長くなりそうだったので中途半端ですが切りました
(コンサート会場には初めて来ましたが思っていたよりも大きいのですね。)
紗夜はそんな独り言を心の中で呟いていると、着慣れないドレスを身につけている花音が千聖の腕にしがみ付きながらあわあわと右往左往に首を動かしては涙目になっている。
「ふうぇぇぇ。みんな凄くお金持ちそうだよ千聖ちゃん」
「そうですね、それは私も松原さんと同意見です」
「大丈夫よ、私達はちゃんと招待された身なのだから他の人たちからもそう見えているわ」
千聖は慣れない衣装に身を包んだ二人にフォローを入れながら共にを歩いていく。まだ開演までは時間があり、客であろう人達はまばらに見えるくらいで係のものが一人一人客を交代で案内していっている。
「指定席の案内受付は……こっちですね」
紗夜は二つ用意されている受付口のうち、片方を示すと先程歩いていた人達より少し高価なドレスを纏ったが女性がゆったりと男のエスコートに寄り添いながらその道のりを歩いていた。
紗夜達も二人の背を追う様に歩いて行くと二人の男達が彼女達の進路に割って入ってくる。
「失礼ですがこれより先は指定席の方のみ、お通り頂けるようになっております」
一人の男がサングラスを付けた状態でそう言いながらこちらを見下ろすと、その態度に不快感を煽られたのか紗夜や千聖は眉間に僅かだが皺を寄せる。
「申し訳ありませんが私達もこちらへ正式に招待されているのでーー」
紗夜はポーチの中から、先日千聖に貰ったコンサートチケット見せると男達は驚いた顔をし、お互いの顔を見合わせる。
「通していただけますか? 」
「……申し訳ございませんが、確認させて頂きます」
男は苦し紛れの言葉を吐きながら紗夜のチケットを拝借すると額に脂汗を滲ませる。
千聖は本人から貰ったのに偽物の筈があるわけが無いと心の内で鼻で笑う。
「もう宜しいですか……? 」
「っーーど、どうぞお通りください」
紗夜の発言に男達はおずおずと道を開けて行く。紗夜は安堵したのかほっと息をつくと髪を一度かきあげ、彼らの姿を傍目に堂々と通って行く。
千聖達も彼女の後を追い、紗夜らしいといえば紗夜らしかった彼女の行動に二人は彼女の後ろ姿を見ながらクスリと笑った。
「な、なんですか。二人して笑うだなんて……」
「ううん、違うよ紗夜ちゃんがカッコいいなと思っただけなんだ」
少し顔を赤らめる紗夜に花音は素直な感謝の言葉を送る
「えぇ、凄く助かったわ。あまり目立つのは良くないもの」
千聖も紗夜に対し礼を述べる。しかし彼女は二人から送られる言葉に逆に気恥ずかしくなったのか更に頬を赤くしてしまう。
「そ、そんなことより随分と厳重な警備とは思いませんか? さっきの黒服の人といい、至る所に警備の方が立っておられますし」
紗夜は受付口に近づくにつれ、先程と似た服装の人物達が増えてきている事に疑問を感じてしまう。
「彩ちゃんが言うには世界中のお偉いさんがこぞって聞きにくるぐらい凄い演奏だって、もしかしたらその護衛の方かもしれないわね」
「それだったら、こころちゃんの所の黒服さん達も居るかもしれないね」
紗夜達はそんな他愛もない会話をして行くと数分ほどでコンサートスタッフのいる受付に辿り着く。
「チケットをご確認させて頂きますーーーーはい、ありがとうございます。」
スタッフは、紗夜達のチケットに必要な処理だけを施すと側に控えていた案内人に耳打ちをする。案内人も直ぐに理解したのかスタッフに対し首を一度だけ小さく振る。
「お待たせ致しました。ではホールまでご案内させて頂きますが、先に楽屋にて八潮様がお呼びですのでそちらへご案内いたします」
「それは三人ともですか? 」
千聖は征が他人を呼ぶ事なんて考えられず思わず確認をとってしまう。
「えぇ、何でもご友人の方への挨拶と千聖様にも個人でお話があるとか」
「友人、ね」
あくまでも外面は完璧に演じる。千聖は彼の行動理念に言葉を少し詰まらせる。
「それではこちらへ」
「えぇ」
わかっている、私も役者だ。人間の負の部分を隠すのは人間の性であり、無意識だ。
千聖は右へ左へ進む案内人の後ろをついて行きながら考える。
「千聖ちゃん? 」
「ーー大丈夫よ花音」
自身の隣を歩く花音の呼びかけに意識をこちらに引き戻された千聖はすぐにいつもの自分に戻ると、咄嗟にした自分の行動に嫌気を覚えてしまう。
(これじゃ、私も征と同じね。常に相手が願う理想的な姿を演じて何事も無かったかのように見せる)
「ねぇ、花音。素直になるって難しいわね」
「? 千聖ちゃんは凄く素直だと思うけど」
花音は何を言っているのだろうと頭の上にクエスチョンを浮かべていると、唐突に彼女はその場で足を止めてしまう。不意に足を止めた花音に対し千聖は振り向くと、まるで壁にぶつかったかのように顔を青くして足を止めている。
「どうしましたか、松原さん? 」
紗夜は動かなくなった花音を案じ、肩に触れようとした瞬間、進行方向である楽屋方面から怒声が響き渡たった。
「征、お前! 産んでやった恩を忘れたか!! 」
「悪いがそう言うのは親としての当たり前をやってから言ってくれ」
征は楽屋の椅子に座りながら目の前で腹を立てている自身の父親に対して何処吹く風と言わんばかりに冷静に言葉を発している。
「あれは貴方に対する教育よ。誰にも頼る事なく自己解決をできるようにするための私たちなりの愛情よ、わかりなさい」
「教育ね、わかった」
両親達は漸く白旗を上げた思い、目配せをする。
「なら社長の座を譲れ。できるだろ? 愛している息子の頼みなら」
アンケートに答えて下さった皆様ありがとうございます。
アンケート的には『早よ書け』が多かったですね、反省します。
あと、『GOMI』にも票が入っていましたがワザとですよね? 知っていますネタでやってくれたのだと信じていますから
じゃないと僕のお豆腐さんが崩れちゃう
『神』に入れて下さった方もありがとうございます。励みに変えて続きを書きます。
作者ーー
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GOMI
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はよ書け
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死ねー!!
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変人
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神だー!