錦の輝き、鈴の凱旋。   作:にゃあたいぷ。

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ようやく書けました。
労力の割に効果が薄い気がすることをしていました。
同じことは二度としないです(二敗目)

感想、評価、誤字報告、何時もありがとうございます。


第18話:夢の祭典

 今年を締め括る大一番、夢の祭典。有マ記念!

 実況は私、テンよし中よし終いよし、付けて加えて超グラマーでお馴染みのテスコガビーです!

 ドリームトロフィー・リーグでも頑張ってるからよろしく!

 

 解説は私、クリフジです。元史上最強のウマ娘です。

 若い頃はドリームトロフィー・リーグでセントライトさんと鎬を削ってしました。

 ……今時、セントライトさんのことを覚えている人って居る?

 

 そりゃ、セントライトさんって私達の世代からの伝説ですよ!?

 クリフジさんも、トゥインクル・シリーズでは、11戦11勝とトキノミノルさんに負けず劣らずレジェンド最強ウマ娘!

 私達、ティアラ路線の希望の星でもあったんですよ!

 

 そのトキノミノルに負けちゃったけどね。

 10戦してレコードタイム7回は伊達じゃないわ~。

 おかげで引退する決心付いたけど。

 

 今、クリフジさんって何をしているんでしたっけ?

 

 ……私達の話よりも仕事をしましょう。今日は待ちに待った有マ記念。ファンは私達よりも出走するウマ娘の方に興味があるはずよ?

 

 それもそうですね! 早速、張り切って紹介して行きましょう!

 ファン投票によって選ばれた総勢16名のグランプリレース!

 その背中に多くの想いを背負ったウマ娘達が今、パドック会場に姿を現します!

 


▼パドック早見表(S=シニア、J=ジュニア)

1枠 1番 9人:ウインザーノット:S2:15戦 6勝:主な優勝歴

1枠 2番 2人:ミホシンザン  :JC: 8戦 5勝:主な優勝歴

2枠 3番13人:サクラサニーオー:JC:10戦 3勝:主な優勝歴

2枠 4番12人:ハーバークラウン:S1:29戦 4勝:主な優勝歴

3枠 5番11人:スズパレード  :S1:15戦 6勝:主な優勝歴

3枠 6番 1人:シンボリルドルフ:S1:14戦12勝:主な優勝歴

4枠 7番15人:カネクロシオ  :S2:25戦 9勝:主な優勝歴

4枠 8番 4人:ギャロップダイナ:S2:33戦 8勝:主な優勝歴

5枠 9番10人:スダホーク   :JC:11戦 3勝:主な優勝歴

5枠10番 7人:サクラユタカオー:JC: 8戦 4勝:主な優勝歴

6枠11番 6人:ステートジャガー:S1: 6戦 1勝(地13戦8勝):主な優勝歴

6枠12番14人:メジロモンスニー:S2:19戦 6勝:主な優勝歴

7枠13番 3人:シリウスシンボリ:JC:10戦 6勝:主な優勝歴

7枠14番 8人:ニシノライデン :S1:19戦 6勝:主な優勝歴

8枠15番 5人:スズカコバン  :S2:28戦 6勝:主な優勝歴

8枠16番16人:ヤマノシラギク :S3:54戦 7勝:主な優勝歴

1枠 1番 9人:ウインザーノット:S2:戦績

1枠 2番 2人:ミホシンザン  :JC:戦績

2枠 3番13人:サクラサニーオー:JC:戦績

2枠 4番12人:ハーバークラウン:S1:戦績

3枠 5番11人:スズパレード  :S1:戦績

3枠 6番 1人:シンボリルドルフ:S1:戦績

4枠 7番15人:カネクロシオ  :S2:戦績

4枠 8番 4人:ギャロップダイナ:S2:戦績

5枠 9番10人:スダホーク   :JC:戦績

5枠10番 7人:サクラユタカオー:JC:戦績

6枠11番 6人:ステートジャガー:S1:戦績

6枠12番14人:メジロモンスニー:S2:戦績

7枠13番 3人:シリウスシンボリ:JC:戦績

7枠14番 8人:ニシノライデン :S1:戦績

8枠15番 5人:スズカコバン  :S2:戦績

8枠16番16人:ヤマノシラギク :S3:戦績

 

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▼1枠1番ウインザーノット

 

 去年、一昨年の函館記念を含めた5連勝は今も記憶に新しい!

