【本編完結】ロバ娘:ファンディングストライプ   作:桐型枠

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最後の一冠

 

 

 京都レース場芝3000m、菊花賞。前年と打って変わって快晴のこの日、三冠最後の一冠を巡る競走が幕を開ける。

 この場での世間の関心事と言えば、おそらく「いかにしてトウカイテイオーが三冠を手にするか」に集約されるだろう。

 他の走者にはだいぶ失礼な話だし、報道が過熱しすぎたこともあってできればもうちょっとトーンダウンしてほしいというのが、選手、学園、URA側の見方だ。皆頑張ってるんだから、ホント……。

 

 確かにここまでのレースにおいて、テイオーは他と隔絶した能力を見せてきたが、これほどの長距離となるとどうなるか分からない――というのは、冷静になればすぐに分かることだろう。

 もうちょっと誰が勝つか分からない風に宣伝してほしいと頼んでも、はい! 分かりました! と了承を受けた端から「無敗の栄冠を手に」やら「新たな『帝王』の戴冠へ」やら、結局好き勝手煽られるとも聞く。理事長は憤慨ッ! していたが、時勢や世論はどうしようもない。盛り上がるままにしておく他無かったようだ。

 まあ、テイオー自身はあんまり気にしてないというか、注目を浴びることで逆に調子が良くなるからいいんだろうけど。

 

「ネイチャは『いやー、むしろ人気薄で変に注目とかされない方がアタシらしいし……?』って言ってたんだよねぇ」

「まあ、その方が奇襲性はあるけど……」

 

 タンホイザから聞かされたネイチャの現状は、まあ、予想の範疇ではあった。

 今日の観戦は、東京・京都間のアクセスの問題もあるため、基本的には出走チーム関係者や出走者と親しい間柄のウマ娘が主だ。方向性はどうあれとにかくレースに対して多大な興味を持っているようなウマ娘――タキオン先輩やデジたんパイセン――などもいることはいる。

 で、そんなぼくの席はというと……チームスピカとカノープスのちょうど間あたりだった。

 フフフ……針の(むしろ)

 

「『うわぁ針の筵だなぁ』などと思っていそうな顔をするくらいなら、そもそも八方美人な態度を取り続けるのをやめるべきじゃないかい?」

「正論は時に人を傷つけるんですよタキオン先輩」

 

 まあぼくは正論も詭弁も使い分けて色んなことを誤魔化して*1るわけだが。

 というか別に、恋愛ごとや戦争じゃないんだから、そこまでキッカリ関係性を分けてもレース以外の生活で支障をきたすだけだ。個人的には多少八方美人なくらいがちょうどいいんですけど。ぼく欲張りだし。

 

「ターボは?」

「『ターボが勝つから関係ない!』……だそうです」

 

 言うと思った。

 ターボは基本、精神面を言うなら割と無敵な方だ。身体スペックがそれに追いついてないだけで。相手が誰だろうと挑むしどんなレースだろうと全力で取り掛かる。そして何度負けてもへこたれない。これでもしもっと身体能力が高かったら果たしてG1を何勝することになるか知れないほどだ。

 なんとなく要素だけ見るとどこぞの"特異点"を思い出す*2が、。

 

「実際の所前評判ってどうなの?」

「テイオー一強ですわ」

「ストライプはどう思うよ?」

「……んー……今の状況から考えたら、第一にネイチャ、第二にブレスオウンダンス*3、同率でリオナタール*4……かな」

「トウカイテイオーさんは入ってこないのですね」

「スタミナの削り合いになることはまず確実。その時点でテイオーはある程度厳しい。ブレスオウンダンスは純粋なスタミナで勝ると思うけど、そうなった時の頭の回し方は多分ネイチャの方が上……って感じ」

 

 あくまで個人的な見解である。あとネイチャについては若干贔屓目が入ってることは否めない。

 で、ここに入ってこないターボだが……勝率は低いものの、不確定要素の塊という意味では最も厄介な存在と言えよう。

 勝率は客観的に見ても低い。しかし作戦の都合上無視するわけにはいかない。普通の観点からすると厄介なんてもんじゃない。割ける余力があるかどうか分からないのに更に注意するべき相手がいるとか考えたくもない。

