制作は、あまり難航していない。
ユカリさんの進捗も決して悪いものではないし、エンリさんについては特に問題になるようなことはないと考えている。
わたくしもその類だ。パチパチとランナーを切ったり、その都度ゲート処理。ヤスリがけに加えて、合わせ目消しなど、基本的な加工とともに完成図を大まかに頭に描いていく。
塗装も合わせて完成度はおおよそ6割超えていると言っていい。
だから今日は一息休憩をつける。ちらりと横目で背丈ぐらいあるスマホをイジりながらあーでもないこーでもないとステージを作成しているちっちゃい同居人を見る。
「進捗はどうですの?」
「無理ー! 何さこれ。再現すればするほど大変になるんだけど!」
「それは大変なことですわね」
息抜きに取り出したのはユカリさんが初心者狩りにやられたときの再現をするべく買ってきたAGE-1ノーマル。ジオラマ程度ではあるが、こう言うのがあるとないとではモチベーションにも差が出るというもの。
思えば随分と長い道のりを歩んだ気がします。中学時代から始まったユカリさんとの関係。
エンリさんとユカリさんが出会った日。あの時の家の会合だなんてサボればよかった。そうすればユカリさんはわたくしのモノになったかもしれないのに。なんて、まだ根に持っているんですね、わたくしは。
実際まだ心のどこかでは後悔が抜けきっていない。
フレンさんのおかげで、ちゃんと過去を乗り越えることはできたけど、それでも残るものはある。
今も、どうやってユカリさんと接しようか。その距離感を悩んでいる。
「……どしたの、ボーッとしちゃって」
「いえ。……まぁフレンさんになら言ってもいいでしょう」
悩みというものは相談することができる。
たった1人で抱え込むには大きい問題を2人でなら、3人でなら。なんて。
昔のわたくしでは思いもよらなかった発想ですけれど、このちっこい同居人のおかげで人間らしい生き方に気付かされたのだ。
その面では感謝している。容姿だって、今は過度な嫉妬や劣等感はない。どちらかと言えば、憧れのような気もしないでもない。そういう意味ではわたくしとユカリさんは同じかもしれませんわね。
先程まで考えていたことを口から吐き出しながら、そんなことを頭によぎらせる。
「まー、数年越しの想いだもんね」
「エンリさんには悪いですが、ぽっと出の女に取られたようなものですからね」
あははと笑うが、目は決して笑わない。
結局そこなのだ。シコリがあるとすれば、そこしかなかった。
後悔は先には立ってくれない。後ろに立つから、後悔先に立たずということわざがあるんだから。
それでも、やっぱりあの時。って考えることは多い。振り切った今でも。
「ねー。ムスビちゃんはさ、もし誰かに好きって言われたらどうする?」
「どうしたんですの急に」
「や、気になるじゃん。自分の恋心に従って、愛する人を追ってきたムスビちゃんが誰かに告白されたらー、って」
「……考えたこともありませんでしたわね」
そもそもこんな老婆みたいな見た目だ。9割ぐらいはこれで人が離れていく。
でも残りの1割が、そんなことを口にしたら。告白されたら。ふぅん……。
「まず疑いますわね」
「えぇ……」
「わたくしにはそれだけ人を魅了させるような物を持ってないんですわ。ですからまずは疑います」
「らしいっちゃらしいけど、なんかウケる」
ウケないでもらいたいところですわね。わたくしのネガティブ指数を舐めないことです。
箱から取り出したらランナーをニッパーで切りながら、どうやって壊しの美学を出せるかということを考えていく。
「じゃー、疑って無実だったら?」
「……どうでしょうね。今だったら、認めてもいいのかなと思いますわ」
ノイヤー家としての縛り。一生この見た目を背負っていく覚悟。傷心。
そんな面倒なものを一緒に背負ってくれるバカが本当にいるなら、わたくしは付き合ってもいいのかなと思う。もっとも、そんな偏屈者はこの世にはいないと思いますが。
ユカリさんから聞いた当時のデータはこんなところか。脳内で抽出したイメージのままにとりあえず形を作っていく。
「ふーん。そっかー」
何を納得したのか。わたくしの方を向いてうんうんと首を縦に振る。
なんでそんなに超納得! みたいに腕を組んでいるんですか。はっきり言って気持ち悪い。不気味さ100%だ。
まぁいいか。ランナーを切りながら、隣人の戯言は聞き流すことにしよう。
「アタシさー、ムスビちゃんのこと好きなんだよねー」
「それは以前から聞いていますわ」
「や、マジの意味でよ」
また変なことを言っている。そう思って聞き流そうとした瞬間だった。
今、なんだって?
