非科学的な犯罪事件を解決するために必要なものは何ですか?   作:色付きカルテ

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暗雲降りゆく

 

 

 

 

 ヘレナ・グリーングラスという女性は、現在ICPOの異能事象の対応に当たる実動部隊のトップとしての立場に就いている人物だ。

 

 それは、彼女のこれまでの功績を考えれば本来ありえないような立場であり、彼女はそもそも各国のあらゆる重鎮が血相を変える程度には有名人でもあった。

 古くから彼女が持つ富や名声、築き上げてきた輝かしい歴史。

 およそ300年にまで遡ると言われる歴史だが、その全容を知る者は世界的に見ても彼女自身以外存在せず、断片的にしか語られない生ける伝説そのもの。

 “顔の無い巨人”という世界を襲った厄災と同様に、人間としてはあり得ない程の刻を生きると言われる老女の噂全てを信じる者はそういない。

 

 だからこそ、レムリアという少年を保護するまで長らく現役を退いていた彼女が、突然異能事象の対応を行うICPOの実動部隊を作り上げ、下働きに近いことするようになった時、事情を知る者達は大きく動揺した。

 

 どんな思惑があるのか。

 どんな事情があるのか。

 その名を騙る偽物では無いか、そもそも語り継がれたものは真実なのか。

 

 長らく表舞台に出ることの無かった老人が何故今更。

 富も名声も有する老人が、わざわざ自らそんな組織を作り上げる意図は何なのか。

 異能という名の才能は所詮科学で制圧できる程度のものではなかったのか。

 

 そんな考えがあらゆる国で錯綜したが、結局、その理由はどの国も知りえる事が無いまま現在へ。

 全世界において科学の手には負えない異能による凶悪犯罪が頻発するという、絶望的な時代となったのだ。

 

 

 つまり、この絶望的な時代が来ることをあらかじめ予知していたような、現在もなお輝かしい功績を残し続けるのが目の前の老女…………であるらしい。

 一目でこの老女からこれまで遭遇してきた者達とは比にならない厄介さを感じ取った私の感性に間違いは無かったらしい。

 

 

(……取り敢えず、周囲の人達をこっそり読心してこれだけ情報は取ったけど……え? なんでこんな怪物みたいな大物が目の前にいるの? 私の運悪すぎじゃない……? ただでさえ傷心中で余裕なんて無いのになんで……?)

 

「ちょっと、聞こえてるのかいお嬢さん? ……駄目だね、まったく反応が無くなっちまった。人の顔見てうげぇとか言っていたし、随分な奴だねこの小娘」

「ヘレナお婆さん顔恐いから……」

「そんなこと無いだろう!? 一度叱りつけた相手に怖がられることはあっても初対面で怖がられた事は滅多に無いよ! 妙なことは言わないでおくれ!」

 

 

 上品そうな見た目とは裏腹に粗暴な口調のヘレナという老女とレムリア君が親しげなやり取りをして、私への注意が逸れている内にじりじりと距離を取っていく。

 どう見ても異能の扱いが上手そうなこのお婆さんには、目の前での異能の使用は気取られる可能性が高いので、できれば異能の使用とか無しに逃走を図りたい。

 

 そう思っていたのだが。

 

 

(…………なんて言うか……この人の出力どこかで覚えがあるんだよね。なんだっけ……昔、印象に残るような相手って考えると……)

 

 

 先程の気になった点がどうしても頭に残っていた私はゆっくりと後退しながらも、思い出したくも無い黒歴史を回顧して、ふと思い当たる節に辿り着いて足を止める。

 異能という第六感を使用して世界に広げた私の知覚したものの中に、確かに彼女のような出力を有する人物はいた。

 

 随分昔のそのことをふと思い出したのだ。

 

 

(…………え? この人、まさか……)

 

「あっ、アンタはアンタで何勝手に逃げようとしてんだいっ!? ちょっと待ちな! まだ話は終わってないよ!!」

 