 ジャパンカップでは大敗を喫してしまいましたが、今年の宝塚記念では3着。秋の天皇賞では3着。毎日王冠では2着。

 1枠1番ウインザーノットは9番人気。

 今年、重賞以上を6戦して、複勝率8割を誇る彼女が、この低人気です!

 此度の有マ記念が、如何にハイレベルな戦いであるか窺えますッ!

 

 優勝歴が函館記念二連覇と函館巧者の印象がありますが、

 秋の天皇賞、宝塚記念と掲示板内に収まっているのですから十分に強いはずなんですよね。

 ただ今日の面子は重賞勝利では物足りない。

 それでも9番人気、高いと見るか。低いと見るか。

 その答えは今後の8番人気以上の面子を見ることで答えが見えてきます。

 いや、でも、強いと思いますよ?

 正直、実力と戦績が合っていませんよね。

 

 

 チームカストルのトレーナー、阿知(あち)史織(しおり)が観客席の最前列で祈りを捧げる。

 黒めの長髪、胸に結んだネクタイを強調する勝負服。前を開いたチェック柄のスーツのポケットに手を突っ込んで、肩で風を切るように悠々とトラックコースに歩み出る。彼女は阿知史織にとって、初めて重賞を取った担当ウマ娘だ。それまではオープン戦まで上げるのが精いっぱいであり、未勝利の壁、1勝クラスの壁、オープンクラスの壁、重賞の壁と阻まれ続けてきた経緯を持っている。

 現時点での阿知史織のトレーナー人生において、ウインザーノットは最高傑作。苦労した分だけ、思い入れも人一倍だ。

 

 デビューが遅れたのは私が未熟なせいだ。

 クラシッククラスで人気上位で結果を出せなかったのも私のせいだ。

 もっと良いトレーナーが付けば、もっと良い結果を出せたかも知れない。

 そんな事を毎日のように思っている。

 

 そんなことはない、とウインザーノットは言ってくれる。

 選抜レースの時点で、私に声を掛けてくれるトレーナーは居なかった。貴女だけが私を見捨てずに居てくれた。三度目のレースの時は錯乱し、直線なのに大外へと向かって行ってしまった時も、四度目のレースで興奮し過ぎてゲート内で暴れてしまった時も見捨てないで居てくれた。

 貴女じゃなければ、私は今もレースを走れていなかった。と彼女は言ってくれるのだ。

 

 彼女の実力は高い。重賞は勿論、GⅠだって取れる実力がある。

 シンボリルドルフに勝てとまでは云わないけど、それでも傷跡くらいは残して欲しい。

 精一杯に走り切って欲しい。後悔がないと言い切れるほどに実力を出し切って無事に孵って来て欲しい。

 でも、それでも、願ってしまう想いはある。

 

「勝ったところが見てみたい、なんて欲張りかなぁ?」

 

 ウイニングライブのセンターで歌って踊る愛バの姿が見たかった。

 あまり背負わせるべきじゃないと思う。有マ記念に出走したのだって、ファン投票で選ばれたからだ。

 彼女は今も十分にファンの期待を背負っている。

 そこに私の想いを乗せるのは、余りにも身勝手過ぎるんじゃないだろうか?

 

「トレーナー、ノット先輩が呼んでるよ」

 

 何時の間にか俯いていた、祈るのに必死で目を閉じていた。

 隣に立つマティリアルは、ウインザーノットが繋いでくれた縁だ。

 彼女からは、余りにも多くのものを与えて貰っている。

 

 促されて、ゆっくりと顔を上げるとウインザーノットが銃を模した手で、その銃口を私に向ける。

 

 ──ちゃんと見ててよ、私が走ってるところを。

 

 此処からウインザーノットまでは結構な距離がある。

 だから声が届くはずがない。でも、そんな言葉が聞こえた気がしたのだ。

 阿知史織は歯を食い縛って、身を乗り出した。

 

「頑張れ、ウインザーノット! 勝った姿を私に見せて!」

 

 そんな言葉が気付けば、飛び出していた。

 私の愛バは、困った風に笑みを浮かべた後で、ゆっくりとコースを走り始める。

 ふと、芝を踏み締める脚が、何時もよりも力強く感じられた。

 

『あら? 何時もは、これといってよくは見えないんですけども……少し雰囲気が変わりましたでしょうか?』

 

 実況席から流れる解説の声が場内に響いた。

 

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▼1枠2番ミホシンザン

 

 皐月賞では2着、東京優駿でも2着。

 しかし菊の称号を勝ち取ったのは、このウマ娘!

