Assault Lily〜御使いの妹   作:ラッファ

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第75話

 

「別メーカーのCHARM…ですか?」

 

 秋日の言葉に戸惑う海漓。基本的にその手の話はリリィからガーデンやメーカーに要請する。ガーデン側からの推薦というのは余り聞かない。

 

「えぇ、メーカーからテストリリィ募集の依頼を引受けて神庭の上層部と生徒会で審査した結果、海漓さんと藤乃が候補に上がって…ね。」

 

「どう言う候補です、それ?」

 

「二刀流の有無ですよー

私はレアスキルで、海漓ちゃんはマギクラウドシステムを使っての擬似的な二刀流で戦うでしょう?」

 

「そうなると…テストするのはマギクラウド搭載機って事ですか?」

 

「そういう事。」

 

 話が見えてきた。確かに神庭にも力のあるリリィはいるが二刀流として戦っているのは藤乃と海漓だけ

 

「私としてはレポートを出したり技術者と話し合いがあったりと非常に面倒くさいので、海漓ちゃんが引き受けてくれると非常に嬉しいんですが」

 

 候補の藤乃はやる気が皆無。引き受けると定期的な打ち合わせなどが面倒事が増えるのも事実。実質、海漓しかいないのが現状のようだ

 

「先行試作機だけれど、神庭で使用する事を考慮して、多少のスペックダウンの可能性もあるけれど…どうかしら?」

 

 こればかりは仕方の無い事。維持、運用する為にお金がかかるのは事実。そして神庭の規模と財政面を考えると部品の調達で高級品を用意するのも難しい。機体によってはネジ一本取っても調達難易度が高いとかいう海漓からすれば頭のおかしい機体が多数存在する事を考えると今回は非常に良識的だ

 

「…確かに他社の機体は興味あります。ずっとヒヒイロカネばっか使ってきましたから」

 

 彼女自身、他社の機体にも興味はある。舞弓や魅夢がモンドラゴンやグングニルカービンを使っているようにヒヒイロカネが経営しているとはいえ相模女子でも他社のCHARMを使う事を禁じてはいない。たが、ヒヒイロカネ製の機体は非常に強力な物が揃っており整備が容易で壊れにくい物が多い。態々他社の製品を使うぐらいならば自社の機体を使えばいいのだ。海漓のようにヒヒイロカネ限定で全ての機体を扱えたり整備が出来るというリリィも珍しくはない。

 

「それで…どう?引き受けてくれる?」

 

「構いませんよ。外征とか任務で神庭には負担かけてしまいましたし…そのお返しにもなれば」

 

 自身の興味に加え外征の連続でガーデンにも負担をかけてしまった。お返し、と言う訳ではないが何らかの形でガーデンに貢献しておくのも必要だと判断する。それに先行試作とはいえ最新鋭の機体を使わせてもらえる分、海漓の方が得をしたのかもしれない

 

「そこは自分の興味だけでいいのよ…全く。

この後、手続きしておくわね」

 

「これが、そのテスト機体の情報ですよー」

 

「メーカーはユグドラシル

CHARMは…グラーシーザ?」

 

 ユグドラシル社、CHARM開発関連としては非常に有名な企業と言っても過言ではない。百合ヶ丘を筆頭に多くのガーデンがユグドラシル社のCHARMを導入している。中でもグングニルを筆頭に強力な量産機を製造している事でも有名だ

 この会社のCHARMならば安心して使用できるのも事実。

ただグラーシーザと言う機体は聞いた事が無い。詳細なスペックを確認する

 

「マギクラウド搭載型…親機側は完全に近接特化か」

 

 マギクラウドコントロールシステムを搭載した第三世代機。擬似的な二刀流で戦う事を想定した機体でもある

問題なのは親機側。2丁拳銃をモチーフとしたトリグラフと違い、親機側に射撃機能は一切なく近接オンリー

射撃を主として戦う海漓にとっては少々扱いにくさが出る事が予想される

 

「後は実際に使ってみて…か慣れれれば簡単そうかも」

 

「え、本当に?難しくない?」

 

「トリグラフ使ってたからさ。機体は初見だけどマギクラウドで戦うって所は同じだから。」

 

