ポケットモンスター ~スーパーマサラ転生記~   作:オーキド ユキナリ

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プロローグはこの話で終わりです。
次回からカントー編に入ります。


冒険の扉

 

 えー、皆さんお馴染み転生後のキンクリですね。

ディアボロさんもキング・クリムゾンさんも大変お疲れの事でしょう。

 

 

 さて、この世界での俺の名前はイエローだったorz……。

容姿もイエローだが、ちゃんと男の勲章は付いてる。後は胸が育たない事を願いたい。

あの神様……俺は容姿そのままにしてくれって言ったハズなんだが。

だが、なってしまったものは仕様が無いと考えて生きている。

ゲームの世界にイエローはいないし、憑依じゃ無いから良かったけど。

 

 

 で、11年の歳月を経て、その感想を一言で表すとすれば……。

 

 

 

 

        マサラタウンマジ人外魔境!!

 

 

 

 

 まぁ、この一言に尽きる。

何がヤバいって色々ヤバい。

俺は特典で身体能力の限界が無くてヤバいけど、マサラの人達はそれ無しでヤバい。

ヤバいヤバいうるさいって?お前のあだ名を『ヤバ沢さん』にしてやろうか。

ま、取り敢えず紹介しよう。

 

 まず、無口で大人しそうなレッドはこのマサラで俺除いて一番の腕力を持っている。

俺の親父が「男らしく鍛える必要が有るな。」とかほざいてレッドの腹パンで数10メートル吹っ飛んだのは今となっては良い思い出。

 

 次、生意気な悪ガキのグリーンはこのマサラで俺除いて一番の俊敏性を持っている。

又もや俺の親父が「あの悪ガキをとっちめてやろう。」とかほざきやがって結局逃げられたのも今となっては良い思い出。

 

 更に次、元気で純粋なブルーはこのマサラで俺除いて一番の脚力を(ry

そして懲りない俺の親父が息荒げながら「ブルーちゃん! ブルーちゃぁぁああん!」とかほざいた。

幼いながらも身の危険を感じたのか、親父がブルーに金的されてたのも今となっては(ry

 

 そして最後。

これが一番衝撃的だった……。

 

 何かガチムチな人が町の南側に立ってたんだ。

俺は勇気を出してソイツに話しかけた。

そしたらソイツ何て言ったと思う?

 

 

 

 

『科学の力ってすげー!今はパソコン通信で道具やポケモンをデータにして送れるんだと!!』

 

 

 

 

 最初は信じられなかった。いや、信じたくなかった。

ゲーム内での大きな体格は、『太ってた』じゃ無く『ウホッ!いい男!』だったと言う訳だ。

そこで俺は考えた。

 

 

『あれ?親父もコイツもガチムチだから、他の住民も……。』

 

 

考えただけで寒気がした。

 

 結果だけ言うと、女性はムチムチのどエロボディ。男性はガチムチのアッーボディ。まぁ、時々普通の体格の人もいたが。

そして子供達は容姿は普通でも、身体能力は化物だった。

と言うか、子供であればある程身体能力が高い。出産の時は痛すぎて逆に快感に目覚めるらしい。つまりマサラの子持ち母は皆ドMと言う事だ。

ドSの鬼畜野郎共には打って付けの町。それがマサラタウン。

 

 今一瞬でも『行ってみたい』とか思った奴は全員ドS認定な。

 

 大人になるにつれ、マサラ人は力を失うとの事。

だが、運動に魅入られたマサラ人は、力を失ってからすぐに鍛え出す。

女性は運動すればする程どエロボディに、男性は運動すればする程アッーボディになる訳だ。

 

 で、時々いた普通の体格の人は、単に運動に興味が無いだけの人らしい。

オーキド博士とその部下の研究者達もその一人だ。

……いや、オーキド博士は微妙にガタイが良かった気もする。運動してた時期が有ったのだろうか。

 

 どうか、レッドとグリーンが運動に心を奪われません様に……。

幼馴染がガチムチになったら俺はショック死する。断言出来る。

 

 

 

 

 え? ブルー?

