Assault Lily〜御使いの妹   作:ラッファ

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93.5話(後編)

 

会議室に防衛隊の面々を集め先ず始めに行ったのは経緯の報告、そして結果的に迷惑をかけた事への謝罪だ

形はどうあれ隊を率いる者が生徒会とトラブルを起こしたのだ。今後、皆にも影響が出てしまう事も十分に考えられる

 

「ちょっとー、何やってるの?

こんな時に生徒会と溝作らないでよー

って本当なら言いたいけど‥原因が原因だからなぁ」

 

「メンタルケアを怠った事が原因でしょう?

そもそもブレイブ無しを放置した

秋日。再編時に要求しなかった叶星にも落ち度はありましてよ」

 

 

祥枝、林乎からはこんな時に生徒会と揉めてしまった事を叱責する声も上がりかけるが、そもそも防衛隊の面々は遊糸経由ではあるが鈴夢の一件も耳にしているし、帰還後に怪我をした鈴夢や激怒していたグランエプレの1年生も目にしており何が起きたか察しはついている

 

その中で言うならばやはり秋日と叶星にも非があるというのが彼女達に限らず2年生の認識

 

「‥それでどうする?

私達からすれば喧嘩よりも今後が大事なのだが‥」

 

「後輩達には申し訳ないけど生徒会、グランエプレ両方とも関わり薄いからね〜」

 

3年生は生徒会と揉めた事よりも今後どう動くのかが大事。彼女達は生徒会、グランエプレの面々とは関わりが薄く怪文書や騒動も何処か他人事

親交の無い下級生の人間関係や騒動に首を突っ込む理由も無い為、これはこれで当たり前の認識

 

「特段気にもしてなかったよね」

 

「確か建築だっけ?」

 

「‥そう‥余りいい話は‥聞かない子‥」

 

本来ならば姫歌達と同じとは言わずとも強硬策を取った海漓に対し非難する発言が出てもおかしくはないが、寧ろ鈴夢に関しては無関心のような反応になる‥傷つける以前に文書が送られた事自体への反応だ

 

「あの時も思ったけど生え抜きなのに冷たくない?少なくとも中等部の3年間過ごしたんだよね?」

 

「私達みたいな初心者とか他学科の子は動揺する子もいたけど建築の生え抜きとか冷めすぎてて怖くなったもん」

 

だがそれは生え抜きの話。寧々や紗鳥のように高等部からリリィになった者は逆に生え抜きは冷たいと言う。文書が送られた時に動揺し揺さぶられたのは初心者勢だ。それは特に鈴夢が所属する建築科で近著である

 

 

「え?そんな感じ?」

 

その時には校外に居たため、初めて知ることになる鈴夢への反応。神庭でそんな対応になるとは思わなかった。敵対心どころかシカト状態、そんな事が有るのかと思ってしまう

 

「建築科の映えぬきは殆どが

『あっそ』『で?』『秋日様に助けて貰えば良いじゃん』的な反応してたよ」

 

「私達みたいな初心者の子達は動揺や心配してたけど‥そうじゃない子は」

 

「マジ?私が言うのもアレだけど軒並みそんな扱いは流石にヤバイでしょ」

 

他の学科はともかく所属する建築科からそんな扱いは流石に不味いと他人ながらにと思ってしまう

 

「‥クラスの‥誘い‥軒並み断って‥いつも‥秋日様に‥べったり‥

それを‥3年間‥続けたら‥ね?」

 

建築科にも友人がいる薫からすれば何も不味くなどない。クラスメイトの誘いを軒並み断りいっつも一人。秋日が編入してきたら常に秋日とべったり

遊びや訓練の誘いもぜんぶパス、一人になったかと思えばいっつも秋日がそばにいる。そんな行為を3年間見せられた生え抜きはどう思うか、など言うまでもない

 

「出撃は?ゼロって事は無いしまさか単独?」

 

日常生活ならば二人っきりになれる事も多いが戦闘ではどうだったのだろう

生徒会に入る前‥鈴夢が神庭に来た経緯を考えると出撃に制限がかかったとしてと流石に高等部進学までゼロという事はない。

常識的に考え単独出撃はあり得ないはずだが、念の為に尋ねる

 

