Assault Lily〜御使いの妹   作:ラッファ

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第82話

 

現場に到着した面々が見たのは大量のヒュージの群が住宅の壁や屋根に張り付く個体から地面を我が物顔で歩く個体まで様々、3桁は軽くいる事が予想される

 

「めっちゃいる‥(やっぱケイブの反応は無し‥)」

 

手元の機器やガーデンからケイブの反応や情報は与えられない。調べようにもヒュージを倒さなければならない

海漓、高嶺のAZ2名が敵陣に切り込む。

今回、悠夏はTZだ。姫歌達のフォローに回したのだろう。海漓は経験者なんだからソロ(単独)でやれという方針なのだろう

 

「(特型でも無い雑魚ばっかで助かるけど)」

 

現れたのはここ最近現れたのと同じタイプのスモール級。そんな個体は彼女の敵ではない。油断や満身はなくただひたすらに撃ち抜いていく

彼女がトリグラフで行う早撃ちは最早達人の類だ

 

「(とにかく‥倒す!!)」

 

ここ数日の感情を心の奥底にしまい込み戦う事に意識を向ける。周りを見ながら位置を変え、味方の位置を把握しながらポジションを微妙にずらす。後続が誤射を気にせずに戦って貰うためだ

 

そんな時

 

「(ん?高嶺さん?誰か来る??)」

 

複数のヒュージを相手にしつつ視界に入ったのは高嶺の後退。同時に背後から聞こえる2人分の足音

 

「海漓!そこ邪魔!どいて!!」

 

「はぁ!?何して‥クッソ」

 

振り向けば姫歌が全力で突撃して来る。何が起きたのか分からないがこのままでは激突する恐れがある。

攻撃を中止し、道を譲る為に超訳し建物の上へと上がる。疑問もあるが戦闘中だ。想定外の事態にも対応しなければならない。

 

「やああぁっ!!」

 

咆哮をあげながら姫歌はCHARMを振り下ろし眼の前のヒュージを一刀両断、さらに前へと進んでいく。陣形も何もなくただひたすらに暴れまわる。悠夏が後をついていく形だ

 

「これ、どういう事?」

 

姫歌の突撃とポジション変更。彼女は何も知らされていない。何らかのアクシデントが発生した可能性もある為海漓は地上に降り立つと追従してきた悠夏を呼び止め確認する

 

「この状況を打開する為の姫歌の案

それを叶星様が許可したのよ」

 

「状況を打開?」

 

良くも悪くも先の演説のお陰で海漓以外は普段以上の力を発揮している事でかなりのハイペースで敵を倒していた。

状況を打開するために姫歌がポジションを変える意味も理由も無い。

 

「叶星さんの指示は?」

 

急なポジション変更を叶星が許可する理由も分からない。本来ならば静止、悠夏や海漓を使って姫歌を呼び戻さなければならないはずだ

 

「全力で暴れて来てって」

 

「ええっ‥陣形とか戦術とかどうするの?体制立て直すのか決めに行くのか位の指示は欲しいんだけど‥」

 

ぶっつけ本番の姫歌を突撃させてどうするのか?姫歌がAZに入り突撃した際の陣形や戦術を決めていない。

突撃している間に体制を立て直すのか、それとも全員で2人の突撃をフォローし早期決着を目指すのか策は色々だ。複数を相手にできる海漓はAZで固定なのは大きいはずだ。

 

「可変フォーメーションなんだからそこは臨機応変に対応しなきゃ!!」

 

「はいはい。‥なら2人は好きに暴れれば?」

 

臨機応変とは都合の良い言葉だ。確かに戦場では臨機応変な対応は求められるが、行う為に必要なのは日頃の訓練の積み重ね。事前に通達の無いぶっつけ本番のポジション変更と急な突撃への臨機応変な対応など出来るわけがない。

 

「怒ってる?こう言う大胆な戦術や陣形で戦うのは嫌いなタイプ?」

 

「別に。定盛ちゃん見失ったら不味いし早く行きなよ(こう言うのは大胆じゃなくて大雑把って言うんだよ!)」

 