 CHARMの使用に限った話ではない。状況、機体は初めてかもしれない。しかし積み上げた知識、経験、技術の引き出しを次に活かす事が出来る。

今回の場合、グラーシーザは初めて。しかし彼女にはトリグラフで戦ってきた経験があり、共通する部分は必ずある。その上で機体のスペックを引き出すだけだ

今までの行動もそれに当てはまる。状況をピンポイントで当てる事など彼女には不可能。しかし過去に似たような事が起きたという知識があれば次も、と考え備える。ただそれだけの事だ。

 

「今までの行動も?」

 

「まぁ、そう…ですね。後は誰かがやらなきゃならなかったってのもありますけど」

 

今の言葉で秋日も彼女の今までの行動の理由が分かったのだろう

 

「後は…暫くの間悠夏をグランエプレに助っ人として合流させようとおもうんだけれど…上手くやれそう?」

 

「まぁ、問題無いかなと。(そっか。秋日さん、決めたんだ)」

 

 一呼吸置くと、秋日はそのように告げる。だがその意図を海漓は正確に捉える。『防衛隊のリリィを合流させる』事が動く事の合図、意味どおり生徒会は動くという事、つまり時間切れだ。情勢の悪化等予想外の事が多かったとはいえ我慢の限界なのだろう

 

「秋日様、どうして海漓に?

叶星様やサブ…リーダー…の姫歌さんに聞くべきなんじゃ?」

 

「同学年の経験者ならではの意見に興味があったから。海漓さんだけでしょう?」

 

「確かに…グランエプレの一年生で経験者は海漓しかいないから」

 

 納得したように頷く。グランエプレ内で中等部からリリィとして前線で戦ってきた一年生は海漓のみ。贔屓目無し、一人の経験者としての意見を求めたのだろう

 

「機体に慣れるまでの間、最低限のフォローはしてあげなきゃいけませんからね。これ以上介護者を増やすのは酷でしょうし」

 

「藤乃!」

 

 普段とは違う機体を使って出撃する事は当然リリィにとっても負担になる。慣れない機体を使う事で動きが鈍くなる事や万が一の事が起きる可能性だって多いにある。ガーデンとして要請した以上当面の間フォローを入れるのが義務本来ならば慣熟訓練を終えた後に実戦で使用だが、ヒュージの出現頻度を考慮し訓練時間や人数的な余裕が無くなることも考慮したのかもしれない。

 当然これらは生徒会が動かなくともこの後に事情を知る事になる叶星が考えて対応すればいいだけの話。

藤乃もそれを分かった上での発言だ

 

「とりあえず、引き受けるって事で報告してくるわ。必要な書類を受け取ってくるから少し待ってて頂戴。鈴夢、ついてきて」

 

「…はい。」

 

 秋日は鈴夢を連れて生徒会室を後にする。今の話を聞く限り必要な書類も既にガーデンにあるのだろう。

 

 生徒会室には海漓と悠夏、藤乃の3名のみ。すると悠夏が不意に

 

「一応、書類上の報告で知ってはいるけど…ほら、エレンスゲラボの戦闘あったじゃない?」

 

「あ、うん。」

 

 恐らくはあの襲撃の件を言っているのだろう。とは言っても自分達はヒュージとの戦闘でラボの対処はヘルヴォルが行ってたのだが

 

「戦列から離れて何してたの?

提出された報告書だとマギの回復不足含めたコンディション不良の疑いありとは書かれてたけど」

 

「どれ、ちょい見せて」

 

「どこだったかなー…あった。はい。これ」

 

 彼女はそう言い生徒会室の本棚から報告書がしまわれているファイルを取り出し海漓に渡す

 

「(えっ、マジでやってる事理解できなかったの?本当に御台場卒のエリートだよな、あの二人?)」

 

 記入者は叶星の名前。例の戦闘の報告が詳細に書かれている。その中で海漓の行動も記されているが、『コンディション面の事情により戦線から離脱』と記載されており、彼女の行動の真意を読み取れなかった事が伺える

 確かにエヴォルヴを相手にしており、中々目を向けられなかった…と言う事を考慮しても『退路の確保』と言う当たり前の事をせずに戦闘し確保に努めた彼女の行動を読み取れなかったのは流石にショックだ

 

