Assault Lily〜御使いの妹   作:ラッファ

99 / 107
第98.5話(前編)

 

御台場が参戦してからはあっという間であった。御台場がグンタイアリを殲滅し、暫く経った後にガーデンよりネスト討伐が完了したとの連絡が戦場に展開している全ての人物に告げられる。

海漓達は後方で見学していただけであり、御台場が来てからはこれと言って語る事は無い。

寧ろ討伐を終えてからが本番‥海漓は現在、私設レギオンから呼び出されていた

 

「すまんな、作戦終わりに呼び出して」

 

「あー、いえ‥」

 

何処か申し訳なさそうに言う紗凪。私設レギオンとして呼び出し彼女が対応する形となる。正式には相模女子中等部の教導官であり私設レギオン所属ではないのだが中等部時代に海漓達を担当していた人物であり、海漓としても話しやすいであろうという配慮だ。

 

「一応確認なんだが‥この作戦は知らなかったし事前に何も聞いてなかったんだよな?」

 

「はい」

 

軍だけでなく私設レギオンや背後の大人達(ヒヒイロカネ社、相模女子上層部)としても確かめたい事。現場に居た大人達(軍、私設レギオン)からしても今回の神庭の動きは余りにも酷すぎた。(ガーデン上層部)に確認をした所で自主性で逃れ話にならない事は確実で、それならば話になりそうな人物という事で海漓を呼び出したのだ

問いには知らないと素直に答えるしかない。本当に知らないのだから

 

「そうか‥」

 

「不味いですよね」

 

ちなみにこの場には居ない軍や私設レギオンの隊員も薄々ではあるが感じていた事。それほどまでに双方(突撃、守備隊)の動きが噛み合っていなかった。大人ならば気がつくし、私設レギオンに関して言うならば全員が元リリィだ。計画を無視した暴走と言うのは予想できていた‥生徒会やトップレギオンが主導したというのは置いておいて

海漓からしても神庭はかなり不味い事をしたという思いはある

 

「子供が‥と言いたいが、まぁ、そうだな。

お前達が不利益を被ることは無いと思うが‥今回のように力を貸すことは出来ない事は覚悟したほうが良いぞ‥軍を含めて、な」

 

子供が大人に気を使うな‥なんて事は言えない。海漓達、防衛隊(仮)に対して不利益を被るような対応はしないだろうが、今回のように人を派遣するという対応は厳しくなる事を告げる。それは防衛軍とて同じ事だ

 

「教官、あの‥」

 

「どうした?」

 

「ぶっちゃけた話、私の方針って‥間違ってましたかね?」

 

隊を率いる者としては失格であろう言葉、決して身内には話すことは出来ない。外部の人間、かつ大人である紗凪であるからこそ尋ねたい事

手厳しい話もあるかもしれないが今後に繋がるヒントを貰えるかもしれないとの思いで尋ねたのだが

 

「それは完全に結果論だよ。何とも言えん」

 

「それは‥そうなんですけど」

 

「確かに結果だけで見るなら強行したグランエプレが正解、お前達は間違いだ

理由や、攻め方はどうあれ伐つ事に越した事は無い」

 

当たり前だがヒュージネストは討伐しなければならないし日時が経つに連れ完成に近づくのだから1日でも早く潰さなければならない。それは当たり前の事で完成を恐れ強行したグランエプレは正しくもある。

先の戦闘を見るに恐らくネストは完成間近、それこそ明日にはネストが完成し、内部のヒュージもより強力に、ネストの主もギガント級からアルトラ級へと進化した可能性もある

 

「お前が打ち立てた方針はあくまでも守って繋ぐ事‥要は先送りだ。それで今日中にネストが完成したならば世間からは何故?と叩かれるのは目に見えている」

 

「そう‥ですね」

 

彼女の言う通り、海漓はあくまでも守り繋ぐ事を目的に動き策を練った。仮にネストが完成してしまった場合【何故完成する前に潰さなかったのか】なんて外野から好きに言われ、叩かれるのは目に見えている。ネストが発見されてから日数も経過していたのだから言われるのも無理はないのだが

 

「だがお前の場合は生徒会や風紀委員の当初の方針を踏まえての行動だろう?