 1枠2番ミホシンザン! 2番人気!

 8戦して5勝! しかし連対率は驚異の10割を未だに維持しています!

 クラシッククラス、最も強いウマ娘!

 

 スタミナ、パワー、スピード。何処を取っても隙がない。

 トゥインクル・シリーズでは三本指に入る実力の持つウマ娘だと思っています。

 今日は、随分と気合が入っていますね。

 これが気負いとならなければ良いのですが……

 

 

 東条ハナは失意の中にある。

 ウマ娘の指導も満足にできない中、少しでも担当するウマ娘に迷惑をかけないように書類仕事だけは続けて来た。

 ハーディービジョンは、まだ病院から退院できていない。両足の膝から下を切断する事態となり、車椅子の生活を余儀なくされた。彼女の両親には、胃を握られる想いで謝罪をしに行った。「責めるつもりはない」と言ってくれた。「暫く貴女の顔を見たくない」とも言われてしまった。

 あまり引き摺り続けるのも良くない。しかし自分の担当ウマ娘の晴れ舞台であるにも関わらず、自分は中山レース場に足を運ぶこともできず、プレハブ小屋に引きこもり続けている。テレビを点けることすらもできない。最後の直線を見る度に胸が苦しくなって、過呼吸を起こしてしまうようになっていた。ただ時計を見ながら祈るだけだ。

 あの時の私は、どうかしていたのだ。

 何よりも優先すべきはウマ娘の安全であり、勝つ事は二の次だった。ウマ娘が止まれないのは当然だ。彼女達はまだ未成年の子供、闘争心が高いのであれば、猶更、止まれるはずなんてない。

 彼女達のブレーキ役にもなれないトレーナーに価値なんてあるはずもなかった。

 

「まだ此処に居たのね!」

 

 唐突にプレハブ小屋の扉が開け放たれる。姿を現したのは緩くパーマを利かせた長髪が特徴的なウマ娘、マルゼンスキーはずかずかと部屋に上がり込むと自らの担当トレーナーの手を掴み取った。

 

「ほら、さったと行く!」

「ど、何処に?」

「そんなの決まってるじゃない! 貴女の愛バが出走するのよ!」

 

 その言葉を聞いた時、身体が強張ってしまった。

 マルゼンスキーはもどかしそうに歯噛みし、ひょいっとお姫様抱っこで担ぎ上げる。ちょっと待って、この格好は恥ずかしい。しかしマルゼンスキーは異論を挟む間もなく全力で駆け出し、校門前に止めてあったスーパーカー。ランボルギーニ・カウンタックの後部座席に放り込まれた。

 説明もない、釈明もさせてくれない。マルゼンスキーは問答無用にエンジンを吹かすとアクセルを踏み込んだ。

 

「さあ、かっ飛ばすわよ!」

 

 速度に関しては言及しない。

 言えることは、法定速度を守ると物理的に間に合わない距離を映画のTAXⅰを彷彿とさせる走りで見事に間に合わせたという事だ。

 車が止まると同時に後部座席のドアから外に転がり落ちて、そのまま女性の尊厳を吐き出した。

 口元を拭うことも許してもらえず、そのまま首根っこを掴まれて、ずるずると中山レース場の観客席まで引き摺られる。

 私が見ることが出来たのは、もうゲート入りが終わった後だった。

 

「……さあ、間に合わせたわよ。これで負けたら許さないわよ!」

 

 神経質に自らの爪を噛むマルゼンスキーを横に、間もなくレースは始まった。

 気付けば、ミホシンザンを必死に探している自分が居た。

 

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▼2枠3番サクラサニーオー

 

 サクラはサクラでも太陽の戦士、2枠3番はサクラサニーオー!