 東京御三家出身のエリートがそんな当たり前の行為すら気づけないなど彼女からすれば信じられない。

 

「いや、万が一に備えて退路作ってただけ」

 

「ふむふむ。退路。」

 

「叶星様が決めた方針を守ってただけ?…忘れるなんてらしくないなぁ」

 

 藤乃は考え込むし悠夏はらしくないという。幼少期からの知り合いという事もあり叶星が物忘れなどらしくないと思ったからだ。

 

「…いや、退路の確保なんて決めてないよ。私が自発的にやっただけ」

 

「自発的…ですか?」

 

 退路を確保しなさいなど叶星は教えていない。あれは海漓が自分で考えて行ったことだ

 

「まぁ相模の時に退路の確保は言われ続けて来た事ってのもありますけど」

 

「言われ続けてきた?」

 

 色々と教わった事があるがその中でも退路の確保の重要性は常に言われてきた

 

「入学から中等部3年の間ずーっと

教導官、先輩問わず。」

 

「ほぅほぅ。」

 

「私達って落ちこぼれって言われてたじゃないですか?

トチった時の対応や予防策を日常的に叩き込んでおかないといざという時動けなくなるんで」

 

 当時の相模女子はエリートでは無く落ちこぼれの集まり。名門ではありえないようなミスが平然と起き、危機的な状況に追い込まれるなんてザラ

 訓練も対策もなく突発的な状況でも軽々と突破できるような才能の集まりでないならば日常的にしつこいレベルで叩き込ませるしかないのだ。要は反復学習だ

 

そして一息吐く、

 

「そりゃ、才能あるリリィなら多少トチろうが何しようが強引に切り抜けられますけど、落ちこぼれの私等、同じ事しようとしたって出来るわけ無いし普通に死にます」

 

 根本はこれだ。才無き者(落ちこぼれ)才有る者(エリート)と同じ事など出来るわけ無い。バカにされ蔑まれる事でもやらなければヒュージ相手に勝てないし死ぬだけだ。

 

「だから相模女子はプラグマティズム思考を推奨しているんですね」

 

「そういう事です」

 

 相模のプラグマティズム思考自体は例の教導官が来る前から行われてきたもの。遊糸を筆頭とした3年生やその前からもそれは顕著だった。

品格では無く、結果が全てと言いながらプラグマティズム思考を求める姿勢

中立と言う事もあり矛盾を抱えたガーデンとも言われてきたこともあったが、それこそが相模女子でもある

 

「プラグマティズム…?」

 

「ものすごーく噛み砕いて分かりやすい例えると結果を求める事も無理なら諦めて逃げる事も正解だと教えることです」

 

 藤乃の回答は模範解答として見るとほぼ100点に近い。結果を求めすぎて深入りして余計な被害を出したり引きどころを間違えて自軍に損出を出せば怒られるし、逆に露骨に結果を出さないとそれはそれで怒られる。

 

「まぁ、初代アールヴヘイムとか東京だと船田予備隊クラス?ならそんなの必要なかったんだろうから凄いもんだよ…私らそんな事したら速攻お陀仏なの間違いないし(…そのお陰で甲州の時に私らがとばっちり受けたんだけど…新宿の時も危うく死にかけたし)」

 

 海漓が例えたレギオンならば正直必要ない事も分かっている

そのせいで二年前の甲州でやらかしてみたり、自身も新宿事変の際、CHARMを失っているのに叶星が戦闘続行の指示を出し遊糸達がいなければ危うく死にかけているのでなんとも言えくなる

 もしかしたら船田予備隊には素手でヒュージを殴り倒せるようなリリィがおり、彼女も経験者なのだからそれを要求されたのかもしれない。真相は闇の中だ

 

「必要無いなんて…そんな事…」

 

「あれ、ボストンでもやってた?

