Assault Lily〜御使いの妹   作:ラッファ

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第31話

神琳から告げられた特型ヒュージ出現の報告

その報告をと共に作戦は次の段階へと移行する

 

 

それはこの場から開けた場所へとヒュージを誘導しながら一柳隊とアタックチームへと合流する事

戦いも中盤へと移行しここからが本番…なのだが

 

 

「(定盛ちゃんと紅巴ちゃんの動きが悪い…思った以上に消耗してる?)」

 

姫歌と紅巴の動きが悪くなってきている

マギの消耗よりも体力と精神面での消耗が激しいのかもしれない

普段から訓練しているとはいえ今回は慣れない環境、普段とは違う状況に加え、実力だけでなくレギオンの精神的支柱である叶星と高嶺の不在という状況が思った以上のストレスになっているようだ

特に姫歌は一柳隊の神琳をライバル視しているし、紅巴は百合ヶ丘に強い憧れを持っている

余計な力みがあってもおかしくはない

 

 

そしてそれは恋花達も感じているようで

 

「ほらしっかりする!動き遅くなってるよ」

 

「は、はい!」

 

恋花も状況を見て喝を入れているが効果は薄い

姫歌は恋花がフォローし、瑤と海漓は前に出て共にヒュージを引き付ける

本来ならば恋花が前に出て瑤はサポート、なのだが今回は瑤が前に出てきた

二人のレアスキル等々を考慮したのだろう

 

紅巴は神琳が上手くフォローしてくれているようだ

 

肩を並べ戦いつつ海漓は

 

「この場に居ないリリィを頼ったって仕方が無いのに…」

 

呟きながらもヒュージを狩る

実を言うと二人がこうなる事は、予想できていた。

灯莉の行動は海漓でも把握できない所があるため出たとこ勝負ではあったのだが、今回はいい方向に働いているようだ

海漓はともかく、他の三人からしたら叶星と高嶺は頼りなる先輩だし居ないと不安になってしまう

それにグランエプレでこういう場面に遭遇したら良くも悪くも二人が全て対処してくれるからここまで荒れた状況にはまずならない

更にいうならグランエプレは基本学年別にチームを組んで戦うから上級生と肩を並べるなんて機会も無い

海漓ですら時折フォローに入ってもらうぐらいで二人と息を合わせて戦ったことなど無い

上級生が下級生を本当の意味で引っ張る姿というのを見ていないのだ

 

そんな状況が結成から続き、いざ合同で他校のリリィ、ましてや上級生と肩を並べろなんて言われても無理な話である

東京の特徴として他校との共闘も無くは無いのだが運悪く他校の上級生と共闘するという機会が全く無かったのも大きい

 

「もう少ししたら目的地だよ」

 

「分かりました」

 

瑤も走りながらそう告げる

こちらの消耗はうまく抑えられておりますまだまだ戦えるといった感じだろう

ヒュージとの距離も開いてきた為物陰に隠れ、一度呼吸を整える

 

「マギと体力は大丈夫?」

 

「体力は問題ないですがマギはちょっと厳しいですね…ガス欠は起こさないように気をつけてますが…ノインヴェルト戦術への参加は無理かと

レアスキル使ってのサポートなら問題は無いですが」

 

海漓はそこに関しては嘘偽りなく告げる

中等部の時に戦闘に関する部分で隠し事はするなと教導官や上級生から教育されてきているし、隠す理由もない

まぁ()()()()()()()()()()()調()()()()()()()もいるがそれで何かあれば自己責任というのが海漓の考え方

 

話を戻し、彼女のマギ保有量は平均的か、やや少ないぐらい

通常戦闘や先のような突撃をやる分には何ら問題はないし、長期戦も問題なく行えるが、そのような行動の最中にマギを大量に使用するノインヴェルト戦術を行える程のマギを彼女は保持していない

故に彼女は普段から敵を殲滅するのか、ノインヴェルトに参加するのかを上手く見極めながら臨機応変な対応を求められる

 

 

体力は中等部時代に嫌というほど鍛えられた為、問題が無いのが救いではある

これで体力も無かったらと考えると背筋が凍る話である

 

「アイツみたいにほぼ無尽蔵なマギ保有量だったらこんな事に頭悩ませなくてもいいんですけどね

年々スキラー数値は上がってますけどマギ保有量は一向に変わらないんですから」

 