なら仮に完成したとしても陥落さえ防げば一先ずの目標は達成されるんだ」

 

今回の方針は神庭や海漓が独自に打ち立てた計画や日程ではない。関東近郊のガーデン、それらの風紀委員長の集まり(ジャスティファイ)が主導して定めた計画であり当初からその方針に従っていたに過ぎず、何より神庭で風紀委員も務める秋日が始めにそれを伝えたのだ

仮にネストが完成した事を非難するのならば神庭や海漓は逆に日程を定めたジャスティファイに対し抗議する事が可能であり、当初の方針であった防衛構想会議語の討伐作戦には相応の戦力を要求することだって出来たはずだ

 

「まぁ、私から見てもこの日程はおかしい‥普通なら即時開催してもおかしくない事案だ

それでもこの日程を組んだと言う事は‥御台場への忖度があったかもしれないな」

 

「ルドビコが復興中で厳しいのは分かってますけど‥そんな気使わなきゃならんもんですかね?」

 

日程は誰が見ても変であり、それは海漓も以前言っていた事。ルドビコ女学院が復興最中といえガーデンが大きな襲撃を受けたという話は無く関東に視野を広げれば有力なガーデンは幾つもある。御台場1校に気を使った日程を組む必要が有るのかと言う疑問は当然だ

 

「全く無い。脅威が迫っていたんだ。だが気を使わねば今後に何らかの影響が出かねないと判断したのではないか?

除け者にした事で不評を買い協力を得られなくなるリスクを考えた‥とかな 」

 

「(秋日さんの事もあるし派閥的にも‥)」

 

ネストの脅威が迫って居る中でたった1校の都合に合わせる必要など無い。

だが見方を変えればそれは御台場を除け者扱いした事になる。その事で御台場の不評を買い、今後何らかの作戦を行う際に協力を得られなくなってしまう‥そんな思いがあり御台場を待つ上で判断した可能性。

後は秋日と鈴夢。2人の過去を考えるならばルドビコ女学院やイルマよりも御台場の協力を望み、求める発言があったとしても不思議ではない。そのような経緯があったのならば遊糸達が来た際あの対応にも説明がつく。

何故中立派、しかもGEHENAに近い側が来たのかと思うのは秋日の心境を考えればおかしくはない。

 

「まぁ、そんな政治的な事よりも

神庭は今後大変だぞ‥分かってるな?」

 

都内や御三家の政治的な話をすると終わりが見えないためこの辺りで打ち切り、神庭の今後への忠告を行う

 

「はい。理由はともあれ新たな実績を残してしまったんです‥負担は増えますよね」

 

海漓もそれは良く分かっている。今までも実績を重ねてきたが今回は桁が違うほど大きな実績だ、そしてそれが原因となり神庭として負担が増える事は予想できる

 

「方針を無視したというのがデカいな【今後危機に陥っても動かなくて良いよね?】【似たことあっても貴方達は御台場と組むし他は要らないよね】【私達じゃ釣り合わない】となるだろうからな、間違いなく」

 

これが当初の方針に従っていれば考える必要が無かった。だが方針を無視した強行策を取り、成功してしまったのだ。今後似たような危機に陥った時には他所からの大掛かりな増援は見込めない。

御台場と組んだのならば次も御台場と。そもそもネストを落とすようなガーデン、レギオンと共闘する事に引け目を感じるガーデンが出てもおかしくはない

 

「グランエプレは都内でも御三家に近い実績を上げていますからね‥抱えている神庭自体も当然そう言う目で見られるでしょうし‥神庭だけ御三家や都外と同じ事を求められますよね」

 

グランエプレの実績、リリィの能力を見るならば強豪レギオンと同等‥は言い過ぎだが準強豪のような立ち位置には付いている、そしてグランエプレを抱えている神庭も準名門のような立ち位置になる‥なってしまった

そうなれば神庭は今後、都外‥鎌倉で言うならば相模女子や百合ヶ丘、メルクリウスと同じく【自分達の守備範囲は自分達で守る】を行わければならないし、都内ならば逆に他所を助ける事も求められる

つまり神庭は良くて荻窪、更には杉並区全体を守る事もあるだろう

 

「当たり前だろう?ネストを伐ち、御台場と肩を並べられるレギオン、それを抱えるガーデンを放って置くわけがないし‥増えた方が誤算‥特にルド女は助かる訳だからな」

 

今までは5人制レギオンだったから見のがして貰えたし言い方は悪いが楽に過ごせたが、ここまでの事を成したガーデンを世間が放って置くわけがないのだ

 

