青いカンテラ様「サイド・ダイバーズメモリー」から「ジュウジョウ・キョウヤ」さんを、
X2愛好家様「GBN:ダイバーズコンピレーション」から「ゲドーリトル」ちゃんを、
守次 奏様「ガンダムビルドダイバーズ アナザーテイルズ」から「リリカ」ちゃんを、
それぞれ許可を取った上でお借りしております。
――ガンダムAGE連戦レイドバトル。
その名前を聞いたのはつい先日のことだった。
曰く、その出場ガンプラはAGE系のガンプラでなければならない。という制約。
AGE系のガンプラは比較的上級者向けと評されることが多い。
連邦軍の機体にはドッズライフルという貫通性能を高めた機能が、ヴェイガン機には光波推進システムという航行システムもある。
それなりに戦える仕様にはなっているものの、他作品のようにトランザムやハイパーモードなどの時限強化はAGE-FXにしか搭載されておらず、特殊装甲の類もない。
つまるところ戦うことにおいては別の作品の方が強いと言われることが多い。
だが、それでもと。ここに集まった全員は、並々ならぬAGE愛によって紡がれし戦士なのだろう。私は少なからずそう思った。
「なんでワタシがクジョウ・キョウヤとなかよくレイドバトルしなきゃいけないんだ!」
「私こそ。何故相対する我が宿敵、クジョウ・キョウヤとともに戦わなくてはならないのだ」
「あはは、僕も随分と嫌われたものだね……」
アンチチャンプ勢。もといサメのようなザムドラーグに乗るあのにっくきフリット編のデシルを元にした白い髪と赤い瞳をした少女「ゲドーリトル」さんと、クルーゼの仮面で素顔を隠したダークハウンドカラーのガンダムレギルスに乗った闇落ちチャンプ、という設定で活動しているG-Tuber「ジュウジョウ・キョウヤ」さんが同じく同意する。
片方は本物のファンだろうけど、もう片方は本気で嫌ってるっぽいし、なんというかキョウヤさん災難だな……。
「AGE好きが集まったとしても、かたや主人公サイド。かたやヴェイガンサイドと、それだけで戦争が起きかねませんからね」
「……そう、かもしれません、ね……あはは……」
目の前の白髪碧眼美少女ムスビさんと、栗色の髪の毛を腰まで伸ばし、学生服のようなダイバールックを身にまとった少女「リリカ」さんが少し遠くからその様子を見る。
よもや私がちょっとAGE連戦レイドバトルに参加したいって思ったらこんなことになるとは……。
でも、それはそれとして、だ。見慣れたヴァイキングギアとは別に様々なAGE機体が今宇宙に漂っている。
例えるならゼダスMを8機用意した小隊だったり、ジェノアスOカスタムを完全に模倣した機体。
加えてあれはクランシェカスタムだろうか。さらにはグルドリンまでいる始末。このごった煮AGEパーティに感動しないユーカリはどこにも存在しないのである。
「見てくださいあのザムドラーグ! サメみたいですよ!」
「あ、あっちのレギルスのダークハウンドカラーはやっぱりアセムとゼハートのリスペクト何でしょうか?! そのカラーリングは卑怯ですよ!」
「リリカさんのそれはAGE-FXをベースにして、トライエイジも入ってる感じですよね! はー、すごいかっこいいなぁ……!」
私のAGE愛がFX-バーストしながら、リリカさんに特攻する姿をヴァイキングギアが止める。
「あ……えっと……」
「リリカさんがお困りでしょう。ユーカリさんはそういうところありますから」
「あはは、すみません……」
とかなんとか言っていると、第一陣であるアンバット攻略戦へと駒が進む。
機体自体はガフランやバクトばかりではあるし、量もそこまでではない。つまり、まずは前菜というやつだ。
「アンバット攻略戦と言えばフリットとデシルの因縁の戦闘ですよ! あぁ、今からユリンが死ぬのを見たくないよぉ……」
「……分かります。フリットの、復讐者としての、スイッチが入ってしまったのが……この時でしたから……」
「あぁ。やはり名場面集としてここほど最適なところはない反面、当時は公式に悪魔がいるのではないかと疑ったものだ」
Cファンネルにシールドファンネル。それからAGEⅡマグナムによるドッズライフルによって次々とヴェイガンユニットが撃破されていく。
もうこれ、私たちだけでよくない? といった殲滅力だが、イベントが進まなければ攻略もできないのだ。
NPDであるフリットのAGE-1スパローがデシルの誘いに乗り、戦線を離脱。
もはや敵なんて残っていないものの、その様子を見たいがために総出でそのユリンの末路を見る。
「もはや応援上映だな」
「デシルー、がんばれー!」
「デシルだけは許さない……」
「なんだとー?!」
「デシルですよ?!」
ゲドーリトルさんといがみ合っていると、ついにファルシアの胴体にビームサーベルが突き刺さる。
『フリット……生きるのって、難しいね……』
刹那に爆発するユリン機のファルシア。あの爆発ではおおよそ生きていることなんてありえず。
『「「「ユリーーーーーーーン!!!!!」」」』
その場にいた全員がユリンの死を悲しんだ。
「あぁ……ユリンが……ユリンがっ……!」
「ユリン……」
「ユリン、さん……」
悲しみに暮れる一同。そして逆転の刃たるフリットのブチギレシーン!
