Assault Lily〜御使いの妹   作:ラッファ

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98.5話(後編)

 

ネスト討伐を終え数日後、ついに話し合い、反省会の日が来た

とはいえ全員では無く防衛隊は海漓と祥枝が代表として生徒会室に。

グランエプレは鈴夢を除き全員が出席。接触禁止を考慮して、だ

 

「これが一連の纏め。これを正式に発表する事にするわ」

 

「(無難)」

 

秋日の言葉と共に全員に用紙が手渡される。記入されていたのは発見から討伐までの流れ‥怪文書や鈴夢の件も上手く脚色され良く言えば綺麗に、悪く言えば臭い物には蓋をした内容に纏められている

 

「へぇ、私達に何も聞かずに‥ねぇ?」

 

「そこは構いませんよ‥別に」

 

自分達を除け者に書かれた事に不満を見せるが海漓としてはどうでもいい。

書類は誤魔化せても記憶は誤魔化せない。それにはコレ(報告書)(世間)に向けた物、神庭の問題を表沙汰にする理由も無ければ価値も無い‥神庭に限らず何処のガーデンでも同じだ

 

「私としては御台場の増援、どう言う事だったんですか?」

 

書類などどうにでもすれば良い。確認しなければならない事がある

 

「どう言う‥とは?」

 

「知ってたんじゃないですか?双方が」

 

秋日は今一理解できていないとか、とぼけているかは分からないが突き詰めていく。先の御台場の動きを見て海漓とこの場に居ない遊糸が確信したこと。それは御台場が来ると言う事を知っていた上で作戦を行なったのではないのか?という事だ

 

「そういう事。えぇ、知ってたわ。」

 

「あら海漓さんも気づいてたの?」

 

「やっぱり」

 

2人の思いなど裏腹に何もわるびれず、肯定する叶星と高嶺

やはり、と言う思いと少しは隠せという呆れの入り混じった声色、そして溜め息だ

 

「えっ!?どういう事!?」

 

「ちっ、違うの海漓!悠夏も知らなかったし何も知らされてないの!」

 

「そうですよ〜決して海漓ちゃんが考えているような事は有りませんからね」

 

今のやり取りに驚く祥枝、そして2人の発言が失言である事に気付き慌ててフォローに入る悠夏と藤乃

双方の反応についていけない他の面々。反応はバラバラだ

 

「隊長、どういう事?」

 

「御台場の展開、あんなの作戦を知ってなきゃ出来ないですよ

幾ら名門で臨機応変な対応言っても無理があります」

 

祥枝は良く分かっていなかった。納得出来ないと言っていたが理由も分からずモヤモヤしていただけ。

だからこそ、突き放すのではなく分かりやすく伝える。あの動きは事前に討伐作戦を知っていなければ無理な動き。御台場の自力の高さを考慮しても無理なのだ

 

「え、そうなの?」

 

「落ち着いて思い返してみて下さい。

そもそも風紀委員経由で各校には神庭は防衛に徹して会議の開催に繋ぐのが当初の方針ですよね?」

 

「うん。それは私も聞いたし、皆も同じだよ」

 

「そうです。そして、それは他校も同じです」

 

そもそも自分達(神庭)は当初、単独でのネスト討伐ではなく、防衛構想会議の開催を経ての討伐だ。この方針は秋日から伝えられ、更にはガーデンからもリリィ全員に伝えられ、皆がその為に動いていたのだ。

参加するガーデンも防衛構想会議語の討伐作戦に向け準備を進めていたはずだ

 

「いざ駆けつけたら何故か討伐作戦してる。何が起きたか把握しようにも戦場にトップレギオンいないって状況の中で臨機応変に動けます?」

 

そんな状況で御台場が一足早く駆けつけてみれば方針を無視した討伐作戦が開始されており、何故こうなったのか聞こうにもお目当てであろう仲間(叶星、高嶺)が率い生徒会も所属しているトップレギオン(グランエプレ)の姿が見当たらない。何もかもが分からない中であれ程の動きが可能なのだろうか?

 

「あー、言われてみれば‥何も気にしてなかったけど御台場、突撃してったわ

私なら動けないし‥あれ?何処!?ってなるかも」

 

「私も同じです。でも御台場は違ったんです。一切の動揺、タイムラグ無しに展開‥こんなの事前に知ってなきゃ出来ないって結論に辿り着きます」

 

祥枝含め大半のリリィが窮地に駆けつけた御台場に喜び、深くは考えなかったが日時が経過し、落ち着いた中で思い返せば確かに御台場は直ぐに隊を展開、突撃していった。

伝令も無ければ通信も無い。もしも自分が同じ状況なら動けないし、関係者を探してしまう。それは祥枝だけでなく大半が同じ反応で、海漓だって例外ではない。

だが御台場は違った。端から見れば不自然な程に素早く展開‥知って無ければ出来ない動きなのだ

 

「悠夏ちゃんと藤乃さんはどう思います?外征ら対ネストの経験有りますよね?」

 

「海漓の言う通り無理‥いや不可能に近いわ。1急な作戦変更に対応する事は出来ても‥現地のトップレギオン、生徒会不在を気にしないなんてあり得ないわ」

 

「はい。そしてそう言う他校の範囲で好き勝手に暴れるのは悪いエレンスゲのやり方そのものです」

 

