Assault Lily〜御使いの妹   作:ラッファ

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第19話

出撃直後、最初に行ったのは近隣住民の避難でありメンバーが分担して避難を行う

 

避難に関しては神庭から他のリリィや教導官も手伝ってくれた為大きな混乱もなく円滑に進んだ

 

そうしてグラン・エプレの6名はヒュージの出現場所へと集合する

 

「うっへぇ、すっごい数。雑魚も束で来られたら厄介よねぇ」

 

「こうしてみると本当にすごい数ね…でも姫歌達なら…!」

 

海漓と姫歌はそう言いながら辺りを見渡す

そこにはかなりの数のヒュージが現れており激戦になる事が予想される

余談ではあるが神庭の他のリリィも多く出撃しておりこことは別の場所に展開、ヒュージを迎え撃つ体制を敷いている

 

そしてそこには目を引く個体が"一つ"

何度も遭遇した例の特型ヒュージが

 

「あれですね…例のヒュージ」

 

「お遊戯会のじゃましたらだめだよ〜」

 

紅巴と灯莉も今度こそはと意気込んでいる

しかし見落としがあるのも事実

目の前に居るのは"一体"

 

しかし、報告では今回は"二体"目撃されたと言われていたはずだ

ではもう一体はどこにいるのか

 

「…!そこっ!」

 

海漓はいち早く気づきアステリオンを変形させ高速で迫りつつあるヒュージを迎え撃つ

 

「アステリオンで迎え撃つこの感覚久しぶり…そーらよっと!!」

 

正面でヒュージを受け止めた後、横に振り払う

改めて退治すると修復された後が見受けられ頭部にそれが近著に見られることから以前海漓が仕留め損なった個体である事が判明する

 

「海漓ちゃん、ありがとう。

後はこっちでやるわ。…高嶺ちゃん」

 

「えぇ、分かってるわ」

 

叶星は海漓にお礼を言うと下がるように指示を出す

以前と同様に上級生二人であの二体を相手にするのであろう

 

「(まぁ、間違ってはいないけどさ…それ、過去に失敗してなければ…の話ですよ)」

 

ボスクラスを抑えてそれ以外を一年生で倒す

上級生二人の実力を考えればそれも一つの手では有るのだが過去2回いろいろな事情が重なったとはいえ一体でも仕留めきれない戦法を今回も行うのは流石に判断ミスなのでは無いのではないかと思わなくもない

二人には何か狙いがあるにしてもその意図を読み取れない現状では指示に従うしかないのも事実

 

「分かりました…他のヒュージは私達にまかせてください。叶星様達の邪魔はさせません

行くわよ皆!!」

 

姫歌はいち早く一年に指示を出す

そうして学年で分担して戦闘に入る

 

「今回は突撃は無し!

叶星様たちにの所に小型を向かわせないようにしつつ住宅街への侵入を抑えるわよ!」

 

「はいはーい♪」

 

姫歌の指示を受け、灯莉と海漓は同意し射撃メインでヒュージを迎撃

姫歌と紅巴も射撃と近接戦を行いながら迎撃

 

その途中、上級生の戦闘が目に入るが苦戦しているように映る

すると紅巴は海漓に

 

「ユーバーザインでお二人の援護は無理そうですか?」

 

「あー、前にやったアレとか?出来なくは無いけど…二人がどう言うプランを立てて立ち回ってるのかが分からない以上、下手に手を出したら邪魔になるだけ。誤射の危険性も高まるし」

 

そう言いながら戦闘に目を向ける

二人はお互いに動きをカバーしつつヒュージの動きに対応し攻撃を与えているが、相手は高機動型、そう簡単に攻撃は当たらない

 

とは言え相手は上級生二人が相手をしているヒュージだけではない

 

「…っと、紅巴ちゃん後ろから来てるよ!」

 

「あ、はい!!」

 

「灯莉、そっち行ったわよ!!」

 

「オッケー♪」

 

二人の戦闘に目を向けがちだがこちらも小型のヒュージを相手にしている

余所見は禁物である…のだが

 

「ああっ、叶星先輩!」

 

「1体だけでも厄介なのに2体同時なんて」

 

どうしても気になってしまうのもまた事実

圧倒しているならともかく苦戦しているのだから自分達の戦闘に集中もしきれていない

このままでは二人の体力とマギが消耗し、1年生にも悪影響がその内に出るだろう

 

「(うーん…キッツい

最悪"奥の手"を使わざるを得ないかなこりゃ)」

 

今のまま、もしくは好転するならばやる必要は全くないが悪化すれば奥の手の使用を海漓は考える

 

今の状況が良くない事

それは一年生全員が気づいている

どうにかしようにもその手が思いつかない…訳ではなかった

 

「ねぇ、海漓。

さっき出来なくは無い。って言ってたけどさ、それってお二人の邪魔にさえならないって分かれば援護出来るって事?」

 

「勿論。まぁユーバーザイン自体に攻撃力は無いからそこは考慮してもらうけど」

 

ここで姫歌に唐突に聞かれる

海漓としても特に否定する理由はない

そもそもユーバーザイン自体が援護に向いている面もある

 

それを聞くと姫歌はまた考えた後

 

「分かったわ…なら姫歌が合図を出すから海漓はそれに合わせてレアスキルを発動して頂戴…狙うのはあの高嶺様がマークしてる方よ!

