URA(中距離)
んぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいぃぃ!!!!(長距離用育成
(非常にまずい……!!)
モブ娘はとあるウマ娘に連れられて校舎裏に来ていた。
「ここら辺だったら誰もこないっしょ」
ギャル口調にギャル見た目。そんな彼女はトーセンジョーダンと言った。現役で走るウマ娘でモブ娘との関わりが(不本意ながら)深いゴールドシップの同期だ。
「あ~、あんたにちょっと話があるんだけど」
「それは構いませんがワンタッチ一つで警察に通報できるのをお忘れなく」
「本当にチーム・アース……!!」
モブ娘がスマホの画面に指をかけながら恫喝するとトーセンジョーダンは絞り出すように言った。
言われた言葉が不本意すぎたので即座に通報しようかと思ったが、トーセンジョーダンの顔が思い詰めているのでモブ娘は通報をやめる。
「別に大したことじゃ……いや、個人的にチョー重要なんだけど」
そしてトーセンジョーダンは真剣な表情で口を開く。
「ゴールドシップの奇行に迷惑しているんだけどどうにかしてくれない?」
その言葉にモブ娘は思わず視線を逸らす。
トレセン学園においてゴールドシップとトーセンジョーダンの関係は有名だ。トーセンジョーダンは何もしていないのに問答無用で蹴りにいくゴールドシップ。それは学園だろうがレース場だろうが街中だろうと変わらない。
一度だけ街中でトーセンジョーダンを見かけたゴールドシップがワープして蹴りを叩き込んだ結果その衝撃で水道管が破裂するという珍事件がおきたこともある。
「いや、ほんとにあいつどうにかしてくれない? この前も食堂にいったら何故か焼きそば(マヨネーズ、デスソースましまし)を無理矢理食わされたんだけど」
「それについてはノーコメントで」
「なんで?」
それはゴールドシップに『何を食べさせられたらウマ娘は困るか?』という質問に対してモブ娘は『カロリーの暴力』と答えたからだが、トーセンジョーダンはそれを知らないのでモブ娘も何を言わない。
「あんたはチームで一緒なんでしょ? なんかうまく逃げる方法とか知らない?」
「逃げられなかったから私はあのチームに所属しているんですが」
「……ごめん」
ガチの同情でモブ娘の視界がにじむ。
(これは涙じゃない。心の汗だ)
このままいけばモブ娘とトーセンジョーダンはいい友人関係を築けて終わっただろう。
「おう! ジョーダン!! うちの若いのに何か用かよ!!」
「げぇ……!?」
「!?」
そこにやってきたゴールドシップの姿にトーセンジョーダンだけでなく、悲しいことに奇行に慣れ始めているモブ娘も絶句する。
ゴールドシップはでかいオープンカーのボンネットに座りながらこちらに来ていた。
「いやあんた何やってんの!?」
「あ? 見りゃわかんだろ? ホエールウォッチングだよ」
「どうみても違うでしょ!!」
律儀に突っ込むトーセンジョーダンをある意味尊敬するモブ娘。基本的にゴールドシップの奇行に慣れすぎたチーム・アースのメンバーは『お、今日もやってるな』程度にしか思わない。
「う、嘘でしょ」
そしてトーセンジョーダンは車に乗っている人物を見て後ずさった。
運転席にシンボリルドルフ、助手席にスーパークリーク、後部座席に腕組みビワハヤヒデ。
「トレセン学園のキチガイ大集合っしょ!! こんなのに付き合ってらんないし!!」
「あ!!」
しゃばだばとダッシュで逃げるトーセンジョーダン。モブ娘も逃げたかったが、その場合このキチガイ達が教室に乗り込んでくる危険性もあるのでそれができない。
だが、トーセンジョーダンは途中で立ち止まるとモブ娘のほうを振り向く。