これの何処が大胆なのだろうか。大胆と大雑把は違うと教官や遊糸は良く言っていた。大胆な采配、行動は称賛するが大雑把は叱責する。人によって解釈は違うが、基準を設けるとするならば行動、采配に明確な意図の有無が挙げられる

以前からレギオン内で共有され日頃から訓練を積み重ね、使用するタイミングを見極めた上での実行ならばそれは大胆な戦術であり、姫歌も大胆な行動をしたとなるが、実際は何の訓練もなく思いついたかのような暴走とも取れる行動と具体的な指示もなく単に暴れてこいという漠然な指示。根拠や明確な意図は何も無い。只の大雑把な行動であり戦術だ

 

「まだまだぁぁぁ!!」

 

「(援護したいけど‥定盛ちゃん、こっち分かってねぇ!!)」

 

姫歌の突撃力は目を見張るものがある。ぶっつけ本番としては上出来。訓練の積み重ねで更に伸びるだろう。だが海漓からすれば姫歌の動きは暴れるだけで何も考えていない自分勝手な戦い。そんな中でも海漓は援護を試みるが辺りを気にせずヒュージを倒すために好き勝手に暴れている為、射線上にも平気で入ってくる。これでは撃てない

立ち位置を変えようにも後ろには叶星と高嶺、灯莉や紅巴が居るのだ。動く事で今度は海漓が彼女達の邪魔をする事になる。各々が好き勝手に動き、臨機応変な対応をすればこうなる事は当たり前だ

 

「(駄目だこりゃ‥動くか)」

 

この場に居ても邪魔になるだけ。フォローは悠夏に任せるのが最適と判断する。

 

「(まっ、地上だけが戦場じゃないからね)」

 

故に彼女はこの場からは退場だ。

だが、どうするのか。逃げるという選択肢は無く、左右へのポジションの変更も無理。ならば何処に動くのか

 

「馬鹿と煙とリリィはなんとやらってね!それっ!!」

 

彼女は大きく跳躍し、再度住宅の屋上へと移動する。ついでに我が物で陣取っていたヒュージを跳躍中にパルチザンモードへ変形させ、着地と同時に素早く接近し斬り伏せる

その後、再度射撃モードへと移行

 

「ここなら誤射の心配なし!」

 

地上は彼女達に任せ、自身は屋上を移動しながらヒュージを撃破することに専念

屋上に陣取り、付近のヒュージや地上にいるヒュージを射撃で倒す

遮蔽物のある戦場を好む海漓が遮蔽物の無い場所に立ち位置を変えるぐらいには影響が出たのだ

遮蔽物で有利を取れないならば高さで有利を取って戦う事に変更した決断は臨機応変な対応だ

 

勿論、その場から動かない固定砲台のような戦いではなく付近の住宅や近くの電柱を飛び移りながら移動し、ヒュージを倒す。

 

「(一旦2丁拳銃やめるか)」

 

ここで戦い方を変更。親機は射撃モードのまま。子機を近接モードへと移行させる。

移動中に小規模の群れを発見、彼女は地上へと降り、インビジルワンを使い距離を詰める

 

「まずはーっと」

 

正面のヒュージを縦に切断、突撃してきた事でヒュージも反応するが、反撃の時間など与えない

 

「こっちは接近」

 

近場のヒュージはインビジルワンによる高速移動を生かした接近戦で素早く処理

 

「こっちは射撃」

 

接近戦で倒しきれなかったヒュージは射撃で撃破。近接戦をメインで行い、生じた隙をついてくるであろう個体は距離を詰められる前に射撃で倒す

 

左手に持った子機で近接、右手の親機で射撃を行いヒュージを倒す

2丁拳銃として、又は両方を近接モードに変形させ双剣として扱うだけがマギクラウドシステムを搭載したCHARMの扱い方ではない

 

そして、移動時も只の高速移動ではない

今回は少しだけ工夫する

 

「近くに誰もいないし‥やるか!!」

 

再度現れるスモール級の群れを相手に彼女は機体を再度パルチザンモードに変形させ、地面を滑るように移動し接近。その際、自身に追従する形で残像を生み出す。残像を生み出しながら前後左右に動く事でヒュージを撹乱する

