ガンダムビルドダイバーズ リレーションシップ   作:二葉ベス

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2章完結! 自覚とそして……。


第26話:やさぐれ女と胸の思い。そして……

【夏だ!海だ!】フォースフェススレpaet***【水着フェスだ!】

1:名無しの一般参加フェスダイバー

ここはGBN内で不定期に開催される『フォースフェス』について語るスレです。

フェス参加のメンバー募集や、コーディネートについての相談などはそれぞれ専用スレでお願いします。

 

【フォースフェス特設ページ】(http://・・・

【フェス参加メンバー募集スレ】(http://・・・

【コーディネート相談スレ】(http://・・・

 

 ◇

 

403:名無しの一般参加フェスダイバー

水着フェスが終わったらどうなる?

 

404:名無しの一般参加フェスダイバー

知らんのか? 夏祭りフェスが始まる

 

405:名無しの一般参加フェスダイバー

フェスが終わった後にフェスをぶっこんでくる鬼畜GBN運営は一体何なんだ

 

406:名無しの一般参加フェスダイバー

分かる。俺、すぐにフォースメンバーと神社エリア行ったもん

 

407:名無しの一般参加フェスダイバー

ワイ、フォースでハブられマン。

リア充どもの買い出しに行かされる

 

408:名無しの一般参加フェスダイバー

オォン……

 

409:名無しの一般参加フェスダイバー

食って忘れろ

 

410:名無しの一般参加フェスダイバー

アルコールもあるからなGBNには!

 

411:名無しの一般参加フェスダイバー

しかも雰囲気酔いだけで、実際に飲んでるわけじゃない!!

 

412:名無しの一般参加フェスダイバー

しかも脳波コントロールできる!!!

 

413:名無しの一般参加フェスダイバー

最近のアルコールすげーな

 

414:名無しの一般参加フェスダイバー

実際は身体の中にアルコールを入れてるわけじゃないけど、

アルコール飲んだときと同じ作用が発揮されるらしいから、運転はするなよ

 

415:名無しの一般参加フェスダイバー

調子に乗った社会人がそれでどれだけブタ箱にぶち込まれたか……

 

416:名無しの一般参加フェスダイバー

お酒はちゃんと管理できてこそ大人だからな

 

417:名無しの一般参加フェスダイバー

でも甘酒ぐらいは行けるやろ

 

418:名無しの一般参加フェスダイバー

それはいくらでも飲め

 

419:名無しの一般参加フェスダイバー

そういえば、公開生配信でちのちゃんが日本酒ガバ飲みしてたな

 

420:名無しの一般参加フェスダイバー

お嬢……

 

421:名無しの一般参加フェスダイバー

まぁ2年前ぐらいから吹っ切れたのか、

「永遠の17歳だから、お酒ぐらい飲めるんだよ」って言ってたっけ

 

422:名無しの一般参加フェスダイバー

永遠の17歳、とは

 

423:名無しの一般参加フェスダイバー

ほぼ死に設定

 

424:名無しの一般参加フェスダイバー

馬鹿野郎お前! 17歳だって名乗ってるけど、あの溢れ出る母性がいいんだろうが!

 

425:名無しの一般参加フェスダイバー

セッちゃんと一緒にいる時はめちゃくちゃ気持ち悪いけどな

 

426:名無しの一般参加フェスダイバー

たまにセッちゃんが遊んでたら後ろの方で腕組んで目元細めてるんだぞ!

それがいいんだろうが分かってねぇな!

 

427:名無しの一般参加フェスダイバー

ちのちゃん、割とギャップの塊だからな

 

428:名無しの一般参加フェスダイバー

そういや今日はミスターMSと一緒に解説にいたっけ

 

429:名無しの一般参加フェスダイバー

ランカーで有名G-Tuberだとやっぱ呼ばれるんっすねー

 

430:名無しの一般参加フェスダイバー

登録者、今は10万人だっけ。普通に考えてやべぇよな

 

431:名無しの一般参加フェスダイバー

もっと伸びてほしいけど、面倒なのも増えそうだからなぁ

 

432:名無しの一般参加フェスダイバー

でもたまにこうやってお酒で発散してると思うとかわいいじゃないか

 

433:名無しの一般参加フェスダイバー

酒、偉大

 

434:名無しの一般参加フェスダイバー

そりゃ禁酒法も出てくるわ

 

435:名無しの一般参加フェスダイバー

飲め……もっと飲め……! 美味いぞ……!