……運動頑張って下さい超頑張って下さい死ぬ程頑張って下さいお願いします。

応援してます。ブルーの超どエロボディ見たいです。

 

 

 

 

 さて、過去を振り返るのはこれまでにする。

ディアボロさんやキング・クリムゾンさんが超的確な飛ばし方してくれたお蔭で、今日はポケモンを貰える日になっている。

オーキド博士は4匹のポケモンを用意しているらしい。

 

 どう考えても御三家とピカチュウです本当に有難う御座いました。

原作でレッドのライバルはタイプが有利なポケモンにしてくるけど、名前的に考えると……。

レッドがヒトカゲ、グリーンがフシギダネ、ブルーがゼニガメ、俺がピカチュウってとこか。

 

 話は変わるが、俺は今起きた所だ。ベッドから起きたんじゃ無く、夢の中から起きた所だ。

 

一体いつから――――俺が起きていると錯覚していた?

 

 今頃画面の前で『なん……だと?』と言っている人が大半だろう。

夢オチでは無く、寝ている頭の中で考えていたって事だ。

何か知らんが『心を読まれない能力』で、寝ている間も心や記憶を読まれない様に、体は休んだ状態で心は起きていると言う意味の分からん状態になっている。

転生した時の魂だけの状態に酷似してる。もう『慣れた』じゃ無く『心地良い』になった。

 

 と、まぁ俺の話は此処で切り上げて、一階まで降りるか。

……何時も思うけど一段一段が大きく感じる。あれか、イエローの体が小さいからか。

それにしても、毎晩毎晩スパンキングの音が聞こえて鬱陶しいんだよ。

幾ら母さんがドMだからって親父までドSにならなくて良かったのに……。

ってかウチは壁薄いんだからそん位考えて欲しいもんだけどな。

 

 俺がそんな事を考えながら階段を降りきった所で、ムチムチな母さんとガチムチな親父が此方に気付いた。

その目はまるで獣の様にギラついている。

これは何時ものアレか……。

 

「イエローちゃぁぁあああん! おはよぉぉぉおおお!」

 

「我が息子よぉぉぉおおお! 遅かったでは無いかぁぁぁあああ!」

 

 ドタドタと耳障りな轟音を鳴らしながら近付いて来る両親。

……何時見てもこれにはドン引きだ。

最初見た時はドン引きどころか命の危険を感じたな。

まぁ、それにはもう慣れてしまって……。

 

「おはよう母さん、親父ッ!」

 

「「グボェェェッ!?」」

 

 両親の間をすり抜けると同時にジャンプしてラリアットをぶちかます。

おい、気持ち悪い呻き声出すな。何だよグボェェェって。

背が低いからジャンプしないといけないのが辛い。

ラリアットでブッ飛んだ両親。

母さんは心底嬉しそうに、恍惚とした表情を浮かべている。おい、息子の前でそんな顔すんな。俺までドSになったらどう責任とってくれんだ。

親父は親父で何嬉しそうにしてんだ。アンタドSのハズだろ。ガチムチなオッサンの発情なんて誰も見たくねぇよ。

 

「母さん、親父。俺は今日から旅に出るんだぞ。わかってるか?

 今のアンタ等の状態じゃぁ心配なんだが。」

 

「……へ?」

 

「心、配……?」

 

 何だよその反応は。俺が心配するのがそんなに可笑しいか。

と言うか俺が心配してるのは禁断症状が出て周りに迷惑かけないかどうかなんだけど。

随分前に俺がブルーの家に泊まりに行った時に二人がかりで扉ぶち破って侵入して来たのを忘れたのか?

あんときはマジでビビった。ブルーなんて滅茶苦茶泣きついて来たぞ。

何で親がドア壊しといて息子に修理させるんだよ。ブルーとブルーの両親に同情の目で見られたぞ。

 

「もう一度言う。今日からアンタ等は二人で生活する事になる。

 耐えられるか? ってか耐えろ。」

 

「「無理。」」

 

 即答かよ……。

あれか。今まで人様に迷惑をかけまいとブルーの家に二泊したっきり家を空ける事が少なかったせいか。

『自立に必要なのは親離れでは無く子離れだ』って言うのは本当に同意するよ。ウチはそれの代表みたいなもんだからな。

 

「あー、うん。ならアレだ。パソコンの通信機能で連絡を取ろう。

 週一回だけな。」

 

「週一回はキツいわね……。」

 

「あぁ。それは流石にキツいぞ我が息子よ。」

 

 コイツ等は全く……。

どうしたもんかな。俺としては月一回でも十分な位なんだけど。

……ん? あぁ、その手が有ったか。

 