インビジルワンと彼女のレアスキルであるユーバーザインの合せ技。

幻覚を応用した形だ。

残像そのものは対した脅威にはならないがスモール級は面白い位に引っかかる

本体ではなく残像めがけて飛び掛かるヒュージもいるぐらいだ。

 

「やっぱり使えるな、これ」

 

移動時に残像を生み出しヒュージを撹乱、高速で接近し斬り伏せる。射撃型の彼女がヒュージに対し突撃、本格的に近接戦を仕掛けるならば何らかの補助が必要となってしまう。高速移動や幻覚、虹の軌跡による簡易的な未来余地で確実性と安全性を確保した上で行う。

 

「広がったって無駄!」

 

残像を伴った高速移動を活かした近接戦、派手さは無いが確実にヒュージを倒していく

群が横に広がった形になろうとも塀を伝うように背後に周り、一網打尽

群れに突っ込んだとしても虹の軌跡で動きを読み、高速移動でヒュージが攻撃を行う前に懐に飛び込み、撃破する

 

「これで終わり‥っとさて、次」

 

最後の個体を撃破すると彼女は再度跳躍し住宅の屋根へと登り、付近を見渡すとラージ級を筆頭とした新たな群れが目に入る

 

「(ケイブの反応無し‥ほんとどうなって‥)」

 

先日と同様にケイブの反応が出ずに急現れるヒュージ。戦闘後にラージ級がやってきた方向を辿り何らかの痕跡を見つけなければならない。

自身も屋根を伝って移動しグランエプレに合流。

叶星が出した指示は先にスモール級の群れを倒す事

 

「(ラージ級や退路の確保は!?)」

 

当たり前の話だがラージ級だって馬鹿ではない。スモール級を倒し終わるまでその場で待機したりこちらに攻撃して来ないなんてことはあり得ない。更に、新たなヒュージの出現も警戒しなければならない。ラージ級めがけて進軍していたらヒュージに取り囲まれました、なんて事も起こりかねない。ヒュージは前から出てくるとは限らないのだ

スモール級、ラージ級への対処と退路の確保は確実に行わなければならない。

 

「(臨機応変に対応しろって事‥?)」

 

本来なら隊長である叶星が人員を振り分け、指示を出すべきだが、指示が出ない。普段通りならば2人がラージ級を対処し、他を一年生がこなすのだが。海漓以外の一年生もスモールへの対処。

ラージ級と退路の確保を行っていない。それが不味い事は誰にでもわかる事。

 

「(どっちをやる‥ラージか、退路か!?)」

 

選択肢は2つ。ラージ級を抑えるか万が一の事態に備え退路を確保するか

 

「(大切なのは市民を守る事‥なら、ここは)」

 

最大脅威はラージ級、進路を変更し市民の避難先に向かうことなどあってはならない。

 

「(ラージ級を抑える‥!)」

 

ラージ級を留め、万が一にも市民の避難先に向かわせない事が最優先。だが念には念を入れるのも海漓である

 

「(ガーデンに連絡入れておこう‥それが良い。)」

 

叶星やサブリーダーの姫歌がそういう事をやらないのは十分わかっている為、彼女の独断ではあるがガーデンに一報を入れる

ラージ級含めた群れは自分達が対処するという事ぐらいだ。バックアップの指示等はガーデン側に任せる他無い。今の海漓には何の権限もないのだから

 

ラージ級へ向かうついでと言わんばかりに屋根上から地上で戦う姫歌達への援護射撃。

狙うのは姫歌達が戦う位置よりも前にいるスモール級だ。

 

「(悠夏ちゃんとは息合うんだ‥2人ともそんな所まで真似しなくても‥)」

 

屋根の上に移動する彼女からは今の一年生の動きがよく見える。アレだけ突っかかってもいざ前に出れば抜群の相性を見せている悠夏と姫歌。だが2人ともペアで戦うことに没頭し後衛が見えていない。良い方を悪くすれば叶星と高嶺の戦い方と同じ様に2人だけの世界になってしまっている。

 

「(今までも酷かったけど采配含めて今日は特に酷いな‥倒れた事や私等が記憶から消えてる?)」

 