「‥まぁ、校内の方が大変だと思うぞ」

 

「えっ?」

 

「学外の事などお前一人アレコレ考え文句を言ったた所でどうにもならん。

ならば変化する情勢に備えておく事が最優先課題なんじゃないか?」

 

幾ら予想しようが学外の政治など何の権限も持たず、ガーデンの役職に就いていない海漓にはどうする事も出来ない。ならば今後変化していくであろう情勢に対し対応出来るように少しでも備える事が大切なのだ

 

「それは‥確かに‥」

 

「色々と必要になる人や物、権限が有るだろう?」

 

「人や物はともかく権限は‥」

 

全て当たっている。人と物も必要だが権限が必要なのだ。現状ではグランエプレが文字通り全ての権限を持っており防衛隊である自分達は何もない。

だが権限などそう簡単に得られないし手放す筈もない。今回を振り返っての反省と言うのはガーデンとして行わなければならないが、権限の譲渡と言う話題になる筈がない。何せ勝利に導いたのはグランエプレがある種の権限を行使したから

 

「その辺りを詰めるなら今回が最初で最後だ‥ここを逃せば二度と無理だからな?

まぁ、お前なら分かっているか」

 

「はい。必要な所は抑えておきたいとは思っています」

 

良くも悪くも今回の事で課題がより明確になった。特に権限に関してはこの機会を逃せば得られるものも得られなくなってしまう。彼女は秋日を生徒会長から降ろすような真似をするつもりは無い。ただ今のまま秋日‥いやグランエプレに全ての権限を持たせるわけには行かないと考えている

 

「そうか。まぁ、何事も穏便に行くのが一番だが‥相手は御台場関係者だろう?

ならとっておきを教えておいてやる」

 

「とっておき?」

 

「あぁ。万が一の時には使え

タイミングは‥まぁ、大丈夫だろう」

 

何事も穏便に、双方納得し合意した上で前に進むのが一番だ。だが海漓が対峙するのは元御台場やそれに近い思考の者

紗凪は同じ御三家であるイルマ出身、相模女子に来る前はイルマの教導官を務めていた。良くも悪くも外から見た御台場の印象を伝える事が出来る。

話し合いでどうにもならなくなった時の切り札を彼女は伝える

 

「いや‥まぁ‥うーん‥やり方次第で行けるちゃいけますが‥ええ?」

 

「本当にどうにもならなくなったら、だぞ?先ずは話し合いだからな?」

 

「分かってます。」

 

切り札とは言うが海漓からすれば切りどころが難しく自身を助けるかどうかなど分からない。切るぐらいならば話し合いで決着させたいのが正直な所だ

 

「あー隊長、まだ話続きそう?」

 

そんな時、祥枝が何処か心配そうに様子を伺いにやってくる。流石に大人に呼び出され中々戻って来ない事に心配したのだろう

 

「おっと、余り長々と話しては心配をかけてしまうな。済まない

天野、気を付けてな」

 

「はい」

 

長時間の拘束は余計な誤解を招いてしまう。話を切り上げ紗凪は私設レギオンの元へと帰っていく

 

「大丈夫だった?かなり時間かかってたけど」

 

「大丈夫ですよ」

 

大人に呼び出されれば心配するの当然の事‥それはリリィだからという話ではない。特に海漓が何かしたという訳ではないのだから当然だ

 

「やっぱ怒られた?」

 

「いえ、この事知ってたのか?とだけ」

 

怒られていないのは事実だ。本当に簡単な問いだけ。大半が今後についての話だったのだ

 

「え?そんな感じなの?

もっと怒られるんじゃないかなって思ったけど」

 

「私が末端だからじゃないですかね

下を詰めた所で上には響かないって理解してるんだと思いますよ」

 

海漓達は神庭の末端で何かを決める立場に居ない事を把握していた、だからこその先の助言なのだ。そんな立場の者に詰めたりしても何の意味も持たない事を理解している。私設レギオンにいる者は全員が元リリィ。下の者を詰めた所で上が守らない事など分かりきっている‥特に神庭のような自主性を謳うガーデンならば尚更だ

 

「あー、正式なのはガーデンにって事?」

 

「そこはヒヒイロカネ次第なんでなんとも‥」

 

今回の動きに関して何かを言うのならば末端ではなくガーデンに、正式な手続きを踏んだ上で行うが、それはヒヒイロカネであり軍の上層部含め大人達の判断だ。

 

