Assault Lily〜御使いの妹   作:ラッファ

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第8話

お茶会やお泊り会など一般の学生と変わらない日常を過ごしているため忘れられがちだが彼女達はヒュージと戦うリリィ

ましてや彼女達は神庭女子のトップレギオンなのだ。

当然戦闘訓練も行うし、内容もハードである

この日の訓練は個人の基礎練習ではなく、レギオンとしての訓練

つまり連携やフォーメーションの訓練になる

 

「まずは海漓ちゃん、姫歌ちゃん、灯莉ちゃん、紅巴ちゃん。4人でフォーメーションを組んでみてくれる?」

 

そのためにも先ずは一年生4名でのフォーメーションを組んでの訓練

叶星が一年生にフォーメーションを組むように指示を出す

 

「オッケー任せてください。行くわよ海漓、灯莉、紅巴!!」

 

姫歌が気合を入れてそう呼びかけると一年生がフォーメーションを組む

配置を指示するのは出すのが姫歌の役目だ

 

「海漓はそのまま前よ、灯莉は海漓の左側のカバーできる位置。紅巴は私の右後ろよ」

 

指示を受け配置についていくが中々うまく纏まらない

すると紅巴が姫歌に

 

「えっと、つまり少し歪な形の四角形になれば良いって事ですか?」

 

「そう、それよ、それ。」

 

紅巴がイメージを伝えることでようやくどのように配置したら良いのかが伝わった為、その後はスムーズに配置される

すると姫歌が海漓に

 

「ある程度距離を離したんだから誤射を気にせずに思いっきりやりなさい。右側はひめかがやるわ」

 

「そりゃぁ有り難い。」

 

このフォーメーションを組む際に姫歌が各々の戦闘スタイルなのだが2丁拳銃をモチーフにしたトリグラフを使用し一人対複数の戦闘に持ち込む海漓の戦闘スタイルは個性という意味では群を抜いており下手に彼女を中盤や後方に配置してしまっては流れ弾が飛んでくる可能性を考慮した上でのフォーメーションだ

 

陣形が完成したのを確認した叶星は

 

「今回は戦闘と連携の訓練だからレアスキルは使っちゃだめよ。それ以外は実戦と同じ緊張感をもって取り組んで頂戴」

 

そう言い終わると同時に模擬ヒュージが出現する

模擬とはいえ姿はヒュージそのものであり違いがあるとしたら放たれる攻撃に殺傷力の有無だけである

ここでの被弾=実戦での負傷となるので手は抜けない

 

訓練が始まる

まず戦闘を切ったのは海漓

 

親機子機ともにガンモードのまま前に出る

模擬ヒュージも最初の獲物を見定めたのかそのまま大きな爪を彼女に振りかざすがそれをフェイントで交わし横に抜けていく

そのままあえて敵の密集地帯に入ると2丁拳銃を器用に操り弾丸をヒュージに撃ちこんでいく

勿論ヒュージも反撃を行うが時に回避、時にヒュージの同士討ちになるように誘導し姫歌達の方に向かうヒュージの視線を極力自分の方に向けさせる

 

 

「私達も行くわよ!突撃!」

 

最初は一歩下がって様子を見ていた他のメンバーもヒュージの意識が切り込んでいった海漓に向きつつあるのを確認、タイミングを図り姫歌が突撃の指示を出す

海漓が敵の集団に入り撹乱しているところを姫歌を筆頭としたメンバーが後ろから上がってくることで一気に勝負をかけるのが狙いだ

場合によっては姫歌が単体で上がっていき海漓の撹乱によって出来た道を利用し前に出て行く事もあるのだが今回は室内という事も考慮し前者の作戦を実行しようと考えるのだが、そうは上手く行かない

実はこの時一年生は気がついていないのだが海漓の位置が事前に想定していたよりも前に向かってしまっており後方と距離が開いてしまっていたのだ

 

とは言えこの時点ではまだ連携としては機能している

問題なのはこの後の動きであった

 

「よーしいっくぞー☆」

 

灯莉は姫歌が事前に指示した方向とは逆の方向に向ってしまう

この時点でフォーメーションも立てた作戦も崩壊してしまう

 

