Assault Lily〜御使いの妹   作:ラッファ

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第12話

二人はベンチ腰掛け一息つく

そうすると姫歌は唐突に

 

「鎌倉から来た海漓にしか聞けないけれど、正直どうなの?

「どうなの?ってどういう事?」

 

「今の私達の実力よ。あの戦闘で真っ先に対処できたのは海漓だけでしょ?鎌倉じゃあれが普通なの?」

 

姫歌としたら単純な興味

後は自分達の力を贔屓目無しで知りたいといったところであろうか

先のミーティングでも褒めるよりも反省点を上げ、甘やかさないで欲しいと意思を示すあたり向上心は強いタイプと言えるであろう

ならばここは嘘を言わず正直答えるのが正解と海漓は考える

 

「リリィも振れ幅は大きいから一概にあの対処が当たり前と思われても困るかな

私はそう言うのがたまたま出来た‥と言うか得意な部類だと思ってるけど出来ないリリィも多くいるわ。

流石に百合ヶ丘の怪物共と比較するのは駄目よ。アレはもうリリィとしての出来が違うからね?」

 

「姫歌達はどうなの?」

 

「贔屓目無しに見ても優秀よ。

ただ…」

 

そう、百合ヶ丘のような世界的名門のリリィと比べてしまえば実力は格段に落ちるが、グランエプレの一年生は全員がレアスキルに覚醒している

 

百合ヶ丘などの名門は中等部の時点で覚醒しているがコレは特別な部類であり平均的に入学直後にレアスキルに覚醒していれば大変優秀な部類で大体は夏から秋口にかけて覚醒する事を考えれば非常に優秀である

 

「ただ?」

 

「レギオンとして…って考えるとちょっと微妙かな…ってのが私的に思う所かな」

 

「今のグランエプレは良くも悪くも叶星さんと高嶺さんのレギオンよ

あの二人が絶対的な軸として機能する事が前提な所もあるし、それは訓練や戦闘でも感じたでしょ」

 

リリィが優秀だから所属するレギオンも優秀とは限らないとはよく言ったもの

優秀なリリィを指定された人数揃えれば後はどうにでもなる‥という事も不可能ではないが、それでも出来る事は限られてくる

グランエプレはこれに該当する‥と彼女は考える

叶星と高嶺の二人は間違いなくトップクラスのリリィであると彼女は思うし何ならもっと知名度があってもおかしくは無いとも考えている

この二人が機能しているからこそグランエプレはトップレギオンと言われているのだろうし逆に現状ではそれこそが最大の欠点であるとも彼女は考える

 

「軸が機能すれば問題ないけど機能しなければレギオンとしての戦力が格段に落ちる‥これは相当に問題よ」

 

勿論常に6人で行動し戦闘を行うのであれば戦力差と言う不安はあるものの上手く行くであろう

しかし、常に6人で戦えるとも限らない

戦力の分断や上級生が何らかの事情で戦闘に参加できないとなった時に現状だと非常に危うい

実力は当然の事、戦闘経験の不足というのはリリィ個人の生存確率に直結する

小型だけならまだしも昼間のように見慣れないタイプのヒュージが現れないとも限らない

その時に一年生が何も出来ないとなると全滅するのは目に見えている

 

そしてそれは姫歌も分かっているようである

 

「でしょうね。‥やっぱひめか達がもっと強くなるしか無いわね

足手まといになる訳にはいかないもの」

 

「まぁ、それが一番よね。

そうすればやる事増やしてくれるかもしれないし‥ね?(叶星さんってあの人みたいに黙って言う事に従えば勝たせてやる‥っていうタイプじゃないしね)」

 

様々な特色を持つガーデンがあるように、レギオンを率いる隊長にも様々なタイプがいる

 

そんな中で海漓が思い浮かべるのは一人のリリィ

自身が中等部時代に所属するガーデンの高等部の戦いを何度か戦いを見学させてもらう機会があったのだがリリィ個人の戦闘力以上に彼女の指揮能力には驚かされた記憶がある

直接言葉を交える機会は多くはなかったのだが噂や戦闘を見て思ったのは指示に従って動いたリリィは何が起きているのか理解する前に戦闘に勝利していたという点だ

指示に従えば確実に勝てる‥を体現した存在であろう

勿論、所属リリィのスペックの高さもあっての事だろうと言う感想ではあるが。

 

 

とはいえ叶星は彼女のようなタイプでは無い事は明らかであり、どちらかと言うとメンバーの戦力を判断し役割を与えていくタイプだ

一年生を戦力として当てにされていないからこそ二人で対処することが主となっている現状

 

その中で戦力として認められるには自分達が力を付けることが最短ルートで有る事は簡単に想像できる

勿論実力以上に連携も大切なのであろうが、そちらは慣れるしか無い

全員が古くからの顔見知りで組んだレギオンなら連携など数時間もアレば完璧にこなせるのであろうが生憎とグランエプレは一年生全員が初対面

古くからの付き合いと言うと上級生二人が該当するだけである

連携に関しては合わせていくしかないのだが上級生から宛にされてない以上自分達は一年生での連携を合わせていく必要もある

 

もしかしたらそれ以外に一年生を後方に下げる理由が何かあるのかも知れないが、予測を建てるには根拠が少なすぎる

 

その後は何気ない雑談を行い消灯時間も迫って来た為各々、寮の自室に戻る

 

それから数日は訓練と簡単な戦闘があったのだが中々訓練通り上手く行かない日々が続いて行く日々が過ぎていくのだが、

数日後グランエプレに取って一つの転機となる出来事が訪れるのである

 

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