「正直、誰かがガツンと言ってくれるなら私は納得するしザマァ見ろって思うんだけど」

 

「‥どうしました?」

 

祥枝の口から出た攻撃的な言葉

一体どうしたのかと心配になり目を向ける。すると脚を止め、海漓の方にふりかえり真剣な眼差しを彼女に向ける

 

「いや、こんなの納得出来ないよ

隊長や私達の呼びかけに対して白い目で見ておいて、突撃には応じたとか腹立つじゃん

‥何も思わないの?」

 

「思う所は有りますよ‥でも納得かぁ

どうすれば納得してもらえます?他所は知らないけど神庭ならコレっていうのが有れば是非

私にできる範囲の事であれば」

 

納得出来ない。確かにその通りだ。ネストを討伐した事はいい事で、それに関しては文句はない‥だがその自分達の過程で呼びかけに対し白い目を向けた一方で無謀とも言える突撃に応じて影響を受け、煽った側は何もしない

素直に喜べるかと言われると否である。

それは海漓も同じだ。事と次第によっては更に怒りを増す事になる‥が納得と言われると対応に困ってしまう

彼女は今年の4月に東京来たばかり。こういう時に神庭のリリィは何をすれば納得するのかが分からないのだ

 

「うっ‥それは‥隊長、何かない?」

 

「‥神庭のやり方で無ければ‥切り札というか‥奥の手というか‥さっき授けられたのが一つ」

 

どうすれば良いかと言われても答えが無い。納得は出来ないが何をしていいか分からない‥そんな悶々とした気持ち

実の所全く手が無い訳では無い。海漓は先程、紗凪から授けられた方法が一つだけある

 

「ん?有るの?」

 

「戦いのセオリーとは真逆。相手の土俵に上がるんです

この場合はグランエプレ‥率いる叶星さんになりますね」

 

戦いとは本来自分達の土俵に相手を引き摺り込む、自分達の出来ることを相手に叩きつける事だ。少なくとも海漓はそう考えており、そのように教わってきた。それとは真逆、グランエプレや率いる叶星の土俵に上がる事

 

「どゆこと?」

 

「御台場って相模程じゃないにしろ力や結果こそ全て〜みたいな感じなんですよね?」

 

「武のガーデンだからね

相模は分からないけど‥それで?」

 

意味が分かっておらず目が点になる祥枝に対し説明を続ける

御台場も武を尊ぶガーデン、相模女子程ではないが力を重視する方針だと聞いた。強い戦士を育てるガーデン、ならば当然力や才能と言うのは重要視される。これは御台場に限った話ではなく何処のガーデンでも掲げたり思想を持つリリィはいる

 

「こっちが不利ですけど‥手段の一つとしてはありかなと

武を尊ぶなら、いけません?」

 

「‥えっ、いやっ‥それは‥」

 

今回の事態を招いた原因の一つはやはり海漓や隊の力と実績が足りず、グランエプレ以下の集まりだと見なされていた事にある。納得するかどうかは分からないが本当にそうなのか、示す機会を作る事は出来る筈だ

何が言いたいか、おおよそ察するが流石に戸惑ってしまう

 

「勿論、皆に聞いたり出方も見てですよ

どうにもならんなってなったらやる‥駄目‥ですかね?」

 

何も最初からやるという訳では無い

隊の皆がどう思っているか聞かなければならないし、海漓としても奥の手。先ずはグランエプレがどう考えているか含め諸々を把握しなければならない

全て踏まえ、もうどうにもならないとなった時に‥が彼女の考えだ

 

「私は良いけど‥隊長は?

今回見てわかったけど隊長の強みって武とは真逆じゃないの?」

 

「相模上がりですよ‥その手の争いはやってきました」

 

祥枝は全く構わない‥だが海漓は別だ

彼女から見ても海漓の強さ、リリィとしての長所は武とは真逆の方向。挑むであろう相手を考えれば返り討ちに遭うのは分かりきっている。

だが海漓とて荒くれガーデン出身だその手の争いは慣れている‥彼女の場合は売られたり挑まれる、訓練として組まれる側で今回のように仕掛ける側ではないが。

 

「確かにどう思ってるかってのは大事だよね

隊長の狙いは分からないけど‥本当にやるっていうなら私は乗るよ」

 