 

436:名無しの一般参加フェスダイバー

うわこわ

 

437:名無しの一般参加フェスダイバー

そういえばELダイバーってお酒飲めるの?

 

438:名無しの一般参加フェスダイバー

さぁ?

 

439:名無しの一般参加フェスダイバー

フレンちゃん普通に飲んでたけど

 

440:名無しの一般参加フェスダイバー

フレンって誰

 

441:名無しの一般参加フェスダイバー

フレンはフレンやぞ

 

442:名無しの一般参加フェスダイバー

ほら、バードハンターのエンリと一緒のフォースの

 

443:名無しの一般参加フェスダイバー

あぁ、今日スイカ割りでニューレコード叩き出してた

 

444:名無しの一般参加フェスダイバー

あのチャンプと一騎打ちして見事に返り討ちにあった

 

445:名無しの一般参加フェスダイバー

あのミスコンでツインテールが眩しかったけど、胸は控えめの

 

446:名無しの一般参加フェスダイバー

>>444からめちゃくちゃ失礼だな

 

447:名無しの一般参加フェスダイバー

割と印象良くない人多いだろうしな

 

448:名無しの一般参加フェスダイバー

分かる。戦い方がな

 

449:名無しの一般参加フェスダイバー

俺対戦したことあるけど、結構礼儀正しい子だったよ。

顔はめちゃくちゃ怖いけど。

 

450:名無しの一般参加フェスダイバー

俺も戦ったことはあるけど、基本的には普通なんだよな

懐に何か抱えてそうなタイプだったけど。

 

451:名無しの一般参加フェスダイバー

てか、エンリってGPD時代に最後の全国大会で一回戦敗退した子だろ。

堕ちた堕天使ってあだ名で有名だった

 

452:名無しの一般参加フェスダイバー

堕ちたwwww堕天使wwwwwww

 

453:名無しの一般参加フェスダイバー

堕天使は堕ちてる定期

 

454:名無しの一般参加フェスダイバー

めっちゃ気になるんだけど。

G-Tubeに落ちてる?

 

455:名無しの一般参加フェスダイバー

エンリの黒歴史時代気になる

 

456:名無しの一般参加フェスダイバー

有名だとこういうのが怖いよな

 

457:名無しの一般参加フェスダイバー

まるで大人になった子役が改めて子供の時の映像を見て悶えるやつや

 

458:名無しの一般参加フェスダイバー

そうそれ。おそロシア……

 

459:名無しの一般参加フェスダイバー

ほいこれ。地方大会決勝のやつだったけど

 

【URL】

 

460:名無しの一般参加フェスダイバー

さんくす

 

461:名無しの一般参加フェスダイバー

地方大会決勝って、エンリと誰だっけか

 

462:名無しの一般参加フェスダイバー

……あれ?

 

463:名無しの一般参加フェスダイバー

どした?

 

464:名無しの一般参加フェスダイバー

これ、ナツキちゃんじゃないか?

 

 ◇

 

「うぅ……気持ち悪い……」

「あんなに調子に乗ってお酒を飲むからそうなるんですわよ!」

 

 夏祭りフェス。目の前ではオレンジ色の浴衣姿を見に包んだフレンが膝に手をついて気持ち悪そうに下を向いている。

 それもそのはずか。屋台に行ってはビールを頼んで、焼き鳥を頼んで。

 屋台に行ってはビールと焼きそばを頼んで。

 屋台に行ってはビールとたこ焼きを頼んで。

 お酒がまだ飲めないわたしでも分かってしまった。これは悪酔いしてしまうと。

 

「だって~、テンションぶち上がっちゃんたんだもん~~~~!!」

「ほら水ですわ。ゆっくり飲むんですのよ?」

「うっぷ……」

 

