ガーデンから正式な処分が告げられて数日。海漓達は許される範囲内で日常へと戻りつつあった。そして尋問も近いうちに行われる事も海漓には通達されている。肝心の行なうリリィは未定ではあるが
そんなある日の放課後。この日から防衛(仮)は訓練再開。
本格的な戦闘訓練を行うかと思いきや実際は機体とマギを用いないフィジカル中心のトレーニングとなっている。
「あれ‥こんなへばるっけ‥」
「疲れは‥ないはずなのに‥」
肩で息をする寧々と佐鳥。訓練を行わなかったと言ってもわずか数日。実質的なオフのおかげで疲れが無いにも関わらず早くも限界が見え始めた事に驚く。
「実戦続きで基礎訓練が不足してたからだぞー。せっかくの機会だ。バシバシいくからなー」
「「ひぇ‥」」
喝を入れているのは防衛隊のリリィではない。体育、その中でもリリィの体力錬成を担当する教導官だ。
「(この子ら、基礎体力はあるな。元から熱心にやってた子達ってのも有るけど)」
訓練を行う隊員を見つめ感想を抱く。防衛隊(仮)が結成される前は海漓を除き全員が神庭のカリキュラムで鍛えられたリリィだ
日頃の頑張りや成長に関して言うならば海漓よりも詳しいだろう
「(少しキツめにしてみたけど‥次からは強度上げてみても良いかもな。始めは何事かと思ったけど)」
防衛隊(仮)の訓練を引き受けるにあたり校長から手助けするならば訓練メニューはキツめにしていいという指示を受けた。
本来ならばレギオンのメニューは海漓達で作成し実行するのだが今回は他でもない防衛隊(仮)側から頼みこんで来た為、引き受けたのだ
理由は単に訓練メニューの作成まで隊で行っていては文字どおり時間が足りず、片手間で作成する物でも無いから
学生としての本業の他に拡大する守備範囲への対応やヒュージの分析。
やる事が多岐に各々にもやりたい事はある
そんな状況だ。訓練メニューはガーデンの手を借りるという判断に辿り着くのは当然。
「ふぅ‥バリバリついて行ってるのは祥枝とあの子だけか」
「指揮官でアレは凄すぎ‥本職の私達が負けるわけにいかないっしょ!」
「ですね!!」
用意されたメニューはこれまでの訓練と比較して相当にハード。日頃から真面目に取り組んでいる上級生でも肩で息をするレベル
「(ひっさしぶりにやると中々‥)」
当の海漓は久しぶり、それこそ相模女子で過ごした時以来となるキツめのトレーニング。それに懐かしさを噛み締めている。グランエプレの基礎訓練はコレに比べたら温かった。再編成後の事は分からない
「鎌倉5大ガーデンは基礎訓練もハードなのかな?」
「神庭よりはキツイと思うよ?軍隊式だし」
「上級生の意地を見せますわ‥!」
生え抜きからすれば祥枝が付いて行くのは分かる。たが海漓は何事か。
指揮官にも関わらずこの訓練を平然とこなしているではないか。
自分達よりも多くの役目がある中で基礎となる分野まで上回られては上級生、下級生ともに立場が無い。
「じゃあ休憩なー。終わったら次のメニューいくぞ〜」
ここで一旦休憩。息を整えたり水分補給を行ったりと様々な光景が広がる。休憩時間も初回である事を考慮し少し長めの時間を確保する
「隊長すっごいね。体力もあるんだ」
「積み重ねで伸びる事には自信が有りますよ‥どうにもならない奴は無理ですけど‥」
休憩の最中、祥枝が自身の方に向かいながら語りかけてくる。海漓を侮っていた訳では無いが、一年生としては中々の部類だと思ったのだ。
だが彼女だって中等部で鍛えられた身。才能と言う積み重ねでもどうにもならない分野は劣るが体力のように日頃の積み重ねで伸ばせる分野には多少の自信がある。それでも御台場は百合ヶ丘には劣るという自覚もある
「にしてもコレ中々キッツイわ‥神庭でこんなトレーニングするなんて思わなかったし」
「‥そうなんです?」
祥枝だけでない。上級生の反応や休憩中の様子をみる限り今行っているメニューはキツイ部類のようだ。少なくとも神庭でこのようなトレーニングをするなんて思わなかったと言う程度には
「めっちゃやる気ある子はガーデンに頼んでルド女かイルマの訓練に混ぜてもらう感じ。」
「(御三家のトップと藝術繋がり。まぁ、そうなるか)」
普段の訓練では物足りず、もっとやりたい。更なる強さを求める者は御三家の訓練に混ぜてもらう。
選んだ先も妥当なラインだろう。崩壊以前は御三家のトップであったルドビコ女学院と藝術繋がりでイルマ。頼みやすさや親しみやすさが有るのだろう。
恐らくだがガーデンの派閥もそこまで気にはしていなかったのかもしれない
「祥枝なんて崩壊する前は頻繁に行ってたからね。ルド女のリリィと勘違いされたこと無かった?」
「あったあった。神庭の制服来てたのに転入生と勘違いされて中等部の子に挨拶されたりとかね」