海漓と同じく編入生の悠夏、そして今回の件(突撃、御台場増援)では蚊帳の外であった藤乃に尋ねる。

回答はおおよそ同じ。急な作戦の変更は到着前に知ることが出来れば御台場程の力が有れば対応する事は可能だ。

しかし最高戦力(トップレギオン)纏めるリリィ(生徒会長)の不在を気にせずに戦うのは無理な話

都内と言えど他校の守備範囲内で作戦を無視し好き勝手に暴れるのはそれこそ親友である一葉が変えようとしている悪いエレンスゲ、かつてのヘルヴォルのやり方そのままだ

 

「隊長‥もしかしてあの時、御台場の展開を見てそこまで判断したの?」

 

「少なくとも私と遊糸さんは御台場とグルかもって予想はしてました

更に言うならココ(神庭)に来たコーストガードの反応も中々でしたよ」

 

自分達は御台場の動きに見惚れている中で動きを見て違和感を感じていた事に驚愕する。やはり御三家というのは東京では絶大な影響力を持ち、疑うと言う考えすら無い

 

「コーストガードも?」

 

「えぇ。生徒会が居ないことに驚かず、カウンターに備えた戦力を残してた事に驚いたんですって

悠夏ちゃんの言ったように普通は逆なんですけどね」

 

海漓は戦闘時の通信で知っていた事だがこれも不自然。幾ら討伐作戦と言えどネストから現れたヒュージを無視する事は出来ずガーデンに向かう可能性を考えるならば対応する戦力を残すなど当たり前の事。

御三家ならば学んでいて当然の知識。叶星と高嶺が所属している事を考えるならば驚く意味が分からない

にも関わらず、当たり前の事(襲撃に備えた予備戦力の配置)をして驚かれ、生徒会が居ない事には驚かない。おかしな話なのだ

 

「知ってるなら隊長の布陣だって知ってなきゃおかしいし、驚くの変じゃない?

私達の展開は突撃よりも前だよ?」

 

仮に知っていたとしても海漓の布陣や行動も把握していなければおかしいし、校内の戦力に驚くのも変なのだ

なにせ彼女達(防衛隊、協力者、軍、私設レギオン)が展開し戦闘を始めたのは鈴夢の件(脱走)の発覚と演説、突撃の前。

直前に御台場に一報入れれば良いだけの話なのだから知る機会は沢山有るのだ。海漓達はともかく予備戦力の動きだって把握して無ければおかしいのだ

 

「私がまともな作戦や配置出来るわけ無いって思ったんじゃないです?向こうからしたら初心者指揮官ですからね」

 

「あー、そっか隊長はグランエプレだとAZ

相模女子上がりだし誰も力量知らないんだ」

 

「そういう事です(遊糸さんの可能性考えないのは私からしたら馬鹿すぎるんだけど)」

 

御台場は防衛隊を率いる海漓が作戦など考えられる訳もなく、もしかした叶星に同調すると考えたのかもしれない

そもそも彼女はグランエプレ在籍時は雑用目的のAZで東京では知名度が低いであろう相模女子出身

相模の力や天野海漓の指揮官としての力は未知数。

ましてや東京での知名度の判断材料となる御台場迎撃戦に相模女子が居なかった事を考えると対グンタイアリは素人とみなされてもおかしくは無いし、ネスト戦など何も出来ないと思われるのも当たり前

仮に彼女には無理でも松永遊糸の介入や入れ知恵を考えない辺り馬鹿じゃないかと思うのはココだけの話だ。遊糸に関してはガーデン関係無く名が通っていると思っていたが東京では無名なのかと思ってしまう

「(確かに純様と初様も平然としてたし‥)」

 

彼女の話を聞き悠夏はネスト討伐の時を思い出す。海漓の知らない事なのだが実はネスト内部に突入していたグランエプレを船田姉妹は追いかけ、一時的に加勢したのだ

船田姉妹、そして御台場の増援に驚いていた中でも船田姉妹は討伐戦を行った事に対して何も言っていなかった。自分達(グランエプレ)の位置は機器が無事ならば把握する事は可能だが、それがネスト内部。しかも想定外の作戦ならば文句の一つ、驚きの反応は示す筈なのだ。

奇跡だ、絆だと言っていたが日数が経過し熱が冷めた中で外部(防衛隊)から言われれば確かに辻褄が合わないことが多いのだ

 

「防衛隊の隊長よりご指摘と質問を受けましたが、当事者のお二人、そして増援を察していた秋日さん、何か申し開きはありますか?」

 

話を聞き、藤乃は秋日と叶星、高嶺に改めて問う。急な討伐作戦の開始や御台場の増援を伏せられていた事については藤乃も思う所が有り、紅巴は【教えて欲しかった】とまで言っていたのだ

彼女に怒りは無く、安心した事で零れ出てしまった言葉ではあるがその一言は知らなかった者の総意でもある

 

「確かに来る事を知っては居たわ。

これはグランエプレの皆にも話したけれど私も高嶺ちゃんも駆け付けてなんて一切頼んでいないわ。御台場での戦いだって激戦だったの」

 

「激戦の後にネストを撃つために戦えって言える訳ないじゃない

御台場の皆はそんな中でも来てくれたの‥それなのにそんな言い方をするのは来てくれた御台場に対して失礼よ」

 

