」
夏樹の声にゼットはもう一度頷いて返事を返し、構える。
「合わせろ!」
「キアアァッ!」
夏樹の声でセブンガーとゼットが同時に動き出しセブンガーは右ストレート、ゼットは左ストレートのダブルパンチをベムラーに食らわせる。
セブンガーの与えたダメージは変わらなかったがゼットのパンチでベムラーの皮膚から花火が散り僅かに後退させた。
(巨人の攻撃が効いてる…!)
セブンガーは元々の用途が戦闘用でないのもあって大したダメージを与えるのは難しい。
以前に大型トリオン兵を撃破した際には右腕がひしゃげて整備班が激怒していたことがあり、そのことからセブンガーを用いての戦闘行為はその一回を除いてこれまで行われてこなかった。
このままなら避難所から遠ざけられると考えた夏樹はゼットへ声を掛ける。
「後ろには避難所がある!あいつをそこから遠ざけたい!頼む!」
そう言ってベムラーへと向かっていき、正面から抑えかかるセブンガー。
「っても言葉通じないか…?」
ベムラーを抑えながらぼやく夏樹。
「キアッ!!」
そんな彼に答えるようにしてゼットがセブンガーの横のスペースからベムラーにタックルを食らわせて後退させるゼットの姿に夏樹は微笑みながら言う。
「なんだよ、言葉通じてるじゃねえか」
ゼットは頭部のブレードに両手の指先を当て、Z字型の光刃ーーゼットスラッガーを素早く投擲する。
ゼットスラッガーを食らいながらも進撃してくるベムラーにセブンガーはすかさずパンチを打ち込み、空いたところにゼットが蹴りを入れる。
ゼットをメインの攻撃役にしながらセブンガーはゼットに合わせるようにして立ちまわっていた。
『実用稼働時間残り4分』
「上等!」
「キェアアァッ!!」
連携攻撃で後退したベムラーに追い打ちをかけるべくゼットとセブンガーが挑みかかろうとした時、ベムラーは咆哮と共に口から青い熱線を吐いた。
「ーーーーー!!!」
「うわぁぁぁ!!」
「キアァァッ!!」
回避できなかったセブンガーとゼットは熱線をもろに食らい、地面に倒されてしまう。
「うぐっ!トリオン体じゃなかったら危なかった…!」
トリオン体でなかったなら今の攻撃は危機的だった、と夏樹は零す。
事実、トリオン体だからダメージがなかっただけであり、生身なら今の衝撃で下手をすれば死んでいた。
コックピット内の機器が危険を告げるようにアラーム音を響かせ、いくつかの機器は火花を散らしている。
夏樹は急いでセブンガーの被害状況を確認する。
「各部に損傷が見られるがまだ動ける!まだ頼むぞ…!」
『夏樹!聞こえる!?応答して!』
「聞こえてる!どうした!?」
『避難がもう少しで終わるから持たせて!』
「了解…!」
短く返答してから詩乃からの通信を切り、夏樹は目前のベムラーに意識を戻した。
見れば既にゼットは立ち上がってベムラーの進行を食い止めている。
もう少しで避難が完了する。なら、ここで止まるわけにはいかない。
「気合い入れろよ!セブンガー!」
『実用稼働時間残り3分』
「うおおー!!」
スラスターを吹かして加速した勢いのままゼットと組み合うベムラーの横からタックルを入れる。
重心が偏る体制になったことでセブンガーはまた倒れてしまうが、ベムラーも横からのタックルには対応できなかったのか横の建物を倒壊させながら倒れる。
すぐにセブンガーの体を起こして追撃をかけようとするが、先に立ち直っていた怪物がまたも口から熱線を吐こうとしていた。
「キェアァァッ!!」
ゼットがパンチでベムラーの口元を攻撃して熱線を防ぎ、攻撃を仕掛けるべく掴みかかる。
しかし、ベムラーは体中のエネルギーを頭部の角に集め、角から青色の電撃を放った。
青色の電撃は近くにいたゼットと漸く立ち上がったセブンガーだけでなく、周囲の建物を破壊していく。
「キェアアァァァ!!」
「うわああぁぁぁ!!」
ベムラーの近くにいたゼットは吹き飛ばされて倒れる。
セブンガーは電撃を食らった衝撃でフラフラと後退していき建物に座り込むようにして動かなくなった。
バチバチバチ!とコックピット内部の機器が火花を散らした。