「秋日様が‥神庭に来てから‥出撃してた‥‥それからは‥ずっと秋日様と‥出撃‥それが3年間‥」

 

「うん、それはキレる‥ってかそんな扱いなるわ」

 

関わりを持たず常に上級生とべったり

誘いも何もかも疎かにする行為をし続ければ当然反感を買うしクラスから放任されたって仕方がない

 

「‥余り‥人を‥悪く‥言いたくないけど‥ちょっと‥ね?」

 

「(分からなくは無いけど)」

 

薫自身も他人を貶めるような事を進んで言うタイプではない。がクラスは違えど鈴夢の立ち振る舞いには思う所がありそれはきっと彼女に限らず多くの生え抜きが抱いている思いだろう

鈴夢の事実を知った以上、彼女が人との関わりを避ける行為を非難する事は出来ない。彼女からすれば今に至るまできっと秋日以外の人間を受け入れる事は出来ないのだろう

良くも悪くも鈴夢にとっては秋日の承諾もしくは秋日が選んだ人間以外は全て関わりたくないのかもしれない

 

「(私は近すぎたな確実に‥)」

 

それならば何故海漓は襲われたかと言うと単純に彼女の過去と秋日への近さだろう。分かってはいても納得は出来ない。【秋日は自分のだ】そんな感情が彼女の心にはあるし、その理由も分かってしまう

 

「‥脱線気味ですし話を戻しましょう。何が起きようと私達の方針は変わりません。」

 

鈴夢の事を話す為に集まった訳では無い。本来の目的は3年生が言ったように自分達はどうするのか、だ

 

「それは分かったが‥可能なのか?」

 

「可能です!!」

 

可能だと言い切る。だが必要な事も沢山ある。彼女一人で全て出来るほどの才能は持っていない

 

「まずは頭数を揃える必要があります

私達や相模女子の他に戦える在校生をかき集めたいんですが‥」

 

とにかく戦えるリリィを揃えなければならない。防衛隊と特選隊を合わせても20人弱、これでは到底守りきれない

 

「戦える‥か」

 

「隊長の基準次第じゃない?

どのレベルで戦って欲しいの?」

 

戦える者を集めると言っても何をするのか以前に海漓の言う基準が分から無くては動けない

 

「戦闘はとにかく射撃をメインにするのでそういう子が欲しいです。近接は‥居なくても私達と相模のAZで行きますの

レアスキルは鷹の目を持った子は確実に欲しいですね‥他はこれと言った希望は無いです」

 

求める事は至極単純、射撃でヒュージを仕留める力のある者。名門のような特別な事はせず、狙って当てるが出来れば良い

グンタイアリに切り込めないが遠距離から撃つ位なら、と言うリリィでも今は必要なのだ。無論切り込めるリリィだっていれば良いが居なければ仕方がない、既存の戦力で回すだけだ

 

「ヒュージサーチャーのすり抜け対策だな‥今朝の協力者に頼んでみよう」

 

「射撃なら出来るって子ね

それなら来てくれるかも」

 

鷹の目を求めたのはグンタイアリの影響を受けずに位置を把握するため。

 

「他には?」

 

「校内にある高圧洗浄機とヒュージサーチャー以外で索敵出来る機材と使えるリリィをかき集めて下さい

もう一押しは私からガーデンに頼み込みます」

 

グンタイアリと対峙するに当たって必要な機材と使える人員の確保

鷹の目だけでは負担がかかる、ドローンのような既存の機器の使用だって必要になってくる

最後の一押しは彼女1人ではどうにも出来ない‥秋日達よりも上の力が必要になる

 

「えっ、高圧洗浄機??」

 

「そんなの必要なの??」

 

機材が必要なのは皆分かる、が高圧洗浄機が必要とはどう言う事かという反応だ

 

「勿論。なんだってガーデンを守るための必要なピースだからね」

 

必要どころか寧ろガーデンを守る最後の砦でもある。

 

「作戦というか‥この後の配置も教えておきましょうか」

 

「え?それは来てからでも良いんじゃ?」

 

「来る事が分かってるのに伏せる意味有りませんよ」

 

明日も早朝から襲撃は有ると海漓は読んでおりこの後協力者を集め機材の用意と設置、最後の一押しの要請を考えると今しか伝える時間は無い‥この後遊糸達にも伝えるつもりだ

 

