「おぉ、あのヒュージいいフォルムだねー!!
あーちゃん、定盛、スケッチするから足止めよろしく!」
「ヒュージをスケッチ!?まぁ、私達絵画科だし気持ちはすっごい分かるし、足止めぐらいならなんとかなるからやっちゃうけど。あ、定盛ちゃん暇なら手伝ってー」
「いや、二人して何言ってんの!?あと定盛じゃなくてひめひめ!」
彼女達が相対しているのは人類の敵であるヒュージ
ヒュージとの戦闘は常に命がけであり1つの判断のミスで命を落とす事もある。
のだがこの戦場に限っては本来聞こえてくる悲鳴、流れるリリィの血液などは一切無い
的確とは言えなくても攻撃を回避し反撃を叩き込む
場合によっては二人の上級生が確実に撃破しているからだ
「いいな、いいなー、あのヒュージもいいなー!
あーちゃん、定盛、今度はあのヒュージもお願い」
「いや、だから定盛言わないで。私はひめひめ!これじゃ歌えないじゃない!制服も泥で汚れちゃうし最悪よ」
「…あれ?そういえば紅巴ちゃんは??」
あーちゃんと呼ばれた少女が先程から声が聞こえないもう一人の一年生の仲間を探すため万が一に備え"姿を消しつつ"付近を捜索すると少し歩いたところで彼女よりも長い金髪の髪の毛の少女が、探していた女性を抱きかかえながら何処か困惑していた様子で立っていた
「あ、高嶺様、紅巴ちゃん抱きかかえてますけど何かあったんですか??負傷…って感じには見えませんけど」
「…!、天野さん。私にも何がなんだか…ヒュージに囲まれてる所を助けたら突然気を失っちゃって攻撃は受けていないのだけれど…」
抱えられた紅巴をよーく観察してみる
ダメージを受けて、普通ならば呼吸が乱れたり苦しそうにしているのが当たり前だが、抱きかかえられている彼女は満面の笑みを浮かべ、安らかに気を失っている
そして時折、「土岐は…土岐は…幸せです」などと呟いており怪我などの不安は一切感じさせないと共に1つの結論にたどり着く
「(あぁー…確かに高嶺様、綺麗だからなぁ…そら感激して気失うわ…)」
「天野さん?大丈夫??」
「あっ、はい。大丈夫ですよ。それよりもどうします??紅巴ちゃん抱きかかえての戦闘は流石に厳しいでしょうし、気持ちよく気を失ってる紅巴ちゃんには申し訳ないけれど私が代わりに抱えます??」
そう、提案すると首を軽く横に振りつつ大丈夫だと告げるのと同時に遠くの方で声がする
「あーちゃーーん、どこー??もうすぐ倒しおわっちゃうよー」
「いーまいーくよー!!。と言う訳で高嶺様、また後で」
そう告げると彼女は来た時と同じように瞬きするまもなく突然姿を消す。
それを目の前で見た彼女は
「(なる程、あれが天野さんのレアスキル。本当に今年は個性的な子達が多いわね。)」
そしてそれらの出来事を少し離れた所で見ていたもう一人の少女は困惑と戸惑い、色々な感情がこめてこう吐き出す
「これは…だめね…えぇ、本当に…」
これが神庭女子藝術高校のトップレギオン、グラン・エプレの初陣の日である
ちなみに、この日の戦闘記録は
負傷者なし
気絶者1名(戦闘以外の要因)
使用CHARMの損害なし
このように記されていたとかそうでないとか