モブウマ娘の憂鬱   作:(TADA)

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ビワハヤヒデお姉ちゃん育成失敗したかぁ。そういやTwitterでアグネスタキオンが話題になってたな。ちょっと育ててみるか


URA優勝


は?


颯爽登場!! マッドサイエンティスト!!

モブ娘は重たい足を引きずりながら部室へと向かう。

何度か行かずに逃げようと思ったがどこからともなく表れるゴールドシップや高笑いしながら追いかけてくるビワハヤヒデの存在に逃げることは早々に諦めた。

汚れた存在が近くにきて、純粋な友人を汚したくなかった部分もある。

 「こんにちわ」

 「ああ、モブ娘くんか。よく来たな」

部室で優雅にコーヒーブレイクをしていたのは生徒会長でもあるシンボリルドルフであった。

殿堂入りウマ娘にして生徒会長。まさしくトレセン学園最強の存在であるシンボリルドルフを胡散臭そうにモブ娘は見る。

 「またサボりですか?」

 「訂正しよう。これは休暇さ。魂の休暇というやつだね」

 「エアグルーヴ先輩が怒り狂った表情で会長を探していましたよ」

 「エアグルーヴももう少し余裕を持てればいいのだがね」

エアグルーヴがいたらシャイニングウィザードの後に生徒会室に連行するであろうことも平然とのたまうシンボリルドルフ。チーム・アースに入る前はまさしく絵に描いたような優等生だったという噂だが、モブ娘はそのような妄言は信じていない。

 「ゴールドシップ先輩とスーパークリーク先輩は?」

 「おや? ハヤヒデの行方は聞かないのかね?」

 「トレーニングルーム以外にあのウマがいくところあるんですか?」

 「うむ、真理だな」

モブ娘もよくみる光景になったがビワハヤヒデは周囲がドン引きする重さでトレーニングをしていることだろう。

 「シップとクリークだが……シップの奴は『これは……! デュエルの気配!! レッツ闇のゲーム!!』とか行ってどこかにいったな」

 「……それどこに行ったんですか?」

 「さぁ?」

長い付き合いでも何をやるかわからない。それがゴールドシップというウマであった。

 「それじゃあスーパークリーク先輩は?」

 「クリークなら『もうべったべたに甘やかしたい娘をみつけた!』って嬉しそうにどこかに行ったぞ」

 「行方不明になるのはこのチームのデフォなんですか?」

 「ははは、否定はしないとも」

シンボリルドルフの爽やかな笑みに拳を叩き込みたい衝動にかられるモブ娘。

 「それで? スーパークリーク先輩に目をつけられた哀れなウマ娘って誰です?」

 「君も言うようになったな。確か……ライスシャワー、だったかな」

その言葉にモブ娘は机を力強く叩く。その表情は大いに動揺していた。

 「ライスシャワーちゃんって言いましたか」

 「うむ、言ったな」

 「私の癒しにキチガイの魔の手が……!! 今、助けにいくよライスちゃん!!」

 「落ち着きたまえ」

 「ああ!!」

シンボリルドルフが手元のパネルを操作するとモブ娘は捕獲されることになった。

 「君は事あるごとに私達のことをキチガイ扱いするが「だって事実じゃないですか」うむ、まぁ強く否定できないのが弱いところだが、私達だって無理矢理チームメンバーに加えるわけないだろう。その娘が可哀想だ」

 「私をこのサークルに入れた方法覚えてます?」

 「君はこちら側の存在だからセーフ」

 「本気で死ねばいいのに」

モブ娘の心からの本音もシンボリルドルフは爽やか笑顔でスルー。

 「で、これ外してほしいんですけど」

 「もうちょっと待ちたまえ……ああ、来たようだね」

 「やぁやぁ諸君!! グッドサイエンティスト!!」

 「畜生!! 外れろ!! 外れろよ!! 私はモルモットにされたくないんだ!!」

部室にやってきたのは『トレセン学園関わりたくないウマ娘』にゴールドシップと二分するウマ娘アグネスタキオンであった。

彼女の問題はその行動にある。自分で作った怪しげな薬品を実験と称してウマ娘に飲ませるのだ。基本的に毒はないのだが髪の毛がレインボーになったり皮膚が発光したりでちょっと面倒なのだ!!

