1:暗殺の時間
突然だがオレたちは今銃を持っている。目の前のターゲット(先生)を殺すために。
「起立」
潮田が号令をかける
「気をつけ」
クラス全員が銃を構える。
「れーーーーい」
その瞬間銃が発砲されターゲットを狙い打つ。
「発砲したままでいいので出欠を取ります」
ターゲットはオレたちが打っている弾を難なく避けながら出欠を取り始めた。
「綾小路君」
最初にオレの名前が呼ばれた
「はい」
「磯貝君」
「はい」
....
出欠を取り終えた時にはクラス全員が疲れて銃を打つのを止めていた。
「遅刻なしと、先生はとても嬉しいです。しかし一発も当てることができませんでしたね」
ターゲットはオレたちが打った弾をすべてよけたのだ。
「目線、指の動きなどが単純すぎます。数に頼りすぎているからです」
出欠を取りながら銃弾をよける中でもオレたちの動きをよく見ているようだ。
「もっと工夫してください、それではマッハ20の先生は殺せませんよ」
そう、オレたちはマッハ20の先生を殺さなければならないのだ。
なぜオレたちがこんな状況になったのか、それは3年生の初め月が7割破壊され、その犯人がターゲットであった。
しかもターゲットは来年に地球も破壊すると宣言していた。
それを阻止するために殺せということだった。
理由はわからないがターゲットは一年間オレたちが通っている椚が丘中学校の3年E組の担任をやると言っていた。
政府の契約で生徒の危害を加えないという条件らしい。
つまりオレたちは至近距離からターゲットを殺すチャンスがあるということだ。
しかも成功報酬は100億円、生徒たちのモチベーションもしっかり考えられている。
オレたちは人間には無害で怪物には効く弾とナイフを支給され、3年E組の暗殺教室が始まった。
昼休みのチャイムがなった。
昼休みに怪物はマッハ20で中国に行って麻婆豆腐を食べにいった。
昼休みの時間中に寺坂が潮田に声をかける。
「おい渚ちょっと来いよ、暗殺の計画進めようぜ」
「 ・・・うん」
寺坂、吉田、松村が自信のなさげに返事した潮田を外に連れて行った
オレも気になり後を付けた。
後を付けた先に寺坂たちと潮田が計画について話していた。
「あのタコは機嫌によって顔の色が変わる。油断している時はそのときを狙え」
「でも僕が?」
「いい子ぶってんじゃねーよ俺たちはE組だぜ?この学校の勉強についていけなくなった落ちこぼれだ」
そう、オレたちのクラスE組は勉強についていけなくなり毎日山の上の隔離校舎まで通わされ、本校の人たちにあらゆる面で差別される落ちこぼれだ。
「俺たち落ちこぼれが100億稼ぐチャンスなんて一生くることはないぜ」
そう言って寺坂は潮田に何かを手渡し教室に戻ろうとすると寺坂はオレの存在に気づいた。
「って綾小路お前いたのかよ、邪魔すんじゃねーぞ」
そう言って寺坂たちは教室に戻った。
・・・どうやらオレは影が薄いようだ。
そして潮田とオレが残っていたら空からミサイルをもった先生が帰ってきた。
「おかえり先生、そのミサイルどうしたの?」
「お土産です。日本海で自衛隊に待ち伏せされて」
「大変ですね、、、皆から狙われるのは」
「いえいえ皆から狙われるのは力を持つ者の証ですから」
「!」
「さ、5時間目の授業を始めますよ」
そう言って先生は先に教室に向かった。
「・・・はい」
さっきの先生との会話で潮田は顔を俯かせ表情がとても暗かった。自分が力を持っていないことに対する劣等感、だろうか。
やがて潮田の殺気が大きくなっていく。どうやら本気で暗殺するつもりだ。
教室に戻ろうとする潮田にオレは声をかける
「潮田、お前暗殺するつもりみたいだな」
「綾小路君・・・うん」
「いけると思うのか?」
「・・・うん。どうせ先生は僕のことなんて見えていないよ。期待も警戒も認識もされない人間なんて。だから見返さないといけない」
「・・・そうか、上手くいくといいな」
「うん」
「綾小路君も教室に戻ろうよ」
「ああ、そうだな」
オレたちは教室へ向かう中、オレは潮田の暗殺について考える。どこか危うさのある潮田、それにあの殺気、どんな手段でも使う。
そう考えてそうだ。
なるほどな・・・オレは潮田の暗殺の手段がわかった。
しかしあの怪物の情報は未知だ。成功するとは思えなかった。
だが確かにその暗殺なら得られる情報があるだろう。オレは潮田の暗殺を観察することを決める。
教室に戻り5時目の授業が始まる。内容は短歌を作ることだ。
「出来た人は先生のところへ持ってきなさい。先生がチェックをし不備がなければ帰ってよし」
しばらくして潮田が席を立った。