『命は、おもちゃじゃないんだぞッ!』
「うぅ……フリット……」
「デシルー!」
完膚なきまでに叩き潰されたデシルは宇宙空間に放流されて、消えていった。
あぁ。しんどい。本当にしんどい。あんな生意気な子供に命をもてあそばされて、愛する人とも言えたであろうフリットを目の前で殺されて。うぅ……フリットォ……。
「全軍、弔い合戦だ!」
「クジョウに指示されるのはいただけないが、ユリンのためだ!」
「ワタシにしじすんな―!」
「……はい。行くよ、フルブランシュ……っ!」
「わたくしたちも暴れさせてもらいますわ!」
「そうですね。行こう、シェムハザ!」
その後、ものの数分でアンバットが陥落したのは言うまでもなかった。
◇
その後も心抉るような展開が続くわけで。
「なんでアセムとゼハートが敵対しなくちゃいけないんですかぁ!」
「ゼハートさんにはゼハートさんの使命がありまして。でもアセムさんにはまだゼハートさんを敵だと信じられない気持ちがあるんですのよね……うぅ……」
卒業式の戦闘。と命題うたれた第二ステージ。
特に敵はいないものの、それはなんてことはない。アセムとゼハートの戦いを見守る応援上映会となっていた。
「くっ……やはりソーディアで来るべきだったか」
「いや、ここはあえてのAGE-1ノーマルで来るべきだったかもしれないぞ、クジョウ・キョウヤ!」
「それも悪くない。どちらも悪くないからこそ、どちらにしても映えるという奴だろう、ジュウジョウくん」
「なんでクジョウ・キョウヤとジュウジョウ・キョウヤがなかよくしてるんだよー! おまえらてきどーしだろー!?」
「ゲドーリトルさん、推しの前には敵も味方もないんですよ……」
「わかるけどー……。あー、ゼハートー!」
その場にいる全員がアセムとゼハートの宿命に涙でその身を打ち震わせる。
やはり、アセムとゼハートは大人気なのだろう。チャンプもわざわざAGEⅡマグナムの方で戦闘に出てくるぐらいなのだから。
そして場面は変わってノートラム侵攻作戦。
「ふはは! よーやくサメドラーグのじつりょくをだせる! しょーぶだ、クジョウ・キョウヤ!!」
「ふっ、いいだろう。私が受けて立とう!」
「ジュウジョウ・キョウヤじゃない!」
『スーパーパイロットの、アセム・アスノだ!!』
「アセムゥ~~~~~~~!!!!!!」
「やはりスーパーパイロット宣言は最高ですわね……」
「あぁ……。このミッションに出会えてよかった……」
ヴァイキングギアとAGE-2が腕を組んでうなずく。
後ろでは血を血で洗う戦いが繰り広げられているものの、やはりここはスーパーパイロット宣言が尾を引く。
ウルフ隊長の死から、怒りと復讐に身を任せた決死の突撃。BGMも込み込みで、AGEの名場面の一つと言っても問題ない。
「行こう。彼らの未来を守るために」
「はい、行きましょう!」
それからものの数分でダウネスは轟沈。
キオ編。というよりも三世代編に突入する前に、一度補給フェイズが入る。
だが、その補給はもちろん機体の方だけではなく、パイロットの情緒を取り戻すことも兼ねていた。
「アセム……ゼハート……」
「あの一瞬、本当は二人とも死ぬつもりでしたのよね……」
「だからこそ二人は本音で言い合えた。なんと、なんという皮肉なんでしょう……」
抱き合う私とムスビさん。あぁ、このミッションに出会えてよかった。
先ほどキョウヤさんから聞いた話ではあるが、やはりこれほど身に染みて感じるミッションは他にあるまい。
「いや。まだだ君たち」
「……ジュウジョウさん」
「この後にはルナベース攻防戦やラ・グラミス攻略戦もある。あとは、分かるな?」
「私の情緒もここまでみたいですね……」
情緒を破壊され、さらなる情緒で殺される。
なるほど、人はこうやって壊されて強くなるんだ。分からないけど初めて知った。
「さぁ行こうか。混沌と殺戮、そして情緒の破壊が渦巻く第三世代編へ」
「はい、ジュウジョウさん!」
◇
「くそっ! ここで難易度上がりすぎなんだよ!」
「みんな! ティエルヴァが出てきた、ビット系装備には注意しろ!」