御台場の増援を2人は知っていたのだ。そして秋日もどういう訳か察していた。だが依頼した訳ではない。

そもそも御台場も大変な状況であり大変な激戦だったのだ。終えた後に神庭に来いと言えるわけがない。今回の増援は御台場の善意、そして友情だ

海漓の物言いは他人の善意と友情を踏み躙る行為に等しく失礼だと言うのも当然

 

「じゃあ確信も持てない増援を信じて強行したと‥いやぁ‥おっそろしいですね」

 

「こっっっっわ‥!!」

 

来るかも分からない増援を信じネスト討伐を強行するなど正気の沙汰では無い。怒りを通り越し呆れ半分で言うし祥枝も同調

御三家上がりの癖にネストの危険性を分かっていないとかと言いそうになるがどうにか抑える

 

「そもそも海漓はなんでそんな事言い出したのよ。折角勝ったのに水を差すような真似して」

 

「あー、いや、純粋に何で?って思ったのと‥もう一つ理由あってさ‥まぁお願いしたいこともあって」

 

何故そんな事を言い出したのかと悠夏は問い他の1年生も怪訝な表情を向ける、勝利し鈴夢が助かった事になんの不満があるのか

そんな理由だろう。彼女もそう思っている

水を差すと言われると言い返すことができないが純粋な興味、そしてお願いのための下準備だ

 

「ふむ‥お願い?ご褒美ですか?それとも口止め料でしょうか?」

 

「そんな大それた物じゃないです

‥今回の件とか、そう言う態度とか今後のグランエプレとか考えたらどうしても私‥いや、私達に必要な物がありまして」

 

隊として、個人として何かご褒美が欲しいから言ったのか、それとも口止め料代わりに何かを求めるのか、興味津々に問う藤乃。海漓もそんな大それた事ではない。なんの悪びれもせず開き直る‥そして今後のグランエプレを考えた時に必要な物があり、それを求めたのだ

 

「何でしょう?」

 

私達(防衛隊)に生徒会長の秋日さんが持つ権限‥その中でもガーデンにおけるリリィの指揮権が欲しいなーってか寧ろ寄越せって感じです」

 

神庭に限らず何処のガーデンも同じだが生徒会長には様々な権限が与えられておりその中には当然リリィの指揮権も含まれる。彼女はそれを寄越せと言ったのだ

 

「‥なんですって?」

 

「はぁ!?」

 

流石にこの話には一同呆然。当事者の秋日は鋭い視線を向け、他も何いってんだ?と言わんばかりの反応を示す

 

「ネストの対応とグランエプレに所属している事です‥要らないでしょう、ソレ」

 

「ちょっと‥海漓いきなり何言ってんのよ!!」

 

ネストでの対応を見ての判断に加えもう一つ。今の秋日達(生徒会)がグランエプレに籍をおいている事を考えるならば必要ない権限、故に此方に渡せと言う

しかし、姫歌はいきなり何を言い出すのかと声を荒げる。他の者も同じ想いだ

 

「生徒会長ってガーデンの総司令官なんだよね。私の事含めトラブル色々はあったかもしれないけど‥神庭を取り仕切るのは他の誰でもない秋日さんがやらなきゃ駄目だったんだよ

だけど、何かした?してないよね?」

 

ガーデンにおける生徒会長とはお飾りではない。ガーデンにおける総司令官‥つまり神庭のリリィを束ねる者。例え自主性を掲げる神庭であろうとも最後まで彼女がリリィを先導しなければならなかった

勿論、怪文書や海漓の暴行など心を乱す原因や行動を行ったから出来なくなったと言いたいのかもしれないが、その件以前から何もせず、リリィを焚き付けたのは姫歌、突撃を指示したのは叶星‥秋日は何もしていない

 

「そう言えば隊長、どうするの?策あるの?って聞いてたね。特に何も無く神庭信じるって言たけど‥まぁ信じたのは御台場でしたっていうオチだったね」

 

そもそもやる気が無かった。一番始めに海漓はどうするのか?と尋ねた際に秋日は何もしないと言い放ったのだ

神庭を信じるなんて大層な言っておきながら最後は元御台場と現御台場を信じたというオチだ

 

「更に言うと生徒会は全員グランエプレに所属‥今後は外征の頻度が増える事を考えると防衛を司る私達に一部の権限くれってなるのは当然じゃないです?」

 

「ちょっと待ってもらえるかしら?

流石に認めるわけには行かないわ」

 

「海漓ちゃんは秋日がたった一回失敗したんだから生徒会長を辞めてほしいってこと?」

 

秋日はその要求を断固拒否、決して渡さないという意思を示し叶星も一度の失敗で粗を探し失脚させるつもりなのかと言う疑問をぶつける

 

「辞めろとは言ってません‥ただ一部の権限を譲ってくれって言ってるんです

 

生徒会長を辞めろなど一言も言っていない。ただ生徒会長としての権限、その一部を防衛隊に譲ってほしいと言っているのだ。目的の権限さえ譲ってくれれば何も文句はない

 

「御台場の増援といい一度の失敗で随分と責め立てているけど海漓さんは失敗した事はないのかしら?」

 

「失敗ばかり、怒られてばっかですよ

上手く言ったことの方が少ないです」

 