少し離れた所でいつも以上に2人の世界に入って戦っている叶星と高嶺の影響を受けたのだろう。

日常、戦闘問わず2人だけの世界に入る事が多く、エヴォルヴのマギリフレクターの件を含め隊長としての能力に疑問を感じる事も多かったが今日は特に酷い。姫歌の暴走の承認に始まり配置や采配を放棄。挙句の果てには今まで以上に2人の世界に入っての戦い

能力の無い自分達のせいとかそう言う次元の話ではない。互いの事しか視界に入らず、他は気にも止めない立ち振舞。隊長や上級生としての責務を放棄したと捉えられかねない行為の数々

そして、その2人を崇拝するレベルで信じている他の面々

 

「(チームで戦うってそう言うことじゃないんだけどね‥)」

 

仲の良い者同士で連携して戦うのがチームでは無い。レギオンの人員と脳裏を最大限に活かして戦うのがチームだ

グランエプレの戦いは仲良しグループのソレだ。勿論、隊内の仲が良い事に越したことはないが、グランエプレは少々特異すぎる

 

上級生2人は無視してラージ級の元へと向かう

 

「そりゃいるよね!!」

 

道路に降り立ちラージ級と対面。ラージ級の他にも小規模ではあるがスモール級の群れが存在。露払いが先決。今回は、2丁拳銃で戦う

 

子機でスモール級を倒しつつ親機で奥にいるラージ級を牽制する

当然ラージ級も二本の触手で自身を狙ってくる‥が

 

「こんな所で使う技じゃないでしょ!」

 

彼女はそれをいとも簡単に回避。むしろその攻撃で近くにいたスモール級を巻き込んでしまう始末だ

彼女としても、それが狙いの一つ。同士討ちで手を汚すこと無く数を減らさせる

 

「(性格悪いなんて言われるけど‥ね!)」

 

おおよそリリィらしくない戦い方だ。才能の無い彼女は戦う手段など選んで入られない。連戦続きで、現時点でかなりの数のスモール級を倒しておりマギも弾薬も限界が近い。そんな中でも戦い、生き残らなければならない以上手段を選ばないのも当たり前の話だ

 

そうしている内に、グランエプレの面々が到着。

 

「ノインヴェルト戦術で倒すわ!海漓ちゃんもポジションに!!」

 

「えっ、あっ、はい!(ノインじゃねーし、配置ぐらい言えや!!)」

 

叶星の掛け声に反応するが、内心穏やかではない。

姫歌と悠夏をAZに配置した陣形で行う為、ポジションも普段とは大きく異なる。失敗したら駄目なのだから配置ぐらいは指示してほしいのが本音

 

とりあえず邪魔にならない場所、電柱の上にポジションを構え、仲間からのパスを待つ

ちなみにノインヴェルトと言う表現も正確ではない。ノインヴェルトは9つの世界と言う意味。今のグランエプレは7人だからズィーベンヴェルト(7つの世界)が正しい言い方だ。普段は6人だからゼクスヴェルト(6つの世界)である

 

叶星を起点にマギスフィアが放たれる。周りのスモール級は全て海漓が倒した為、警戒するべきはラージ級のみだ

 

「(ここで使うか‥!)」

 

失敗する訳にはいかない為、海漓はレアスキル、ユーバーザインをラージ級を標的に発動する。かつてのように全体ではなく単体を標準に幻覚を見せつける。

 

「(下手に動かすと他に当たるから‥何も無いある意味幸福な光景を見せつけて‥!)」

 

ヒュージを混乱させる幻覚を見せつけ、暴れさせると他の仲間が危ない為、今見せるのは何も起きていない光景

壊れた建物も、倒された多くのヒュージも存在しない。今までが夢で、夢から覚め、今目の前に広がる光景が本物、これから人類を倒しに行く、そんな光景だ

 

「ラージ級の動きが止まったよ!」

 

「このまま一気に!!」

 

灯莉の報告で俄然やる気の上がる姫歌達、これで決める、決まるという思いすら見える

 

叶星から高嶺、紅巴から灯莉へとパスが繋がる

 

「あーちゃん!!」

 