第4戦。ルナベース攻防戦において、もっとも厄介となるべき相手は他でもないジラード・スプリガンのティエルヴァだ。彼女の機体は単純に他のNPDよりも格上の実力を誇っており、フラムやゼハート並みの実力を持つ。
そのくせXラウンダーの能力を暴走させ、収納の有無を問わずにビット兵器を自分の手中に収める。単純に言ってしまえばサイコミュ・ジャックと同じようなことをして、無差別破壊。そんなところだ。
「……少し、厳しいですね」
「そうですね。思ったよりも味方もやられてる」
残っているのはおおよそ10機程度。
その中にはチャンプやジュウジョウさん、ゲドーリトルさんなども含まれているが、数的優位としてはこちらが絶対絶命だった。
「どうする。クジョウ・キョウヤならばこの状況、軽く一捻りだろう」
「僕単騎なら、ね。できればみんなとクリアがしたい」
「であるなら、答えは一つだな」
ジラードのXラウンダー暴走フェーズへと移る。
この時、ティエルヴァは動きを止める。そう、狙うとすれば、そこしかないのだ。
「全軍! ヴァイキングギアの射線上から離れろ!」
「ワタシがクジョウ・キョウヤの言葉を聞くと……」
「いいから離れてください! サテライトキャノンに巻き込まれますよ!!」
「へ?」
月より舞い降りる一筋の光。
光の行く先は蒼く染められた巨龍の背中。一段と蒼く輝き始めるその機体はまるで蒼き星。
地球とも見間違うぐらい真っ青な、それでいながら、無差別に放つ光の槍が無数に宙を切り裂く。
その名はヴァイキングギア・シド。別名を混沌なる蒼き破壊者だ。
「行きますわよ!『混沌のシグマシスバースト!!!』」
シドユニットと連結した頭部からあふれ出るのは巨大なビーム砲。
臨時で周囲の全ビットを展開しながら、防御に当てるもののその威力には文字通り力不足であった。
見事防御を撃ち抜いて、ティエルヴァごと射線上にいるすべてを溶かしつくした。
「……すごー」
「……あまり、敵に回したく……ないですね……」
「必殺技なので、これ以上は連射できません。あとは頼みましたわよ」
第5ステージ。ラ・グラミス攻略戦へと最後の駒を進める。
特に乱戦状態であるこのラ・グラミス攻略戦の肝はやはりディグマゼノン砲と言ってもいい。
射線に入らないように敵を殲滅しつつ、駒を進めていく。
「ディグマゼノン砲を先に叩きますか?!」
「……ですが、キョウヤさんの必殺技だと、セカンド・ムーンも、壊しちゃうから……えっと……」
「つまり、EXカリバーは使えない、か」
キョウヤさんのEXカリバーはほぼ射程無限のようにも見える一直線な刃であるものの、現状ではセカンド・ムーンまで叩き切りかねない。
勝敗条件にセカンド・ムーンの生存まであるのだから、このミッションは芸が細かい。
「退きたまえ、クジョウ・キョウヤ。ここは私が大部分を引き受ける」
「ジュウジョウくん……!」
「君も来るだろう、ゲドーリトルくん!」
「ふっはっはっ! ワタシのほーがつよいってこと、みせてやる!」
「それはどうかな。私とて、クジョウ・キョウヤなのだよ!」
「クジョウ・キョウヤは僕なんだけどな……」
ジュウジョウさんのダークレギルスカスタムとゲドーリトルさんのサメドラーグが交差するようにヴェイガン機を殲滅し始める。
ディグマゼノン砲はすでに1度撃った。ならば次発射されるのは、オブライトさんとフラムさんを溶かしたあの光。
「やはり来たか、フォーン・ファルシア!」
「ギラーガ改も来ました!」
レギルスはイベント戦闘があるため、ここでアセムが倒されてはいけない。シドが介入前にこの2機は確実に仕留めなくては。
「……キョウヤさん、ユーカリさん……あの、先に行って、もらえますか?」
「できるか、リリカくん、ムスビくん」
「なんとかしますわ! ユーカリさんは早くこの戦いに決着を」
「……分かりました」
ストライダー形態のAGEⅡマグナムの背に乗ってハイパーブーストを起動し、戦線を離脱。
背中に二人の影を見ながら、ディグマゼノン砲へと走る。
「手分けして叩く!」
「了解です!」
懐からハイパードッズライフルを手に持ち、まずはその発射砲台から撃ち抜く。
貫通力を高めた2本の回転ビームが砲台を撃ち貫き爆散させる。
次! 命中精度が低くたって、固定されているものぐらいは撃ち抜ける!