叶星や高嶺も傲慢とも言える海漓の態度に異議を唱え始める。

失敗だったかもしれないが一度失敗した事で自分達を吊るし上げているが逆に海漓は失敗せずにやってこれたのかと問うが、海漓など相模時代は失敗ばかりその度に大人と上級生からも怒られてばっかり、上手く行った事、素直に褒められた事の方が少ない

 

「なら秋日だって同じよ。今回の失敗で秋日は強く、今までよりももっと良い生徒会長になる事が出来る‥海漓ちゃんがやろうとしてる事はそんな秋日の成長を妨げる愚かな行為よ」

 

ならば同じだと言う。今回の件を乗り越え秋日は今までよりも心身共に強くなりリリィとしても生徒会長としても上に行く事が出来る。海漓はそんな秋日の成長を妨げ潰す愚かな行為だと叱責する。

自分達もそうだがミスを吊るし上げ潰す事を叶星は良しとしないそれは彼女に限らず皆が同じ想いだ

 

「えーっと秋日さんはグランエプレなんですよね?

外征任務があれば神庭を離れるんですよね?

置いていくんですか?」

 

「秋日はグランエプレの仲間。置いていくわけが無いわ」

 

吊るし上げと言われると弱いが、そもそもの話彼女がグランエプレに加入したと言う事実は変わらない。そしてグランエプレが外征を行う際に秋日はどうするのか?置いていくのかとの問いには連れて行くとはっきり答える

グランエプレは9人だ。誰一人置いていかないと強い意思を持って告げる

 

「ですよね?留守にするんですよね?

生徒会長不在の時に神庭が襲われた時に誰が指揮するんです?任務中に連絡するんすか?

外征だって短期よりも長期の日程の方が多いんですからね」

 

叶星が言った通り外征任務となれば秋日は神庭を留守にする。日数も短期から長期まで様々だが基本的には長期が主。外征レギオンは校内よりも校外にいる事が多いなんて事が普通にある

そして生徒会長不在の時に大規模な襲撃があった際の指揮は誰が取るのか。外征任務で忙しい最中に態々通信を入れるなんて言う馬鹿な事をしろとでも言うのか

 

「そんなにかかるの?長期不在なんて無かったよ」

 

「今までは5人制‥今年は6人ですけど9人未満でした。けど、今は9人ですよ」

 

「‥あっ!」

 

祥枝は今一ピンと来ていない。彼女は生え抜きでずっと神庭にいたが外征で長期に渡りグランエプレが不在など聞いた事がない。

しかし、それは今までは9人未満でありある種の制限がかかっていたから。

そして今のグランエプレにはその制限がない。

 

「与えられる任務にもよりますけど日数は分かりませんよ‥でも今回含めた実績とレギオン同盟、御台場と組める事を考えると私達は今後グランエプレは居ない事を前提に動かなければなりません」

 

不在の日数は与えられる任務次第。具体的に言う事は出来ない。しかし、積み上げた実績、レギオン同盟、そして御台場との共闘も可能である事を示した今回のネスト討伐戦

グランエプレは居ないことを前提に死無ければならない

 

「大げさじゃない?居ない事って言ったって」

 

「使用するのは最新式の可変フォーメーション

今年結成とはいえ大半が怪物揃いの一柳隊、ご存知ヘルヴォルと同盟を組み、御台場のトップレギオンと共闘も可能。更には単独でのネスト討伐‥これだけの事を成したレギオンを放って置くわけが無いでしょう」

ここまで言っても祥枝は今一ピンと来ていない。幾ら実績を上げたとはいえそれは大げさであると言うが、海漓からすれば大げさなんかではない

彼女達が使用するのは海漓達が使用する従来の固定式では無く最近編み出され強豪レギオンが率先して使用する最新式の可変フォーメーション。同盟とは別に御三家とも肩を並べ、ほぼ単独でネストを討伐‥これ程の力と実績を持つレギオンを放置などしない。レギオン単独か御台場や同盟先との随伴かは分からないが‥そのどちらでも引っ張りだこになる

 

「言われてみりゃヤバイね新生グランエプレ‥」

 

「愚か云々じゃ無いんです。常時不在になる人が持つぐらいなら残ってる私達にくれって話ですよ」

 

声に出させば今のグランエプレは異常‥歴代最強とも言えるだろう

愚かな行為や失脚という話ではなく常時不在になる事が確定している人物が持っていても意味の無い物

基本的に外征せず、居残り組の自分達に譲って欲しいという海漓の要求は至極当然の話なのだ‥言い方や至るまでの経緯は最悪ではあるが

 

「だとしても認める訳には行かないわ

貴方に渡したらそれこそ今回のような時にはリリィを統率して戦うつもりでしょう?」

 

「相模程露骨とは行きませんが‥私達の管轄に入れて最低限の指示は聞かせたいですよね」

 

だが秋日としては認める訳には行かない。不在の時にはリリィを統率し戦う。彼女の指摘は正しく、相模女子レベルの事をする気は無いが防衛隊の管轄に入れ自分達の指示に従わせるつもりではある。

 

「ここは自主性を尊重するガーデンよ

出撃選択制を含めリリィの意思が何よりも大事‥それを命令で縛る事は許されない‥なにより」

 