ゴメンゴメン。私の知る範囲での話ね」

 

 発言を聞いた悠夏は何故か落ち込んだ表情を見せる。ボストンでもそれらは必要と教育されていたのならばそれはかつての母校を否定したも同じ。

自身のリサーチ不足を認め謝罪する。

 

「あ、いや…そうじゃなくて

海漓はよくやってたの?そう言う事?」

 

「退路の確保は確実に指示出したし出されたよ。すっぽかしたら普通に怒られるし…」

 

 自身が司令塔を務めた時、司令塔では無く指示を受ける側だった時共に退路の確保は確実に行っていた

特に数で押してくるスモール、ミドルの出現となれば尚更

『スモール1体見つけたら付近に最低10体はいると思え』と言われるぐらい数が出てくるのだ

例えば『ヒュージの大群が出現』という事ならば想定以上の数がいる事は頭に入れるし、退路の確保や長期戦を覚悟した戦いをする必要がある。

 明確なゴールが無いのが戦いだ。『ヒュージを倒せ』という指示一つ取ってもどの位の時間がかかるか分からないのが現実だ

『リリィの能力とCHARMの性能の暴力行為』で勝てるのはごく一部、自分達はそちら側(エリート)ではないと日頃から教わってきたのも大きい

 

「教官や上級生から受け継いだ…と言う事ですね。海漓ちゃん達を主に担当した教導官はどんな方だったのですか?」

 

「どんな…まぁ、指導は鬼でしたよ。

クッソ厳しいし、怒られる事、駄目出しされる事は多かったです。」

 

 入学してから中等部3年間の日々を思い出す。女子中学生向けのカリキュラムとはいえその教官はこと戦闘に関しての指導は滅茶苦茶厳しかった。中途半端な事をしたら怒号が飛ぶのは当たり前。体力錬成一つ取っても楽だった記憶がない。落ちこぼれと呼ばれていた自分達の代は相模女子の中でも入学時点の能力は歴代最低に近かった。

 そんな世代を鍛え上げ戦場に出さなければならなかったのだから自然と指導も厳しくなる。

後に遊糸を含めた上級生から聞いた話だが「アレだけヘボいの揃ってたら指導も厳しくなる」との評価だったらしい

「やらなければならない事」と「やってはいけない事」をとにかく叩き込まれた

 

「でも実技離れたら普通ですし面倒見も良かったですよ…熱血とも違いますし…まぁ、現場を知り中等部でも命かけて戦わなきゃダメないことを知り尽くしてた故の厳しさでもありますよね」

 

「恐怖で支配って事では無さそうですね」

 

「まぁ『訓練時の怒号が怖くてリリィ辞めたい。怒られたく無いからちゃんとやるって考えなら悪いこと言わない。今すぐここから去って普通の生活に戻るか、周りが優しく教えてくれる他のガーデン受け直せ』ってのはよく言ってましたね」

 

 CHARMを持って初めて戦場に出た時の事は今でも覚えている。逃げ惑う市民の悲鳴と崩壊する街並み、必死に戦っている上級生。あの時は上級生にドヤされ、震えながら必死に戦ったのを覚えている

自分達が担当した所はまだまともで負傷した上級生やヒュージに捕食されヒトだった何かをみた同期もいたのだから

その時の恐怖や肉体的、精神的な負担に比べたら教官の指導など言い方は悪いがマシだったのだ

『本番ではこれ以上の負荷がかかるぞ』と言っていた理由もこの時に分からされた

 

「うーわ、言うねぇその教官。ガーデンから怒られなかったの?」

 

「後から聞いたけど『そのやり方で優秀なリリィを育てられるなら良い。その為にあなたを雇った』ってさ。

実力なくてもやる気ある奴へはフォローしてたし必要に応じて助言もしてたから、怖いけど優秀な教官って印象だなー」

 

『弱いのは良い。訓練すれば幾らでも上手くなる事ができる。』そう言っていたのも確かだ。その後に『伸びしろや素質で差は有るが今よりも前に進めるのは皆同じ。』とも付け足していたが

 

「いや、そっちもだけど…教官がそういう事して怒られないのって?