「もう出来ましたか渚君」
短冊を持って立ち上がった潮田に先生が感心したような声を掛け、クラスの皆も潮田に視線を向けている。
ただ、皆が視線を向けているのは潮田ではなく潮田の手元、短冊と重ねるようにして隠し持っている対先生特殊ナイフだ。
教壇まで自然に距離を詰めていった潮田は、ナイフの間合いに入ると同時に構えたナイフを大きく振りかぶりる
振り下ろされたナイフはあっけなく、先生によって止められる。
「渚君、もっと工夫をしま」
先生が助言をしているのを無視して潮田は先生を抱き付いた。
「しまっ」
潮田が先を抱きついたのを確認した寺坂は手もとにあったスイッチを押した。
次の瞬間、潮田と先生の間で爆発が起こった。
「ッしゃあ‼︎ やったぜ、百億いただきィ‼︎」
寺坂がはしゃいでいる中、茅野が寺坂に詰め寄っていた。
「ちょっと寺坂、渚に何持たせたのよ!」
「あ?オモチャの手榴弾だよ。ただし火薬を使って対先生弾がすげえ速さで飛び散るように」
「なっ」
茅野が絶句する。
「人間が死ぬ威力じゃねーよ。俺の100億で治療費くらい払ってやらァ」
ところが潮田は火傷どころか傷一つついていなかった。
潮田に膜が覆っていた。
「実は先生は月に一度脱皮します。それに爆弾にかぶせて威力を殺しました。つまり月一回使える奥の手ですね」
天井から先生の声が聞こえオレたちは上を向く。そこにはキレて顔色が真っ黒になった先生が張り付いていた。
「寺坂、吉田、松村。首謀者は君らだな」
「えっ!?い、いや‥‥渚が勝手に‥‥」
先生の問い掛けに寺坂が誤魔化そうとした瞬間、どこかへ行ったと思ったら表札を大量に抱えて先生が入ってきた。大量に抱えていた表札をその場にぶち撒けた。
そこには寺坂と吉田と松村‥‥どうやらE組の表札のようだ。
「政府との契約ですから君たちに危害を加えませんが、次また今の方法で暗殺に来たら、君たち以外の生徒には何をするかわかりませんよ?」
変わらず真っ黒な顔色のまま凶悪な笑みを浮かべて脅してくる先生。
「な、なんなんだよテメエ‥‥迷惑なんだよォ!!迷惑なやつに迷惑な殺し方して何が悪いんだよォ!!」
寺坂が泣きそうな顔をしながら先生に怒鳴った。すると先生は顔に赤丸マークが浮き出てきた。
「迷惑?とんでもない。君たちのアイディア自体はすごく良かった。特に渚君、君の肉迫までの自然な体運びは100点です!先生は見事に隙を突かれました」
しかし次の瞬間先生の顔にバツマークが浮かび出てきた。
「ただし!寺坂君達は渚君を、渚君は自分を大切にしなかった。そんな生徒に暗殺する資格はありません!」
そう言うといつもの黄色い顔色に戻る。
「人に笑顔で胸を張れる暗殺をしましょう。君たち全員それが出来る力を秘めた有能な暗殺者だ。ターゲットからのアドバイスです。」
「さて問題です。渚君。先生は殺されるつもりは微塵もない。皆さんと来年の3月までエンジョイしてから地球を爆破です。それが嫌なら君たちはどうしますか?」
先生から出された問題。答えは一つしかない。
それを先ほどまでとは違い、明るくなった表情で潮田が代表して答える。
「地球を爆破される前に殺します」
どうやら潮田は一歩成長したようだ。
潮田がそう答えると先生は顔に緑のシマシマ模様(舐めている表情)を出して
「ヌルフフフ、なら今やってみなさい。殺せた者から帰ってよし。」
‥‥ん?どうやらオレたちは帰れないらしい。
「殺せない先生‥‥名前"殺せんせー"ってのはどうかな?」
茅野がこの怪物を殺せんせーと名付けた。
正直安直すぎるとは思うが呼びやすいしいい名前かもしれない。
「いいねー」
「そうしようか」
他の生徒たちも賛成していたし、殺せんせーで決まりだろう。
自分の席に座っままオレは先ほどの殺せんせーのダメ出しについて考える。
(寺坂君は渚君を大切にしなかった)
つまり他人を大切しろということ。
あの場所でオレが学んできたのとは正反対だ。自分以外のものは道具でしかない。どんな犠牲を払おうと自分が勝ってさえいればそれでいい。そう教わってきた。
だから今回の潮田、寺坂たちの暗殺でオレは止めることをせずただ観察していた。勝つ、つまり生き残るために。実際に殺せんせーの情報を多く手に入れることができた。
オレは殺せんせーの言っていることがわからなかった。
いや‥‥この時点でオレはこの3年E組の中で不良品なのだろう。
オレは来年の3月までに成長することが出来るのだろうか。そう静かに願った。
第1話が終わりました。初投稿です。
勢いで書いているので後ほど矛盾が生じるかもしれません。
よろしくお願いします。