「灯莉ちゃん!方向が逆です」

 

「ちょっと灯莉!?そっちじゃない!」

 

「嘘ぉ!?」

 

紅巴と姫歌は当然灯莉を止めようとし、この後フォローが入るつもりで戦っていた海漓もまさかの事態に頭を抱えたくなる

この状況を立て直そうと姫歌は素早く指示を出す

 

「海漓はこっちまで下がって、3人で新しくフォーメーションを組むわよ!。紅巴は動きを止めない!ヒュージに狙い撃ちされるわよ」

 

「そうは言ってるけど定盛、後ろ!後ろ!」

 

「えっ!?」

 

彼女なりにこの状況を打破するために指示を出すが、そのために後方の注意が疎かになってしまう

 

後方に下がってしまった灯莉が直ぐに警告するが反応する前に攻撃を受けリタイアしてしまう

ちなみに灯莉も逆方向に向かった直後に攻撃を受けリタイアしてしまっている

 

「あぁっ、私はどうすれば…」

 

「ゴメン遅くなった…」

 

姫歌がリタイアした直後に海漓が戻ってくるが残っているのは彼女と紅巴だけ

CHARMを構えつつお互いが背中合わせで背後をカバーし合うがヒュージに包囲されている状況は変わらない

すると海漓は彼女に

 

「なんかこの状況を打破する画期的な戦術とか無い?二人で倒すぐらいしか私は思い浮かばないけど」

 

「レアスキルが使えるなら手が有りますけど使えないとなると、厳しいですね。個々で撃破するといっても最終的に数で押し切られますし、今回は一年生でのフォーメーションを組んで行う戦闘訓練と考えるともう終わりかと」

 

「そっかー、ならギブアップだね悔しいけど」

 

「はい…」

 

そう言い二人はキブアップを宣言し訓練は終了する

そうして一年生が集まった所で上級生による講評が始まる

 

「最初に海漓ちゃんね。

指示を受けて正確に行動するのは良かったけれど、先行する分、後続の状況によっては立ち位置を変えたほうがいいわね。実際組み直しのとき前に出過ぎてて合流が遅れたでしょう?」

 

「トリグラフの性能と貴方のレアスキル、得意な戦闘スタイルを考えると、どうしても撹乱しつつ一人対複数の戦闘に持ち込む事が多くなるだろうし連携を意識するためにも立ち位置の確認は重要よ」

 

次に姫歌

 

「姫歌ちゃん。声は良く出ていたし一度崩れたフォーメーションを立て直そうと直ぐに指示を出した所は良かったわ。けれど指示を出すことに気を取られて後方の注意が薄くなってしまっては駄目よ」

 

「前衛からも後衛からも距離が開きすぎていたわね。援護を受けにくいような中途半端な位置に立ったら真っ先に狙われるから気をつけなさい」

 

そして灯莉

 

「そして灯莉ちゃんは隊の動きと連携を意識してね。判断の速さは武器となるけれど」

 

「判断の速さと感の鋭さで動きが直感的ね。あの動きもおそらく海漓さんの援護と孤立しかけてた姫歌さんのフォローを同時にするために配置を変えたかったんだろうけど気になったことがあるのなら皆と共有していきなさい」

 

最後に紅巴

 

「紅巴ちゃんは他の3人とは逆に周囲に気を配りすぎね。戦局を把握するには必要な事だけれど、動きを止めるのは良くないわ。

戦闘は常にリアルタイムで動いていることを忘れては駄目よ」

 

「戦術理解度の高いリリィがフォーメーションの軸になるのだから、その意識を広げられるように…ね?」

 

これが叶星と高嶺が行っている指導である

単に悪い部分だけを指摘するのでは無く、良い部分と悪い部分を伝えることでリリィ個人の課題を明確にし、今後の訓練に活かせるようにする。

これはグラン・エプレが結成された時から続いているトレーニング方法である

 

 

いつもならこの後に個別の訓練になるのだが、今日はこれで終わりではない。

むしろグラン・エプレの訓練の目的はこの後にあるのだ

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