「神庭とネストは向かい合った状態です。」

 

そう言い会議室に用意された地図をホワイトボードに貼付け現状を説明

地図で表すならばネストと神庭は正面で向かい合った状態‥まぁ当たり前と言えば当たり前の事

ネストそのものは地下に存在し入口からでてくるのだがその入り口は軍の衛星で捉えている限りは一箇所。

そこから現れるとなる地図上では正門と向かい合った状態。建物や橋、道路が有るため実際には違うが、基本的な話をしている

 

「まぁ、そうだね」

 

それには隊の皆も同意する

荻窪で戦った時間なら海漓よりも上だ

 

「なので‥正面からやりましょう」

 

「グンタイアリと真っ向勝負するの!?」

 

海漓から出るとは思えない単語だ

過ごした時間は短いが真っ向勝負をするなんて言うタイプでは無いことは分かっている。

 

「相手は数で押す事を得意とする個体です‥分散したらあっという間に押し切られます」

 

だがこれには理由がある

グンタイアリ最大の特徴はやはり数。従来のスモール級以上に数の多さで攻めるのが特徴で、下手に戦力を分けた場合あっと言う間に押し潰されてしまう

直近だと御台場迎撃戦が例として上げられ、あの時は分散だがあれは今回とは状況が全く異なりあの場にいたのは全員が関東圏内の才能に満ちあふれたリリィと名門御台場の中等部生だ。

御台場迎撃戦と同じ事は神庭では出来ない。数に加え戦うリリィの質に差が有りすぎる。

 

「そりゃ、まぁ」

 

「そうだよね」

 

正論だ。だからこそ皆が戸惑っている

私達で勝てるのかと。そもそも海漓からすれば御台場迎撃戦と同じ事をしようなんて時点で大間違いなのだが、今更言うことではない。

もしかしたら秋日は神庭のリリィも御台場迎撃戦のように自主的に動けると思ったから指揮を取らないと言ったのかと今更、策を告げながら思ってしまう

 

「ネスト正面方向に全戦力を展開。火力を用いて向かってくるヒュージを殲滅します」

 

「ガーデンを背にって事?」

 

「そうです。無論背後からの奇襲を筆頭にした緊急事態に供えて戦力は残しますし策も練りますが‥基本的には正面で迎え撃ちます」

 

故にやる事はガーデンを背に防衛隊、特選隊、そして協力者を前面に展開

ヒュージを迎え撃つ方針だ。

陣形の欠点はやはり背後や予期せぬ方向からの奇襲で陣形を崩される事

防ぐ為に鷹の目持ちやヒュージサーチャー以外の機器による索敵、勿論ガーデンへの襲撃に供え予備戦力の配置などは忘れずに、だ

 

「(まぁ下手に分散したら私達と相模の邪魔になるってのもあるけど‥味方に勢いつける為にも必要だし)」

 

下手に分けて配置すると味方が自分達の大技の邪魔になってしまうという理由。後は出撃した者に勢いを与える為の伏線でもある

 

「‥作戦中の指示は‥?状況は変わっていく‥対応の仕方が分からない子‥‥おおい‥よ?」

 

 

「私がやる。‥生意気言うのは100も分かってるけど‥指示通りに動いて欲しい

‥駄目なら全責任私になすりつけて良いしなんか言われたらそうやって伝えて」

 

指揮は海漓がすべて行う前提だ。薫の言うように戦場ではリアルタイムに物事が進み、想定外な事も起こるだろう。何事も臨機応変にとは言うが動き方そののもが分からないリリィも当然いる。そんなリリィも誰かから指示を受ければ動ける筈だ。動けなければそれこそただの置物に過ぎない

それで何か有れば全ての責任を自身に押し付けても良いぐらいだ

 

「そう伝える‥けど‥」

 

指示が有れば動けるタイプのリリィが多い事は生え抜きである薫が一番よく分かっている‥このような非常時に誰の指示もなく臨機応変に出来る者が少ない事も。

彼女の言うように責任をなすりつけられるという逃げ道が有るならば出てくれる者は多いだろう。しかし気になることもある

 

「ん?」

 

「いいの?‥そんな事言ったら本当に‥」

 

万が一陥落なんて事になれば全て海漓のせいにされる事は明白だ。

本当に良いのかと問いかける

 

