ボランティアを行った翌日
1年生4名は朝から街で買い出しを行っていた。
ちなみに2年生の二人は先に幼稚園へと向かっている
「えーっと…画用紙、ペン、ボンド…ダンボールもついでに確保しておきたいし…」
「この後文房具屋さんに行くのでそこで纏めて買えそうですね
ダンボールは…お店の方に頼めば貰えそうですし…他に必要な物はありますか?」
「次文房具屋か、なら纏めていけるし
他は…んー、幼稚園にある物で何とか出来るかな」
海漓と紅巴は買う物の確認を行っている中、灯莉は
「皆見て見て〜これ買おうよ〜☆」
そう言いながら持ってきたのはよく見かける子供向けのなりきりセット
「あっ、良いわねコレ…
何て言うわけ無いでしょ!戻してきなさい!!」
当然買う訳もなく姫歌に戻すよう言われる
すると紅巴が衣装を持ってきたお店に目を向ける
「灯莉ちゃんが服を持ってきたお店なんですけど…何でしょうか?
キレイな衣装が沢山展示されているんですが…」
「あのお店?
あそこはコスプレ衣装のお店だよ
持ってきた衣装もあそこから持ってきたんだ〜」
そう言いながら灯莉が示したコスプレ専門店は店頭にも様々な衣装が展示されており多くの人が訪れている
「あー、アレ、確か有名ゲームのキャラクターの衣装じゃん。
はぇー良く出来てるなー」
海漓も展示されている衣装の1つに目を奪われる
専門店で取り扱っている事もあってクオリティは高い
「あの衣装、もしかしてミニヨン=シフォンの衣装じゃない!?
こんなのもあるのね…」
姫歌は展示されている衣装の一つを見つけ興奮気味に話すがイマイチピンと来ない
「ミニヨン=シフォン…聞いた事ある…?」
「いえ…何かのキャラクターでしょうか?可愛らしい衣装ですよね」
「あーっ、それ僕知ってる!!
この間定盛に無理やりPVを見せられたアイドルグループだよ!」
「無理やり?」
「うん☆
朝まで見させられたんだ〜
次の日訓練がお休みだったから良かったけど流石に疲れたよ〜」
灯莉が少々物騒な事を言ったので海漓が確認
そう言えばとある休日、灯莉と姫歌が昼過ぎまで起きてこなかった日があったなと思い返す
まぁその日はオフの日だった為特に問題はなかったのだが
「人聞きの悪い事言わないで!
アレはアイドルリリィ活動のための衣装の参考として見せたのよ
まぁ朝までぶっ通しで見せたのは悪かったけど」
「ぶっ通し…ですか?」
「えぇ、ざっと8時間ぶっ通しの鑑賞会よ!」
「ヒエッ」
明かされる内容にドン引きする紅巴
数日に分けるならともかくDVDを朝まで通しで見るのはリリィの体力といえど厳しいものがある
灯莉はその事を思い出したくないのか衣装の細部を細かく観察して話を聞かないようにしている
買い物を終え幼稚園に向かおうとしたその時、街全体にサイレンが鳴り響く
「ヒュージ警報!?」
「えっ、ヒュージ出たの?」
音に反応する姫歌と灯莉
海漓と紅巴は端末を開き情報を確認する
そこにはある意味、予想できた情報が届けられる
「現れたのは大型で機動力の高い個体ですね」
「それって…まさか!?」
「ガーデンからのデータを見る限り以前私達が交戦したヒュージの可能性が高いです」
その言葉に全員に緊張が走る
ポジティブに捉えるなら今度こそリベンジの機会が来た事になる
ネガティブに捉えるならあの個体と再び戦わなきゃいけない
「まぁ、そういう事じゃない?
どっかのレギオンが仕留めた…なんて話も聞いてないしそりゃアチラさん好き勝手やるわよねぇ?」
「なら今度こそ倒すだけよ
パワーアップした姫歌たちの力見せてあげるわ!