聞き逃すまいと思わずフレンさんの方に顔を向ければ、小さな体躯で、それこそ普段のフレンさんとは思えないほど、冗談に見えない真剣な顔がそこにあった。
その顔が意味するところ。それが分からないわたくしではない。
恋に恋する乙女ではなく、覚悟を決めたような、人を愛することを決めた表情。
不意を突かれたわたくしは一度考えをやり直す。
いやいや。だって相手はフレンさんで、ELダイバーで。ELダイバーとの結婚だなんて前例聞いたことがない。いやそもそも、結婚という発想まで飛ぶこと自体がおかしいというか。
「付き合ってほしーなー、なんて」
そ、そうは言うけど。いやでも。なんかこう……あるじゃないですか。ロマンチックなシチュエーションとか。
この人にはそんなのは無駄だというのは分かっているけれど、それでもプラモ作成中に告白って、どうかしてるんじゃないのですか。
「い、異種婚とかありえませんわ!」
「将来的には普通になるかもよ、なんせ人と何ら変わらないんだからさ」
それは、そうですが……。
ELダイバーが人間のことを好意的な目で見てるのは間違いない。
それは人間たちの愛から生まれた余剰データが生んだ生命体だから。それも、当然なのかもしれないけれど。
「聞かせてほしいな、アタシをどんな風に思ってるか」
……言っても、いいのでしょうか。
確かに以前とは違う感情を抱いている。けれど、それを口にしてしまったら。
「あなたは、もしかしたらのわたくしだったのかもしれません」
金髪で緑眼で。本当はそのとおりに産まれていたはずのわたくし。
愛する人に告白して、返事に一喜一憂するわたくし。
ギャルではなかっただろうにせよ、その2つに関しては確実にIFの自分自身で。
「わたくしの欲しかったものをすべて持っている、フレンさんが最初は憎かった。羨ましかった。だからあんな酷いことも言えた」
でもあなたはそれでもと前に進んで、わたくしの手を引いてくれた。
そんな相手に、もう憎いだとか、羨ましいとかはなくて。ただ……。
「憧れています。決して手に入れられない美しいものとして」
芸術品は飾って愛でるだけで満たされた気持ちになる。
でもフレンさんに対する想いはそれだけじゃない、と思う。
そんな相手から告げられた愛の言葉を、わたくしはどう受け取ればいいか。
いや、答えはすでに決まっている。けれど、それを素直に口に出すのは、なんとなく負けた気がするわけで。
「アタシのこと、好き?」
「……今後のご活躍次第、ってことでいいですわ」
素直じゃないし、ヘタレのわたくしができる精一杯の返事はこんなもんだ。
世界初の異種婚、だなんて言葉はわたくしには荷が重すぎる。だから曖昧に誤魔化して、問題は未来の自分自身に任せることにする。
「つーことは、脈アリ?!」
「今後のご活躍次第、と言っているでしょう?」
「えー、素直じゃないなー」
今はこんな関係でいい。
その、ほっぺたにキッスとか間接キスとか。そんなのは少し、というか大分はしたないとは思うけれど、こんな青春も悪くはない。むしろすごくいい。
新たな道を切り拓いていくのは、いつだってフレンさんだ。
指先でフレンさんの頭を撫でながら、2人で描く未来、なんてものを考える。
きっと騒がしくて、騒々しいものに違いないけれど、そこには楽しいが詰まっているのだろう。わたくしの17年間で味わえなかった、たくさんの幸せが。
こう考えてみれば、わたくしの心はとっくにフレンさんのものなのかもしれませんわね。
「むー、子供扱いすんなし!」
「十分大人ですわ」
手を止めていたキットの作成に移る。
尻目で嬉しがるフレンさんを視界に入れながら、ゲート処理を進めていく。
これもまた、幸せと呼べることなのでしょう。暖かいな。
◇
【追憶の】ケーキヴァイキングについて語るスレpart3【アウトローたち】
1:名無しのアウトロー
ここはフォース『ケーキヴァイキング』について語るスレです。
ルールを守って楽しく語りましょう。
ケーキヴァイキング以外のフォースについては、別スレで語るようお願いします。
Q.ケーキヴァイキングってなに?
A.アウトローを名乗ってる4人組のガールズフォースです。アウトロー戦役が記憶に新しいですね
ケーキヴァイキングのメンバーは4人で、全員女の子です。
以下メンバーの簡単な紹介
ユーカリ:ケーキヴァイキングのリーダー。悪ぶったチワワ。ばっどがーりゅ
エンリ:かの有名なバードハンター。ユーカリにゾッコン
フレン:ギャルのELダイバー。友達1000人ぐらいいそう
ムスビ:ヴェイガンギア・シドを改造してくるやべーやつ。カオスMAX
ケーキヴァイキングのFAはこちらから!
【URL】
◇
64:名無しのアウトロー
死んだ……
65:名無しのアウトロー
あっ(察し
66:名無しのアウトロー
理解したわ
67:名無しのアウトロー
何が?