 今年の面子を相手にするには厳しいか。13番人気と控えめな人気となっております。

 しかし彼女もクラシック路線を戦い抜いたウマ娘の一人、意地を見せて欲しい!

 

 クラシック三強と比べると見劣りしますが、重賞クラスの力は十分にあります。

 実際、彼女は十戦して掲示板外に落ちたのは二度だけ、同世代が相手ですと東京優駿の一度きりです。

 とはいえ今年の有マ記念で勝負するのは、厳しいでしょうね。

 

 皐月賞では4着、菊花賞では4着と距離の不安はありませんよ!

 

 短い距離も見てみたい気もします、あとダートでの走りも。

 

 

 私、サクラシンゲキこと日高(ひだか)あぶみは二人の担当ウマ娘を見つめる。

 サクラサニーオーは、私がスカウトしたウマ娘ではなかった。当時の私はサクラユタカオーを執着しており、チームハマルにスカウトする事で必死だった。

 そんな私の手を引いて、サクラサニーオーを紹介してくれたのが、今はドリームトロフィー・リーグに所属するサクラショウリだ。

 

「こいつ、走るよ」と端的な言葉と共に紹介されて「ショウリが良いというなら、じゃあ受け入れよう」と返した。

 

 サクラショウリの言葉通り、彼女はよく走るウマ娘だった。

 サクラユタカオーのようにデビュー戦からレコードタイムを出すような目立ち方はしなかったが、あっさりとデビュー戦を突破して、翌年の初めには重賞を勝ち取っていた。

 続く弥生賞では2着、皐月賞では4着。これだけでもウマ娘としては十分に称賛されるべき結果なのだ。

 

 中央トレセン学園は過酷な環境だ、魔境と言い換えても良い。

 高校野球で例えるならば、野球部に入部する為にテストを実施する強豪校のようなもので、全国から素質のあるウマ娘だけが集められている。地元では有名、といったレベルの選手だけで競い合わせているような環境であり、それがオープン戦ともなれば上澄みも上澄みだ。高校野球で例えるならば甲子園、陸上競技で例えるならばインターハイ。そんな高次元で彼女達は鎬を削っており、それが重賞ともなれば、甲子園出場チームのエース級の戦いになる。その中で更に選りすぐり優駿達が競い合う舞台がGⅠレースなのだ。

 そういう観点から見れば、未勝利戦を突破できるだけで快挙とも云えるし、オープンクラスまで辿り着くと成功したと云える部類に入る。

 

 それだけ勝ち上がるのが難しい世界なのだ。

 努力するのが当たり前、勝敗を分けるのは努力以外のものが必要になる。

 最低限の才能は皆、持ち合わせていると考えるのが当然だ。

 

「……優勝する事が全てではない。でも、優勝することでしか得られないものはある」

 

 やるべき事はやらせて来た。

 それでも勝てなかったなら仕方ない。そう納得させてやる事がトレーナーとして最低限の仕事だと私は考えている。

 悔しいのは当然だ。それでも後悔だけはして欲しくない。

 

 歩んだ道は間違いでなかった。と思ってくれたなら、これ以上、トレーナー冥利に尽きるものはない。

 勿論、勝って欲しいのは当然だ。

 

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▼2枠4番ハーバークラウン

 

 シンボリルドルフ世代からは2枠4番ハーバークラウン。12番人気。

 オープン戦での勝利はありませんが、その実力は決して侮れるものではありません。

 去年から着実に実力を付けてきています。

 さあ、伏兵の意地を見せることはできるのか!?

 

 歯がゆい戦績ですね。

 実力がないとは思いませんが、あと一歩、二歩が届きません。

 何処かで殻を破る必要があるとは思いますが、それが今日なのか、明日以降なのか。

 何かを掴むまでが苦しい時期ですね。

 

 ……クリフジさんにも似たような経験が?