 

 ガシリと、当然のように私の逃走に気が付いていた黒服の人達に肩を掴まれ、レムリア君達の元へと引き戻されていく。

 ずりずりと引き摺られるような雑な扱いに普段の私なら多少騒ぎ立てたかもしれないが、今はそれどころではない。

 

 逃走の失敗なんてものを気にするよりも、ある疑いを抱いてしまった私は引き摺られながらもまじまじと目を丸くしてしわしわの老女の顔を見詰めてしまう。

 

 

「……今度はなんだい? 人を奇妙な生き物を見るような目で見て……どっかで私と会ったりとかしたかい?」

「…………いえ、別に……なんでもない、です……」

 

 

 あれは随分前、私の異能技術が未熟だった頃。

 お互いの姿を見ることは無くとも、存在を認識し合い、意志疎通すらした事がある相手。

 

 じっと見つめた老女の異能が随分昔に見たものに非常に似通っている事を確信する。

 昔と比べて見違える部分はあるものの、根本的な異能の強大さは何一つ変わっていないのを確認し、私は激しさを増す心臓の鼓動を必死に抑え込んだ。

 

 

(多分……多分この人、私の御師匠様だ)

 

 

 きっと、この人にそんなつもりはないだろうけれど、私にとっては大きな成長の要因となった出来事を思い出した。

 

 昔私は異能を広げて世界を見た。

 

 小動物を介し、鳥を介し、人を介し、機械を介し、ありとあらゆる知性体を介する事で到底幼い頃の私の足では辿り着けない場所にいる人達の世界を垣間見た。

 自分の異能の範囲を広げながら、自分の異能の規模を広げながら、私は誰にも知られることなく色んな人達の考えや在り方を見て、助けを求める人をひっそりと助けていった。

 

 私には才能があった。

 いいや、異能の適性があったというべきなのかもしれない。

 試行錯誤を繰り返し、私が自分の異能の理解を深めるごとに、加速的に私の異能の在り方は拡大し、出力は異常なまでの成長を遂げていった。

 

 やれることが多くなった。

 心を読むだけだった異能が、いつしか他人の心を操れるまでに成長した。

 目の届く範囲しか効果が無かった異能が、途方も無い距離を渡るまでに成長した。

 

 そんな恐るべき速さの私の異能の成長は留まるところを知らなかったが、その急激な異能そのものの成長に私の異能の操作技術は全く追いついていなかったのだ。

 

 そんな時に私が出会ったのがこの人物。

 拡大した異能で探知した、誰よりも異能の操作が卓越していた人物。

 唯一私が中継としていた小動物を簡単に見付け出し『下手くそ』と笑った、自分の命が枯れ果てるのを待つだけだった人物。

『長生きは良い事ばかりじゃない』と自嘲するように呟いて、一人寂しく小さな小屋に住んでいた浮世離れした悪い魔女のような人物。

 

 それこそが、目の前のこの老女だった。

 

 天涯孤独のようで、異能を広げていた私に大した興味も無い人。

 見付けた私の異能の中継となっていた小動物を小さな家から摘まみ出し、特に何も害意や敵意を見せない人。

 他人と関わるのはもうこりごりだと言う当時のこの老女の考えに私は戸惑いながらも、当時の私はこれ幸いとこの人を利用して自分の異能の練習を始めることにした。

 

 私が海を越え、あらゆる異能持ちを見て来て、その中でも飛び抜けて異能出力の探知や操作が秀でていた人。

 その経験や技術を越えることが出来れば、私の望む『誰にも知覚されない程に卓越した異能操作』が手に入るのだと確信したから、その時の私は連日のように彼女の元に通い詰めた。

 

 それからその人との関係が始まった。

 見付かって、見付かって、見付かり続けて、その度に何かしらの家事を手伝わされた。

 一種の罰ゲームのように、見付かった時は鳥や小動物を使って掃除や飲み物を用意するのが暗黙の了解となって、それも色々と口を出してくるから料理や掃除でも学ぶことは多かった。

