ガールズバンドとヴァイオリニスト   作:アリアドロス

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作者は豆腐
作者は豆腐
作者は迷走中


選定と根底

 結果的にはイレギュラーが多かったが、コンサートは征のアドリブによって事なきをを得た。

 征達メンバーはコンサート終了後、彩を含めて楽屋に戻ると各々の理由で沈黙を保っている。

 理由からしては最も会いたくない者に出会った者、好いた人間を見つめる者、自尊心を引き裂かれた者、敵対した人間を睨む者、重たい空気に口を開けない者。

「タクティカルライトやスタンガンなんてどうやって持ち込んだ、会場に危険物は持ち込めない様に徹底させていた筈だが」

 沈黙を破ったのはこのコンサート主催者の一人であり、根本的原因である征だった。

 彼の発言はある意味至極当然である。警備に不備があり、もしもの事が起きてしまったら世の富豪達が集まったコンサートだ、中止以上に下手をしたら最悪外交問題になってしまう。

「嫌な予感がしたから貴方の荷物に紛れ込ませておいたのよ。貴方のことだから後々(あとあと)護身用だって気付いて返却してくれると思っていたのだけどーー気付いていないみたいだったから二人に気づかれない様に抜き取ったのよ」

 征はそうかと言うとそれ以上言及しなかった、興味を失った、問題が無かったなら後は何しようが構わない。征にとってはコンサート自体のイレギュラーはどうでも良い、重視するのは過程ではなく結果である。

 征は終わった事にはどうでも良いのかコンサート衣装を脱ぎ、私服にへと着替える。

「せ、せせ、征君何で急に着替え始めるの!? 」

「ん? あぁ、すまん彩。 楽屋の中だったからつい癖で着替えしまって、少し背を向けてくれるか? 」

 慌てて背を向ける彩に対し征はそう言うと、他のメンバーにも視線を向ける。

「向こう向いていてくれるか? 流石に恥ずかしいんだ」

 征は、声音だけ装うと眉根も動かさず言い、他のメンバーも後ろを向かせる。

「……うん、もう良いよ。それで、このまま帰るつもりだが別の車を用意させて送ってやろうか? 」

 征は黒いワイシャツにベージュのパンツといった自身が纏っている雰囲気にマッチした服装に着替えると自身の荷物を持つ。

「一緒の車で良いわ、運転手に申し訳ないもの」

 千聖はそう言うとポーチからスマートフォンを取り出し電源を入れる。数秒程間を置いて表示された画面に顔を曇らせると案の定かと溜息を吐く。

「どうした? 」

「事務所よ、耳が早いことにもう聞きつけてきたみたい」

 千聖は鳴り止まないバイブを止めるために画面をスワイプする。

「はい、白鷺です」

『白鷺さん、貴方が何をしたのか分かっているのですか!? 』

 少し耳を離してしまっている千聖の側から漏れ出る大声に征は日本人の労働意欲に感心してしまう。

「いえ、これには色々あってですねーー」

『色々って何ですか! こちらはですねーー』

「ですから今からこちらのーー』

『ーー!? 』

 落ち着いて事情を話そうとする千聖対し、事務所の人間は既にパニックに陥っているのかこちらの話を取り合おうとしない。

 既に征も部外者ではないと自覚しているのか、他のメンバーの手荷物を持ち始める。

「彩、今から君達の事務所に行くから準備してくれ」

「えっ? あ、うん」

 唐突に話を振られた彩は素っ頓狂な返事をしてしまう。

「いえ、ですからーー」

「千聖、代わってくれるか」

「あっ、ちょっと征まだ話が」

 千聖の静止を相も変わらず聞く耳を持っていないのか征は千聖のスマートフォンを取り上げ耳に当てる。

「こんばんわ、勤勉ですね」

『だ、誰ですか貴方は!? 今すぐに白鷺さんに代わってください! 』

「今からそちらにお金の話で伺うのでお茶でも用意して待っていてください」

 征はそう言うと通話を切り、千聖に返す。

「……征、良かったの? 自分から面倒ごとに首を突っ込みに行くなんて」

「何もしなくて更に面倒になるよりマシだ、それに日本人は金のなる木は大好きだしね」

 皮肉めいた征の言葉に千聖はまた溜息を吐いてしまう。本人は全く悪びれてもいないのが余計にタチの悪く、尚且つそれを行動に移せてしまう傲慢さも相まって千聖の肩の荷がなお重くなる。

「先に紗夜と花音を送ってからになるが、まぁそれで良いか。人なんて待たして普通だ」

「普通って……」

 彼からしたらただでさえ今日は面倒ごとのFEVERだったのだから少しぐらいこちらが迷惑を掛けさせたい気分なのだろう。

「それで話は変わるが紗夜、アンタはまだ音楽を教えて欲しいか? 」

 弟子なんて最初から取る気なんて無い、楽屋ではあぁは言ったがそんなもの建前であって、潰そう思えば潰す手段なんて幾らでも有る。同族嫌悪かもしれないが態々同じ道を辿って成長しようと考えるのなら、それ相応の覚悟しないといけない。

「私は……」

 唯、彼女は優しい、同族になってしまったらその優しさも失われてしまう。人を信じられなくなれば待っているのは成長を代価に手に入る底の無い孤立だ。

「生憎と誰かに誇れる様な生き方をして来なかったからね、こんな形でしか選ばす事ができない」

 来ないなら上場、人である事を捨てるのならそれならそれでも構わない。だがこれまで関係を持ち続けてきた人間達との交流はどうなるのか、無かったことになるのか。

「取り敢えず車に行こう。紗夜、もし、まだ諦めきれないのなら明日学校が終わったら訪ねてきてくれ」

 いや違う、伸びた糸は複雑に絡み合い最悪の結果を招く。

 必要のない物を識別して手放すことも、知恵の一つだ。だが紗夜、この力は本当に必要な物かよく考えるべきだ

 征は頭の中でそう考えていると無意識に口を動かす。

『この世は人間には生きづらい』

「何か言った? 」

「いや、何でもない」




次は幕間を書こうかな……
誤字、脱字、難しい表現があったら教えてください

復帰に対して

  • おかえり
  • 新作も並行してかけ
  • 誰だお前
  • これを完結させろ
  • トウフ
  • トウフ(求めてた続編と違う感)
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