 

 ある訳ないじゃない。

 

 ア、ハイ。

 

 

 コアなウマ娘ファンが、観客席からハーバークラウンを見つめる。

 彼女の存在を知ったのは去年、同じ中山レース場で開催された桜草特別(1勝クラス)の事であり、初めてゴールを駆け抜けた姿に見惚れて、続く白藤賞(2勝クラス)では、レース前投票に彼女を選び、見事にウイニングライブの最前列を得ることが出来た。それが皐月賞の前の話になる。走りに見込みがあった事もあり、その後は彼女を見かける度にレース前投票で彼女の事を選び続けた。しかし、次のNHKマイルCでは6着。以後もパッとしない成績が続き、その年、彼女の番号が掲示板内に映ることは一度もなかった。

 彼女が少しずつ盛り返して来たのは翌年の話だ。1月に行われた迎春賞で久方ぶりに掲示板内に収まり、その後は4回連続で3着を取り続けた。続くプレオープン戦の船橋Sでは約一年ぶりの優勝を果たし、重量レースで勝ち負けに持って行く等、持ち前のポテンシャルの高さを見せつける。今回、有マ記念の前走に当たる特別戦でも、見事に勝利を飾っており、ギリギリながらも有マ記念に出走する機会を得た。

 ……正直、優勝するのは厳しいと思っている。今年の面子を見るに、万に一つの可能性もないように感じられる。

 

 それでも応援する。

 ただ彼女の勝利した瞬間に立ち会った。その時に見惚れてしまったので、以後も彼女を応援し続けている。

 それだけだ。たったそれだけの縁で、レース前投票で彼女を選んだ証を握り締める。

 ウマ娘ファンには、そういうコアな楽しみ方をする層が一定数存在する。

 

 誰でも良い。推しを作ることは、ウマ娘を真の意味で楽しむ為の一歩目であると自認している。

 

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▼3枠5番スズパレード

 

 シンボリルドルフ世代と云えば、このウマ娘は忘れてはいけない!

 3枠5番スズパレード! 今年は怪我に泣かされて、出走は今日で4戦目となります!

 前走、ダービー卿CTではサクラユタカオーを相手に勝ち切っています!

 実力のあるウマ娘なのですが、人気は11番と低いですね。

 

 最近、チームベテルギウスへ移籍をした事もあって、それが今の人気に繋がっているのかも知れません。

 ……いや、でも、去年よりも今年の方が身体付きが良くなっていますね。

 来年、再来年は更なる飛躍が期待できそうです。

 今日の有マ記念でも良い勝負を見せてくれるかも知れませんよ。

 

 

 チームシリウスを結成した時、ニホンピロウイナーがスズパレードに声を掛けた理由は単純明快だ。

 適当に短距離マイル路線で見込みのありそうなウマ娘を上から片っ端に声を掛けただけの事。最初はビゼンニシキ、ハーディービジョンは既にチームリギルの所属が決まっていたので、三番目に声を掛けたのがスズパレードである。実際にはマイル適正もあるというだけで、短距離には、まるで向かない走りをしていたが、シンボリルドルフ、ビゼンニシキの両者を除いた面子の中では破格の素質を持っていた。

 自分がトゥインクル・シリーズに所属している間に彼女が花開くことはなかったが、その能力はクラシック三強にすらも届き得る。

 

 驚くほどの晩成型。彼女が戦うべきは同世代ではなくて、次の世代だった。

 

 彼女の実力は、着実に上位へと登りつつある。

 その実感を彼女が持たないのは、彼女の基準がシンボリルドルフとビゼンニシキに固定されている為だ。

 正直、もう彼女は重賞レースに賞金稼ぎをしても良い器ではない。

 積極的にGⅠレースに出走して、その栄光を掴む段階まで足を進めている。

 今年、怪我をしてしまった事が、本当に悔やまれる。

 

 秋の天皇賞では消化不良だ。

 しっかりと調整し、成長した姿のスズパレードと同じレースを走ってみたかったな。と、ドリームトロフィー・リーグの挑戦が決まった今だからこそ惜しむ気持ちが出る。

 ならば、せめて見せて欲しい。その可能性の果てを。私の目が正しかった事の証明を期待する。

 

 観客席から眺めるスズパレードの姿は、

 昨年の有マ記念の時よりも、ひと回り大きくなっていた。

 それは体格の話ではなくて……もっと、こう、存在そのものが大きく感じられた。

 

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▼3枠6番シンボリルドルフ

 

 彼女を紹介するのに、多くの言葉はいらない!

 皇帝。その一言で全てが事足りるッ!!

 3枠6番シンボリルドルフは堂々の1番人気だッ!

 文句なしのトゥインクル・シリーズ最強のウマ娘ッ!!