 

 そんな風に討論しているうちに準備が整ったのか、次々に走者が姿を表す。中でもテイオーが出てきた時の盛り上がりようは凄まじいものがあった。

 テイオーはと言うと……緊張した様子も無く、当たり前みたいに手を振って応じている。スター性っていうのはこういう時出るもんなのかなぁ。

 

「スター性ってやつかなあれは……ぼくならビビっちゃって大した返しできないや」

「嘘こけ」

「嘘はよくありませんよ」

「え、いや本当に……」

 

 皆の中の「サバンナストライプ」像がさぁ! もう本人の手に負えない所に行きつつあるんだけど!!

 

「だいいち、国内での知名度はマックイーンやテイオーには劣るし」

「そうですか?」

 

 今のぼくは、立ち位置的に国内での人気はいいとこ4番手といったところだ。これはぼくがどうというよりも他が濃すぎる。

 まず第一に三冠目前のテイオー。次いで天皇賞制覇、メジロ家のマックイーン。前年ダービーウマ娘で鮮烈な復活劇を見せたアイネス先輩がそれに続く。

 海外G1を一気に2つももぎ取ってきたのだからもうちょっと注目度が高い、何ならテイオー並の扱いになってもいいんじゃないかと言われたこともあるが、甘い。世の中の人間、より身近によりセンセーショナルな話題があればそっちに優先して目を向けるものだ。

 

 あと大事なのが、トゥインクルシリーズを支えるファンの大半を占めるいわば「浅め」のファン層にとって、海外のG1というものは「よく知らんレース」くらいの認識な点だ。有名なレースなら「よく知らないけどなんかすごいらしいレース」まではレベルアップするがその辺が限度だろう。

 そこそこ深くまで切り込んだファン層や選手、関係者は海外挑戦の難しさと功績について正確に把握しているが、海外レースについて関心の無い多くのひとからしてみると、情報はろくに入ってこないわ中継も夜遅くにならないとやらないわで、「知らんところで何かやってるんだな」以上の感想はなかなか持ちようがない。

 カドラン賞とチャンピオンステークスのネームバリューも、日本においてはそこまで大きくないことも原因だ。……というかこれに関しては、古い時代のスピードシンボリから連綿と続く長い歴史のせいで日本のウマ娘の悲願、なんて言われるほどに凱旋門賞の存在が大きく膨れ上がって、勝手にそれ以外が隠れてしまうのが大きい。

 カドラン賞を見ろ。日本所属ウマ娘初挑戦で即勝利だぞ。おかげで「じゃあストライプじゃなくても行けたんじゃね?」という空気までできてる。ニュースでの扱いも「凱旋門賞の前日実施されたカドラン賞は、日本所属のサバンナストライプが勝利しました」の一文で済んでしまったレベルだ。ミークの話はたっぷり5分以上もかけて放送してたのにね。

 

『まもなくゲートイン完了です』

 

 なんとなくたそがれていると、全員の出走準備が整ったためかアナウンスが流れる。

 よし、終わったこと考えるのよそう。とりあえずはこの菊花賞がどうなるかだ。

 

『――今、スタートしました。おっと早い、早速ツインターボが前に出ます!』

「だろうね」

「でしょうね」

 

 逆に大逃げしないターボとか嘘でしょ。

 なんかもう見てる側としては軽い安心感すらあるよね。あれは……。

 もっとも、一緒に走ってる方は若干うんざりするようだが、これは仕方ない。むしろ予定通りに走ってくれてると思って諦めてほしい。

 

『スタートから波乱の予感です。先頭ツインターボ、2バ身ほどあけてコハクウィステリア、ネオディグスノウ、センリフサカサゴ。トウカイテイオー、ここにいます。続いてナイスネイチャ……』

「テイオーさんが5番手、位置は悪くないですね」

「教科書通り、だが教科書通りすぎる気もするな……」

 