話題に気がついたのか穂が会話に入ってくる。崩壊前は頻繁に訪れていたようだ。挨拶されるレベルというのは驚きだが。
「祥枝さん以外は参加してないんですか?」
「私と林乎はイルマに行ってたよ
私達は強くないからトップレギオンコースじゃなくて一般コースだけどね」
素直な疑問。祥枝以外の上級生はどうだったのか。穂と林乎は藝術繋がりでイルマへと足を運んでいたようだ
実力によってコースも違うようだ
「そろそろ再開するぞ。お前達、ばてたのかー?」
「神庭でここまでの訓練やる事になるなんて思いませんでしたー」
「そりゃ作ってほしいって頼まないからだろー
頼めば幾らでもキツイメニューを作ってやったのに。」
「(まぁ、自主制ってそう言う事だからね)」
やりたい奴はやる。やりたくない奴はやらない。訓練でも出撃でも同じ事。誰を頼るか、何を使うのかも同じ事。他校を頼ってもよし、神庭のカリキュラ厶は程々に。残りは自分で調べたり強いリリィの成功体験を基にした自主トレをしてもいい。
海漓達のようにガーデンを頼ってもいい。多くの選択肢がある中で自分の意思で決めなければならない。
「(相模やエレンスゲは考え方によっては楽だよね‥やらせるから)」
常にやる事を強制される相模女子よりも過酷な環境なのかもしれない。教導官の中にも意識の差が有るのかもしれないが、それは海漓達の知るところではない
「よし!再開するぞ」
教導官の一声と同時に訓練再開。
その後のメニューも普段の訓練とは比べ物にならない程のハードメニュー
「や、やっと終わった〜」
「つ、疲れた」
訓練が終わる頃には皆が息を切らし、数人は床に座り込むレベル。出撃する必要が無いからこそ出来る内容であった
「今日はこんな所だな。明日も‥っと言いたいがどうする?
メニューだけ渡してお前達で勝手にやるも良し。監督が必要ならこの後もくるぞー?」
初日という事で様子見、隊の反応待ちと言う面もある。今後どうするのか。今日のように教導官が監督役として付いた上で行うのか、もしくはメニューは教導官が作成しリリィだけで訓練を行うのか。
リリィの判断に委ねる事を告げる
「うーん」
「どっちでも‥」
激戦を経験した事もあり訓練自体を拒否するような反応は無い。教導官がつくのか、つかないのか。どっちでもいいというのが本音。
「(皆お上品だなぁ‥相模でこんな選択肢与えたら来なくて良いの一択なのに)」
来るなと態度や口に出さないだけ神庭のリリィはお上品だ。相模ならこうはいかない。表立っては言わないが教導官が居なくなった途端に『来なくて良い。寧ろ来るな』のオンパレードだ
「皆さん、どうでしょう?」
海漓も正直どっちでもいい派だ。サボってればどの道バレる。
隊の総意で決めるのが一番だ。自主制らしい決め方とも言えるだろう
「来てもらった方が良いんじゃない?」
「私もそう思う」
「私もー」
聞き流すのではなく一人一人の表情や視線を確認。言わされるような者はゼロ。望むもの、教導官がいた方が良い事を匂わせる者が多数となる
「賛成多数なんでお願いします。(ほぇー、否定派が多いと思ってたけどちょっと意外)」
自由にやりたいと言う考えから監督を拒否をしたり嫌がる者がゼロというのもかなり意外。やる気が有るのと大人に見られる事は別な話だ。
もしかしたらメニューさえ有ればちゃんとやれるという自信が無いのかも知れない。誰だってサボったり手を抜きたい。海漓だってそんな思いを抱いた事はある
「分かった。けれどお前達に付きっきりになる訳にも行かないならどうしても無理な時はメニューだけ渡してやってもらう事になるからな」
当たり前の話だが、一乙も彼女も。いや教導官全てに言える話だが防衛隊専属という訳には中々行かない。彼女達にもそれぞれ仕事があり神庭には多くのリリィがいる。どうしても外せない仕事や他のリリィの指導があれば不在となってしまう。
そうなれば自分達でやるしかない
「「はーい」」
気の抜けた返事かもしれないが、それは神庭の校風の一言で済ませて良いだろう。目くじらを立てる必要はない
「フィジカル面は何とかなりそうで良かったんじゃない?」
「他はどうしようか?隊長はどう?」
訓練後もしばらくは残り雑談の時間
フィジカル面の強化は上手く出来る。他はどうしようか?結弦と祥枝は問いかける。
隊長は海漓だ。彼女のやりたい事や方針が有ればそれについていく
「うーん‥凡事徹底。日ごろからやってる事を継続する方向で考えてます。既存技術の底上げを続けたいなと‥あ、何かやりたい事ややってみたい事は有ります?」
海漓としても何か特別な技術を身につけたりする事は求めず、既存の底上げを求めておりその為のメニューだ。
「いや、別に‥」
「それならそれで良いかなーって」
何かやりたい事と言われてもその何かが思いつかない。新しい事を考えろというのも中々に難しい
「特別な事は求めないの?
