ガンダムビルドダイバーズ リレーションシップ   作:二葉ベス

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4章も終わるので初投稿です。


幕間3:文豪ストレングスの日常

 メロスは恍惚した。

 必ず、かの暴虐邪智のアディNを除いたケーキヴァイキングも見守ると決意した。

 メロスにはケーキヴァイキングが分からぬ。

 メロスは、文豪ストレングスのメンバーである。

 百合を見て、友のトーマと遊んで暮して来た。

 けれども百合に対しては、人一倍敏感であった。

 

「情報が少なすぎる……」

 

 掲示板をちまちまと調べていても、出てくるのはフォースのリーダーであるユーカリと言う子が「ばっどがーりゅ」や「悪ぶったチワワ」というあだ名で通っていること。

 その恋人であるエンリと言う子は、かの有名な「バードハンター」という飛ぶ鳥を落とすダイバーで有名だということ。

 ギャルのELダイバーということで、ギャルネットワークが凄まじいフレンという子も実際のところ強いし、可愛いと聞く。

 そして最後に入ってきたムスビと言う子とやけに親しいということ。

 この子に関してはいろいろ憶測が飛んでおり、件の問題の発端となった1人、ノイヤーという子の転生アカウントなんじゃないか、ともっぱらの噂だった。

 

「相変わらず君は人の関係性を見ているのかい?」

「それはお前もだろ、トーマ」

 

 目の前で「人間観察」と言う名目で、ずっとカフェテリアに入り浸っている小説家ダイバーに言われたくはない。

 とは言え、俺の主な活動場所はエントランスエリア。カフェテリアではないのだ。

 

「君も持ち場をカフェにでもすればいいじゃないか」

「それも考えたんだけどな。あー、俺自身がGBNの一部になって百合を発見したら、その場に急行できるオタクになりてぇ」

「相変わらず突拍子もない事を言うねぇ」

 

 などと言いながら、トーマの視線の先には男と女がいちゃついているところが見える。

 あぁ言うのを見ていると、俺もそろそろ結婚とか考えなくちゃいけないんだろうなー、と思うものの、百合を眺めているだけで美味しいからいいか、と言う結論に至るわけで。

 

「俺はお前と違って物を考えて、その上で脊髄で言ってるからな」

「それもどうかと思うぞ」

 

 メロスは激怒した。かの暴虐邪智なトーマを除かねばならぬと。

 というのはさておき。アウトロー戦役から数日。GBN内も割りかし混乱が収まってきたように見える。

 先にも言ったけど、ケーキヴァイキングはどうやら4人での活動を開始したらしい。

 情報を見ている限り、おおよそ1,2ヶ月ほど3人で活動していたらしかったが、ついに、と言う形だった。

 だが、いかんせん公開されている情報が少なすぎる。

 ユーエンなのか、エンユーなのか、とか。実際はフレンとムスビはできているのではないか、とか。そんな事ばかり考えてしまう。

 春夏秋冬のときも考えたが、フォーススレを建てるのも悪くないかもしれない。あれだけの活躍をしたのだ。立っていてもそこそこ伸びるはず。

 だが、ケーキヴァイキングはどちらかと言えばヴィラン系のフォースになってしまう。本人がそれを望んでいるか否かは関係なしに。

 結果的にはマナー違反者たちの味方をしたのだから、あまりいい目では見られないだろう。

 でもなー。あれだけ大胆な告白しておいて、スルーするってのもなぁーーーーーー。

 

「なぁトーマ。ケーキヴァイキングのスレ立てようと思うんだけど、どうかな」

「僕に聞かれても。勝手にすればいいじゃないか」

「でもよー。あの子達を取り巻く関係というか目というかさぁ。あの一件でマナー違反者たちが割と図に乗ってるんだぞ?」

「はぁ……」

 

 叩いていたキーボードの手を一旦止める。

 呆れ気味に吐き出したため息には、心底どうでもいいのだろうという意味が含まれていたことだろう。

 トーマは懐のアイテム袋から、1本の万年筆と紙を取り出して、スラスラと何かを書いていく。なんだ?

 

「人の落ち度は、許すより忘れてしまえ。そういう名言がある。つまるところ、ケーキヴァイキングのいいところを並べて、この一件があったことを忘れさせてやればいい。そういうことでいいんじゃないか?」

「人の落ち度は、許すより忘れてしまえ……か」

 

 人は誰しも何かをやらかす生き物である。何も悪いことをしていないということは、それは生後間もない子供か、何もしてこなかった人間ということになる。

 その都度許すとか言ってたら身が持たないなら、それこそ忘れてしまった方がいい。そういうことなのだろう。

 

「たまにはいいこと言うな、トーマは」

「これでも小説家だからな」

 

 と言いながら、今日もガンスタグラムに1日1回更新のSSを投げ込んだらしい。

 コーヒーを飲みながら、友に感謝する。ありがとう、これで俺の癒やしがまた一つ増えたよ。

 

「ところで進捗はどうなんだ?」

「っ……! だ、大丈夫も何も。僕は天才だからね。そんな凡人に対するような煽りを……」

「トーマ先生」

 