 位置が上がってれば上がってるほど、当然ながら先頭集団のペースに飲まれる危険性は高い。スピカのトレーナーさんはその辺をどうやら危惧しているようだ。

 チャンピオンステークスのような少人数で行われるレースと異なり、18名フルで実施されるこのレースで5番手というのは先行ウマ娘としてお手本のような立ち位置なのは確かだろう。

 距離が伸びたらもう少し下げた位置取りでもいいのでは、と話したことはあるが、結局はいつも通りの作戦に徹することにしたようだ。

 

「うぅ~、でもネイチャあんなに前に出ちゃって、スタミナもつかなぁ?」

「少し、厳しいところはあるでしょうね」

 

 ネイチャはというと、いつもと異なる先行策――に、見える。初のG1で浮足立っている――ようにも感じられる。

 ただ、どっちかと言うとコレは多分、ネイチャなりのマーク戦法だ。

 

 時に、テイオーのように頭一つ抜けた実力を備えたウマ娘は、包囲網と呼ばれるほど苛烈なマークを受けることがあるのだが、今日はそうでもない。

 理由は単純。皆自分のやりたいことを優先しすぎているせいだ。

 露骨にハイペースを作ろうとしているウマ娘もいるし、足技を見せようとしてるウマ娘もいる。やけにフェイントを駆使しようとしているウマ娘もいるし……とにかく「自分がペースを握る」という意識が先行しすぎて、マークという基本戦術が頭から抜けて疎かになってしまっているわけだ。人間(ウマ娘)、誰だって新しいことを覚えたらまず試したがるもんだから……。

 

(ともかく、ネイチャはおかげでテイオーにピッタリマークできている……)

 

 ネイチャ以外がまともにマークできてないとも言う。

 まあ状況はそれほど悪くない。真後ろにしろ、若干横に回るにしろ、位置取りが一番しやすいところにつけられたのは、マーク戦術としては最善に違いない。

 問題があるとすれば、テイオーはマークされることに慣れきっているという点だ。

 あの会長さんに目をかけられているのは言わずと知れた事実だし、チームスピカも少し前は想像もできなかったくらいの強豪チームに育っている。そんな状態で皐月賞、ダービーと走ってきたのだから、マークがついたところで走りにくいという感覚には陥らないだろう。

 流石にネイチャはテイオーのスタミナの内情までは詳しく知らないだろうが、「3000mスタミナをもたせることはできないかもしれない」というところまではアタリはつけてるだろう。というかこれは前*5に言ったので多分覚えてる。

 なので、狙いとしては恐らくテイオーのスタミナ切れ直後の抜け出しだ。本当なら切れ味勝負に持ち込みたい所だろうが、ターボの大逃げで展開が縦長になっていることもあって、先行策を取っているテイオーに追いつけない可能性は高いだろうし致し方ないだろう。

 

 この戦法が有効な理由はそれだけではなく、ネイチャ以外の大半の走者がペースを乱そうと躍起になっているため、突き詰めて考えるとそもそもネイチャ自身が無理に慣れないことをして体力を消耗しなくてもいいという点が挙げられる。これでマーク戦法に集中し、最適な速度と最適なタイミングを見計らうことができるはずだ。

 何も自分から動くだけが策ではないというところだ。

 

「さぁて、ストライプ君はどう見る?」

「残り……うーん……半分近くまで動きませんよ、状況」

 

 興味深そうにくつくつと喉を鳴らすタキオン先輩だが、返せるのはそんな味気ない推測くらいだった。

 ターボが崩れるまで展開なんて動かしようが無いでしょ、現状。下手に前に出たら間違いなく共倒れだし、待ちに徹しておかないとペースに巻き込まれるのが目に見えている。

 立ち上がりからターボが大逃げをかまして波乱こそあったし、観客も沸いた。しかし、どうやってもしばらくは単調なペースのまま進行する他無い。

 

 ――レースが動いたのは、1600m。2コーナーを目前にしたタイミングだった。

 