可変‥は無理だけどゼロトップとかブリッツパスとかやらなくて大丈夫?」
3年生の春音が言うように代表的な可変フォーメーションやゼロトップ戦術、ブリッツパスを求めなくて良いのか
都内で行う特別な事の代表的なのを告げただけで、実際には沢山ある
「共闘先を考えると特別な事を追い求めたら自分達の首を絞める羽目になりかねないんで」
沢山あるが防衛隊向きではない。特別な戦術を突き詰めてしまえば逆に自分達の首を絞めてしまう。
「あー、守備範囲か‥」
「はい。常にフルメンバーを送れれば良いんですけど
中々そうはいかないですし、規模によっては分けての派遣や現地との共闘も考えないといけませんので」
13名全員を派遣がベストだが疲労の回復や機体の整備等を考えると中々上手くはいかない。非常時ならばともかく平時はローテションを作成し出撃の有無を決めている。
非常時だとしても複数箇所での襲撃や増援依頼ともなれば仲間を分けて派遣する事も有るだろう
そうなった時には神庭のリリィだけではない。派遣先のガーデンや駆けつけたリリィとの共闘が必要になってくる
「可変とかその辺りの戦術やってないもんね‥基本5人だし」
「ルド女がやった事を私達がやるってそういう事だよね」
可変フォーメーションを取り入れているのは極限られたガーデンのみ、基本は固定式で5人編成だ
自分達が特別な事ばかりしてしまえば連携が出来ず9人制のノインヴェルトすら行えない。相手側の編成もある。自分達の都合ばかり押し付ける事は出来ない
基本技術を底上げし誰と組んでも安定して行える練度を身に着けなければならない。彼女達の仕事や行いを今度は自分達が行う必要が出てくるのだ
「助けに来て返り討ちは恥ずかしいしキツくても頑張らなきゃって事だね」
「そっかぁー」
意気揚々と助けに向かったはいいが返り討ちにあい、助けられた。なんてのは非常に恥ずかしいし情けない
雑談もそこそこに皆が訓練場を退出。
皆を先に行かせ最後に隊長である自身と副隊長の祥枝。海漓のルームメイトである薫が付き添いとして残り忘れ物が無いかを確認し訓練場を後にする。
現時点でヒュージの出現を知らせる警報はなっておらず。ガーデンの日常が繰り広げられている
そして彼女達が訓練を行っているのと同時刻。神庭の生徒会室でも動きがあった
「これが防衛強化案となります」
机に書類を置くのは比呂美。その側には付き添いとして智英と庵珠もいる
書類を渡す相手は秋日だ。この中にはグランエプレ全員が揃っている。
「成る程。現状を踏まえてリリィではなく戦えるレギオンの数を増やす‥良いアイデアだと思うわ」
中身を一通り読み秋日は率直な感想を伝える。その書類は叶星、高嶺。終れば1年生達へと順番に渡る。回された書類の中身を全員が目を通し終えた後に彼女は口を開く
「都内の戦況は日に日に悪化しているわ。神庭も従来の体制から変える必要があると思う」
新宿事変を皮切りに急速に悪化する情勢。荻窪でもネストの発生やこの間の大ケイブ及び7大アルトラの幼体と思わしき個体の出現。今のままではダメだと訴える比呂美
「警備体制の強化。レギオンの数を増やす。確かに比呂美様のおっしゃる事は理解しています」
率直な感想を告げる秋日。状況が悪化する事も分かっている。自分達が積極的な外征を行い守りが手薄な事も。
防衛の為に結成したレギオンも荒い戦い方を平然と行う方針。住民たちへの不安を考えると新たなレギオンの結成も必要となってくる
「ですよね!?だから私達の事を‥!」
「ちょっと!だからまだ早いって。今日はあくまでも案の提出だけって言ったでしょう!?」
智英は今がチャンス。自分達の事を認めて欲しいと言うが庵珠は直ぐに制止。今日はあくまでも案の提出にとどめ自分達の事はもう少し後にすると伝えた筈だ。これは勢いだけでどうにかなる話ではない
「人数や現状を含め、直ぐに認められるとは思っていないわ。けれど‥」
「比呂美様。一つ良いでしょうか?」
「何かしら?」
「風の噂では貴方達も防衛を担うレギオンを作りたいのだとか