 

 正直、格が違いますね。

 立ち振る舞いだけで他者を圧倒する風格が彼女には備わっています。

 居るんですよ。数年に一度、こういう化け物のような存在が現れるのです。

 セントライト、トキノミノル。コダマ、シンザン、スピードシンボリ。

 時折、ウマ娘の形をしただけの化け物が生まれるんです。

 

 ……そこに是非ともクリフジさんも入れて貰って良いですか?

 

 

 不安要素はない、私の愛バの絶対は揺るがない!

 チームベテルギウスのトレーナー、岩隠(いわがくれ)陽子(ようこ)は観客席の最前列で腕を組みながら二人の担当ウマ娘を見守る。心配するのはレース中の不幸な事故くらいなものであり、勝敗に関しては欠片の不安も抱いていなかった。順当に行けば、シンボリルドルフ。ちょっとした紛れが起きてもシンボリルドルフ。競争中止になるくらいの事故が起きなければ、シンボリルドルフが負けるはずがない。

 岩隠にとって、このレース。シリウスシンボリが何処まで順位を上げる事が出来るのか、が焦点になっていた。切れる脚を持っていないシリウスシンボリにとって、直線が少し短めの中山レース場は得意なコースではない。逆に一瞬のキレ味で勝負するビゼンニシキが得意とするコースであった事を思い返す。逆にギャロップダイナは直線の長い東京レース場を得意としている。

 警戒すべきはミホシンザン、ニシノライデン、スズパレード。この三人だけがシリウスシンボリを上回ってくる可能性がある。

 ギャロップダイナには距離の問題がある。

 ジャパンカップの失速から見て、彼女が2500メートルの距離は走り切れない。

 

 ……理想はワンツーフィニッシュ。

 これから世界に挑もうという時にケチを付けられたくはない。

 しかし、そう一筋縄ではいかないはずだ。

 

 シンボリルドルフの優勝は当確として、二着以下の混戦を予想する。

 

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4枠7番カネクロシオ

 

 25戦9勝! ミスターシービー世代からの刺客、4枠8番カネクロシオ!

 しかし侮るなかれ! 日経賞ではシンボリルドルフに次ぐ2着! 前走、新潟大賞典ではレコートタイムを記録しております!

 カツラギエース、ギャロップダイナに続けて、皇帝殺しはなるか!? 現在、15番人気!

 

 去年のジャパンカップでのカツラギエースは10番人気、秋の天皇賞でのギャロップダイナは13番人気。

 人気があるからと言って、必ずしも勝てる訳ではない。チャンスさえ与えれば花開く可能性がある、それがウマ娘の血であります。

 なによりもレコードタイムを出せるのは戦績問わず、実力のある証拠です。

 ギャロップダイナもそうでした、期待はできると思いますよ。

 

 

「カネクロシオ先輩、こうして直に見るのは久しぶりだね」

 

 観客席でビゼンニシキが呟いた。

 軽くなら走っても良くなった今、彼女は観客席の最前列を陣取っている。彼女の右隣にはダイタクヘリオス、左隣にはタマモクロス。関東地方のGⅠレースになると白いシルクハットを被ったウマ娘の少女が、子供のウマ娘を連れてくることはウマ娘のレース場まで足を運ぶコアなファンの中では地味に噂になっている。勿論、その正体がビゼンニシキというのは特定済みだ。

 最初は松葉杖を突いていた彼女が、軽くながらも走れるようになった事実に人知れず、涙を流すファンも居るとか居ないとか。まあ当の本人であるビゼンニシキも、そんなことは露知らず。今日も今日として、レースに意識を集中させている。

 

「新潟大賞典の他にも、ステイヤーズステークスにも勝ってるんやったか?」

 

 タマモクロスの問いにビゼンニシキが頷き返す。

 

「相変わらず、顔が広いなあ。トレセン学園内で知らん奴おらんのとちゃうか?」

「別に仲が良い訳じゃないよ。私がトレセン学園に来たばかりの時、初めて走り方を教えてくれたのがカネクロシオ先輩だったんだよ」

「錦の姉ちゃんの師匠ってことかいな」

「そこまでじゃないかな。私と彼女では走り方が違い過ぎて参考にならなかったから一ヶ月で習うの止めたし、でも、トレーニング施設の予約の仕方とか教えてくれたのは助かったかな。どの曜日の時間帯に行くと予約を取りやすいのか、とか、そういうのは今でも役に立ってるね」