そう言うのってリリィ同士でやる事でしょう?」

 

「落ちこぼれは先ずは指導よりも自分達の事を優先しろってのもあるんじゃない?」

 

 神庭に限らず技術や精神面の指導は教導官では無くリリィ同士でやる事と言うのが一般的な認識。教導官は座学専門で他はリリィが務めるやり方が基本。何なら訓練メニューすらリリィ主導の所も多数ある。

それを考えると確かに異端かもしれないが、そもそも落ちこぼれと呼ばれたガーデンで上級生が教えた所で落ちこぼれを量産するだけ。強くなる者もいるが極僅かだ。

 ならば御三家のイルマ出身かつ教導官時も指導実績を残していた彼女に任せると考えるのは上層部としても当たり前の話。上級生も自分達の訓練をする為の時間を作らせる、そんな狙いもあったかもしれない

 

「(素行よりもコッチがイルマ出された理由じゃないかって噂はあったけど)」

 

 酒や煙草と言った素行面など言いがかり。大人としてリリィの成長を真剣に考え行動を起こしすぎた事がイルマ放出の原因だったのではないかと言われている

手を出すと言う意味ではなく「教え導く者」としてリリィに近すぎた彼女にも教導官としての義務、信念があったのだろうがそれを面白くないと捉える者が教導官、リリィで多数を占め追い出されたのではないかと噂になっていた。

 

「中等部といえど上級生との関係とか無かったの? 

海漓含め皆そう言う相手がいなかっただけ?」

 

「んー。私の場合、本当に生き残る術を身につけて戦うのに必死で誰かと関係持ちたいとか考えた事すらなかったなぁ…そもそも命を落とす同期や上級生も多かったし…」

 

 リリィなら誰もが夢見る光景だ。同期、上級生と姉妹契約や特別な関係を持ち共に戦い抜く事を誓う。だが彼女の場合は毎日が必死でそんな夢すら見た事が無かった。同期や上級生が死んでいく、次は自分かも知れないと思う日々もあった…それでも仲の良い同期や後輩、上級生と戦い抜く日々だったのだ。流石にそんな中で普通のリリィなら当たり前に見る夢を追う余裕は残念ながら無かったのだ。

 

「そ、そうなんだ…」

 

「まぁねー。教導官の指導で見きれない細かい助言とかは上級生もやってたけど…名門みたく座学や体力錬成以外は全部リリィが主導して教導官は不在…なんて事はなかったね」

 

 ガーデン毎のやり方があるためこの辺はそれぞれの考え方も在る。

指導の合う合わないもリリィ毎に異なる為一概に言える問題ではないのだ

 

「つまり海漓ちゃんはお相手のいなかった一人様と?」

 

「なーんか言い方引っかかるけど…そうなりますね…仲いい上級生もいたんですけど先輩や上官的な感じですし…俗に言う『姉御やお姉様』はいないですね」

 

 海漓とてぼっちではない。同期、後輩、上級生問わず友人は多数いる。だがどれもがそこ止まり。尊い関係とかそんなのは無かった

あり得た可能性としては遊糸が最も近いかもしれないが結べば何かにかこつけて集ってくるのは必須。まぁ、なればなったでウザかったら妹の立場を使って蹴り飛ばすか引っぱたく位はしたのかなと思う

 

「(遊糸さんは上級生としては頼れるし隊長としては理想的なんだけどなぁ…)」

 

叶星と遊糸。どっちの率いるレギオンに入りたいかと聞かれたら遊糸一択。その位の信用と信頼は相模を離れた今尚持っている

 

「藤乃様、何考えてるんだろう?」

 

「考えるような回答してないんだけどなぁ」

 

 生憎と彼女に人の心の奥底を読み取る能力など無い。まぁ、不愉快な回答でなかった事は分かるが、その位だ

 

 中等部を経験したリリィによるこの手の話だと大体は同情や哀れみ、希望を持つように伝える者が多い中で考え込むのは初めて見たリアクションだからだ

 

そんなやり取りをしている後に秋日と鈴夢が戻ってくる

 

「藤乃様が考え込んでる…どうして?」

 

鈴夢も入室早々にそんな光景を目にしたら混乱するだろう

 

「海漓が相手のいないお一人様な事を悩んでるんだ!」

 

「悠夏は何を訳分からない事を言っているの?…まぁ、良いわ。」

 

秋日は聞き流すと海漓に対し

 

「明日、担当者が来るみたいだから話はその時に…今日はもう戻っていいわ」

 

 ユグドラシルからの担当者が明日来る事を伝える

この後生徒会で会議もあるだろうし彼女としても資料を受け取ると生徒会室を後にする

 

 

ガーデン帰還してやることが増えた

そんな事を考えるのであった

 




Q例のパーティ、海漓は行く?
A行きません!して欠(ry

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