キョウヤさんと手分けして、ディグマゼノン砲の要となる反射領域を貫いていく。
しばらくすれば、宇宙要塞ラ・グラミスは崩落。ラスボスの登場となる。
「ヴェイガンギア・シド、か」
「みたいですね」
ヴァイキングギア・シドの原型機である、ヴェイガンギア・シド。
残り6人となったダイバーの前に立ちはだかるラスボスとしては、正直強すぎると言わざるを得ない。
「やはり残骸に潜るか!」
「あと速いです!」
速いうえに破壊力が高い。この二点だけですでに強いと言うことを証明している。
そしてなによりこのビームとオールレンジ攻撃による攻撃密度が……っ!
「……遅く、なりました……っ!」
「ヴェイガンギア・シド同士、高鳴りますわね!」
「あとはこいつだけー!」
「私の方が冥府に送ってあげよう」
残りのメンツがそろえば、あとは追いつめるだけだ。
持ち前の機動力を発揮しながらリリカさんが先行。後に続く形でキョウヤさんズ、私、ゲドーリトルさんが続く。
ムスビさんは後方から攻撃を打ち落とす係だ。
「ブランシュアクセル……フルブースト!」
モーション高速化の必殺技を起動させ、放出熱とともにいざゆかんと、ヴェイガンギア・シドを猛追。
背後からはビーム群が迫りくる。それでもやはり自己修復機能が面倒くさい。
攻撃してもそのそばから復活してくるんだからたまったものではない。
シェムハザのシールドファンネルはもうない。特殊なブースト機能もない。だけど……っ!
「皆様、包囲戦ですわ! ゲドーリトルさんとジュウジョウさんは右から、キョウヤさんとユーカリさんは左。リリカさんは真正面!」
「「了解!」」
「しじにしたがうのやだけど、りょーかい!」
これもミッションクリアのためだ。そう言い聞かせてゲドーリトルさんはその指示に従う。
包囲戦だ。まるで追い込み漁の要領でヴェイガンギア・シドを誘い込む。
格闘戦闘をしながら、誘い出すのはセカンド・ムーンの外。
おおよそ内側にいる私とチャンプならば、このセカンド・ムーンに被害を与えることはない。
「行こう、ユーカリくん」
「分かりました!」
『FINAL MOVE 01』のスロットルを起動させて、その必殺技を高らかに宣言させる。
「スーパーパイロット・プライド!」
「EXカリバー!!」
2本のビームサーベルと柱のような黄金のビームサーベルが起動する。
射線上を見極めた二人にヴェイガンギア・シドは捉えられる。
「これでっ!」「落ちろぉ!!」
振り下ろされる3本の刃はそれぞれ中心、左翼をえぐり取るように切断。
自己修復が効かないほどのダメージを受け切ったヴェイガンギア・シドはその場でバチバチと火花を散らせ始める。
やがて、巨大な桃色の爆発となりその場から消滅した。
【MISSION SUCCESS!】
「お、終わったぁ……」
「いやぁ、楽しいミッションだった」
「よし! じゃークジョウ・キョウヤ、ワタシとバトルだ!」
「……よかった。勝てた……」
「何とかなりましたわね」
「あぁ。アセムとゼハートの決着が見れなかったのが、心残りだがな」
AGE狂いたちのパーティはここで終わる。
またそれぞれの物語へと戻っていくだろうけど、その胸にはきっとガンダムAGEへの強い愛が込められていることは間違いないだろう。
でも今はとにかく疲れたから、あとでエンリに膝枕してもらうことにしよう。
きっとエンリは恥ずかしがるけど、それぐらいの権利はあって問題ないはずだ。
【称号:「100年の戦いの果てに」を獲得しました。】
【称号:「AGE狂い」を獲得しました。】
次がラストです。
◇ジュウジョウ・キョウヤ
(サイド・ダイバーズメモリー:青いカンテラ様作)
個人ランキング1位クジョウ・キョウヤによく似たそっくりさんG-Tuber
悪い方のクジョウ・キョウヤと呼ばれているが、クジョウ・キョウヤはクジョウ・キョウヤしかいない。
◇ゲドーリトル
(GBN:ダイバーズコンピレーション:X2愛好家様作)
クジョウ・キョウヤに個人的な逆恨みを持つげどー系ロリ。
この後クジョウ・キョウヤに戦いを挑んでコテンパンにやられた。
◇リリカ
(ガンダムビルドダイバーズ アナザーテイルズ:守次 奏様作)
フォース『アナザーテイルズ』のリーダーである内気な女の子。
なんだかんだこの子もクジョウ・キョウヤ関係者
◇クジョウ・キョウヤ
(ガンダムビルドダイバーズ:公式)
個人ランキング1位の化け物。クジョウ・キョウヤ本人