「スキラー数値はマギをどの位出力する事が出来るか、だから

保有量とは別」

 

この場には瑤しか居ないからか、普段では言わないような事を言ってしまう

 

雑談をしつつ呼吸を整えるとヒュージも丁度いい距離まで迫ってきていた

この距離ならば引きつけつつ目的地まで辿り着けるだろう

 

「さて、じゃあ行きますか」

 

「うん。もうひと頑張りだよ」

 

海漓は腰を上げ瑤もそれに続く

一息ついたおかげか特に手間取ることもなく目的地に到着する

 

するとそこには

黒い羽のような物を生やした大型のヒュージが一体

 

「あれが、例の特型ヒュージですか?」

 

「そう。」

 

海漓の問に瑤はそう答える

映像では見たものの実物を見るのは今回が初めて

瑤達ヘルヴォルは一度交戦しているからこれで二度目と言う事になる

 

「大きさ的にラージですかね?」

 

「うん」

 

瑤は問にそう答える

ヒュージはいくつかのクラスに別れており

リリィならばスモール、ミドルなど当たり前に対処出来なければならずラージ級となるとボスクラス

ここまでなら実力のあるリリィならば単身で対処出来なくは無いレベルと言われている

海漓もラージ級までなら単身で対処出来るしレアスキルを上手く使えばラージ級を複数相手しても余裕で立ち回れる

サブスキルも所持している今ならばかなり楽に立ち回れもする

 

ちなみに、その上にギガント級にアルトラ級がおりここからは単身での対処はほぼ不可能

ギガント級は百合ヶ丘や御台場クラスのガーデンのトップリリィであれば単身でも対処できるらしいが普通はレギオン単位でどうにかなるレベルだし、アルトラ級など海漓から言わせれば人間を辞めてるレベルのリリィと現時点での最先端の技術を全て注ぎ込んだ一点物の規格外のCHARMを使用しなければまず勝負にすらならない

姉の天葉はこのクラスを相手に闘えるのだからどれだけ規格外なのかが分かる

 

 

「定盛ちゃんたちまだ来てないですね

一柳隊やアタックチームも」

 

「恋花達はもう少ししたら来ると思うけど…」

 

そう言い瑤は特型ヒュージを見る

今現在動きはないがそれは特型ヒュージのみ

付近のヒュージはすでに臨戦態勢だ

 

ヒュージがお行儀よくこちらの作戦が始まるまで待ってくれる訳がない

のんびりしていたらあっと言う間にこの場が制圧されてしまうのは明白

ヒュージの数が増えすぎればそれだけこちらの負担が増すという事になる

 

「まぁ、待つ気は…無いですよね

どうします?これ以上増えてもダルイですし雑魚だけでも潰せるだけ潰します?」

 

そう言う海漓はもう戦闘態勢を取っている

瑤はそれを見て苦笑い

海漓が中等部に所属したガーデンを考えたらかなり抑えている方だ

 

自身の通うエレンスゲと似た校風のあのガーデンならばこちらの返答を待たずに仕掛けても何ら不思議ではない

単体ならば無謀、とも取られるが隣には自身もいるしこの後に仲間も来る

ならば先に始めても問題はないし少しでも有利に作戦を進めたいと考えているのかもしれない

それに自分達の役割は付近のヒュージの掃討

本命は自分達サポートチームではなくこの後にくる一柳隊とアタックチームが対処をする

ここを勝負所と捉えるのは間違いではない

犠牲になるつもりは無さそうだがマギはここで使い切る覚悟を決めているのかもしれない

自身のマギはまだ持つし体力とCHARMも消耗していない

 

一つため息を吐くと

 

「無理しない程度にやろうか

マギ、使い切ったら駄目だよ」

 

「分かりました…となると、一旦こっちかな」

 

海漓はそう言うとトリグラフを射撃モードから格闘モードのパルチザンモードへと切り替える

格闘ならば射撃よりはマギの使用量を抑えられるはず

これだけの数を射撃で、となると弾薬とマギを凄まじい勢いで消費してしまう

 

「瑤さん、もう少しだけお付き合い、お願いしますね。」

 

「任せて」

 

二人はそう言いヒュージへと向かっていく

この戦闘は中盤へと突入する

 

 

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