「良いよ。その代わり指示通り動いてねって奴

ギブアンドテイクだよ」

 

「分かった‥」

 

指示を出すし責任も負う、その代わり自身の指示通りに動け。簡単な事だ

 

「そこまで言うならさ、隊長はやらなきゃ行けない事あるよね?準備できてる?」

 

他の者も海漓の覚悟は聞いた。腹を括っている姿を見せられてしまえば自分達もついていくだけ‥だが海漓は一つ忘れていることがあると祥枝は告げる

 

「作戦諸々の説明ですよね?」

 

隊の者だけではない。当たり前だが協力してくれる皆にだって作戦と配置、各自の役割の説明は当然行わなければならないと思っている

 

「違う違う‥そういうのじゃないよ

もっと大事な事」

 

「‥違う?(誤解されてる?)」

 

戦いに必要なことでは無い、もっと大事な事が有るだろうと言うが彼女には心当たりが無い。

来てくれた者に感謝はするし伝える意志もあるがそれは当たり前過ぎて言葉に出さなかったがそれが誤解をされたのかと思ってしまう

 

「説明とか感謝も必要だけどそれ以上に戦意高揚の声掛けだよ‥朝には出撃諸々するなら今晩の内にしないと」

 

「‥えっ?」

 

「えっ?じゃないよ、そこまで覚悟決めてるならやらないとー」

 

気の抜けた声をはっする彼女を余所に祥枝は言う。覚悟を決めているのは分かった、色々とやるのだろうと

ならば皆の戦意を高めることだってする必要があるのだと

 

「あっ、あー‥考えておきます」

 

相模時代はやった事がある。ふざける訳ではなく引き締める為に、だ。たがそれは相模だから許される事だと思っていたが何処も共通のようだ

 

「お願いねー。あっ、長ったらしいポエム無しね‥聞いてて怠いから

気合入る一言、ビシッと頼むよ

あっ、個性を出すと受けいいかも」

 

本当に短く、シンプルにしてくれと言う事だ。気合を入れつつ海漓らしさを出せとの注文だ。延々と長いのは聞く方もダルくなるというのはその通りだ

 

「でたー、祥枝の無茶振り」

 

「要求が多すぎですわ」

 

2年生は彼女の事を分かっていたらしく無茶振りだと言うがこの位は求めても良いと思っている。何より

 

「例えるなら天野さんが皆と作りたい作品、やって欲しい事を一言で伝えれば良いんだよ」

 

結弦が分かりやすく伝える。協力者と共に成し遂げたい事、それを一言で伝えてくれと言う事だ。

それが分かれば気合も入るし言い方によっては戦意高揚に繋がると

 

「それなら出来ますね。神庭らしくないかもしれませんが‥」

 

「天野さんの言葉なんだし、天野さんらしさで良いんだよ」

 

大切なのは彼女自身の言葉だと言う

それで良いならば海漓は出来る

 

「分かりました。では皆さん、時間は有りませんが先ずは手配諸々の御手伝い、よろしくお願いします!!」

 

先ずは協力者や機材を集める事。それは皆にも手伝ってもらわなければならない。皆に一礼し頼みその場は解散

海漓はそのまま校長室へと向かう‥が

 

「しかし、困りましたね‥」

 

「まさかここ迄とは‥」

 

その途中にて大人の女性と迷彩服を着た男性‥防衛軍の隊員と出くわす

 

「教官?」

 

「ん、あぁ、天野か。」

 

大人の女性は私設レギオンとして駐在している紗凪だ

 

「その‥何か、お困り事が?」

 

教導官や校長を探している可能性。事実ならば自分も困ったことになる為、先に隊の皆を手伝おうと思ったのだが

 

「丁度いい、ついてこい。

すみませんがついてきてもらっても?」

 

「分かりました」

 

紗凪は自身と防衛軍の隊員を連れ校舎の外へ。外は日が落ち、暗くなっているがそんな中で物陰へと連れて行く

 

「‥実はな」

 

「‥えっ!?」

 

彼女から告げられたのは神庭の大人達も今後を決め兼ねるどころか判断は現場の意志を尊重するの一点張り。具体策や方針を定められず軍、私設レギオン共に動けないのだという

 

「我々も命令が無い中で勝手に動く訳には行かず困っていたのです」

 