「ま、中距離以下の錦の姉ちゃんと中距離以上のカネクロシオさんじゃ戦う場所が違うわな」

 

 うんうん、とタマモクロスが頷く横で「昔気質のウマ娘だったね」とビゼンニシキが付け加える。

 

「素質を練習量で補うウマ娘だったかな。勿論、それなりの素質は持っていたけども、それが実るまでに時間が掛かりそうなタイプだった。本来は中距離の方が得意なはずなんだけど、膨大な練習量で長距離も走り切れる力を身に付けた。速いというよりも強い、並のウマ娘では彼女には勝てない」

 

 でも、とビゼンニシキが言葉を紡いだ。

 

「努力だけで勝てるのはGⅡまで、GⅠは才能に愛されてないと勝てない。ただまあ才能だけで勝っちゃうウマ娘も居るけどね。最低限の努力はすることは前提として、積み上げた時間を無碍にするウマ娘がいる」

 

 私はこう思うんだよ。とあっけらかんと告げる。

 

「努力は才能の上に積み上げるものなんだってね」

「……才能のない奴の努力は、無駄って事か? いや、それは分かるんやけど……」

「そこまでは言わないよ。でも、才能を持たない存在が、才能を持つ存在に勝とうとするならば、細く高く積み上げる工夫は必要だろうね」

 

 不意打ちの一刺しで確実に殺せる武器が必要だ。とビゼンニシキが締め括る。

 それがあって、初めて勝負の舞台に立てる。一撃で相手を殺し得るなにかがない限り、勝負の体を為すことすらできない。

 カツラギエース、ギャロップダイナには、武器があった。

 では、カネクロシオに、その武器はあるのか?

 

 少なくとも、ビゼンニシキは、それを知らない。

 

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4枠8番ギャロップダイナ

 

 今年一番の出世ウマ娘、4枠8番ギャロップダイナ!

 今、トゥインクル・シリーズを走るウマ娘の中で唯一、皇帝シンボリルドルフに先着しています!

 その末脚は、正に爆発! 秋の天皇賞の偉業は、運だけでは成しえない!

 クラシック三強? 違う! 時代はシンボリルドルフとギャロップダイナだ!

 皇帝殺しの実力を遺憾なく発揮せよ! 期待を背負って、4番人気だ!

 

 実力では、間違いなく上位に入ります。

 秋の天皇賞で見せた末脚は、ドリームトロフィー・リーグでも通用する代物ですよ。

 気になるのは距離。ジャパンカップでは再度、ルドルフを追い詰めるも最後まで持たず、4位まで落ちてしまいました。ただ今回は、あの時よりも更に長い2500メートルの長丁場。不安要素は、そこにあります。

 距離を考えず、実力だけで云うならば、ルドルフ相手に勝ち負けも十分に考えられます。

 

 

 チームカノープスのサブトレーナー。南坂は一人、観客席の最前列で愛バを見守る。

 柵を握る手は、知らずと力が入った。有マ記念を舞台に自分の愛バが走る。その非現実性、しかし確かにギャロップダイナがトラックコースに立っている。今でも嘘のようだ。ダートならまだしも王道路線のGⅠなんて夢のまた夢、シンボリルドルフに勝った時なんて、宝くじで3億円が当たったようなもので現実感はなかった。

 しかし、今はもう夢心地ではいられない。

 ギャロップダイナが走るのだ。俺の愛バが再びGⅠの舞台に挑戦する。もう夢じゃない、奇跡でもない。彼女は自分の実力で有マ記念の切符を手に入れた。

 だからこそ、だからこそだ。その立ち姿だけで込み上げてくるものがある、涙が溢れて来そうになる。

 

「頑張ってください、ギャロップ。貴女が一番だ」

 

 心の底からの言葉、届くはずのない距離。でもギャロップダイナは後ろを振り返って、困ったように微笑んだ。

 そう見えただけかも知れない。彼女はシンボリルドルフへの想いだけでGⅠレースを勝利したウマ娘、シンボリルドルフと共に走りたいという熱量は本物だった。

 夢に貴賎なし、想いは無限大の可能性がある。

 ギャロップダイナがシンボリルドルフに捧げる想いは今日、出走する全てのウマ娘にも劣るものではないと南坂は確信している。

 

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▼5枠9番スダホーク

 

 東京優駿では4着。京都新聞杯では3着、菊花賞では3着。

 クラシック3強の壁に阻まれ続けた不遇のウマ娘! しかし、その実力は世代で五指に入ると言われております!