 ELダイバーでも悪酔いはするらしい。わたしは割とどうでも良い知識を1つ得てしまっていた。

 と言うか、見た目年齢だいたい17歳ぐらいだけど、お酒を飲んでよかったのだろうか。

 あれが未成年に禁止されているのは歯止めが効かないのと成長に悪いからという話を聞いたことがあるが、ELダイバーにはそれが通用するのか否か。

 ELダイバー法なんてのが最近生まれたとの話を風のうわさで聞いたから、徐々にELダイバーが権利を得ていくんだろうなって、漠然と思う。

 ただ、これはあまりにも止めた方がいい内容だったけど。

 

「みんなと一緒に回れるなんて幸せじゃん……そりゃテンアゲよ」

「フレンさん……! 嬉しいです!」

「なら次はちゃんとセーブするんですのよ。介抱するこっちの身にもなってくださいまし」

 

 わたしだって言われて嬉しくないわけがない。

 フレンの嘘の混じっていない、本音が聞けてなんだか背中が痒くなってしまうぐらいにはわたしも幸せ、というものを感じているのかもしれない。

 同時に、わたしの研ぎ澄ましていた復讐心が鳴りを潜め始めているのを感じる。

 このままでいいんじゃないかって。誰にも打ち明けずに、ただこの4人と一緒に、ケーキヴァイキングとして、八つ当たりなんて忘れて穏便に過ごすだけでもいい。

 それなら、わたしのこれまでに理由があったのか。

 わたしのこれまでが無駄だったんじゃないか。

 わたしのこれまでが無意味だったんじゃないか。頭によぎるだけで恐ろしかった。

 前を向くのも、歩くのも。もうひとりの自分を置いてくようで、怖い。

 

「エンリさん?」

「……何」

「いえ。ちょっと暗い顔をしてたので」

 

 ホント、なんでこんなズブの初心者にここまで心を漬けこまれているんだか……。

 ユーカリ、なんであの時わたしに嘘をついたの?

 人の心が分からなくても、嘘かホントかは分かる。あの時の顔は笑顔だったけど、滲み出るオーラが、嘘を付く慣れていない優しいあんたから嘘が出てくるなんて。

 あんたでも、嘘を付くんだね。ほんの些細な嘘。でも、わたしを動かすには十分で。

 

「ユーカリ」

「はい! なんですか?」

 

 どうして。

 そう言いかけて、拳を握りしめた。

 ダメだ。このまま4人がいいって思ってたじゃないか。それをわざわざ壊す理由にはならない。

 分からない。わたしには、人の心が分からない。

 分からないから、背を向ける。振り向いた先にあるものは、ただの復讐心。

 わたしは、どうすればいいんだろうか。

 

「なんでもないわ。それより、フレンをどうにかしましょ」

「うぅ……すまぬぅ……」

 

 ノイヤーは背中をさすりながらゆっくり人の波から離れて、フレンをベンチの方へと連れて行く。

 擬似的にユーカリと二人っきりになる。正直今は話したくないのに。

 

「フレンさん、あんなに酔い潰れちゃって。よほど楽しかったんでしょうか」

「そうなんじゃない。気持ちは分からないでもないから」

「ッ! エンリさんもですか?!」

 

 食い気味食い気味。わたしの正面に立って食い入るように、このつまらない顔を見るユーカリ。

 しばらくしてこれが失言だったと確信した。そりゃ、こうもなるか。

 あんまり素直に感情を表現したくないから、彼女の視線を避けるようにして顔を上にあげる。

 

「まぁ。たまには悪くないわね、こういうのも」

「よかった。エンリさん、ミスコンの時、ちょっと心配だったから」

「……何が?」

 

 ミスコンの時、わたしは何故かノイヤーをライバル視していた。

 なんでかは分からないけど、二人っきりの時間を邪魔されたくなくて必死だったのは覚えている。

 結果は惨敗だったし、もしノイヤーと1票差あったら。そんなIFを考えてしまうぐらいに。

 どうして、そんなにユーカリに対して固執するのか、自分でも分からなかった。

 

「無理やり参加されたって思ってたら、怖くなっちゃって」

「……嘘ついたこと、今も考えているの?」

「っ! どうしてそれを?!」

 

