錦の輝き、鈴の凱旋。   作:にゃあたいぷ。

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第14話:シンボリとシンザン

 クラシック3冠レースの終着点、菊花賞。

 その京都レース場。観客席の最前列を嘗てトゥインクル・シリーズを熱狂の渦に巻き込んだTTGと呼ばれる三人娘が占有する。

 先ずはトウショウボーイ。良馬場ならば10年先を走っていると評された類稀なスピードを持つウマ娘、頭を低く下げたストライド走法は見る者にスピード感を与えないものであり、まるで空を飛んでいるようだとも云われている。付いた渾名は、天マ。クラシック三冠レースでは、皐月賞を勝ち取っている。

 続いて、美しい栗色の髪を持つウマ娘、またの名を流星の貴公子テンポイント。幼い頃から評判の高いウマ娘であったが、クラシック路線では奮わずに2着が続いた。彼女が本領を発揮したのはシニアクラスに上がってからだ。その戦績は驚異の7戦6勝。負けたのはトウショウボーイが相手の2着であり、それだって有マ記念でリベンジを果たしている。当時、彼女にとっての敵はトウショウボーイだけであった。

 最後は黒鹿毛の髪を持った緑の刺客グリーングラス。菊花賞に勝利した事からトウショウボーイ、テンポイントと肩を並べるようになった。しかし彼女は一年の半分以上を湯治に費やすほどの虚弱体質、彼女が本調子で走れたレースは少ない。それでも長距離が舞台であれば、それでいて本調子であれば、彼女はシンザンにも迫る実力を発揮する。戦績は前二人と比べて劣る。だが彼女は誰よりも強いウマ娘であった事は間違いない。

 

「……懐かしいね」

 

 そんなTTGの顔触れの一人、トウショウボーイが口を開いた。

 

「3強対決、まるで私達の事を思い出すな」

 

 テンポイントも同意するように頷き返した。

 彼女達にとって菊花賞は思い入れ深い、何故ならTTGの長い激闘の歴史は此処から始まったのだ。

 

「いや、菊花賞では、まだTTGの括りはなかったよね?」

 

 二人が染み染みの過去を振り返る中でグリーングラスが答える。

 

「……そうだったっけ? テンポイント、どう?」

「レース前から雰囲気あったような?」

「二人とも私に一瞥すらしてなかったよね? 私、12番人気だったよね?」

 

 その言葉は聞き届けられず、レース開始のファンファーレが鳴り響いた。

 

 グリーングラスも不満はあれど、言葉を飲み込んでレースに意識を向ける。

 元から好敵手同士であった2人は気にしていないようだけど、私達とは状況が違っていた。あの時の3強は私ではなくてクライムカイザーだったし、菊花賞での私の勝利は他3強が牽制し合った事も少なからず影響している。

 皐月賞に勝ったのはサクラユタカオー、東京優駿に勝ったのはシリウスシンボリ。だが、総合的な実力ではミホシンザンが他2人と比べて上にある。故に彼女は他のウマ娘達からマークを受けていた。

 私の時と比べて、余りにも状況が違い過ぎている。

 

 

◇  ◾️  ◇  ◾️  ◇  ◾️  ◇

 

 

 これが最後の機会だ。

 皐月賞から辛酸を舐めさせられてから半年以上もの月日が流れた。

 京都レース場の芝を踏み締める。トレーニングは積んだ、やれる事はやったはずだ。出来る限りのシミュレーションも繰り返して来た。か細い可能性も取り零さないように、考え得るパターン全てを精査した。

 これで負けたら仕方ない、と自分に言い聞かせられる程度には今日のレースに尽くして来た。

 そうであるにも関わらず、手足が震えて仕方ない。ゲートを前にして、脚が動いてくれなくなった。震える呼吸、左手で右手首を掴んで、祈るように握り込んだ右手を額に付ける。大きく深呼吸をした。息を吸い込んで、吐いて、何度も繰り返す。

 武者震いじゃない、覚悟は決めたはずだった。

 全身の震えが止まらず、これから始まるレースが怖くて仕方ない。

 ギュッと目を閉じて、震えが止まるのを待った。

 

 勝つと決めた。

 本当に勝てるのだろうか?