仮に認めたとして海漓ちゃん達と上手くやれますか?」
藤乃は‥いや生徒会だけでないこの場の全員。もしかしたら神庭全体として比呂美達が防衛レギオン結成に動いている事は把握している。もし、仮の話だと前置きを行い
レギオンの結成を認めたとして、海漓達と上手くやっていけるのかと問いを投げる
「どう言う意味かしら?」
「海漓ちゃんの気持ちを聞く事も結成の判断材料の一つになります。このタイミングでの申請は敵対の意思ありと受け取られる可能性は分かっていますか?」
他の者はともかく海漓の意向も判断材料の一つにするべきだと藤乃は考える。結成を認める、いや申請すると知った段階で敵対、当て擦り‥そのような印象を持つ可能性は十分にある
「え?どうして喧嘩になるんですか?」
「そうですよ!どうしてレギオンを作る事が海漓と敵対する事になるんですか!?」
智英は本気で分かっておらず、何を言っているんだと言う表情
姫歌も同じ。何故海漓が出てくるのかと。ましてや敵対、対立。全くもって意味が分からない
「比呂美様達は神庭のリリィとして皆をりたいって思って‥!!」
書類には雑念が無く。純粋に荻窪を守りたい。そんな意図が見受けられる内容しか記されていない。どこに敵対の意図が有るのかと紅巴は抗議する。
いや、彼女に限らず皆がその思いだ。鈴夢も頷く。
「そりゃそうでしょ。謹慎を言い渡されてる時に防衛レギオンの設立なんて海漓達に『貴方達に荻窪を守り任せたくないから結成した』って言うのと同じよ?」
「(だから今は待った方が良いって言ったじゃない‥絶好のタイミングなのは間違いないけど)」
しかし悠夏からすれば当然の反応であり仮に海漓が口に出さずとも他の防衛隊や協力したリリィ達は必ず言う筈だ
庵珠もそれを分かっているからこそ、案を出す事に留めレギオン結成の話をする事や、場合によっては勧誘活動そのものを少し抑えた方が良いと智英には言っていたのだ。海漓達と敵対する事にメリットは無く寧ろデメリットだ。智英はキチンと理解してくれなかったが。
「はるにゃんはどう思ってるの?」
「やりすぎだし謹慎や尋問も当然の報いとは思ってるけど‥陰口を言われる筋合いはないと思ってる。(実際、海漓は良くやったわよ‥)」
悠夏も今回の一件は快く思っておらず処罰も当然の報いだと思っている
だがそれらに対する反応。特にグランエプレ派の者たちがむける視線や陰口に関しては出なかった者が言えることではないという認識だ。ネストや大ケイブの恐ろしさを知っている彼女からすれば限られた戦力を用いて勝ちきった事だけは評価している。
「私は必要性が高まったから案を出しただけよ。対立目的で動いている訳ではないわ」
守る為に必要だと思ったから提案し行動しているだけ。海漓達と対立する事など望んではいない。
「‥防衛レギオンの必要性は私達も考えています。ただ様々な要件を満たしていない以上認める訳にはいきません。最低でも後2人用意してもらう必要が有ります」
その言葉が事実か否か。誰も分からない。足りないならば増やすという至極当然の話ではある。
そもそも比呂美達のレギオンは認められる訳がない。実績や現状云々の前に人数が足りていないのだ
だからこそ秋日は最低でも後2人は用意しなければと伝える
「(えっ?前向き?本当に??)」
庵珠からすればレギオンは即却下。強い言葉で言われるとばかり思っていた。ガーデンが主導するトップレギオン制の神庭において、自分達が行おうとしているのは俗にいう教導官認可制。自分達で人数を揃えレギオンを結成するやり方。認可は教導官に委ねられており安易な事は言えない筈だ
厳しいハードルを用意される事も含め覚悟はしていた。だが現状では人数を揃えれば良いような言い方。自身の耳を疑うのも無理はない
「2人‥ですか?6人ではなく?」
「一先ず2人よ。ここが最低ラインね」
藤乃としては
「5人揃えば認めてくれるんですね!?」
「レジスタを含めて、よ。ここが最低ライン」
智英は浮かれ気味だが勿論誰でも良いわけではない。必須となるレジスタを含めて、だ。