「ああああああああぁぁぁぁぁぁ……」

「ああっ、ターボが減速した!」

「早くない!?」

「坂……が原因でしょうね、これは……」

 

 何が原因かと考えれば……状況的にはほぼ間違いなく一周目、一回目の坂だろう。あれで相当スタミナが削られていたと見える。

 結局、いつものようにターボは逆噴射し(スタミナが切れ)た。

 タンホイザたちが頭を抱える横で、ゴルシ先輩が不意に付け髭を装着して見せた。

 

「ふぉっふぉっふぉ。まだまだ未熟じゃのう」

「坂で加速してこそ一流よヌフフフ」

「奇人の理屈で喋らないでくださいまし」

 

 ひどない?

 ていうか何ならマックイーンも比較的奇人(こっち)側に近くない? やれるでしょ定石破りの坂道スパート。

 ……ともかく、ターボはずるずる後退してほぼ最後尾まで。バ群を怖がっている関係上、間に入ることもできず……うーん……脱落かなぁ……。

 

『向正面入ります。徐々に後続と前の距離が詰まってきました。先頭集団はこの差を維持できるのか』

 

 いやー……キツいでしょ、相当。

 ぼくが語ると説得力が足りないけど、とにかく菊花賞で難しいのは練習がなかなかできないことだ。

 単に3000m走るだけじゃない。最序盤に一度目の坂、終盤にもう一度坂、という特殊な構成を再現できるコースがなかなか無いというのが大きい。そこに加えてG1レースのプレッシャーものしかかり、常に思考を止めてはならない状況故の言うなれば思考疲れ、脳の疲労が重なる。

 よく選手が考慮し忘れているのが、これが「競走」だということだ。競う以上はそこに思考のやり取りが生じる。駆け引きのための思考というのは、それだけ強く深く脳を疲労させる。

 

「4コーナーで失速するよ」

「え?」

「3コーナーではありませんの?」

「そこはまだ下り坂だし、多分まだだよ」

 

 まず間違いなく、慣性で加速してしまいそうになるのを制御しようとして足元に力が入る。それでも下り坂なだけあってスピードは実質それまでと同じほど……スタミナはどうしても余分に使うことになってしまうだろう。それでも、向正面の登り坂の存在が他の走者が前に出ることを抑制する。

 重要なのはその後、坂を抜けたところの平地だ。

 

『さあ4コーナー! まもなく最終直線、ここでレースが動くか! ――動いた! トウカイテイオーが前に出た! 出た! ここで来た!!』

「来た! テイオーさん!」

「行けるか!? 行けーっ!」

 

 ――そしてついにその瞬間は訪れる。

 4コーナー中ほど、先頭の走者が徐々に失速していくその瞬間を見計らったように、テイオーたちが前に出た。

 

(相当息が上がってる。これはまずいか……?)

 

 残り500mほど。やはり確実に状況が悪い。ネイチャも後ろからジリジリと詰めているし、ターボも最後尾から一気に距離を詰め――――――――。

 

「ターボ!?!?!?!?」

「え、ターボ!?」

「再噴射だと!?」

「まさか死んだふりしてたのか!?」

 

 バカな……こんなことがありうるのか、あのターボが……!?

 ……い、いや、これは……。

 

「……多分死んだふりじゃない、今の今まで本当にスタミナは底をついてたんだと思う」

「じゃあ何で!?」

「1600でスタミナが尽きたのが逆に功を奏してるんだ。一気に後ろに下がってスピード落としたから、そこで息を入れることができてる……んだと思う」

 

 本来、ターボにそこまでの心肺機能があるかは疑問だが、ここでずっと勧めて続けてきた登山のようなトレーニングが活きてくる。

 高地トレーニングとまでは言わないが、標高のある程度高い場所から低い場所への登り下りで、心肺機能が多少なりとも強化されたのだろう。結果、息を入れて体力を回復させる能力がついて……ターボ特有のド根性と相まって、再噴射という想定外の事態を起こしている。

 

 テイオーの目の色が変わった。単にターボの足音が聞こえてきたから、だけじゃない。後ろにピッタリと張り付いてきているネイチャの足音が一向に遠ざからないというのもあるのだろう。

