日間ランキング一桁台に乗ってて椅子から転げ落ちたので初投稿です。
評価、感想ありがとうございます。たいへん励みになります。
ウイニングライブ。それはウマ娘たちのレースにおける言わば終着点だ。
極端なことを言うとぼくたちはウイニングライブでセンターを取るために一着を目指している。
もっとも、いろいろな捉え方があるのは否定しないよ。徹底的にアスリート志向でレース以外に興味が向いてないウマ娘もいて当然だし、マックイーンのように家名がかかっているというウマ娘だっていていい。トゥインクルシリーズに参加するウマ娘それぞれに思いがあり、抱えているものは違うのだから。
ただひとつだけ正しく捉えておかないといけないものがある。観客の視点だ。
観客にとってレースというものは重要ではある。けど、それは「ライブのために」重要なのだ。
レースというのは完全可視化されたセンター争い。推しがセンターになれるかどうかという大一番に熱狂しないファンはいない。ただ、主眼に置かれているのはあくまでウイニングライブだ。彼らはウイニングライブでセンターに立って輝くウマ娘を見たいから、声援を送っている。トゥインクルシリーズのレースを制覇することによって得られる栄誉というのはそういった大勢のファンがいてはじめて成り立つものと言えよう。
ファンの減少はそのままトゥインクルシリーズの権威の失墜を意味する。アニメ版の二話か三話辺りで会長がマジギレして「ウイニングライブをおろそかにする者は学園の恥」とまで言い切ったのはそういうことだ。
トゥインクルシリーズもドリームトロフィーも言わば国をあげた一大経済活動なんだから、そこでトレセン学園の悪評が生まれてしまえば数億と言わないレベルでの損失が生じる。すべてのウマ娘が幸せになれる世界を作るというちょっとラスボスかこのひとと思ってしまいそうな理想に真摯に取り組んでいる会長としては、看過できない問題だろう。
前置きが長くなった。
ともかくどういうことかと言うと。
「サバンナストライプ、民族舞踊のような動きはせずに手本のとおりにやりなさい」
「ふぇぇ」
多分ぼくは会長に説教される勢だこれは。
おのれサンコンソウル*1……家で習ったような踊りの動きばかり咄嗟に出てきてしまう……。
ていうかうまぴょい伝説課題曲なのにダンス難しくない?
周り見ても一発で形になったのテイオーくらいじゃないか。天才はいるね。悔しいが。
ちなみにウオッカはサボった。……いや裏で鍛えてるの知ってるとサボるっていう表現をするのに抵抗があるんだけど。授業サボってるのは確かではあるんだよなぁ……。
もしかしてこれのせいでメイクデビューのウイニングライブ失敗したりするんだろうか。次はなんとかして連れてこよう。
「先生、どうしてぼくにいの一番に仰られるんですか……」
他にもできてないひといるじゃあないですか、と視線をずらすと、先生は更にぼくの後ろを示して答えた。
「あなたが違う振り付けをすると真後ろにいるツインターボが真似をするからです」
「すみません」
振り向くとターボ師匠が体をぐねんぐねんしてた。
うん……全然違う振り付けのまま覚えさせちゃうかもしれないしね……そうだね……ぼくから矯正するのが一石二鳥ですね……。
「ストライプのダンス楽しいよ!!」
「そっか……ありがとうね……でも振り付け違うから授業中は指示通りの振り付けしようね……」
「分かった!」
ターボ師匠は素直で可愛いですね。
わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい。
・・・≠・・・
トレーナーさんがついていなかったりまだチームに入っていないウマ娘は、トレセン学園の講師が一律で全体トレーニングを施してくれる。けど、基本的にそのトレーニングは「最低限」を担保するものであって個々の習熟度は基本的に考慮されていない。
だからと言うわけじゃないのだけど、基本的に全体トレーニングは短時間で終わる。トレーナーさんにスカウトをしてもらうための選抜レースに向けて自主練習の機会を設けるためでもあるけど、一番の目的は各チームの見学だ。
やはり一番人気は数々のGIや重賞制覇ウマ娘を輩出してきたリギルだけど、トレーナーのおハナさんの体は一つだ。チームそのもののキャパシティには限界があるため、そもそも入部テストすら行われてないことも多い。必然的に他のチームに目を向ける必要が出てくる。
……と、いう自由時間のお題目とはまた別口で、ぼくはコースに出てテイオーと自主トレーニングをしていた。
芝400m、スパートを意識して全力疾走するだけの一発計測だ。
「ふっ……うぅ……!!」
全力、全速力で駆け抜ける。ゴールに設定されたラインを踏んだと同時にテイオーがストップウォッチを止めた。そのタイムは……。
「ガッタガタだよストライプ!」
「ぬぁーん……」
見せてもらったタイムは、一回目の計測より遥かに落ちていた。
思わずその場に崩れ落ちる。
計測したのは、尻尾を回している……というか勝手に回っちゃう時と回していない時のタイムだ。比較すると回していない時のタイムは酷い。疲労を抜きにしても本当に酷い。
「尻尾がグルグルしてる時の重心移動が染み付いちゃってるんじゃないの?」
「だろうね……自分の体がもう信じらんない……」
時空を超えてあなたは一体何度*2――我々*3の前に立ちはだかってくる*4というのだ! ムワイ・サンコン*5!!