「納得って言われても乱暴な事しか手がないってのは本当はダメなんですけどね‥」

 

海漓が何を考えて言い出したのか、分からずとも乗る意思は示す。無論、乱暴で野蛮と言われる行動は慎むべきで他に手はあるのかもしれない。人としてもリリィとしても兵としても最悪の手段だ。

 

「生徒会を倒すのが目的ではないんで、それは良いですね?」

 

だがあくまでも示し、納得が理由であり生徒会へのクーデターを引き起こすのが目的ではない。海漓個人としても与えられる物さえ与えられればそれで良いのだ

 

「うん‥倒さなくても色々落ち着いたら生徒会長の選挙やるだろうし倒す意味は無いよね

‥それ考えても動かなきゃ駄目だったかな」

 

「‥どういう事です?」

 

祥枝もそこまでの事態は考えていない。色々と落ち着けば生徒会長を決める選挙は行われる。が、彼女からするならばこのタイミングで動かなければだめだと言う確信はある

 

「神庭の場合基本的に生徒会長は推薦か直々に指名。

そうなると、あの秋日のお気にの子かグランエプレのサブリーダーの生徒会長就任が既定路線なんだ」

 

「立候補とか選挙はしないんですか?」

 

その理由としては神庭における生徒会長の決め方。一般的には海漓が言うように会長職に立候補、他に居なければそれで決まり。複数居るならば選挙で決めるが、神庭の場合は推薦、もしくは生徒会長からの指名で決まってしまう。指名ならば鈴夢、推薦ならば恐らくは姫歌になるというのが彼女の予想

 

「隊長も覚悟したほうがいいけど神庭ってこっからやる事滅茶苦茶増えて課題も多くなるからさ‥自分の訓練とか考えると要職って躊躇っちゃうんだよね」

 

「あっ‥あぁー」

 

一般的なやり方では無い理由としては神庭のカリキュラム。神庭は藝術を学ぶガーデンであり藝術科目の授業はやる事が増えてくる。そんな中で日々の訓練や必要に応じて後輩の指導なども考えると余計な事をやりたくない。出来ないと思う者が大半

それに関しては海漓もわかる。それこそ同盟結成前の顔合わせを課題や試験絡みで欠席した心当たりがある為

 

「それでも立候補する先輩は居たんだけど‥去年今年と立候補しなくても、相応しいんじゃないかって思うの出ちゃったじゃん」

 

「去年は御台場迎撃戦と幕張奪還

今年は新宿事変から始まって今回のネスト‥ですね」

 

それでも手を上げる者は多くいたし他に居ないからと仕方無しになる者もいたのだ‥だが運が良いのか悪いのか、昨年から今に至るまで大きな戦いとそこで名を上げるリリィが神庭でも現れ相応しいと皆が思ったのだ

 

「そう。あの2人(叶星、高嶺)と会長に置くのは躊躇う藤乃除くと秋日に白羽の矢がたった

このまま卒業まで続投するかタイミング見てさっきの2人のどっちかに渡すが既定路線だし、順当って思う子が多いよ

まぁ、あの突撃に応えた連中がそのまま賛成側に回るって考えたら分かりやすいかな?」

 

御台場から編入して日の浅かった叶星、実力や人望はともかく素行面ではある意味最悪の藤乃が除かれ、秋日に白羽の矢が立つのは当然の流れ。名を上げ、ましてや百合ヶ丘にすら認められたのだ【この子に代表になって欲しい】と思うリリィの気持ちだって分からなくはない

一部の者(リリィオタク)は秋日への押し付けと面白おかしく言うが、神庭からすれば名門に認められる人物になって欲しいと言う願いは正しいし何より秋日も承認したのだ。嫌ならば自主性を盾に拒否すれば良いが、それもせずに就任したのだ。

現状、それで問題が起きていないのだから任期を迎えても再度就任し秋日が卒業まで続投するか、それとも指名で鈴夢か姫歌に渡すか、もしくは選挙となった時に姫歌の演説に応えた者がこぞって投票し生徒会長に就任するかのどれかだ

 

「はい。本当にここが最後の機会かもしれないってことですね」

 

「そういう事。」

 

何かを変えるなら今回が最初で最後の機会になりかねない

ガーデンに帰還した後も戦闘終わりと言う事で慌ただしく話し合いは数日後に開く事が教導官から告げられるのだった。

 

 




後編は近日中に上げる予定です
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。