反省会が終わり、本日のメインであるレギオンとしてのフォーメーションの話題となる
「さて、講評はこのぐらいにして本題に入りましょうか。
今のグラン・エプレの要は海漓ちゃんと紅巴ちゃん。貴方達よ」
「…えっ」
「はい?」
叶星より突然の指名を受けた二人は気の抜けたような返事をするしかない
そしてそれを聞いていた姫歌も
「海漓と紅巴が…ですか?ひめかがレギオンの中心とは言いませんし、呼ばれた二人を悪く言うつもりもないですけど一年生の戦闘力なら海漓が頭一つ抜けてます。
それでも先輩達には劣りますし、やはりグラン・エプレとして見るなら叶星様と高嶺様のWエースが要だと思うんですけど」
先の模擬戦での立ち回りを見ても戦闘力ならば海漓が一年生の中ではトップだがそれでも先輩達には及ばす
そんな現状で紅巴が名を連ねることに疑問を感じたのだ
一年生の二人を悪く言う、と言うよりも要を戦闘力と解釈するならば叶星、高嶺こそが鍵だと感じているためだ
そしてその意図を読み取った高嶺が彼女に
「叶星が言った要っていうのはフォーメーションつまり陣形の要という意味よ。リリィの戦闘力とは全く別な問題」
「陣形…あっ、なるほど」
「フォーメーションの要…要?」
「どしたの?あーちゃんととっきー、封印されし力に覚醒して最強になっちゃうの?」
高嶺の言葉を理解出来た紅巴といまいち理解出来ていない海漓、そして今の会話から二人に秘密があるのかと期待している灯莉
理解出来た紅巴は正解を言う
「恐らく私達の力…と言うよりレアスキルですね」
「そう。紅巴ちゃんのレアスキルはテスタメント海漓ちゃんはユーバーザインね」
叶星がそう告げる
紅巴の持つテスタメントは覚醒者が極端に少ないレアスキルであり、効果は
味方のレアスキルのゆう広範囲を広げるという非常に強力な効果を持つ反面、大量のマギを消費するため負傷する確率が高くなってしまうというデメリットを持つレアスキル
一方のユーバーザインは自己の気配を消したり飛ばす事が可能であり、それどころか気配をものに移す事も可能な為、陽動や攪乱を行う事が出来る為レギオンでは重宝される
これだけだと非常に便利なスキルに聞こえるが、ユーバーザインに覚醒してしまうと他のレアスキルに比べ戦闘向きでは無く戦術に落とし込む事やリリィの育成と言う観点からガーデンによってはユーバーザイン持ちが極端に少ない所もある
「ユーバーザインは戦術に落とし込むのが難しい…なんて言われるけどそっちは問題無いわ、むしろ必要なピースと言っても過言では無いわね」
「陽動、攪乱は任せてもらえれば。戦闘含め、色々出来ますけどそれは戦闘時のお楽しみって事で」
高嶺はそう告げる
テスタメント使いのデメリットをフォローするために様々な手段が確立されているがグラン・エプレにはグラン・エプレにしかできない方法がある
それを可能にするフォーメーションをこれから作り上げようというのだ
その後は叶星よりフォーメーションの説明と配置が説明された後、模擬ヒュージを使っての練習を行う
初めてのフォーメーションを組んでの訓練の割に一年生は上手く動けている
先程指摘された事を忘れずに動けている証拠でもある
「あー、今のだと外れた時に弾が行っちゃうかー。ゴメン」
「飛んできても避けるから大丈夫ー。シュッと来てドーンの前に避けるから」
「本番だとその間が短くなるから気をつけてねー」
「いや、それで話通じるのおかしいわよ!?シュッと来てドーンって何!?」
「というかノールックで構えただけで弾の当たり外れの判断まで持っていけるんですね…」
海漓と灯莉が配置から流れ弾の可能性の見つけ指摘、対策を考える
二人の間では相互理解が出来ているが第三者の姫歌は全く理解が出来ずに突っ込む
そして紅巴は時折見せる海漓の技量に素直に関心をする
「海漓ちゃん。判断が出来るならノールックでも良いけれど基本はちゃんとヒュージを追うのよ。
ユーバーザインで気配を消しながらの場合は特にね」
「紅巴さんはレアスキルを発動した時は維持に集中するのが大切ね。途中で切れちゃったらその後が大変よ」
上級生二人も訓練に参加しつつ適宜アドバイスを送る
途中脱線する事も何度かあったが、連携が大幅に崩れるという事はなく初日としては中々の出来ではないかと叶星が内心で思っていたのはここだけの話
とは言え叶星だけでなく数人が思っているのは訓練と本番では緊張感や状況が大きく変わる事も珍しくはない
本番で活かせてこその訓練だが、ヒュージが都合よく出てくるわけもなく次回の出撃がフォーメーションを組んでの初陣になる為、気は抜けない
そうして、訓練を終えるのだが、この日の訓練はフォーメーションの連携の確認と実践で終えた。