 後ろから聞こえる低いながらも、しっかりと耳に残るその怒り。

 立っていたのはケント。トーマの編集担当ダイバーであった。

 おもむろに立ち上がったトーマはそのまま後ろを見ることなく、カフェテリアからダッシュしていった。

 

「おい、トーマ! 原稿は大丈夫なのか?!」

「それを君に教える義理はない、ケント!」

「僕は編集担当だぞ!!」

 

 これもある意味カフェテリアの名物、か。

 仕方ない。ここは名言代ってことで、俺が建て替えておくことにするか。

 掲示板を開いて、新しいスレッドを表示させれば、彼女たちのことを思いつつ、キーボードを走らせるのだった。

 

 ◇

 

【アウトロー】ケーキヴァイキングについて語るスレpart1【戦役】

 

1:名無しのアウトロー

ここはフォース『ケーキヴァイキング』について語るスレです。

ルールを守って楽しく語りましょう。

ケーキヴァイキング以外のフォースについては、別スレで語るようお願いします。

 

Q.ケーキヴァイキングってなに?

A.アウトローを名乗ってる4人組のガールズフォースです。アウトロー戦役が記憶に新しいですね

 

ケーキヴァイキングのメンバーは4人で、全員女の子です。

以下メンバーの簡単な紹介

 

ユーカリ:ケーキヴァイキングのリーダー。悪ぶったチワワ。ばっどがーりゅ

エンリ:かの有名なバードハンター。ユーカリにゾッコン

フレン:ギャルのELダイバー。友達1000人ぐらいいそう

ムスビ:期待のニューカマー。青眼の白龍

 

ケーキヴァイキングのFAはこちらから!

【URL】

 

 ◇

 

2:名無しのアウトロー

作っちった

 

3:名無しのアウトロー

 

4:名無しのアウトロー

 

5:名無しのアウトロー

 

6:名無しのアウトロー

ムスビちゃんも入ってるのはポイント高い

 

7:名無しのアウトロー

てか、ムスビってあのノイヤーだろ?

 

8:名無しのアウトロー

髪とか肌とか、目の色までそっくりだしな

 

9:名無しのアウトロー

青眼の白龍

 

10:名無しのアウトロー

使用機体のダナジンまで合わせてくるのは草

 

11:名無しのアウトロー

ダナジンって恐竜だろあれ

 

12:名無しのアウトロー

逆にドラゴンまんまのMSってあったか?

 

13:名無しのアウトロー

ドラゴンガンダム

 

14:名無しのアウトロー

レッドドラゴン

 

15:名無しのアウトロー

SD系ならワンチャン……

 

16:名無しのアウトロー

そのうち3つ首になるぞ

 

17:名無しのアウトロー

いや、模様がついてオルタナティブ化するかも

 

18:名無しのアウトロー

やっぱりメカメカしくなってカオス化だろ

 

19:名無しのアウトロー

お前ら遊◯王好きねぇ

 

20:名無しのアウトロー

本命:アルティメット

次点:カオスMAX、オルタナティブ

大穴:ゾンビ化

 

21:名無しのアウトロー

マンモスの墓場と融合させられたやつか

 

22:名無しのアウトロー

もしかしたらカオス・ソルジャーが頭に乗るかもだぞ

 

23:名無しのアウトロー

こうしてみるとブルーアイズの派生って結構あるんやなって

 

24:名無しのアウトロー

てかムスビちゃんとフレンちゃん出来てるのか?

 

25:名無しのアウトロー

ユーカリとエンリはできてる。話の内容的にも間違いない

 

26:名無しのアウトロー

公開失恋ショー、驚いたな……

 

27:名無しのアウトロー

そらあのアディも茶番って言うわ

 

28:名無しのアウトロー

どんなバックストーリーがあったかは知らんけど、ムス……ノイヤーが晴れやかな顔だったんだから良かったんじゃね?

 

29:名無しのアウトロー

その後バエルもどきを嬉々としてボコボコにしてたけどな

 

30:名無しのアウトロー

ムスビとフレンはなんか、距離近いよな

 

31:名無しのアウトロー

この前、平然とフレンちゃんが抱きついてるところ見ました

 

32:名無しのアウトロー

ンッ!

 

33:名無しのアウトロー

アッ!

 

34:名無しのアウトロー

いいねポイント10億点

 

35:名無しのアウトロー

「やめなさい、はしたないですわよ!」

「いーじゃん! 減るもんじゃないしー!」

って感じで

 

36:名無しのアウトロー

言ってそう

 

37:名無しのアウトロー

いやいやいやいや、フレンちゃんそういう所あるから

 

38:名無しのアウトロー

(おっ、勘違いオタクか?)