 小さな部屋で古ぼけた本を読むだけのその人から異能に関する話を聞かされたり、独り言のような経験に基づく歴史に関する話を聞かされたり、果てには政治学的なものまで聞かされた。

 そんな関係だったから、口に出したことも無かったしこの人もそういうつもりは無かったけれど、いつしか私にとってその人は「御師匠様」と呼べるものになっていったのだ。

 

 悪くない時間だったのだろう。

 けれど、私が異能の緻密な操作要領を掴み、実践できるようになるまでに、それほどの多くの時間は要さなかった。

 だから彼女とのそんな日々は時間にしてほんの数週間だけだ。

 唐突に、私をいともたやすく見つけ出していた人が私を見付けられなくなってしまい、呆気なく終わってしまった関係ではあるが、私にとって重要な成長のきっかけとなった出会いだ。

 

 本当に見付からないのかと何度か訪問してみたり、私との会話が無くなり寂しそうにしているその人に迫害を受けていた異能持ちを保護させたりはしたが、まさかこうして実際に会う日が来るとは思ってもいなかった。

 

 嬉しくない訳ではないが、直接会いたかったかと聞かれると首を横に振らざるを得ない。

 異能持ちと呼ぶのに適さない、異能使いと評すべき最高峰の存在であるこの人物は、世界中見渡してもこれ以上ない程の最悪の相手。

 

 と言うかそもそも、前々からこの人は勘が鋭い所があって苦手なのだ。

 

 

(……まあ、あの頃から私はもっと異能の扱いが上手くなったし、あの頃の私が分からないこの人じゃ、今の私に勘付くことは無い筈だし。適当に大人しく受け流して、トラブルさえ起こさなければ印象にも残らない筈だよね、うん……油断は本当に出来ないけど……)

 

「……それにしてもレムリア、前々から話してたお姉さんは本当にこれなのかい? 何と言うか、ちっこくて一つ二つ年下の女子供にも負けそうなくらいちんちくりんだし、目も死んでて活力が無いしで、想像していた姿と随分掛け離れてて……ロランが誘ったって言うから、もう少し覇気に満ちた奴かと思ったんだがね……」

「は? 一つ下の妹なんかに負けませんが? 別に背は同年代に比べて少し低いだけで飛び抜けて小さくないですし目も死んでませんが? その目は節穴なんですか? ほら、よく見て下さい。夢と希望でキラキラした目をしてませんか? きっと光の角度でよく見えて無いだけなんですよ。ほらほらほら、ちゃんと見て下さい」

「恐いから急ににじり寄って来るんじゃないよ!? 分かったっ! 私が悪かったよっ! だからそれ以上死んだ目のまま顔を近付けてこないでおくれ!」

 

 

 脊髄反射で私はヘレナさんという老女ににじり寄って顔を近付けていた。

 別に私は気にしていないが、背が小さいとか目が死んでるとか気にする人は気にするのだから、そういう発言には気を付けた方が良いと本気で思う。

 別に私は気にもしないが、やっぱりそういう身体的な特徴を小馬鹿にするのは良くないものだと思う。

 

 

「ヘレナお婆さんが失礼な事言うから……。ごめんね、気にしないでねお姉さん。でも僕だって背は小さくて他の人と比べちゃう事はあるけど、これから成長するかもだし、なんだかんだこれも自分の個性だって思えるものだからね。それに世界は広いから、そういうコンプレックスも含めた自分を好きになってくれる誰かがいる筈だよ! 少なくとも僕は好きだからそんなに気にしないで欲しいな!」

「ま、眩しいっ……!? 偏屈な悪口お婆さんを見た後だから余計にレムリア君が眩しく見える……!? ご、ごめんレムリア君……そんな純真無垢な笑顔を私に向けないで……そのうち消えてなくなりそう」