 勝つと決めたんだ。

 

 だから、落ち着け、落ち着いてくれ。

 何度も繰り返す。何度も言い聞かせて、後ろから両肩を係員の人に掴まれた。

 ゆっくりとゲートの中へと押し込まれる。

 

 まだ真っ白な頭の中で、背後から扉が閉められる音が鳴った。

 ドクン、ドクン、と胸の高鳴りを耳にする。これ程に緊張したのは初めての経験だった。

 今日、もし仮に負けてしまった時、今までの努力の全てが無駄だと思い知らされた時、私はどうなってしまうのだろうか?

 ガシャン、と音が鳴った。それは不意打ちだった。

 しかし、何百回と繰り返してきた発走練習、身体は考えるよりも先に動いていた。

 スタートは良くもなく、悪くもない。

 始まった、始まってしまった。菊花賞が始まったのだ。

 兎に角、前に出過ぎないように――呼吸を整える。歩調に合わせて、吸って、吐いて、赴くままに手脚を動かした。

 スタート直後、最初の坂を登る。

 おかしい、何かがおかしい。

 登り坂に抵抗がない、軽々と駆け上がる事ができる。抑えなければ、直ぐ先頭との距離が詰まってしまいそうだった。

 周囲の息遣いが聞こえる。

 自分の呼吸音が、胸の高鳴りが、鮮明に感じ取れる。

 周囲をウマ娘が走っているはずなのに、私だけが世界から切り離された感覚に陥る。

 まるで一人、新雪の道に足跡を付けていくかのような錯覚。

 

 ああ、これは視え過ぎている。

 浮き足立つ程の絶好調、緊張感を維持するのが困難な程の集中力。まだ最初のコーナーを曲がり切っていない内に私は、領域(ゾーン)に入り込んでしまったようだ。余りにも早過ぎる領域展開、天から吊るされた蜘蛛の糸を手繰るように今ある感覚を繫ぎ止める。こうなったらもう最後まで意識を繫ぎ止めるしかない。

 現在、位置はバ群の中団付近。私、ミホシンザンは過酷な旅路へと乗り出した。

 

 

◇  ◾️  ◇  ◾️  ◇  ◾️  ◇

 

 

 スタート直後、先頭争いに絡んでしまった。

 距離に不安がある以上、ポジション争いで負ける訳にはいかない。と競い合った結果、逃げウマ娘を相手に絡んでしまった。あれよあれよという間に先頭近くまで激走し、我を取り戻すも既に時遅し。

 私、サクラユタカオーは最もしてはいけない失敗をレース序盤にしでかしてしまった。

 

 兎に角、体力を温存しなくてはならない。

 淀の坂を降り、1度目の第4コーナーを回った直線にて、ゆっくりと速度を落とす。

 このレース、私が勝つ為には、兎にも角にも体力を温存しなくてはならない。

 

 持ち前のスピードさえ発揮できれば、充分に対抗できる。

 距離の壁は大きい。しかし距離の壁を乗り越えたウマ娘は実在する。

 その名はミスターシービー。本来は2000メートル未満の距離を得意としておきながら2000メートル以上の距離を主戦場と定め続けた規格外の怪物だ。

 彼女を他のウマ娘の枠に嵌めることはできない。

 だが前例がある以上、泣き言は言えない。

 

 負け要素を考えてレースに出走する馬鹿がいるものか!

 どれだけ細い道であったとしても、勝機があるなら、それに縋るのがウマ娘だ!