「なにより?」

 

「ここは相模でもなければ神庭のリリィは貴方の駒じゃないわ」

 

しかし神庭は出撃選択性を導入しリリィの意思を尊重するガーデンだ。命令で縛り強制することなど許される筈が無い。

軍隊式の校風である相模女子とは違い、何より神庭のリリィは海漓の駒では無いと断言する。

 

「そうよ!姫歌も神庭の皆も海漓の駒なんかじゃないわ!!」

 

「僕たちはリリィだよ!!」

 

「その通りです!」

 

皆が秋日に同調。自分達は海漓にとって都合よく動く駒では無いと言い切る。命令で縛り統率されるなど言語道断、なりよりそう言う校風や命令で苦しめられた秋日の前で良くもそんな事を言えると言う軽蔑も含まれている

 

「万が一海漓に持たせたとしてもついて来るリリィ居るの?今回の二の舞にならない?

防衛隊を率いる海漓や生徒会の悠夏じゃ呼びかけても駄目だった‥秋日様から権限だけ貰っても意味ないんじゃないの?」

 

そんな中で悠夏だけは別な観点から指摘を入れる。自主性や命令への忌避を抜きにしても権限を使っても海漓の指示など誰も聞かない‥聞いてくれるのは今回の呼びかけに応えてくれた者だけではないかと言う

陥落の瀬戸際で防衛隊が呼びかけても大半が応えず生徒会役員(悠夏)が早朝の戦いに加勢を呼びかけても無理だったのだ

 

「んー、君も呼びかけたの?」

 

「悠夏も呼びかけたけど駄目だったんです‥チクッとする事も言われましたし」

 

実は脱走が発覚した直後、悠夏も校内に残っていたリリィに対し出撃、自身が無いならば海漓達への加勢を呼びかけたのだ‥だが結果は海漓達同様、応じるものは居なかった

悠夏の説得で応じる者は既に海漓達に応じたのだから当たり前と言えば当たり前の話だが

 

「え?悠夏ちゃんも?マジで?」

 

「ココに来て日が浅いからね‥生徒会入りの経緯も経緯だし」

 

「マジか(悠夏ちゃんでも駄目か‥)」

 

呼びかけてくれた事にも驚きだが、拒否の反応をされた事、そして海漓達の呼びかけを拒否された時と同じ対応をされた事に驚いてしまう。

 

「海漓ちゃんと悠夏ちゃんの事は後で聞くとして‥私は賛成ですよ

海漓ちゃんへの一部譲渡」

 

そんな中で藤乃だけは賛成の立場を取る。海漓や悠夏の件については後で聞かせて貰う考えだが、今は秋日だ

 

「藤乃‥今回ばかりは」

 

「秋日さんが選ばれた経緯が経緯ですし、寧ろ一部と言わず全部渡す位の事は思っていたのですが‥意外でした」

 

「隊長にも言ったけど半ば押し付けみたいな形だしすんなり渡すと思ったんだけどね

秋日、意外と権力に執着するタイプ?」

 

藤乃が海漓を気に入り肩を持つのは知っているがそれにしても今回ばかりは何を考えているのかと言う反応を示す

彼女も幼少期から神庭にいる身、真っ先に否定すると思っていたのだ

所が否定せず簡単に渡さない秋日の対応に驚きを示す始末。生え抜きからすれば就任の経緯を考えるならば一部と言わず全て、何なら生徒会長の立場ごと渡したって不思議では無いほどだ

しかし蓋を開ければ拒否、絶対に渡さないという強い意思を示す始末、意外だと言われても仕方のないことだ

 

「そもそも再編成に伴い新たに結成されたのが防衛隊で海漓ちゃんには移籍までして貰いました。

忘れましたか?」

 

「それは覚えているわ‥けれど権限の譲渡なんて話は一切出てなかったじゃない。でも結成した目的はあくまでも防衛任務の引き継ぎでしょう」

 

防衛隊が結成された理由はグランエプレの再編成に伴い実質的に消失した防衛任務を行う為。海漓に関しては生徒会とも合流があるという理由での移籍だ

しかし教導官を交えての協議で議題になったのは結成に伴う人員の選定と海漓の扱いのみ。

 

「ネストも迫っていたので先ずはでしょう?

防衛隊の活動を見極めた上で譲渡する話はでていましたよね?」

 

「海漓さんの思考や本質も見えた中で権限を渡すわけには行かないわ

後を継ぐにふさわしいって思った子だったなら話は別だけど」

 

東京の情勢に対応する為の突貫工事更にはネストの危機が迫っていた為先ずはレギオンの結成を急いだ。権限に関しては防衛隊の活動、海漓の隊長としての働きを見た上で譲渡の可能性は出ていたのだ。あくまでも可能性止まりだったが

その事は秋日も覚えている。

 

「海漓ちゃん、そんなに悪い子ですか?」

 

「支配者的な考えや人に武器を使う事を躊躇わない暴力的な本質がある子を問題と言わないのかしら?」

 

ある種の支配的な思考、暴力的な本質が判明した以上、渡さないという結論は変わらない

渡すにしても自身の後を託すに相応しい人物に、そう言う思いだ

 

「(何も言えない‥)」

 