「モントブリリアント、何か困ったことあったら相談してよ。できる限り力になるから」
「キュン!!」
トーセンジョーダンへの好感度アップのセリフが思わずモブ娘の口から零れたが、ゴールドシップが真流星胡蝶拳の態勢に入ったので慌てて逃げていく。
「なんだ、お米の奴が『ブリちゃんがヤンキーに連れていかれた』って言っていたから助けにきたらジョーダンじゃねぇか」
「ジョーダンだけに冗談にして欲しかったな」
シンボリルドルフの寒いギャグに慣れているチーム・アースのメンバーは無視した。
「あの、なんでオープンカーなんですか?」
とりあえず突っ込みどころはたくさんあるが、一番気になった点を聞いてみる。
ゴールドシップの乗り方? 『ゴルシだから』で説明がつく。
「ああ、それは私が仮免の教習中でね」
「……教官は?」
その言葉にスーパークリークとビワハヤヒデが免許証を出す。
二人とも免許証の欄が全て埋まっていた。
「いやいや何してんですか」
「私は殿堂入りしてから時間があってな。筋トレのついでにとった」
「私は甘やかしたい娘をべったべたに甘やかすためよ~」
どっちも説明になっているようでなっていなかった。
「つ~か、モブ娘よぉ!! ジョーダン程度に校舎裏に呼び出されるなよな~」
「いや、向こう先輩ですし」
心の中で『それに向こうはウマ格者』という言葉は出さなかった。
少し何か考えていたゴールドシップであったが、すぐに何かを思いついた表情になる。
「へい、リーダー!!」
「何かね?」
「これから海で強化合宿しようぜ!!」
またゴールドシップが意味わからないことを言い始めた。
「いいか、モブ娘。ウマ娘には腕っぷしも重要だ」
「それはない」
「そのために海で合宿だ。ついでにスイカを素手で割ろうぜ!! 今度は割った数ハヤヒデに負けねぇぞ!!」
「ふ、いいだろう!! 受けて立つ!!」
何故かどんどん海に行く方向で話が進んでいるが、モブ娘は当たり前のことを言う。
「もうすぐ午後の授業ですよ」
「いいか、モブ娘。つまんねぇ授業と腕っぷしの訓練。どっちが大事だ?」
「授業ですね」
「そうだな腕っぷしの訓練だな」
モブ娘の言葉をガン無視なゴールドシップ。そこでモブ娘は強硬手段に出る。
「じゃ、私は授業があるんで」
そう!! 逃亡である!!
だが、それを許してくれる連中ではなく、モブ娘はゴールドシップに両肩を掴まれる。
「アースは仲間を見捨てねぇ!!」
「なんの話ですか?」
そのまま後部座席に放り込まれるモブ娘。そしてゴールドシップは再びボンネットに座る。
「それじゃあ音楽でもかけるわねぇ」
走り始めた車の中でスーパークリークが音楽を流し始める。
なんだがイニシャルがDで峠をせめそうなビート。
「「「「Welcome to the broken low!!」」」」
「頭文字D!?」
モブ娘
この後海に行って筋トレさせられた
トーセンジョーダン
ゴールドシップに目の敵にされる哀れな存在
ゴールドシップ
オープンカーの座りかたはHigh&Lawのあれです
シンボリルドルフ
仮免練習中
スーパークリーク
他人を甘やかすために自分の鍛錬は怠らないウマ娘
ビワハヤヒデ
暗記系は筋トレしながら覚える
Welcome to the broken low
Night Of Fire
そんな感じでトーセンジョーダン編です
馬時代でも何故かゴールドシップに目の敵にされたトーセンジョーダン。アプリでは実に微笑ましい関係ですね(焼きそばの暴力から視線を逸らしながら
この作品では基本的に作者が持っているウマ娘が出ます。ちなみに持っている星3はルドルフとビワハヤヒデを除くとミホノブルボンをライスシャワー。お兄様にはなったんでライスはいつか出したいところ