 あんたの態度を見てれば分かる。

 あの時の笑顔は上っ面だけテープで貼ったような、薄っぺらなものだった。

 何かを隠しているような、何かを見せたくないような、そんなハリボテの嘘。

 

「私、ホントは所有権が、とか、二人っきりが、とかどうでもよくって」

「じゃあなんで……」

「ここまで来ちゃったら、やめれないじゃないですか。後悔しました、もっとちゃんと断っておけば、エンリさんが辛い思いしなくて済んだんじゃないかなって」

 

 その笑顔は、他のどれとも違う後悔に満ち溢れたものだった。

 自分の選択によって、全てが台無しになって。誰も救われないようなルートにたどり着いてしまったんじゃないかって。

 そして、その顔には見覚えがあった。地方大会決勝戦。ナツキが最後に見せた、あの薄っぺらで、今にも崩れてしまいそうな笑顔。

 

「……なんで、あんたも同じ顔をするのよ」

「え?」

「っ! なんでもないわ」

「は、はい……」

 

 後悔は先に立たず。

 後ろに立つくせに寂しがり屋なのか、ずっと後ろをついてくる。

 今のわたしも、ユーカリも、あの時のナツキも全員同じだ。同じく後悔に苛まれている。

 でも、どうにかしたいとは思ってる。今いるわたしたちも、もしかしたらあの時のナツキも。

 今を生きるわたしたちに、過去をどうこうする力はない。

 今しか、変えられない。

 

「ユーカリ」

「はい!」

「あんたが気に病む必要はないわ。だって……」

 

 そのだっては、誰のため?

 わたしが3番勝負にノッたことだって。

 チャンプを倒していいところを見せようとしたことだって。

 スイカ割りでストレスを発散したのだって。

 ユーカリにミスコンに出ていいか聞いたのだって。

 

 ユーカリと一緒に遊びたいのだって。

 

 全部全部自分のため。わたしが、わたしを慰めるのに必要だったから。

 

「わたしが『好き』でやったことよ」

 

 声に出して、口に出してようやく理解した。

 いくら誤魔化したってその事実は変えられない。

 ノイヤーを目の敵にしてたのだって、ユーカリが視界に入る度に少し浮ついたのだって。全部。全部……。

 

 ――わたしが、ユーカリを『好き』だってことじゃない。

 

「なら、いいのかな」

「いいのよ。わたしの好きでやってることなんだから」

「なんか接続詞、変じゃないですか?」

「変じゃないわよ」

 

 思わず笑みが溢れてしまう。

 分からなかったけど、人を好きになるってこういう事を言うのかね。

 ナツキも、そういう気持ちだったんだろうか。

 

「あの。これ、お詫びです」

「あんた、これ……」

 

 差し出されたのはミスコンの投票券だった。なんでこんなところに……。

 いや、なんとなく分かった気がした。

 

「私、エンリさんかノイヤーさんかって決められなくて。だから投票できなくて」

「……ユーカリ。これは、そういうことでいいの?」

「今日はもう遅いのでダメですけど、また後日、お願いしてもいいですか?」

 

 お願いって。ホントはわたしがお願いしたいぐらいなのに。

 わたしが、ノイヤーと戦って決着を付けるべき内容なのに、そんな。そんなの……。

 

「えぇ、よろこんで」

「ありがとうございます! えへへ、エンリさんとデート!」

 

 そんな態度だからあんたはノイヤーにも好かれてるんでしょうが。

 目の前の魔性の女にため息を1つつく。

 ユーカリ。あんたは多分わたしのことだけを見てくれないだろうけど、わたしは、あんたのことが、ユーカリのことが……。

 

「……エンリ、ちゃん?」

「どうしたの、ナツキ」

 

 ピシャリ。その声でわたしの中の刃が恋心を引き裂いた。

 青めの黒い色が肩まで伸びたサラサラの髪。

 青い瞳で、可愛いよりも美人よりの顔立ちで。

 旅人みたいなラフな格好が、今日は浴衣に書き変わっている。

 

 その声は、わたしが会いたくても、会いたくないと念じていた復讐の相手だった。




彼女は出会った。恋心と、因縁の相手に……
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