指揮、統率を支配的、相模女子出身から暴力的と言うのも強ち間違いではないし、何より鈴夢への対応が相当に悪印象‥これは事実な為、海漓は何も言う事が出来ない

 

「まぁ、確かにそうですよね。支配的で暴力的‥間違ってないと思います」

 

秋日の言う事は正しい。そういう指揮や行動をしたのだ。言い掛かりや難癖と言い否定するつもりはない

 

「それに悠夏ちゃんの言うようにただ貰うだけじゃやっぱし今回の二の舞は有りますよね‥確かにそうです」

 

悠夏の言うように仮に権限を譲ってもらったとしても応えてくれる者は少ない。呼びかけても今回の二の舞いだ。神庭の精神的支柱は秋日と叶星、そして新たに姫歌が加わり3名のみ

 

「隊長?」

 

「なら少なくとも何かをやって半ば強引にでも認めてもらわなきゃ駄目って事だですね(やっぱし使うか)」

 

認めてもらう‥少々上から目線な言い方かもしれないが何かを成し、権限を持った事を受け入れて貰わなければ権力の持ち腐れとなってしまう

 

「海漓ちゃん?」

 

「手っ取り早く‥私と叶星さんのガチ決闘で決めましょう

私が勝てば権限を譲る‥負ければ却下‥コレでどうでしょうか?」

 

暴力的な本質とまで言われたのならば、その本質を生かした上で行動を起こす

精神的支柱かつ、トップレギオンを率いる叶星を下す

成功すれば権限を手に入れ、負ければ却下。単純明快な条件を突きつける

 

「か、海漓ちゃん!?」

 

「御台場は武のガーデン。武を持って示せ‥が基本なんですよね?

相模も力の信奉者なんて言われますので言いたい事は分かります」

 

ネスト終わりに紗凪から授けられた奥の手。何かを決める時には叶星達の出身、御台場女学校のやり方で決める事。

御台場は武のガーデン、強い戦士を掲げる所。武を持って証明せよ、なんて言葉もあり、力の信奉者とも言われる相模女子と通じる所がある

 

「ちょっ‥ちょっと‥待ってもらえる?」

 

「少なくともトップレギオンの隊長をつぶ‥倒せる位の力があるなら権限持っても良いんじゃないです?」

 

叶星は慌てているが海漓は気にせずに続ける。トップレギオンの隊長を単独で撃破する力を示せば周囲も崇拝とは行かずとも、力不足を指摘しての辞退者は減る筈だ

 

「だからココは神庭で‥!」

 

「ずーっと御台場、御台場言ってフォーメーションもスタンスも取り入れてるんです

なら物事の決め方だって御台場式の方が良くないです?」

 

秋日も叱責しようとするがこれにも反論。御台場に拘り御台場が使う可変フォーメーションを導入し共闘を望むのならばレギオンの戦闘スタイルや運用も御台場式にしていくはずだ。

そこまで御台場を強く意識するならば物事を決める手段として御台場の考えを取り入れるのが筋だ

 

「それに、叶星さん達にとっても悪くない話ですよ」

 

しかし、一方的に焚き付けたところで受けるメリットが叶星達には存在しない。これでは海漓のわがまま、癇癪だ。

受けてもらう為には相手にも何か得るものを用意しなければならない。

 

「私が負けたら‥文字通り批判の類は今後一切言いません。

才能無いくせに煩い事言う後輩を黙らせる絶好の機会です

何せ弱者に口無し‥でしょう?」

 

叶星が勝ったのならば今後一切、批判せず口を出さず淡々と受け入れ過ごす

文句も意見も何も言わない‥煩い事を言ってくる後輩を黙らせる絶好の機会

力無き者にリリィの価値無し、価値の無い者の話など聞かず相手にする理由もなし。勝てば全て受け入れると言う意思を示す

 

「受ければ良いじゃん、何?もしかして後輩に負けるのが怖いの?」

 

そして、受ければ良いと言うのは祥枝

更に負けるのが怖いのかという煽りも付け加える。

 

「後輩がここまで腹括ってるんだよ?

覚悟に応えないのは武人として失格じゃない?」

 

「私も受けるべきだと思いますね。御台場出身である事を誇りに思い、そのように立ち振る舞うなら当然流儀に則ったやり方も受けるべきです

都合のいい事は御台場、悪い事は神庭だから‥は個人としても生徒会としても認められませんね」

 

負けた時には相応の代償を払う事を覚悟で挑むのだ。覚悟に応えないのは武人失格ではないかと告げ、藤乃も同調。都合のいい時は御台場を理由に、都合が悪くなれば神庭を理由にするような行為は藤乃個人としても生徒会の一員としても認める訳には行かないのだ。

 

「海漓さんは叶星に勝てると思ってるのかしら?