 今、間違いなくテイオーは過去最高の危機感を覚えている。

 

「……あ、また減速した」

「ターボぉぉぉぉ……」

 

 それはそれとして、ほんの数百メートル、それも走りながら息を入れた程度では最終直線での競り合いに持ち込むには不足があったらしい。

 再逆噴射という珍しいものを見て観客やファンはある意味盛り上がったが、重要なのはここから。最後の最後、競り合いを誰が制するかだ。

 

「――――――!!」

「っ……!!」

 

 もはや声を発する余力すら無いようだ。残り200m――ここで一気にガクンとテイオーの膝が揺れるのが見て取れた。

 一気に速度が落ちかけ、ネイチャがその横を縫うようにしてステップを踏む。リオナタールがそこに待ったをかけるように上がってきて、更に、後方にいたブレスオウンダンスが上がり最速で一気に直線を駆け抜けてくる。

 テイオーの目が、彼女を抜き去ろうとする3人を捉えた。その一瞬、複雑な感情が瞳の中に渦巻く。

 ひとつは驚き。自分を抜き去ることができたウマ娘はこれまでひとりたりとも存在しなかった、そして全てを負かしてきた――だからこそ、そういった相手が自分を抜き去ろうとしていることに驚愕をもって応えている。

 もうひとつは恐怖。今まで経験したことが無い「敗北」が目の前に訪れ、確かな形を持ったことによって夢敗れることが現実味を帯びているからこそ、焦りにも似た恐怖が湧き上がっている。

 そして、最後のひとつは――怒り。大言を吐き逃げ場を封じ、それでもなお負けかけている自分自身への強い怒りの感情が見て取れる。

 それらは奇しくもこれまで欠けていたテイオーの「競争心」という根幹を埋める最後のピースだったのだろう。

 

「っ――――――!!」

 

 ()()()、と確信した。

 崩れかけた姿勢が急激に元に戻り、減速しつつあった速度もまた元の領域にまで引き上げられる。

 「最適」を求める精神への作用と同時に「最高」のパフォーマンスを発揮するために体力の底の底まで絞り抜く根性の発露、その両者が高い領域で同時に発揮されている。

 

「まさか、本当にここで……!」

「ほら! でしょう!?」

 

 ……マックイーンには謝らないといけないかもしれない。土壇場で領域(ゾーン)に入るなんて土台不可能、仮に入れたとしても体力がすぐに尽きるだろうと見ていたぼくと違い、最後の最後までテイオーのことを信じていたようだから。

 ほんの100m強、たったそれだけの間走りきれればそれでいいとばかりに体力が絞り出されていく。

 差し返し、差し返され、更にまた差し返し――そして。

 

『ご……ゴール!! 今、ゴールインッ!!』

 

 テイオーのこれまでのレースでは一度も見せることの無かった、大接戦のゴール。

 誰一人として余裕など見せることは無かった。ネイチャは疲労困憊、肩で息をしているを通り越してもう歩くことしかできていないし、テイオーは歩く気力すら使い尽くして、精根尽き果てた様子で転がるように倒れ込んでいる。他ふたりも似たりよったりだ。

 観客もまた、結末を見届けようと息を呑んでアナウンスを待っている。

 やがて、掲示板に表示された一着のウマ娘は――――。

 

『一着は……トウカイテイオーッ!! シンボリルドルフより長い時を経て再び、無敗の三冠ウマ娘が誕生しました!』

 

 ほんの僅かな、クビ差の一着。

 

 大歓声が京都レース場を包み込む。その声が聞こえたからか、あるいは自分の目で掲示板を確認したためか――テイオーはその手を掲げて、三本の指を立てて見せた。

 

 

 

*1
n敗。

*2
史実の要素だけ見ると、馬群を怖がるツインターボと競走が大好きという某特異点とで真逆。

*3
アニメの変名ウマ娘。

*4
同じくアニメの変名ウマ娘。

*5
103話「中距離は一旦捨てよう」

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