『ダメージレベルA。右腕部機能停止。実用稼働時間残り2分』
「右腕が死んだか…!けど、まだ動けるだろ…?動けるんなら動けセブンガー!右腕が死んでも足はまだ生きてるだろうが!」
コックピット内部の機器を操作しながらセブンガーの復旧を急ぐ。
見ればゼットは倒れたまま。
このまま放っておけばベムラーは避難所に到着してしまう。
ボーダー隊員相手には口からの熱線しか使っていなかったのにセブンガーが介入してからは本機を出したと言わんばかりに角からの電撃を撃ってきた。熱線よりも明らかに殲滅能力が高いのにだ。
それよりも早く自分が行かなければと夏樹は必死に機器の調整をする。完全復旧が望ましいが、今の状況下でそれは望めない。ならば応急処置であっても動ければいい。
「根性見せろよ!!セブンガー!!」
夏樹の声に応えるようにしてセブンガーの目が再び光る。
先ほどまでとは違ってフラフラといつ倒れてもおかしくない挙動で何とか立ち上がり、そのままベムラーに向かっていき背中から動かせる左腕を使って殴りかかる。
「キアッ!!」
反撃を始めたセブンガーに応えるようにゼットも立ち上がってベムラーの尻尾を掴んで少しでも後退させようと引っ張るが、それに角からの放電で反撃するベムラー。
『ダメージレベルA+。これ以上の稼働は危険です。繰り返します、これ以上の稼働は危険です』
『夏樹君!離脱して!』
「まだだ!まだ避難が終わってない!」
『で、でも…!それじゃ……』
「明日奈?おい明日奈!?」
プツン、と通信が途切れるとほぼ同時にバチバチバチバチ!とコックピット内部全体がスパークを起こす。
『活動時間経過トリオン体解除』
「はぁ!?まだ時間あったはずだぞ!?何勝手に解除してるんだよ!」
何故か限界時間前にトリオン体が解除されてしまう。
それについて考えるよりも先に入ってきたのはベムラーを必死に避難所から遠ざけようと正面から挑むゼットの姿だった。スパークによって生じた火花を浴びる痛みに耐えながら夏樹はセブンガーをベムラーの前に動かす。
ゼットに並ぶ位置までセブンガーが来た時、ゼットの胸部のランプーーーカラータイマーが赤く点滅を始めた。
「あんたも活動限界か…?」
「ーーーーーーーーー!!」
夏樹がそう言った直後、ベムラーが咆哮を上げて口から熱線を放とうとしていた。
夏樹は直感でベムラーが熱線をセブンガーとゼットの真後ろに位置している避難所へ放とうとしていると確信し、ゼットもベムラーの位置と後ろの避難所の位置を見比べて理解した。
セブンガーとゼットは同じタイミングで前へと出た。それと同じタイミングでベムラーの口から熱線が放たれる。
放たれた熱線は避難所を守ろうと前へ出たセブンガーとゼットに直撃する。
「キェアアアァァァ!!」
「うわあああぁぁぁ!!」
そして、爆ぜた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
ーー春川夏樹sideーー
「起きなさい。起きなさい、地球人」
あれ、俺って確かセブンガーに乗ってて…。
それで怪物相手に必死こいて避難所を守ろうと…。
ってか!
「地球人って何よ」
「おお、良かった。言葉通じてた」
「うおっ!?さっきの巨人!」
びっくりした。
目が覚めたらフワフワした感覚がしてたとか、周りが真っ黒だとか色々驚くこともあったけどさっきまで掛け声的なのしか発してなかった巨人がいきなり日本語で話しかけてきたら誰だってびっくりする。
巨人はさっきまでと同じく胸のランプを赤く点滅させながら口を開いた。
「私はウルトラマンゼット。申し訳ないがお前は今ウルトラやばい。ついでにどうやら私もウルトラやばいみたい」
「いや、ウルトラやばいって…。まあ、その通りっぽいけどさ」
凶悪な宇宙怪獣ベムラーの前にウルトラやばい状況になった俺と地球人の春川夏樹。
まだ活動を続けるベムラーを倒す方法は一つ。
俺と夏樹がウルトラフュージョンすることだ。
いくぞ夏樹!ベムラーを倒して避難所を守るんだ!
次回、【ご唱和ください、我の名を!】
ウルトラ気合い入れていくぞ!