テンション高めに白衣の袖をぶんぶんと振りながら部室に入ってくるアグネスタキオン。

 「やぁやぁ会長!! なんでも久しぶりに新入部員が入ったと……あぁ、君か。君だね」

 「ウマ違いです」

 「はははそうかそう!! じゃあ軽く一本いっておこう!! ささ、ぐぐいっと!!」

モブ娘の話を聞かずにモブ娘の口の中に薬品を流し込もうとするアグネスタキオン。それから必死に逃げながらモブ娘はシンボリルドルフに助けを求める。

 「会長助けて!! このままじゃ可愛い後輩が実験台にされちゃう!!」

 「はて? 可愛い後輩? タキオン、この場にそんな存在いるかね?」

 「いいやいないね!! ここにいるのは私のモルモットくんだけさ!!」

 「だ、そうだ。諦めて飲みたまえ。君が飲まなかった場合、私達に被害が出るのでね」

 「クソがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

モブ娘の魂の怒号である。

そんなモブ娘の反応を無視してアグネスタキオンは白衣の袖をぶんぶん振りながら聞いてもいない薬品の説明を始める。

 「今回のお薬はすごいぞ!! 飲んだら足の筋肉が(以下よくわからない専門的説明)になるわけだよ!! どうだい!? 飲みたくなってきただろう!!」

 「絶対にノウ」

 「何故!?」

愕然とした表情を浮かべるアグネスタキオンに逆に何故驚けるのか問いたいモブ娘であった。

 「ああ、味を気にしているのかね? 安心したまえ、子供でも飲みやすいようにイチゴ味にしておいた」

 「薬品の安全性がとれていないのに味を気にするな!!」

モブ娘の正論もアグネスタキオンには通じない。

 「というかなんでアグネスタキオンさんがここに来るんですか!?」

 「「え?」」

 「え?」

モブ娘の問いに「こいつマジで何言ってるんだ」表情になるシンボリルドルフとアグネスタキオン。

そしてシンボリルドルフが口を開く。

 「タキオンはトレーナーの最初の担当ウマ娘だぞ?」

 「えええええええええええええええ!!!!!!!!?????????」

モブ娘の所属するチームのトレーナーは『殿堂入り請負人』とまで言われる凄腕のトレーナーだ。だが、アグネスタキオンは殿堂入りをしているウマ娘ではないし、スーパークリークのように連勝街道突っ走ってもう少しで殿堂入りというウマ娘でもない。

するとアグネスタキオンも昔を思い出すように口を開く。

 「懐かしいな。鉄仮面くんと私の二人だけだった時にはよく非合法な方法で非合法な実験を繰り返していた」

 「いいこと言ってる風だけど内容は犯罪者のそれなんですが」

 「ははは!! 面白いことを気にする娘だ!!」

 「こいつ狂ってやがる……!!」

 「いやいや、私は自分が狂っている自覚があるだけ鉄仮面くんや他のチームメンバーより正常だと思うけどね!!」

 「救いようがねぇ……!!」

狂った表情で狂ったことをのたまうアグネスタキオン。

 「まぁまぁ!! それじゃあ一本いっとこうか!!」

 「いやだぁ!! 助けてぇ!! 助けてぇ!!」

シンボリルドルフはコーヒーブレイクしていて助けてくれない。ゴールドシップは行方不明、スーパークリークも離れている今、モブ娘の命運は尽きた……

かのように思われた!! だが、捨てる神いれば拾う神もいるのだ!!

 「そこまでだタキオン!!」

 「ち、うるさいのが来たな」

まさしくモブ娘の命運が付きかけたその時、部室に現れたのは上半身タンクトップのビワハヤヒデだった。

 「何度も言っただろう!!」

そして眼鏡を光らせるビワハヤヒデ

 「私の眼が黒いうちはドーピングなど許さない!!」

 「違う、そうじゃない」

モブ娘は助けてもらう立場であったが、思わず突っ込んしまう。

 「ハヤヒデ、これはドーピングではないのだよ」

 「ほう、ではなんだというのだね」

ポージング(モブ娘はポーズの名前を知らない)をしながらアグネスタキオンに問い返すビワハヤヒデ。

 「これはプロテインさ」

 「それは無理がある」

思わず突っ込んだモブ娘はアグネスタキオンに蹴りを入れられて悶絶する。

 「ハヤヒデ君も筋トレする時にプロテインは飲むだろう? これはそれさ」

 「私を侮るなよタキオン……!!」

アグネスタキオンの言葉にマッスルポーズを決めながら言い放つビワハヤヒデ。

 「このビワハヤヒデ!! 肉体を作るのにプロテインに頼るような真似はしていない……!! 私の数学(筋肉)は天然100%だとも!!」

 「所属している私が言えたことじゃないが、君はもうちょっとチームは選んだほうが良かったんじゃないかね?」

アグネスタキオンの言葉にモブ娘は「あれ? ひょっとしてこのマッドがこのチームの良心では?」と思うのであった。




モブ娘
結果的に髪の毛がレインボーになって体が発光した

アグネスタキオン
チーム随一の常識人(しかしマッドサイエンティスト)

シンボリルドルフ
この後エアグルーヴに捕獲された

ビワハヤヒデ
プロテインにも頼らずに数学(筋肉)を作り上げた



そんな感じでアグネスタキオン編です

ビワハヤヒデの育成に失敗してTwitterでみたタキオンが気に入って育成したらURA優勝。
思い入れが浅いウマ娘ほど育成成功するのなんなん?

そして回を重ねるごとに酷くなる脳筋お姉ちゃん。

ストッパーナリタブライアンの実装が待たれる。
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