随分と侮ってるみたいだけど、心も身体も貴方よりも強いわよ」

 

「でしょうね。名門出身であの集団と同等と呼ばれた船田予備隊の一員だったのに私よりも弱いとかあり得ませんから。

でも、やってみなきゃ分かりませんよ。」

 

ここに来て高嶺も発言。随分と好き勝手に言うが勝てるのかと、お前よりも上、戦えばただでは済まないと警告もするがそんな事は海漓は理解している

名門出身で上澄みも上澄み、鎌倉で言うならば姉も所属したレギオン(初代アールヴヘイム)と同等と言われる船田予備隊にいたのだ

そんなエリートが海漓より弱いなどあり得ない‥しかし海漓も叶星も人間でありリリィだ。ヒュージとは違い番狂わせの可能性は十分にある

 

「それに、貴方が相手にするのは叶星一人だけだと思ったのかしら?」

 

「‥そう来ますか。良いですよ、2人同時で

仮に勝ったとしても居なくて負けたって言い訳されたら腹立ちますから」

 

叶星に敵意を向けた者を見過ごす高嶺では無い。本当に戦うならば自分もと告げる。そんな中でも海漓は一瞬、口元に笑みを浮かべすぐに了承する

仮に叶星に勝ったとしても本人や周りから【高嶺が居ないから負けた】なんて言われては益々後味が悪い。

「えー?2体1なら私隊長と組むよ

予定とは違うけど別な子指名したらグランエプレ壊滅させちゃうし」

 

1対1の予定が2対1。幾ら海漓が了承したとは言え、傍から見ればフェアではない。ここで祥枝が他の者を指名すれば当初の方針も揺らいでしまう為、加勢する事を告げる

 

「どう言う事かしら?」

 

「私は、納得してないから。あんな終わり方。

色々話して、隊長も無理だっておもったらこの手を使うって聞かされたからさ‥少し暴れさせてもらおうかなって」

 

海漓にも言った事だが祥枝だけでなく、今回の終わりに納得していない者も多くいる。海漓や防衛隊、協力した者達と話し合い、どうにもならなければ実力行使を取る事を告げ、それを納得の機会に行かす事に決めていたのだ

 

「祥枝さんは誰狙いだったんです?

言い方みるに高嶺さんではありませんよね?」

 

「サブリーダー対決って事で煽ったサブリーダー

両レギオンのNo.2の力も示さないとね」

 

聞きたい事もあるが本来は誰狙いだったのか。高嶺ならば加勢せず自分が相手だと言えば良いが口ぶりからして違う。藤乃のそんな問いに対して出た答えはまさかの姫歌だ

 

「えっ‥私?」

 

「隊長の力だけなら良くも悪くもグランエプレの二の舞い。

タッグしようにも固定された相方が居ない

ならレギオンのNo.2同士の対決が必要じゃない?」

 

隊長1人の力を示した所で【海漓が優秀だけど他は】なんて事になりかねず、それではグランエプレと何も変わらない。

海漓には固定された相方が入れば良いがそれも居ない。誰と組んでも即席止まり

ならばNo.2の力も示す事で隊としての力を証明さる算段だったのだ

 

「まっ、待ちなさい!姫歌さんは‥!」

 

「秋日の言いたい事は分かるけどNo.2じゃん。関係先だと川村楪、船田初、白井夢結‥ヘルヴォルは飯島恋花なのかな?

初代なら隊長のお姉ちゃん、今なら渡邉茜。

この辺りの実力者と同等の地位だし‥問題無いと思うけど?

隊長の役割によっちゃ副隊長が実質レギオン内最強なんて所もあるし」

 

姫歌は初心者、生え抜きに劣るのかもしれないが同盟先や有名所で大層有名なリリィと同じ地位にいるのだ

隊長の特徴によっては副隊長こそがレギオンにおける最強と言う例もあり、姫歌と祥枝の対決も同じ地位として見るならば対決もおかしくは無い

 

「いや、そこと姫歌は比べられないですよ。天と地ほどの差が有りますよ‥

9人制って事を考えると武力か采配運用において最低でもどっちかは求められるんでしょうけど」

 

「でしょ?隊長の言う事が本当なら外征として他所に出しても恥ずかしくないサブリーダーじゃないと神庭の恥だよ恥」

 

祥枝の言いたいことも分かる。悠夏の編入前でもそうだった。しかし例え話のリリィは全員が規格外だ、姫歌と比較など出来るわけがない

だがグランエプレは9人制、海漓の言う事や今後を考えるならば姫歌には最低でも海漓並の指揮采配能力が求めれるのだ。武力に関しては叶星を筆頭に力の有るのもが揃っている。

外征させても恥ずかしくないサブリーダーを用意するというのもその通り

高嶺はサブリーダーでは無いのだ。

 

「それは貴方達に心配されることじゃない。姫歌さんには姫歌さんの良いところが沢山有るの」

 

そんな事は心配する必要が無い。姫歌には姫歌の良いところが沢山あり、秋日も彼女に救われた。部会者が口を出すなと言い切る

 

「ふーむ‥ペア対決の前にやりましょうサブリーダー対決

ここで力を見せて姫歌ちゃんの地位を確固たる物にしましょう♪」

 

「ペア対決前に?マジで言ってる?