「……さらっと私の悪口を織り交ぜるんじゃないよ。アンタ意外と肝っ玉据わったクソガキだね……」

 

 

 それにしても、と思う。

 以前異能で認識していた時は生きる気力も無かったし、他人と関わらず、外に出歩こうともしていなかったこの人がこうして出歩いているのを見ると思う所がある。

 その上何をまかり間違ったか、人嫌いで森奥に引きこもっていた人がICPOの異能対策実動部隊のトップを務めているとか、当時を知る私としては正気を疑うレベルだ。

 何をどう心変わりしたらそんなものになろうと思うのだろう。

 

 ……まあ、私が見てきた中でも最高峰の異能使いだから、戦力としては正しいのだろうけど。

 

 

(別れの言葉も無しに会わなくなっちゃったからなぁ……試しに深層心理で私をどう思ってるのか覗いてみたいけど、この人に対して真正面からそれをやる度胸はないや……)

 

 

 でも目の前のこの老女が私にとっての御師匠様だということは、レムリア君はある意味私の弟弟子になる訳なのかと思い直し、思わずまじまじとレムリア君を眺める。

 どうして私にじっと見られているのか分からず、困ったような顔で小首を傾げた彼に対して、私はちょっと仲良くなろうと会話を仕掛けてみた。

 

 

「ところでレムリア君はどうして日本にいるの? 何かのお仕事?」

「えっとえっと……ご、ごめんね。あんまりそういうお仕事の話は出来なくて……」

「あ、そうだよね。ごめんね……えっと、そ、そう言えばレムリア君って凄い若いのにお仕事してるんだね。どんな経緯で働くようになったのかっていうのは」

「えと、えっと……ごめんなさい。それもお話できないみたい……」

「あ、はい……」

 

 

 どうやら私は弟弟子とは仲良くなれない運命らしい。

 改めて私のコミュニケーション能力の無さが浮き彫りになった訳だ。

 ……とても悲しい。

 

 

「お互い会話がど下手なのかい? まったく見てられないよ……アンタら、少し席を外して……楼杏の奴から電話?」

 

 

 私とレムリア君がお互いを見ながら困ったような顔をしているのを見かねたヘレナさんが、何とか場を取り持とうとしたタイミング。

 

 海外の有名な音楽が着信を知らせる。

 ヘレナさんは懐に入っていた携帯電話の着信音に眉をひそめ、素早く通話を始めた。

 

 

『……どうしたんだい? 何か問題があったかい?』

『良い話。“死の商人”バジル・レーウェンフックが引き起こした政府と反政府の抗争は鎮圧した。主だった首謀者のほとんどはもう行動すら出来ない状態』

『アンタならそれも当然だが、よくやったよ楼杏。……それで本題は?』

 

 

 目の前で始まった流暢な英語での電話に私が目を瞬かせ、内容が分からずどうしたものかとレムリア君を見れば、彼もまた真剣な顔を御師匠様に向けている。

 

 何やら嫌な問題が起きているらしい。

 

 

『悪い話。首謀者は全員異能を所持していた。幹部格全員が異能を持っているのは異常。まず間違いなく奴は異能開花の素養がある者を見つけ出す術を手に入れている』

『…………奴は何処にいる?』

 

 

 徐々に険しさを増していく御師匠様とレムリア君の表情に話し掛けることも出来ず、完全に蚊帳の外になってしまった私はブラブラと手を揺らしてちょっとだけ存在をアピールしておく。

 だが、そんなことでは気にもされないようで、黒服達を含めた彼らの視線すら私に向くことは無い。

 

 