「これ以上我が儘言ったら連絡月一回にすんぞ。」

 

 俺は目の前で不満そうにしている親馬鹿共に向かって笑顔で言った。

二人は何度も首を縦に振った。作戦通り。

多分二人には俺の笑顔が大層悪人面に見えた事だろう。

 

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 朝食を食い終わり、暗い雰囲気を纏っている親達を無視して俺は外に出た。

相変わらずド田舎だな……。まぁ原作のマサラタウンと違ってちゃんと数十件家が有り、町としてやっていけてる。

町長はオーキド博士。研究所のデカさが半端無い。マサラタウンの近くの山までオーキド博士の領地だ。

 

 ちなみに、この世界のオーキド博士は『151匹』とは言っていない。

色んな地方の博士と協力して、『667匹』と言っている。

原作知識から考えて、伝説幻準伝の51匹を除いたら丁度その数になる様だ。

 

 スイクンとかコバルオンとかの準伝は姿は記録されているが、詳細は分からないとの事で除外されている。

もしかしたら前世で騒がれていた『ディアンシー』『フーパ』『ボルケニオン』も何処かにいるかもな。

 

 で、今俺はオーキド研究所に向かって歩いている。

11年待ちわびたポケモンを貰える日。本当に楽しみだ。

 

 話は変わるが、何時もはレッド、グリーン、ブルー、そして俺の四人で遊んでいる。

遊び方は多々有り、そのどれもがマサラ人ならではの遊びだ。

その中で良く遊ぶものを紹介しよう。

 

 一つめ、かけっこ。

たかがかけっこと侮るなかれ。

11歳の子供達がマサラタウンの何倍もあるオーキド研究所の領地を一周するのだ。それを5分もかからずに。

陸上選手涙目である。

 

 二つめ、イシツブテ合戦。

オーキド研究所のポケモン達は人を攻撃しない。それを良い事に、何の罪も無いイシツブテ達を投げ合うのだ。

これを考案したのは悪ガキのグリーン当時5歳。5歳でこれを思いつくとは、マサラ人はつくづく恐ろしい。

マサラ人は頑丈で、イシツブテが当たる事は常人が雪玉に当たる事に等しい。

ちなみに俺はポケモンと会話出来るので話を聞いてみると、イシツブテは『儂等は飛ぶ事が出来ないから、投げて貰うと本当に飛んでる様な気分になれて嬉しい。』と言っていた。

そんな事で良いのかイシツブテ達よ……。と言うか、ラッシャイとは言わないんだな。ちょっと期待してたんだけど……。

 

 三つめ、格闘タイプとの戦闘。

これが意外に楽しくて困る。そう考えるのは一部の格闘家とマサラ人位だろうが。

ちなみに此処はカントーなので、マンキー系とワンリキー系とサワムラーとエビワラーしかいない。

バルキーとカポエラーはカントーには馴染めないらしいので出現したら他の地方の研究所に送られる事になっている。

レッドもグリーンもブルーもポケモン達に全戦全勝して、俺は更にその三人に全戦全勝中だ。

 

 そのせいか町の人達から『スーパーマサラ人』と呼ばれる事も有った。

まぁ町中の皆にOHANASHIして普通にイエローと呼ばせる事にしたのだが。

 

 以上3つが良くやる遊びだ。

え? かけっこ以外人間がやる遊びじゃない?

まぁ、マサラタウンだからしゃぁない。

『マサラタウンだから仕方が無い。』何て便利な言葉なんだろうか……。

 

 そうこうしている間にオーキド研究所前だ。

恐らく、幼馴染三人は既に中に居るだろう。

自分のポケモンが貰えるってのは、こんなに嬉しいもんなんだな……。

 

 

この高揚感。緊張感。これからどんな試練が待ち受けているのか。そんな不安すら心地良い。

 

 

 

扉の取っ手に手をかける。まだ見ぬ冒険の世界を想像し、胸が高鳴る。

 

 

 

眼を瞑り、一つ深呼吸をする。旅に出たら、どんな空気を吸うのだろうかと期待する。

 

 

 

数秒の沈黙の後に瞼を上げる。希望に満ちた未来を見据える様に。

 

 

 

 

 

そして―――

 

 

 

 

 

 

 

「よし、行くか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――冒険の扉が、開かれた―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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