余計な手の内見せたくないけど」

 

しかしながら藤乃はペア対決の前にやれという。姫歌の力を示し確固たる物にするのだ。人望では既に掴んだ、後は力のみ

しかし姫歌を避けたかわりにペア戦をするつもりだった祥枝としては勘弁して欲しい所。強敵相手に余計な力は使いたくないしそれこそ偵察要員として故意敗北、自身の手の内を探られたくないというのは当然

 

「そんな事は分かってます。祥枝さんは姫歌ちゃんに集中。

それでペアの権利を私に譲ってくれれば問題ないですよね」

 

手の内は探られたくないし、消耗もしたくない。そんな事は十分承知。祥枝は姫歌に集中し、海漓の相方を務める権利を譲れと言い出す

 

「は?」

 

「私もとっても興味が有りますので

こんな機会じゃないと叶いませんから」

 

自身も興味があるのだ。いろんな意味で

こんな機会じゃないと叶わない事を譲れるかと言う。色んな意味で

何より、副隊長は許すが相方まで許すつもりなど微塵もない

 

「それに、防衛隊の活動でもこうして初見のペアや助っ人を含めて、と言う事は求められます

私とのペアで出来るかどうかのテストも兼ねましょう」

 

「(8割欲望でしょ)」

 

そして己の欲望だけが理由ではない。8割型欲望ではあるし祥枝は十分に分かっている

しかし防衛隊として活動するならば初見で誰かと組むことや助っ人を交えての戦闘は常にある。再編成前の自分達がやってきたのだ

海漓は隊を指揮する事でそれは行なったのならば次は個人。自身を相方にし強敵相手でも十分に立ち回れるのかと言うテストだ。

 

「(私と組んで撃破、無理でも善戦すれば校内に限らず他校でも)」

 

自身を相方に立ち回れれば校内だけでなく他校からの評価も変わるはず‥そんな思いがある。

藤乃が強かったから‥でどうにか出来る相手では無い。

叶星と高嶺の組み合わせはそれほど迄に強力だ

 

「藤乃さん?海漓さんが大切なのは分かるけど‥裏切りじゃないかしら」

 

「そうだよー、どうしてあーちゃんの味方をするの??」

 

藤乃が海漓を大切に思っているのは上級生の間では有名な話

神庭内の集まりでもそろそろ認識される頃だ。だがここまで来たらグランエプレへの裏切りに等しく、灯莉を筆頭に抗議の声が上がる

 

「ここまで来たら納得‥受け入れて貰わないと火種になり続けます

生徒会としても校内に火種を抱えたまま外征をする訳には行きません」

 

かなり乱暴ではあるが結果を受け入れて貰わなければ火種として燻り続けいつ燃えるか分からない

校内に不安要素を抱えた状態で生徒会が留守にする訳には行かない

どうしてもと言うなら旧グランエプレの5名だけ

9人での活動、外征に拘るなら騒動を収めてから

 

「海漓ちゃん達が勝てば力のある者として従うでしょうし

負ければ海漓ちゃん達が大人しくなるのでひとまずは平穏です」

 

勝てばトップレギオンよりも強い奴がいるという事で指示に従う者が今回よりは増え負ければ反乱分子が大人しくなる

生徒会としても、ガーデンとしても決して悪い話ではない

 

「私含め消耗は双方合わせても5名‥秋日さんは不参加ですし

差し控え無いのでは?」

 

戦いに出るのは叶星、高嶺、藤乃、姫歌、祥枝、海漓の計5名

生徒会長の秋日は参加せず、防衛隊に関しては大半が行動可能

影響も最低限に抑えられる

 

「分かったわ‥それでルールは?」

 

「レアスキル、サブスキルの使用有り、射撃禁止、近接なんで専用の安全カバーの装着必須

勝敗は‥膝を地面に付けるかCHARMを手放すあたりですかね?」

 

ここまで来たら戦わせて収めるのが一番

それが分からない秋日では無い。

ルールはリリィ同士、本気の戦いをするにあたり必要最低限の物に限る

射撃が得意な海漓が自身の武器を禁止としたのは熱が双方が目を狙う行為を防ぐ為。刀身への安全カバーの装着は裂傷防止だ

 

「異論無いわ‥高嶺ちゃんは?」

 

「問題無いわ」

 

御台場出身の2人も異論を唱えぬ辺り、この辺りのルールは御台場共通のようだ

もしかしら安全器具なし、本気の戦いかもしれないがそれは海漓の知る所ではない

 

 

「日程は‥いつやります?」

 

「‥最短で1週間後よ」

 

「じゃあそこで」

 

 

1週間‥祥枝と姫歌はともかく即席ペアの海漓、藤乃では短い

長年組んでいる叶星と高嶺相手では無いに等しい‥が

 

「1週間でお二人と渡り合おうなど無謀です!

お二人の戦いは‥!!」

 

「限られた時間で用意するのもリリィの仕事

外征だって同じだよ‥覚えておきな」

 

 

叶星と高嶺の強さ、美しさを誰よりも知っている紅巴は最後止めようとするが、時間に限らずあらゆる条件に限りがあってもその中で戦わなければならないのがリリィである

外征など特にそうだ。時間的、物資的な条件が常に充分とは限らない。その中でも結果を出す事が求められるのだ

 

話は終わり1週間後に決闘。名目上は模擬戦が組まれる事が決まったのだ

 

 

 

 

 

 

 




祥枝さん強いの?
→84話の後書きにスキル書いてある

御台場無能すぎひん?
→メルクリウスと組む前までは実質2強
外征力いれるっていう設定あるし多分予備戦力とか、生徒会長は原則居残りは抜けてる可能性
セインツは元からあるから無いとは信じたいが‥

タイマンを求めたのになんで高嶺さん口出した?
→叶星に悪意と敵意向けて大人しくする人じゃないでしょ

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