そう言いながらマギスフィアを海漓の方へと打ち上げる。今までとは違い、電柱の上へと打ち上げるパスだが灯莉はズレなく、正確に海漓へと繋ぐ

 

「マギスフィアのコントロールはいいんだよなぁ‥」

 

普段は破天荒でもマギスフィアのコントロールは上手いのが灯莉だ。

 

「ほれ!悠夏ちゃん!!」

 

そのまま悠夏へとパス、電柱から道路上に居る悠夏に放つ為鋭い角度で放たれる

「そっから投げるんだ!?」

 

悠夏も難なく受け止め、そのまま姫歌へとパス。今回は彼女がフィニッシュショットを放つ形となる

 

そして、一直線に放たれたマギスフィアがラージ級に直撃、爆散する

 

「(住宅地のど真ん中じゃなくて良かった‥)」

 

ラージ級がいたのは住宅地を出た道路上。爆発で道路に穴が空いてしまったが付近の建物に影響は無い。7人分と言うことで威力が抑えられたのもあるだろう

住宅地の真ん中で爆破を起こしたことによる火災の発生や建物の崩壊。

住宅地を離れたとしてもそれこそ車両やガソリンスタンド近郊で爆発を起こせばどうなるか、等言うまでもない。

 

「(ラージ相手にやりたくは無かったけど‥相模と違って術が無いから‥)」

 

そのような理由からラージ級相手に行いたく無かったのが本音。単独で倒すか、相模時代に行っていたレギオンを1つの集団としたノインを使わない連携攻撃で倒すべきなのだがグランエプレは訓練をしていない為出来ない。

 

撃破後に再度、周囲を警戒する

行うのは灯莉と紅巴、海漓だ

異常がないことを念入りに確認し、叶星達の下へと戻る

 

「浮かない顔して、どうしたのよ?」

 

悠夏が話しかけてくる。

 

「勝ったって浮かれてる場合じゃないでしょ‥こんなの運が良かっただけだよ」

 

勝ちに不思議の勝ち有りとは良く言ったもの。今回の勝利ははっきり言って運が良かったとしか言えない。何か一つでも歯車が狂っていたら死人がでてもおかしくは無かったというのが彼女の考え出す

 

「厳し過ぎない?何が悪かったって言うのよ?」

 

「いや、無いと思うならそれで良いんじゃない?結局勝てば良いんだし」

 

勝てば官軍なのもまた事実。どれだけおかしな事をしようとも上手く行けばすべて正解だ。それこそ姫歌と叶星の積極的で大胆な行動と作戦が勝利に繋がったと言えなくもないのだ

 

「部外者の悠夏が言い過ぎるのも良くないと思うけど‥捻くれ過ぎも良くないと思うよ?」

 

あくまでも助っ人として来ている悠夏からすれば海漓はおかしく見えるのかもしれない。積極的な策に不満を見せ、勝利を喜ばず不機嫌そうに過ごす

仲間と共に戦い掴んだ勝利を喜ばないのはリリィとしてどうなのか?と言う思いもあるのだろう

 

「生憎と高貴な人間じゃないからね、私。

勿論、勝てば嬉しいけど‥それで済ませるのも駄目だと思ってるから(私は、ね。他は知らん)」

 

自分が高貴な人間でない事は自覚している。かなりの捻くれ者でも有る

勝てば嬉しいのは本音だ。誰一人命を落とすこと無く生還し、市民の被害も無ければ嬉しいに決まっている、当たり前の話だ

本当に価値観の違いとなる。勿論悠夏は戦う事に専念し、指揮采配は専門家に任せるタイプ故の感性な事も分かった上での発言だ

少なくとも叶星、高嶺、姫歌は勝てばいいで終わらされたら困るが、終わるだろうというのが海漓の内心

 

暫くした後、叶星の号令と共にガーデンへと帰還、事後処理等を行うのであった

 

だが、ハッピーエンドという訳ではない。今回の戦闘に限らずここ最近のヒュージの増加に伴い、来客の安全面と生徒其々の作品の完成具合を考慮した結果、今年度の神庭展示会は中止になるということが翌日に告げられてしまったのだ

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