「ボクはそのままでいいと思うけどなあ。下手にフォーム改造しようとしたら、逆に遅くなっちゃうよ?」
「それな」
走行フォームの改造というのは、相当な時間を要するものだ。
個人に最適化するなり怪我を防ぐなり目的は色々あるけど、問題はそうしてフォームを改造しても必ずしも「改良」に繋がるわけではないということだ。
そもそも別に勝てないからフォーム変えるってわけでもないし、走るのに支障が出るならやめといたほうがいいね、これ……。
「今何かするようなことでもないか……ごめんねテイオー、付き合わせて」
「いいよー。代わりに基礎トレ付き合ってよ!」
「いいよー」
基礎固め基礎固め。
今のぼくらはレースの「レ」の字くらいしか体験していない。だからまずは土台を固める。それでいて大事なのは「やりすぎない」ことだ。
特にテイオーのように怪我をしやすい体質のウマ娘はオーバーワークをするとすぐに脚に出る。慣れていない練習相手といきなり合わせようとすると更に怪我を誘発しやすい。
アップは念入りに、クールダウンは更に念入りに。ケアはいっそ病的なまでにやるくらいで丁度いい。
「三冠を目指すなら一つの欠場が命取りだよー」
「そんなに簡単にケガしないよ~」
「そうかな……そうかも……」
「ストライプは? やっぱりクラシック路線? あ、それともティアラ路線かな?」
「お金が入るなら何でもいいよ」
「思ってもみなかった方からゲスな発言が飛び出たんだけど」
ゲスとは失礼な。
「ぼくはなにもお金持ちになりたいんじゃないよ。将来のためにお金が必要なだけ」
「あ、なーんだ。そういうことか」
「お金があれば世の中の悩みの大半は解決できるけど」
「ストライプ???」
おっと、主題から逸れた。
「ぼくは、レースを新設したいんだ」
「レースを? 新しく?」
「うん。最悪名前だけでもいいんだけどね。なににしたってそのためにはお金が要るから」
「そういうことかぁ」
だからそのためならティアラでも三冠でも、種類は問わず走る必要があるなら走る。
けど短距離は勘弁な! マジで。
ぼくの天敵は一気に最高速のまま駆け抜け続ける系のバクシン教である。
「そういうことだから、ぼくはテイオーたちのことは思いっきり応援するからねー」
「応援してくれるのは嬉しいけど、なんか複雑だなぁ。ボク、やっぱりストライプとも走ってみたいし」
「併走ならいつでもいいよ」
「そういう意味じゃないよー!」
「ふふふ」
そりゃあそんなリスキーなことしませんわよ。本気の競り合いとか脚にも良くないし。
アンケートにご協力いただきありがとうございます。
思いの外桐生院トレーナーが強かったり途中で選択肢の内3つがデッドヒートしてたりして少し笑いました。
あと二、三話分くらい未所属のまま進みます。
ストライプをどこのチームorトレーナーさんに突っ込んだ方がいいでしょうか
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スピカ(アニメ要素多)
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カノープス
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シリウス(アプリ要素多)
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桐生院ちゃん任せた
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モブトレさん
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オリジナルチーム(混沌)