彼女達の方針や求める質との兼ね合いも有る。最低ラインとしては充分であろう
「叶星と高嶺はどう思う??」
グランエプレを率いる叶星と彼女を支える高嶺はどうか。隊を率いる者としてどのように考えているのか
「守りたいっていう気持ちは大切だし、その気持ちを皆で共有する事が大切だと思うわ。
気持がバラバラだと纏まりに欠けてしまうから」
気持がバラバラではいけない。皆が同じ方向を向いていなければ纏まりに欠けてしまう。神庭を守りたいと言うならば尚更だ。
「神庭はリリィの自主制を尊重するのであれば自主結成レギオンの誕生だって目指していかなければならないし、都内に限って言えば移行するガーデンも増えている
彼女たちの気持ちは尊重してあげるべきだわ。勿論色々な課題は有るけれど、乗り越えた先に成功があるわ」
出撃選択制は神庭独自の制度であり自主制を尊重する姿勢も他校に引けを取らない。制度を最大限に生かすならばやはり教導官認可制への路線変更は必要不可欠。都内でもトップレギオン制のから教導官認可制への移行やレギオンの誕生が増えている。
彼女達の気持ちは尊重するべきでたり、困難を乗り越えた先の成功は御台場出身である2人がよく分かっている
「ほら!応援してくれてる!!頑張って集めよう!!」
共に前向きな発言だ。智英の活動を応援するような意図も有るだろう。
智英も素直な人物だ。2人の発言を好意的に捉え頑張ろうと意気込む
困難に挑む者、乗り越えようとする者を応援するのは叶星と高嶺が御台場出身ゆえが
「(こ、こんなに上手く進んでいいのかしら?)」
比呂美としてもこの反応は予想外。現状や課題の数々を考えればレギオンに関しては難航する事を想定しており、先ずは意思を示すだけ。結成に向けた本格的な交渉はもう少し後になってからと思っていた。少なくとも海漓達の謹慎が明けるまでは議題に上げられない事も覚悟していた。蓋を開ければ好感触、好反応。うまく行き過ぎていると思ってしまう。
「(海漓ちゃんとお話してみましょうか‥ですが)」
藤乃は顎に手を当ててじっくりと考える
この一件。藤乃としても海漓の意見は聞いておきたい。部外者として何も知らないままでは間違いなくまずい。海漓がこの件に対して干渉は出来ないが率直な気持ちは知りたいのだ
自室に招くか、ベンチで話すか。自身も絵画科だ教室でもいい呼び出す理由と場所には困らない。何なら訓練終わりでも良い。時間も手段も色々だ
「(‥っ!?だ、大丈夫。私じゃない)」
一瞬だけ庵珠の背中に冷や汗が流れるがすぐに切り替える。狙いは自身ではない。何ならこのままずっと狙わないでくれ、寧ろ引き取れ。自身の平穏の為にも。そんな事を考える
「(たまには悠夏ちゃんにも動いてもらいましょう)」
庵珠の思いを他所に藤乃は思考を巡らせる。自分が動くだけで他は傍観していると言うのも良くはない‥1年生にも動いて欲しい。行事の運営など平時の仕事は行ってくれるがこういう場面は部外者。いつまでも同じようにとはいかない
「悠夏ちゃん。海漓ちゃんとお話はできますよね?」
「え?あ、はい。話すのは、大丈夫ですよ」
鈴夢は無理。姫歌、灯莉、紅巴は経験と知識不足。自然と対象は悠夏になる。彼女だって生徒会だ、その資格はある
「この件について、生徒会役員として海漓ちゃんと話してみてはいかがでしょう?」
「えっ!?悠夏がですか!?」
「悠夏ちゃんが適任でしょう?
もしかして喧嘩してます?」
「いや、喧嘩はしてないですし話せますよ」
話せるか、話せないか。そうなると話せる。何とも言えない微妙な空気になるとは思うが少なくとも対立は避けられるはずなのだ
Q 時系列ズレてない?決戦前だし来てないリリィや覚醒まだだぞ
A 海漓達が暴れた(神庭基準)ので「アイツらヤバくない?」になったりならなかったりしてるから、まぁレギオン作りたいならこのタイミング
庵珠は分かってるからそもそも自粛した方が派 動いても謹慎明け。比呂美は観測気球上げて反応待ち。智英は深く分かってない
Q 海漓キレない?
今後の展開を