 滾る想いを胸に秘め、今は兎に角、体力温存に努める。

 

 私が位置を下げる横をシリウスシンボリが駆け上がっていった。

 

 

◇  ◾️  ◇  ◾️  ◇  ◾️  ◇

 

 

 スタート直後、逃げたウマ娘はサクラユタカオーを含めた4名。

 掛かったウマ娘は頭から切り離した私、シリウスシンボリは5番手のすぐ後ろの位置に付ける。

 ミホシンザンはバ群の真ん中辺り、サクラサニーオーが彼女の内に付けている。スダホークは後方からのレース展開、これなら私にとって有利に状況を進められそうだ。

 淀の坂を超えて、1度目の第4コーナーを抜ける。

 観客席側、正面の直線。

 地面が揺れるほどの大歓声を耳にして、気分が高揚するのを感じ取る。

 

 長距離レースは最高だな! こんな大歓声を二度も聴く事が出来るのだから!

 

 逃げウマ娘に掛かったサクラユタカオーが位置を下げるのを横目に第1コーナーへと差し掛かる。

 残った先頭3名はハイペース。サクラユタカオーが落ちて、5番手から4番手に繰り上がったウマ娘とは8バ身近くの差が付いている。3000メートルの長丁場、掛かった先頭3名は勝手に潰れるので問題ない。サクラユタカオーも一緒に潰れてくれれば、ミホシンザンだけに意識を向ける事が出来たのだが――事はそう簡単には進んでくれないようだ。

 向かい正面の直線、登り坂に入る前にゆっくりと速度を上げる。

 バテ始めた前3名との距離を詰めて、二度目の淀の坂。まだ脚は大丈夫だ。ミホシンザンがスピード重視のバランスタイプだとすれば、私はパワー重視のバランスタイプだ。多くのウマ娘を苦しめてきた淀の坂道を、存分に力を生かして駆け登る。

 坂を苦にはしない。しかし私の背後まで迫る足音があった。

 

 見ずとも分かる、外をミホシンザン。内をサクラユタカオーだ。

 役者は揃っている。誰一人として、バ群に呑まれずに抜け出してきた。

 坂を降る。此処で速度を落とす者は居ない。

 限界のギリギリを攻める。外に膨らみそうになる身体を力で必死に食い止めた。

 第4コーナーを抜ける、大歓声が沸き上がる。

 

『最終コーナーを抜けて、先頭はシリウスシンボリだ! 内をサクラユタカオー、外からミホシンザン! その後ろをサニーオー、外外からはスダホーク!!』

 

 此処から先は平坦の直線だけが続いている。

 地面を踏み締めて、一瞬の溜めを作る。背後に控えるウマ娘達を突き放すべく、制限を解放した。

 力が全てだ! 爆発する力を推進力に変換する!!

 

 

◇  ◾️  ◇  ◾️  ◇  ◾️  ◇

 

 

 TTG世代、花の47期生と並び称される本世代。

 SMSと称される3強の他にもスダホーク、サクラサニーオーと云った多くの有力ウマ娘が、この菊の舞台に集った。

 最後の直線、先ず抜け出したのはシリウスシンボリ。持ち前のパワーで抉った芝を高々と蹴り上げる。追従するのはミホシンザン、同名シンザンを彷彿とさせる鉈の切れ味を以て、シリウスシンボリの頸に狙いを定める。スピード勝負ならサクラユタカオーも負けてはいない。シリウスシンボリとミホシンザンのスパートに必死になって食らい付いた。

 やはり最後は、この3強か。

 

 いいや、違う。

 まだ役者は揃っていないと名乗り上げる者が一人、バ群後方から虎視眈々と優勝を狙う芦毛のウマ娘。

 弥生賞では1着を取るも、続く皐月賞では6着。東京優駿では3着、神戸新聞杯では5着、京都新聞杯でも5着。皐月賞以後、掲示板内には入るが、いまいちパッとしない戦績のウマ娘が息を潜めて勝機を窺っていた。

 当時、芦毛のウマ娘は走らない。と云われていた。

 そんな迷信を、バッサリと切り捨てるが如く、全身のバネを使って脚を伸ばす。

 

『サクラサニーオーも来る! いや、スダホーク! 外からスダホーク!!』

 

 世代3強。なるほど、実績だけを見るならその通りだ。

 最後の直線、混戦模様に観客席からの大歓声が上がる。

 勝負は盛り上げた。盛り上げついでに――私が優勝してしまっても構わないだろう?