『最悪な話。己は指示通り奴は捕獲せず異能で圧死させた。間違いなく奴を4体圧し潰した。だが、どうにもまだいるよう。挑発の電話が残されていた。己、憤慨』

『下手くそな冗談は良い。掴んだ情報を寄越しな』

『行方の分からなくなった旅客機が一機ある。乗員乗客合わせて600人、UNN製の大型旅客機G174。本来の目的地は香港』

『UNN製G174……なるほどね。散々人々を争わせて、自分は高飛びか。ふざけた奴だ。チッ……こっちの収穫は無かったからね。私とレムリアも日本から西側の方向への捜索に加わるよ。楼杏もロランの指揮下に入って対応に当たりな』

『己、了解』

『それから他の奴らにも伝えて欲しいんだが――――』

 

 

 淡々と進んでいく英語の通話に私は理解を諦め、そっと周囲を見回した。

 英語で通話している御師匠様や、幼いながら王子様のような見た目のレムリア君の事が気になるようで、周りの人達はチラチラこちらに視線をやっている。

 平日なのに人通りが多いなぁと、この後何か料理の買い出しをしてから帰ろうかと考え始めた私が、今日の献立について携帯電話で由美さんと相談しようかとしたところで。

 

 

 ――――私は悪意に満ちた異能の出力を感じ取った。

 

 

「……?」

 

 

 周囲には何もない。

 普通の人達が会話し、談笑して歩いている。

 車道の車両も普通に動いていて、以前の“白き神”のような不審な動きをする車両は無い。

 それに前の時のように私達を目掛けて攻撃を仕掛けたものでもないことは、即座に異能の出力元の感情を読み取った事で判明している。

 

 だが間違いなく、私は異能探知の範囲に悪意を持った異能の出力を感じ取っていた。

 

 

(方角はあっち。でも角度は真っ直ぐじゃない……? どちらかというと、上空方向で……)

 

『――――待ちな。妙な出力がある』

『え!? へ、ヘレナお婆さん、僕まだ分からないんだけど……』

 

 

 空を見上げる。

 私は視認できる距離にある旅客機を一機見つけた。

 

 その機体は徐々に近付いて来る。

 高度を落としながら私達の方向に向けて突き進んでくる。

 

 私達のすぐ上空を通り過ぎようとしている。

 

 この近くに空港なんてない筈なのに、まるで着地しようとするように高度を落としている。

 

 機体に書かれたG174の数字が、さらに近付いてきたことで見えて来る。

 そして、やけに近い距離で私達の上空を通過したその機体が、けたたましい音を上げながら少し先にある建物へと突っ込む形で着陸していく。

 

 

 そこは確か、新しく開店したばかりのショッピングセンターが建っている場所だった。

 

 

 何かを予知したような悲鳴が、周りから響き渡っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 12月20日17時46分

 

 凍てつくような寒さとなってきた日本のそんな夕暮れ刻。

 日没の遅い夏場とは違い、陽が沈み暗さが増してきたこの時間帯にそれはやってきた。

 

 人の溢れる街中に広がった巨大な影。

 何かに気が付いた小動物達が脇目も振らずに逃げ出して、電柱や建物にいた鳥達が一斉に飛び立ち危険をお互いに知らせるように騒ぎ立てる。

 動物達の慌てるようなそんな行動が目に入り、仕事終わりの社会人や少し遅く帰路に就いていた学生達がそれに気が付いた。

 

 やけに近い距離から聞こえてくるエンジン音。

 空気の振動が肌に伝わってくるほどの巨大な機体の滑空。

 そして、数秒遅れでやってきたあまりに強い突風に思わずよろめいてしまった人達は慌てて何事かと空を見上げる。

 

 空港や滑走路も無いような東京の中心地。

 その場所ではありえないような距離を大きな旅客機が飛行している。

 そんな大きな旅客機が落下するように高度を落としていく光景を見ても、立ち止まり呆然と見上げ続ける人達がそれを現実だと理解するのは、旅客機がひしゃげる大きな音を聞いてからだった。

 

 後の世で、『航空G174ハイジャック-新東京マーケットプラザ襲撃占拠事件』と呼ばれる世界的な有名な事件はここから始まったのだ。

 

 

 

 

 


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