 

39:名無しのアウトロー

フレンちゃんに勘違いさせられるオタク絶対いる

 

40:名無しのアウトロー

コミュ力半端ないっていうか、ELダイバーじゃなきゃ俺も落ちてた

 

41:名無しのアウトロー

言うて異種婚みたいなところあるしな

 

42:名無しのアウトロー

でもリクくんとサラちゃんはできてるだろ

 

43:名無しのアウトロー

あれはまだできてない

 

44:名無しのアウトロー

嘘だろ

 

45:名無しのアウトロー

マジかよ

 

46:名無しのアウトロー

特別な関係だとは思うけれど、それが恋まで至ってない感じが見えますね。

んんんんんんん~~~~~~~~~~~~~!!!!!! アオハル

 

47:名無しのアウトロー

アオハルと言えばユーエン

 

48:名無しのアウトロー

割とちょくちょく見かけますわね

 

49:名無しのアウトロー

エンリの方が距離保ってそうなイメージあるけれど、実は逆なんだよな

 

50:名無しのアウトロー

エンリグイグイパターンか

 

51:名無しのアウトロー

付き合っているらしいけど、なんか距離感が初々しすぎてな。アオハル

 

52:名無しのアウトロー

アオハルライドオン

 

53:名無しのアウトロー

タカキも婚活してるし、俺たちも頑張んないと!

 

54:名無しのアウトロー

この前デートしてるところ見たぞ

 

55:名無しのアウトロー

マ?!!!

 

56:名無しのアウトロー

詳しく

 

57:名無しのアウトロー

もっと情報よこせ

 

58:名無しのアウトロー

つってもアバターショップでウィンドウショッピングしてる感じだったけどな

目を輝かせながら尻尾ゆらゆらさせてるチワワと抱っこしようとして距離を詰めかねてる飼い主みたいな

 

59:名無しのアウトロー

 

60:名無しのアウトロー

完全にチワワの手のひらで踊らされてる

 

61:名無しのアウトロー

これはバッドガール

 

62:名無しのアウトロー

僕たちの望んだ関係だ

 

63:名無しのアウトロー

初々しいな……

 

64:名無しのアウトロー

エンリさん、可愛い所あるじゃないの……

 

65:名無しのアウトロー

きっとチワワにしか見せない顔だぞ

 

66:名無しのアウトロー

ガラスに映ってたけど、エンリ顔はすっごい険しかったぞ

 

67:名無しのアウトロー

やっぱりバードハンター

 

68:名無しのアウトロー

でもその奥底では湧き上がる激情に耐えながら、手をつなごうが繋がないか悩んでるんだぞ。俺には分かってる。

 

69:名無しのアウトロー

なるほど。クーデレか

 

 ◇

 

「誰がクーデレよ!!!!」

 

 スマホを思いっきり布団に叩きつけた。

 久々にゆっくり出来る暇ができたから、暇つぶしに掲示板を覗いてみれば、これだ。

 わたしたちの専スレができてるじゃないの、と開いてみれば最後。それは確実に百合スレだった。

 別にわたしはいいわよ。わたしは。ユーカリを落とすのに必死だってのは周りからも言われているから。クーデレは心外だけど。

 それにこんな物をユーカリに見せたくはない。あの子は純真無垢なところがあるし、悩みがちというか、アホなのに考えてしまうフシがあるみたいだからこんなのを見たら、「私、もっとエンリさんに甘えた方がいいんでしょうか?」とか平然とわたしを殺しに来るセリフを言うはずだ。

 言われたいけれど、わたしが言わせたわけじゃないから不本意というか。

 

 はぁ。ため息を1つ部屋の中にぶちまけて、ベッドの上に横たわる。

 もうちょっと親しくなりたい。それこそ、この前のおでこをくっつけあったあの日よりも、もっと先のこと……。

 

「……ファーストキス、か」

 

 キス。と口にするだけで心がドキドキと胸躍る感覚がする。

 乙女じゃないんだから、と呆れるクールなわたしが半分。恋人同士なんだし、ユーカリからの許可は得ているんだからやっちゃえという悪魔なわたしが半分。

 あの子、これも勉強ですよね。って言ったら何でも叶えてくれそうなフシあるし。

 でも人並みに照れる仕草が可愛いっていうか。あー、あの子本当に魔性の女だ。人々を虜にさせてしまう。

 そりゃムスビだって恋に落ちるというもの。わたしもなんだけど。

 

 でも、いつまでもこうしてはいられない。わたしももっとユーカリとの関係を進展しないとなぁ。

 その時だった。ぴろりん! とDMにメッセージが飛んできたのは。

 

「……なにこれ」

 

 それはフレンからのメッセージだったのだけど、その内容がまたへんてこであった。

 

「ムスビが気になるって、本気?」




それも目覚めな感じで


◇メロス
百合厨。壁のシミ代表。春夏秋冬、ケーキヴァイキングスレッドのスレ主
作品「走れメロス」が元ネタのC級ダイバー。
いい百合を見つけたときには「メロスは興奮した。」という文言が入る。
自称エントランスロビーの壁のシミ。顔は西洋風にしているので結構圧が強い。

◇トーマ
Cランクダイバーでありながら、巷で有名な小説家ダイバー。カプ厨
和風な見た目をしており、THE・文豪という出で立ち。
人間観察が得意で、よくカフェテリアでダイバー同士の交流を眺めている
1日に1回ほど更新されるガンスタグラム内のSSは、
ダイバー同士のノマカプから百合、BLまで様々である。
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