 世代3強対決に水を差すなって?

 違う、これから先の3強には私の名を連ねる事になるのだ!

 それにだ、SMSよりもSSS(トリプルエス)の方が見栄えが良いに決まっている!

 すぐ内を走るサクラサニーオーを追い抜かし、前を走る現3強に勝負を挑んだ!

 

 

◇  ◾️  ◇  ◾️  ◇  ◾️  ◇

 

 

 末脚に、何時ものキレがない。

 息が切れる、脚が重たい。伸びてはいても、シリウスシンボリとミホシンザンには届かない。

 やはり距離の壁は大きかったか。

 

 それは違う、それを言い訳にしてはならない。

 

 レースに出走している以上、それは泣き言でしかない。

 前を走るウマ娘達が、私よりも速かった。ただ、それだけの話なのだ。

 下唇を噛み締めて、遠のく背中を睨みつける。

 

 次は、次こそは――必ず! 必ず、私が勝ってやる!

 

 脚が垂れている訳じゃないのに二人は、私の遥か先を駆け上がっていった。

 私、サクラユタカオーの最後の世代戦は、此処で終わってしまった。

 

 

◇  ◾️  ◇  ◾️  ◇  ◾️  ◇

 

 

 パワーで走るシリウスシンボリの走りを見て、少し羨ましく感じられた。

 強靭な足腰は、多少の荒れた馬場をものともしない。芝を蹴る度に加速する。芝を抉って蹴り上げる様は重戦車のようであった。彼女のように地面を踏み締めて、馬場を固めながら走るという芸当なんて私には不可能だ。かといってサクラユタカオーのように爪先の蹄鉄で(ターフ)を引っ掛けるように走る事も難しい。

 私の走り方は凡庸だった。腕を必死に振り回して、少しでも速くと祈りながら懸命に脚を動かした。

 昨日よりも速い今日を、今日よりも速い明日を、一歩毎に加速する。大鉈を振り下ろすが如く、脚を地面に突き立てる。軸足に身体を引き寄せて、雑草を薙ぎ払うように蹴り出した。

 頭痛がする。視え過ぎる道中に脳を使い過ぎた。

 それでも集中力を途切らせないように、領域(ゾーン)状態を意識して繋ぎ止める。

 おかげで周りの動きは視えていた、おかげで脚はまだ残っている。

 淀の坂を登って降る時、先頭を走る3人のウマ娘を躱すように外側へと出た。

 此処までは想定通り、此処からが本番だ。

 思考を切り捨てる。

 少しでも前に進む為に、少しでも速く走る為に、全身を懸命に動かした。

 3000メートルの長丁場、息が切れる。

 心臓が胸を打っている、肺が痛むのを感じ取った。

 それでも前に、まだ先を走るシリウスシンボリの背中を目指して、酸欠に視界が白じむのをお構いなしに、前へ、前へ、前へと地面を蹴った。音が遠のいていった、もう歓声が聞こえない。自分が、何処を走っているのかも分からない。ちゃんと真っ直ぐに走れているかどうかも判別が付かなかった。それでも前に、あと一歩、そして、もう一歩と力を振り絞って限界の先に挑み続ける。

 不意にまだ昼間であるにも関わらず、夜空に輝く一等星を見た。

 冬の大三角、その中でも最も強い光を放つ星の名はシリウス。必死に手を伸ばし、掴んで握り潰す。勝つのは私、ミホシンザン。勝つのは、チームリギル。今、この場において、最も強い輝きを放つ星の名は……ッ!!

