Assault Lily〜御使いの妹   作:ラッファ

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第34話

特型ヒュージの討伐を終え、今は宿泊を行っていたロッジで簡単な打ち上げを行っている

 

その途中で百由は

 

「そうだ。皆に一つ言わなきゃいけないことがあるんだった

西東京の防衛構想って知ってる?」

 

そんなふうに問う

これは東京のガーデンに通うリリィならば誰もが知ってなければおかしい話…なのだが

 

「知らなーい」

 

「藍も知らなーい」

 

「(ええぇ…授業でも言われて…灯莉ちゃん話聞いてなかったね)」

 

 

…知らないリリィがいるのである

ガーデンの授業でも取り扱う話、なのだが灯莉はその手の話の時は大体寝ているか隠れて絵を書いているのだ

 

すると姫歌が

 

「文字通り東京の防衛についての会議ですよね

最近は西側を担当するルドビコ女学院が春先の事件で機能しなくなっちゃって関東のガーデンが穴埋めに来てるんでその割り振りとかが主な議題になっちゃってますけど」

 

「はい。その事件の影響を受け、百合ヶ丘からもいくつかのレギオンが外征しています」

 

二水がそれに付け足す

春先、グランエプレが結成され少しした位だろう

東京御三家の一角であるルドビコ女学院が突如崩壊

その影響は今なお続いており、神庭も影響を受けているのは言うまでもない

ガーデンの主力となるリリィが全滅した、という話は聞かないが指揮系統が機能していないという

 

「外征の多いエレンスゲですがこれには積極的に参加していますね

私達も何度か赴いた事はあります」

 

 

外征の多さかつ、ルドビコとエレンスゲは同じ派閥だ

支援などを考えても当然だ

百合ヶ丘も支援としてレギオンを外征させているというのは知る所

一柳隊が事件当時東京に来たのか、それとも鎌倉に待機していたのかは海漓は分からない

 

 

「ルドビコの事件の日は現地に向かったのはグランエプレだと叶星様だけですね。

ひめか達はガーデンで待機。

まぁ海漓は臨時メンバーとして生徒会防衛隊に駆り出されてましたけど」

 

姫歌は当時の神庭の状況を説明する

 

「そうなんですか?」

 

「はい。

中等部時代の事考えたら新宿行かせるよりも萩窪でヒュージの迎撃したほうが良いって言う生徒会や教導官の判断です

状況は違えど似たような事やったことがあるらしくて」

 

一葉の問に姫歌は答える

事件のあった日、本当ならば海漓も新宿で戦いたかったのだが当時のグランエプレではレギオンとして外征の許可が出せるほどの実力があると判断されず出撃許可が出たのは叶星のみ

高嶺は一年生三名が無断で出撃しない為の御目付け役

海漓は過去の戦績を考慮され新宿に派遣するよりも萩窪に残り、なだれ込んでくるであろうヒュージを討伐するために生徒会防衛隊の臨時メンバーとして活動していた

生徒会防衛隊も本来ならばグランエプレが不在の時に活動するのだが非常時かつ当時の練度も考慮されての出撃であった

 

「だからあの時新宿に来たの叶星様だけだったんですね…なだれ込み対策なら、海漓は最適ですし

萩窪は大丈夫でした?」

 

「不幸中の幸いなのか萩窪にはそんなヤバイの来なかったらしいんでなんとかなったって言ってました

出てきてもラージ級までだったとか」

 

「特型のスモールとか面倒くさいのはボチボチ来たけどね

まぁあの程度なら余裕」

 

姫歌の問に海漓は一応の補足をする

一葉はその答えに安心した

本当ならばその時に新宿で再会し共闘出来ると思っていたので隊長の叶星しか来なかった時は驚いていたりする

 

「話を戻すけど

そんな状況が長続きするのって良くないのよ

それで、問題解決の為の会議が今回行われるの

俗に言う東京圏防衛構想会議ね」

 

「それと私達になんの関係が?」

 

「分かってるくせに

今回の特型ヒュージ討伐の功績が認められて一柳隊に参加の要請が来たのよ」

 

「(ん?おかしくない?ヒュージ討伐と防衛構想会議になんの関係が?)」

 

皆は情報の広がりの早さに驚いているが海漓はむしろ一柳隊の参加に対し疑念を持つ

当たり前の事だが防衛構想会議は先の話の通り内容は今後の東京の防衛についてであり特型ヒュージ対策ではない

勿論、今回倒したヒュージが今後現れる可能性は当然考慮しなければならないが功績と言われると微妙な所だし、日程というのは事前に決まっている

開かれるまでにまだ日はあるが、それでも戦果を上げたから呼ぶ、というのは少々無理がある

 

 

「ついさっき倒したばっかりなのに…いくらなんでも情報の広がりが早くありませんか?

会議の開催自体は日程通りですけど…」

 

「それだけこの戦いが各ガーデンから注目されてたということじゃ

大金星というところじゃろうな」

 

それには紅巴も気がついたようだがミリアムを筆頭に一柳隊の面々は違和感を覚えていない

さらにその会議に一葉や叶星、そして一柳隊からは梨璃と夢結の参加が決まる、という事だが

 

「隊長陣はともかくどうして一柳隊は副隊長の私まで参加を?」

 

「(いや、一人で会議に出だしたら何やらかされるかわからないし、盾兼保険要因だろ

ここは百合ヶ丘側からの提案だろうけど…その位分かってくれ…)」

 

夢結はどうして自分まで参加するのか分かっていないが海漓はそうではない

この話を聞いているときも梨璃は事の重大性を理解できずに舞い上がっているし、本番で何かやらかす可能性は十分にある

そうなった時の盾兼保険要因だろう

百合ヶ丘のトップリリィ相手に悪態をつくリリィなど先ずいない

一番いいのはそう言うトラブルにならない事だが、一柳隊は指名手配の件で悪い意味でも名前が残ってしまっている

その中で明らかに知識が足りない梨璃が単独で来た時のリスクを考慮し、百合ヶ丘側から何らかの提案を持ちかけたのだろう

まぁ、そもそもそんな人物を参加させるなと言いたいがそれを言うと問題になる為、海漓は黙る

実力など訓練すれば伸びるから気にならないがガーデン間の政治的事情など最低限の知るべき事を知ってから参加して欲しいというものである

 

 

「(一葉や叶星さんは手柄を横取りするっていうタイプじゃないし特型の報告なら一柳隊要らないんだよな)」

 

防衛構想会議の議題が特型ヒュージについてだったとしても、エレンスゲ、神庭で十分に説明出来る

 

海漓がそんな事を考えているとも知らずに話は進んでいく

どうやら二週間に一柳隊が外征活動という名目でエレンスゲ、神庭に班を分け訪れるらしい

 

 

来校する事に関してはガーデン間交流と一柳隊の東京への外征活動を名目にすると楓は言う

百合ヶ丘が他校に行くと言うと余計な疑いを持たれないための理由づくりだ

 

 

その後も打ち上げは続く…のだが

戦闘の疲れもあり早めに切り上げる

 

翌日は早朝から片付けを行い、終わったら東京組はガーデンへと戻る

その後は二週間後に向けて各自準備などをするのだった

 




今回は早めに更新

間に1.2話挟んで東京編かな?
ルドビコに叶星しか来なかった理由づけはこんな感じで一つ
一柳隊はわからないって事で←
本当はアニメ基準にしたいけど2章の初っ端から矛盾するし
仮に来たとしたら一葉や叶星とは別方向を担当することになるのかなと
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