紅巴、灯莉、準備して」

 

「りょうかいー」

 

指示を出した後、姫歌はタイミングを伺う

 

「(大丈夫、行ける…!)」

 

アイデアはある

後はそれを上手く実行出来るかどうか

 

動きを追う

だが追うのはヒュージでは無い

叶星、高嶺の二人だ

 

高嶺は言った

叶星の動きについてこれるのは自分だけだと

それは見方を変えると叶星の動きに注意すれば高嶺は彼女のフォローにまわるということ

ヒュージは2体いる

それに対し高嶺も叶星のフォローに回るに当たりヒュージのマークが甘くなると言う事だ。

 

そして、その機会は来た

叶星の過剰な先行を静止するためたのか高嶺がマークしていたヒュージから距離を取り彼女のフォローに回る

 

「今よ海漓!!

後少しだけ足止めも頼むわ!」

 

 

その言葉に頷くとすぐさまユーバーザインを発動

ヒュージの視線がこちらに向くように気配を操作する

動きが止まったところを海漓が射撃を叩き込む

高機動で動いているならば厳しいが動きを止めてしまえばチャンスはある

 

 

「叶星様!!」

 

「えっ…」

 

チャンスが来たとはいえいきなり一年生総出で攻撃しては上級生が混乱してしまうかもしれないという気遣いを見せ、声をかける

 

「こ、こちらのヒュージは私達にお任せを

機動力には対応出来ませんが四人係で足止めぐらいなら…!」

 

「僕達に任せて♪」

 

紅巴、灯莉は心配しないように伝える

海漓も何か言いたいのだが

 

「で、この後は!?

足止め言っても時間限られてるし更にアレとタイマンすんの??」

 

いかんせん小型にも注意をしつつ特型への足止めもしているからそんな余裕は無い

一刻も早く次の手を打ってほしいのが本音である

 

「もう十分よ、後は姫歌のレアスキルでヒュージの軌道を読むわ」

 

「任せるよ」

 

海漓はそう言い攻撃を中断、交代する

それを受けヒュージは叶星達ではなく先程攻撃を与えたリリィへと狙いを定める

 

それと同時に姫歌はレアスキル、この世の理を発動

目視できる範囲ではあるが力の方向性を感じ、状況を予見できるスキルである

 

「そうきて、こう…、うん…紅巴、来るわよ!…っ、小型も来てる、しかもこの数!?」

 

特型に狙いを付けていたのだが、途中視界に入った小型のヒュージもこちらに向かってきていたのだ

このままでは乱戦になるのは必須

しかし、そうはさせない

 

「小型は任せて、特型はそっちに任せた!」

 

「はっ、はい!!」

 

海漓はそう言うとアステリオンをアックスモードに変形させ滑るように移動し小型ヒュージへと向かう

 

「余り離れないでよ!!」

 

「定盛!とっきー、動き止めたよ」

 

「分かったわ、灯莉、今の内に左右に別れて一斉射撃を叩き込むわ!

小型しかいないとはいえ海漓も心配だしモタモタしてられないわよ」

 

「オッケー♪」

 

そうして三人は簡易的なフォーメーションを組み特型を相手取る

本来ならば紅巴と海漓で足止めし、状況を見て役割をローテーションしながら抑える予定だったのだが小型の対応に海漓が向かった為、このような形に変更したのだ

 

 

「(あー、くっそ本当の事言うとあのレストア、私の獲物なんだけどなー!!)」

 

海漓は内心悪態を付きながら小型をなぎ払っていく

アステリオンのアックスモード

乱舞システムという魔力を注入するタイミングを間違えなければ連続してヒュージを斬ることが出来るシステムが内包されており海漓はそれを使用し小型を凄まじい速さで叩ききっていく

 

自身の得意とするマギを利用した滑るような高速移動と乱舞システムの組み合わせによる攻撃

これにより効率よくヒュージを倒していく

その途中、3人の様子を見る事も忘れない

 

「(紅巴ちゃんを一種の囮にして定盛ちゃん、灯莉ちゃんで集中砲火…なるほど

戦闘スタイル考えたらこれがベストよね)」

 

コレだと抑え込みをする紅巴が大変ではあろうがそこは二人の射撃で負担を減らしているのであろう

 

「さて、こっちも早く…ん?」

 

海漓も小型のヒュージの対処を再開しようとした瞬間

1人のリリィが彼女の元に駆けつけてくる

 

「海漓さん、手伝うわ」

 

「高嶺さん…そっちは大丈夫なんです?」

 

「えぇ、大丈夫よ、向こうは叶星達に任せようと思って。この後を考えたらこれ以上貴方に負担をかけるわけにはいかないもの

叶星も賛成してくれたし」

 

そう言い笑みを浮かべると彼女も自身の愛機であるリサナウトを構える

 

「私が合わせるわ、海漓さんはさっきみたく自由に動いてくれて構わないわ

 

「助かります!ではお先に!」

 

そう言い二人は小型の群れに再度向かっていった

この日、この瞬間、グラン・エプレの中で何かが変わった時でもあった

 

 

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