で、どこに出てきた訳?」
姫歌がそう言い終えるのと同時に紅巴は端末で出現した場所を確認する
そして、衝撃の事実が判明する
「ここからは離れていますが…えっ、この進行方向は…!」
「何?どうしたの?」
「神庭の住宅街…近くにはあの幼稚園があります!!」
それからの行動は早かった
本来の予定を変更し全員がガーデンに集まり緊急のミーティングを開く
「皆、集まったわね」
叶星が全員集まったのを確認し高嶺が状況を説明する
「続報が入って今、他の学園のレギオンが遭遇、交戦しているという情報が入ったわ…苦戦しているそうよ」
高嶺の言葉に姫歌は改めて状況の確認をする
例のヒュージは今回は2体出現し更に小型のヒュージも大量に出現しております今回は相当な激戦になると言う事が告げられる
「『リリィの戦いは今日が最期かもしれず命を賭すに値するかどうかはリリィ自身が決めるべき』
それは今回も例外ではないわ。
皆、よく考えて…」
叶星は1年生にに覚悟を問うが全員答えは決まっていた。
「出るに決まっています
私達はリリィです。どんなヒュージだろうと臆する訳には行きません」
姫歌の言葉に残りの3名も続く
「そうそう。僕達があの子達の笑顔を守らないと♪」
「ヒュージによって悲しむ人がいるんです
戦わない訳には行きません」
「ヒュージとの戦いは常に命がけ…覚悟はとっくに出来てます」
彼女達の言葉を聞き、叶星も了承する
のだが、叶星は海漓に再度確認を取る
「海漓ちゃんはトリグラフじゃなくてガーデンに配備された予備のアステリオンで行くわけだけど、本当に良いのね?」
「ここまで長くかかるのは予想外でしたけど問題無いです
予備って言ってもヒヒイロカネのCHARMは優秀ですからね。元々使ってましたしその辺りの心配は無用ですよ」
「分かったわ…さて、それじゃぁ紅巴ちゃんそこにある箱を開けてもらっていいかしら?」
海漓の言葉を聞いた後、紅巴に置くにある箱を開けるように指示をする
中に入っていたのは、初めて見る衣服であった
「こ、これってもしかして!」
「えぇ、グラン・エプレの新しいレギオン服よ」
「このメンバーになった時にガーデン側に制作依頼をしておいたの
皆の性格や戦闘スタイルが反映されているからきっと気にいると思うわ」
その言葉を聞きながら一年生はそれぞれ自分用を取り出す
「おぉ!良いデザインだね〜」
「可愛デザインじゃない。姫歌にぴったりだわ!」
「素敵なデザインです!」
「色合いも悪くないし個性もある
いい制服ね」
好評な事に安堵しつつ叶星は着替えるように指示をだす
着替えたらいよいよ出撃である
全員が着替えている時
「こうして見ると全員微妙に違うけど灯莉と海漓は特に目立つわね」
「ですね」
姫歌と紅巴は二人のレギオン服に感心する
全員違いがあれど灯莉と海漓はその中でも目を引くデザインである
灯莉はピンクのシャツにその色と合うようにデザインされたパーカー
海漓は上級者のデザインを参考にしつつ、トリグラフ用にカスタマイズされた専用ホルスターが左右に一つづつ
シャツの色も白ではなく紺色である
「あーちゃんは何ていうかガンマンって感じ。」
「あー、分かるわ、それ」
灯莉と姫歌は率直な感想を言う
そんな二人をよそに海漓は紅巴と小声で話す
「さっき話してた他校のレギオン…この辺だと一番近くてルドビコ…だけどあそこって今ガーデンとして機能してる?」
「崩壊したと言われていますが所属しているリリィが全滅したわけではないので最低限の機能はしているかと
ただ私達との合同作戦を行えるほどの余裕は無いと思いますね…
良く組む御台場も噂では北伐の準備の為こちらへの増援は期待できませんし…イルマは遠すぎます
後はエレンスゲ…ですが…」
「ヘルヴォルもしくはバシャンドレが来てくれるならまだしもクエレブレみたいなのが来たらこの辺破壊されるの目に見えてるよねぇ…」
「はい…」
最悪の場合に備えて増援の有無を紅巴と予想するが厳しい状況だと言う認識に至る
確かに戦う覚悟は決まっているが、それと増援の有無は全く別な話
神庭からもグラン・エプレを始め多くのリリィが出撃するがそれでも人手が足りない時は他所のガーデンからの増援というのがどうしても必要になる
ルドビコ、イルマ、御台場の東京御三家はそれぞれ異なる事情があり参戦不可
その他も距離的な問題や普段の戦場での行いを考えると来てほしいとも思いにくい
期待できそうなヘルヴォルもエレンスゲのトップレギオンと言う立場を考えると中々に厳しいであろう
そんな事を話している内に全員の準備が終った為、出撃する
こうして彼女達にとって長い戦闘の幕が開く