68:名無しのアウトロー
最近ケーキヴァイキングが投げたクリエイトミッションで負けたんやろ
69:名無しのアウトロー
先日ケーキヴァイキングがクリエイトミッションを作ったんだよ。
名前は『追憶のアウトローたち』っていうもの。
ケーキヴァイキングの歴史を連戦ミッション形式にしたものなんだけど、
恐らく鬼門がゼロペアー戦とケーキヴァイキング戦だな。
70:名無しのアウトロー
ゼロペアーは分かるけど、そんなに?!
71:名無しのアウトロー
ビームを無力化orかき消すIフィールドとゼロペアーのナノラミネートアーマー。
見えないところから不意打ちしてくるモビルドールフレン。
加えて機動性を重視した人間離れのレギルスNとガトリング。
NPDでも相当やばいな
72:名無しのアウトロー
その癖ゼロペアーはオーバーデビルの方だからビーム凍らすし、
上からは爆雷の雨。ビームサーベル並みの斬撃を持つビームリングとか。
これクリアさせる気無いだろって品々ですね。
73:名無しのアウトロー
えげぇ……
74:名無しのアウトロー
それでも抜け道があるのは実弾ぐらいなのが救いよな
75:名無しのアウトロー
バードハンター相手にするなら実弾は必須だし
76:名無しのアウトロー
なんだかんだあいつら強いからなー
77:名無しのアウトロー
この前も、ムスビちゃんがヴェイガンギア・シドでフォースボコボコにしてたぞ
78:名無しのアウトロー
ヴェイガンギア・シド……?
79:名無しのアウトロー
あのクリスマス恒例に出てくるクッソでけぇ箱のやつだろ? やべぇな
80:名無しのアウトロー
見た目はカオスMAXだったぞ
81:名無しのアウトロー
守備表示貫通してダメージ倍になりそう
82:名無しのアウトロー
盾を構えたら貫通して死ぬ
83:名無しのアウトロー
その前にサテライトキャノンで溶かされるけどな
84:名無しのアウトロー
うひょ……
85:名無しのアウトロー
加えて発射前後は周りにレーザーを散布するから、まず近づけない
ハイランカーぐらいなら行けると思うけど、サテライトまでのタイムでKOにしないとだから、かなりエグい
86:名無しのアウトロー
忘れてたけど、ノイ……ムスビも白ダナジン作ってくるぐらいには頭おかしいからな
87:名無しのアウトロー
ケーキヴァイキングの火力担当……
88:名無しのアウトロー
セッちゃんとの対面が楽しみですね……
89:名無しのアウトロー
FA書いた
90:名無しのアウトロー
マ?!
91:名無しのアウトロー
マジか
92:名無しのアウトロー
おぉおおおおおお!!!!!!
93:名無しのアウトロー
おおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!
94:名無しのアウトロー
完全にマフィア
95:名無しのアウトロー
グラサン掛けて、黒スーツの4人。かっこいいな……
96:名無しのアウトロー
劇場版チワワ
97:名無しのアウトロー
チワワは何やってもチワワだけど、劇画調だからかっこいい
98:名無しのアウトロー
でもグラサン外したら丸目だろ?
99:名無しのアウトロー
馬鹿野郎、それがいいんだろうが!!
100:名無しのアウトロー
止めとけ。エンリがメイス投げてくるぞ
101:名無しのアウトロー
チワワに発情するわけないよなぁ
102:名無しのアウトロー
でも同族なら……
103:名無しのアウトロー
いうて、あのチワワはちょっとえっちというか
着崩してるダイバールックが目のやり場に困る
104:名無しのアウトロー
まぁ分かる。トランジスタグラマー好きにはたまらん
105:名無しのアウトロー
チビ巨乳いいぞ
106:名無しのアウトロー
あのバランスの悪いなりにいい感じがすごくいい
107:名無しのアウトロー
なんか頭が痛いみたいに見えるな
108:名無しのアウトロー
あああああああ!!!! 追憶のアウトロー死んだ!!!
109:名無しのアウトロー
お疲れ
110:名無しのアウトロー
お疲れ様
111:名無しのアウトロー
レギルスNとフレンの連携エッグい!!
112:名無しのアウトロー
あー、あれはやばいな
113:名無しのアウトロー
ゼロペアー対策もそうだけど、何気にフレムスの2人の連携がエグい。
多分屈指の難易度じゃないか?
114:名無しのアウトロー
確かに
115:名無しのアウトロー
シェムハザも忘れてないけど、全員が全員強敵というか
116:名無しのアウトロー
接近戦のシェムハザとゼロペアー
トリッキーに動くフレン
純粋な速度で追い詰めるレギルスN
うーん、この
117:名無しのアウトロー
これでダイバー乗ってないっていうからなぁ
118:名無しのアウトロー
あいつら、どんだけ強いんだ……
◇
プラモを組んでる途中に告白してくるプラモデル