 吠えた。

 あと一歩、先にある勝利を目指して駆け抜ける。

 頭上高くに翳した大鉈を以て、その首筋に刃を振り落とす。

 何処まで走ったかなんて、何処まで走れば良いかなんて、この時の私には分かっちゃいなかった。

 養い続けた嗅覚が、鍛え上げた勝負勘が、飛べッ! と叫んでいた。

 

 

◇  ◾️  ◇  ◾️  ◇  ◾️  ◇

 

 

 最終コーナー、抜け出したのはシリウスシンボリ。

 最後の直線、先頭を走るシリウスシンボリに追従したのはミホシンザン。

 

『最後はやはり、この二人! シンボリとシンザンだ!!』

 

 スダホークも必死に追い縋るが、ミホシンザンの末脚に付いていけず、苦悶の表情を浮かべる。

 

 この時、ミホシンザンの走りは末恐ろしい程に洗練されていた。

 それは観客席に観戦しに来ていたビゼンニシキが身震いし、ひっそりと応援に来ていた日本最高峰のウマ娘、シンザンが笑みを浮かべてしまう程のものだった。シンボリルドルフが拳を握り締めて、歯を食い縛る。

 しかしシリウスシンボリも負けてはいない、此処まで来て負けられない!

 

『粘るシンボリ、追うシンザン!! 大地を揺らして、大地を駆け抜ける! 鉈の一撃は最輝の一等星を切り落とせるか!?』

 

 残り50メートル。歓声は止まる事を知らず、更に大きく湧き上がる。

 固唾を飲んで見守るのは、チームベテルギウスとチームリギルのトレーナー二人だ。

 祈る想いは同じ、しかし勝者の席はただひとつだけである。

 

 

◇  ◾️  ◇  ◾️  ◇  ◾️  ◇

 

 

 あと一歩、半ば勝利を確信していた。

 互いに限界を出し切った今、残る距離から逆算して算出した答えはアタマ差の勝利だ。

 だからといって、油断をしていた訳じゃない。まだなにかをしでかす予兆はあったからゼロコンマゼロゼロ以下のタイムを縮める為に最後の一蹴りには今まで以上の力を込めた。油断禁物、揺るぎない勝利を絶対のものにする為に更なる加速を己に課した。

 それでも届かなかった。あと半歩以下の距離が逃げきれなかった。

 限界のギリギリで脚を最後まで伸ばしてきたのはミホシンザン。私が芝を踏み込んだ時、彼女が軸足を限界まで伸ばした瞬間がゴール板を横切ったタイミングだった。次の瞬間では、私の方が先だった。次の一歩では、私は差し返していた。しかし、ゴール板を横切った瞬間、あの時に限り、ミホシンザンの方が先を走っていた。

 偶然か、必然か。あの限界を超えた領域で、完璧に歩幅の計算を合わせてきたのはミホシンザンの方であった。

 掲示板はまだ判定中、しかし実際に走った私には勝敗がわかっていた。

 

「シリウス! 勝ったよね!? 勝利は貴女の……」

 

 観客席の最前列に立つ私のトレーナーが私を見て、言葉を詰まらせた。

 ああ、畜生。悔しいな。目元を拭い取り、堂々と胸を張ってコースを後にする。

 全力を出し切った、競い合った。

 結果に不満はあっても、その過程に恥ずべき事はない。

 

 程なくして掲示板の頂点には、ミホシンザンの数字が点灯する。

 私達のクラシック3冠は終わってしまった。

 

 

◇  ◾️  ◇  ◾️  ◇  ◾️  ◇

 

 

 今年のクラシック路線は、去年、一昨年とは、また違った盛り上がりを見せた。

 SMSと称される3強でクラシック3冠レースを分け合う形となり、次なるシニアクラスとの激戦の予感にウマ娘ファンが胸を躍らせる。ジャパンカップにはシリウスシンボリとサクラサニーオー、有マ記念にはSMSの他にスダホークの参戦が半ば決まっている。若き新鋭達を迎え討つのは、現役最強ウマ娘シンボリルドルフの他にニシノライデンの名前が上がっていた。

 まだ見果てぬ夢にトゥインクル・シリーズの盛り上がりが止む気配はない。

 

 その一方で短距離マイル路線の方も佳境を迎える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 菊花賞の翌週、マイルCSの結果が出る。

 ウマ娘新聞の見出しには、以下のように書かれていた。

 ハーディービジョン予後不良、と。


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