Assault Lily〜御使いの妹   作:ラッファ

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第30話

夜が明けると今回の合同作戦の本命である特型ヒュージ討伐が控えている

 

少し前に各レギオン隊長陣と司令塔を務めるリリィが呼び出され今回の作戦の説明、今はそれぞれのレギオンにその内容を持ち帰り説明が行われた

 

今回の特型ヒュージを討伐する為に建てた作戦

それは3レギオンを3班に分けての波状攻撃を行うという

 

索敵と周辺のヒュージを掃討することが主な役割のサポートチーム、特型に対して直接ダメージを与えていくアタックチーム、そして止めとなるノインヴェルト戦術を行うノインヴェルトチームの合計3班

サポートにはグランエプレ1年の4名の他ヘルヴォルから恋花、瑤、千香瑠

一柳隊からは神琳、雨嘉、二水

アタックはグランエプレ2年生二人に加えヘルヴォルから一葉の他に同学年の佐々木藍が担当

 

残りの一柳隊はノインヴェルトと2チームのサポート

 

2班に関しては普段から連携して攻撃しているかどうかで班を分けたのだろうと海漓は思う

ヘルヴォルがどのようなフォーメーションを組んでいるのか、までは分からない。

グランエプレに関しては戦闘は基本学年で分けて戦っているし現状では誰も二年生とコンビを組んで戦っていないのだからこうするしかない

 

現在はサポートチームが第一陣として出発

目的地に到着するとまず始めに、灯莉、雨嘉、千香瑠の狙撃手三名と二水はヒュージの索敵と先制攻撃のための配置につく

 

 

「ヒュージ、き、来ました!!」

 

狙撃班の配置が終わるのと同時にヒュージが出現

こちらへと向かってくる

残っているメンバーも陣形を組み戦闘を開始する

 

「皆、攻撃開始!!」

 

恋花の合図で各々攻撃を開始する

狙撃班からの援護もあるがこの場は狭く見通しも悪い

慣れていれば問題ないがこういう戦闘に不慣れな者もいる

そうなってしまえば徐々に陣形が崩れてきてしまう

 

自分達の役割はあくまでもヒュージの索敵だがこのままではヒュージに押し込まれるのは明白

狙撃手の支援があるとはいえ現状こちらが不利

 

「…前に出ます!!

援護頼みますよ!!」

 

「ちょ、ちょっと!?」

 

「海漓、前に出てもいいけど油断するんじゃないわよ!!」

 

海漓はそう言うと恋花達の横を通り過ぎ一直線に走り抜ける

姫歌はいつもの事なので気にはしないが油断だけはしないように警告

 

二人の声を背にそのまま敵陣のど真ん中に飛び込む

 

恋花は静止しようとするがそれよりも早く海漓は前に出る

 

「それじゃ一葉と同じ…じゃ、ない!?」

 

恋花や瑤は海漓が一葉と同じように捨て身の攻撃を行うと思い、すぐに呼び戻しに行こうとするが、その予想は大きく外れる

 

 

「まず2体…!」

 

その言葉と同時に海漓はヒュージ2体を撃破

 

「ついでにまわりの雑魚も一掃!」

 

そのまま流れるような動きで付近のヒュージにも弾丸を打ち込む

トリグラフ最大の特長である2丁拳銃の強みを十二分に活かし付近のヒュージを一気に殲滅しにかかる

とは言え敵陣のど真ん中に飛びこんだのだ

ヒュージからの反撃も当然あるがそれを海漓は全て回避、それと同時に射撃を行う

 

「早く、確実に…一体でも多くのヒュージを」

 

海漓はそう呟きながら戦闘を行う

このスタイルをやるに辺り中等部時代に教導官から叩き込まれたことを何度も復唱しながら

 

『目線を逸らすな、ヒュージを視界に入れ続けろ!!』

 

『常に自身が有利になれるように立ち回れ

無駄な弾薬とマギは使うな素早く、正確に仕留める』

 

『感覚を研ぎ澄ませ!死角から現れるヒュージはそれで対処だ!

それって感任せ?戦闘の2割は自分の直感だよ、直感が鈍いリリィは死ぬだけ

お前の場合、鍛えればいずれ大きな武器になるかもしれないしな

それこそ私の感だよ、ホラ、さっさとやる!』

 

他にも色々と叩き込まれたが常にこの言葉は頭によぎる

指導と言いながら直感に任せると言うのはどうなのだろうと思った事もあるが今となっては正解だと思っている

 

こう言う状況を切り抜けられたのは教えがあったからこそ、そして今もなお安定してできるのだから

 

 

背後からは狙撃班の援護射撃も飛んでくる

海漓の動きにすばやく反応し的確に援護を行うリリィなど灯莉ぐらいであろう

雨嘉と千香瑠も海漓の動きに慣れ次第援護に加わると海漓は予測する

二人が下手、という訳ではなくこちらがどんな動きをするのか、そしてどのタイミングで援護をすればいいかを判断する時間を考えての判断だ

 

 

援護を灯莉に任せた二人は二水と共に特型ヒュージの索敵を行う可能性もあるがそこまでは海漓には分からない

 

「灯莉ちゃんかな?…有り難い!」

 

向こうもこちらに当てないようにしてくれているのが分かれば海漓もやりやすい

邪魔にならないように立ち回りヒュージを殲滅していけばいい

仮に撃ち漏らしても灯莉や姫歌達が何とかしてくれる

 

「海漓ちゃん、そういうスタイルかぁ…そりゃヒュージの群れに突撃しても安定して戦えるよね…これはむしろ」

 

「うん。一葉が悪い意味で影響受けてる」

 

そしてそれを見ていた恋花と瑤はある結論に至る

それは一葉の一部の無謀な行動は海漓の影響を受けているのではないかと言う事だ

一葉と海漓は多数のヒュージが現れたときよく自身が前に出る傾向がある

だがその行動理由は大きく異なる

一葉の場合は無謀で死にたがりとも評される場合があるが海漓は違う

技術と経験を基に行う立派な戦法として確立されている

 

 

暫くすると海漓が恋花達の所まで戻ってくる

ヒュージからの攻撃は続いているが海漓のおかげで数はだいぶ減らす事が出来た

 

「こんな感じでいいです? 

マギと弾薬を使い切っていいならもう少し減らせますけど」

 

「十分だよ、ありがと

これならもう少し持ちこたえられそうかな」

 

恋花は海漓を労い今度は自身と姫歌で前に出る

マギを使い切らせるとこの後に支障が出る可能性は考慮しなければならない

 

「海漓は少し休むこと!」

 

姫歌は海漓にそう告げると恋花と共に前に出る

二人の連携は初めてだが恋花ならば姫歌をフォローしつつ戦えるだろう

姫歌も弱くないし、所持しているレアスキルを考えればこの状況でも十分戦える

 

「特型はまだ見つからず

アタックチームの到着も遅い。

私が削ったとは言え良くない状況なのは変わらない…か」

 

海漓はそう呟く

二水達からの連絡が無いという事はまだ出て来ていないと言うことだろう

それにアタックチームの到着も遅い

ヒュージを削りはしたがそれでもこちらが不利なのは変わらない

 

 

次の手を考えている中、神琳が

 

 

「皆さん、特型ヒュージを発見したと連絡がありました」

 

そう告げる

ここからは第二段階、作戦は山場を迎える

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