「えーっと軍って既に命令が出ているんじゃ」

 

「ここまでの規模となるとリリィとの連携が必要不可欠です

なのでこの後の貴方達の動きを把握する必要があるのですが‥それが全く分からない為我々としてもどうすべきなのかと」

 

「ここまでの事態でそれは困ると何度言っても受け入れて貰えなくてな‥神庭からすれば干渉してると捉えられたらしく半ば抵抗だったがな」

 

好き勝手に動けるのはリリィだけ。大人の世界はそうはならない。子供の海漓には分からないだけで複雑な世界なのだ

 

「そうですか‥では軍や教官達の助けは‥」

 

この後の計画には軍や私設レギオンの協力も必要不可欠、その為に校長室に向かい手配、支援の要請をするつもりだったがガーデンの方針を聞く限り頼んでも無理であった事が伺える内容だ

 

「‥どうした?助けて欲しいのか?」

 

「はい。ガーデンの設備だけじゃ無理なので軍の方々にもに力を貸して欲しかったんですが

ガーデンが貴方方へのこれ以上の干渉を拒否してるなら無理‥ですよね‥?」

 

「力を貸す‥具体的には?」

 

「放水車と人員を用意して欲しかったんです

相手はグンタイアリですので」

 

「成る程‥確かに水を避けるという情報が有りましたね」

 

何をして欲しいのか、と言う問いかけに対し説明する海漓。求めるのは群が所有してるであろう放水車、そして動かせる人員だ

防衛軍も昨年の御台場迎撃戦に参加しており、情報もガーデンやリリィと違い共有している。海漓の意図を汲んでくれる

 

「天野、お前権限は持っているか?」

 

彼女は海漓に問いかけ、隊員も彼女を見つめる

今の海漓に何らかの肩書が有れば後押しになる、そう思っていたのだが

 

「権限は‥何も」

「何も?引き継ぎはなかったのか?」

 

「突貫工事だったのでその辺りはまだ‥私が持たなきゃいけないであろう権限は全部グランエプレが」

 

今の海漓には何の権限もない。防衛隊の隊長ではあるがそれだけなのだ

ガーデンのリリィを統べる事を始めとした肩書を使って何か強い権限を使う事が出来ない

全ての権限はグランエプレが独占してしまっているのが現状だ

ネストを控えている中での急な結成で引き継ぎや話し合いが疎かになった事に有事の際に秋日が完全放置体勢を取る事を予想出来ていなかったのが原因だ

そして上が放置という方針を決めれば海漓達は従う事しか出来ず、現在はあくまでも防衛隊への協力者と言う形でリリィを求めているのもそれが原因。

海漓に権限があれば指示命令で神庭全体を動かしていた

 

「仮にも防衛隊の名を冠する隊を率いる者です。生徒会も麻痺、上も麻痺これならばいけませんか?」

 

現状海漓には何の権限も与えられていないが仮にも防衛を担う隊を率いている。ガーデンの指揮系統が軒並み機能していない現状ならば彼女の言葉や要請にも根拠はあり彼女の言葉を受け依頼する理由が有ると告げるが

 

「‥いや、グンタイアリが相手なら‥」

 

そももそも相手はグンタイアリだ。そしてその情報は既に軍でも把握している、ならば‥と隊員は思考を巡らせる

 

「明日の早朝に間に合えばいいですか?」

 

「はい。グンタイアリが出てくる前に‥なんとか」

 

「分かりました。失礼します」

 

そう言うと隊員は駆け足気味にその場をさり校舎を後にする

 

「だ、大丈夫ですかね‥?」

 

「あぁ。信じていいさ」

 

相当無茶な事を言った自覚はあるし軍はガーデンやリリィのようにいかない事はそれこそ相模時代に学んでいる事。

だが紗凪は大丈夫だと告げるそもそもガーデンに訪れる軍人が低い立場では無いと告げる。

 

「どうだ、やれそうか?」

 

「何とか‥やってみます。」

 

多くの人が手を貸してくれた中で出来ませんとは言えない

やり切るしかないのだ

 

これ以上、他所の大人と人目のつかない所に居るのも不味いためその場を離れ海漓は防衛隊、紗凪は私設レギオンの元にもどるのだ

 

 

 

 

 

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