 5枠9番スダホーク! 10番人気!

 葦毛のウマ娘は走らない! その定説を打ち破ることは出来るのか!?

 

 弥生賞に勝ってるだけ、充分に走っていると思いますよ。

 まあ皐月賞の頃に比べると成長しています。中距離よりも長い距離の方が得意な印象は受けますね。

 ……しかし、なんでしょう? ちょっと歩行が不自然なような?

 いえ、失礼。健闘を祈ります。

 

 

 芝の感触を確かめるように踏み締める姿を見て、今はレースを引退したサンエイソロンが観客席で息を吐いた。

 菊花賞の時、彼女は爪を割った。それから先は満足に踏み込むこともできず、今も痛みに耐えながらレースに出走している。

 休んだ方が良い。と提案した。しかし、彼女は首を横に振る。

 

「私達の世代がSMSだけとは言わせたくない。有マ記念は、その年に活躍した上から16名のレースです。その一人に選ばれたんだ、私は走って名前を残します。走るからには勝負を諦めません。勝ちます、虚勢でも言います。私は勝ちます」

 

 強い決意を込めた彼女の瞳を見て、私では止められない事を悟った。

 だから、せめてものと脚の負担の少ないシューズを選んだ。気休め程度にしかならない。ウマ娘の膂力は通常のヒトを大きく上回る。

 それでも、止められないなら、せめて、応援すると決めたから彼女が少しでも全力で走れるように舞台を整える。

 道具ひとつで済むなら安いものだ。

 

「……やるなら全力だ、スダホーク!」

 

 自分が走った時と同じか、それ以上の気迫でレースを見守る。

 彼女の言わんとしていることは分かるのだ。私もクラシック3冠レースは取れなかった。持っていたウマ娘、今はドリームトロフィー・リーグで活躍するカツトップエース。他のGⅠレースでは鳴かず飛ばずの癖に菊花賞だけは意地で持って行ったミナガワマンナ。そんな二人に阻まれ続けたクラシッククラス、トライアルだけは勝てた事から大阪杯に勝利するまでトライアル3冠ウマ娘と呼ばれたのは苦い記憶だ。

 二人の影に埋もれたくない。その一心で挑んだ大阪杯の時の気持ちを、忘れた訳ではない。

 

 祈るのは、勝つ事よりも無事である事だ。

 

 皐月賞で患った繋靱帯炎、大阪杯で再発した。

 その後もドリームトロフィー・リーグを目指して走り続けた結果、レースで走れない脚になってしまった。

 時には、無理も必要だ。勝ち負けよりも大事な事はある。

 その中に、無事である事も含まれていることを、どうか忘れないで居て欲しかった。

 

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▼5枠10番サクラユタカオー

 

 皐月賞、桜の季節に桜が舞った!

 暮れの中山レース場に再び桜は咲き誇るか!?

 クラシック3強! 最も速いウマ娘!

 5枠10番サクラユタカオー!

 距離の不安がある為か7番人気だ!

 

 スピードは随一です。今のトゥインクル・シリーズでは、彼女のスピードに対抗できるのは、ドリームトロフィー・リーグへの挑戦を表明したニホンピロウイナーを除いてシンボリルドルフとギャロップダイナの二人だけ。

 ただまあスピードだけで勝てないのがレースです。

 特に有マ記念はスピード、スタミナ、パワー、スピリット、タクティクス。その全てが試される舞台です。尖った彼女の能力では、苦しい戦いを強いられる事でしょう。

 

 

 クラシック3強の一人に数えられているけど、

 ミホシンザンは連対率10割というバカげた戦績を誇っているし、シリウスシンボリは東京優駿で優勝した後、菊花賞で2着、ジャパンカップで3着と活躍を続けている。

 しかし私、サクラユタカオーは皐月賞以後の戦績はパッとしなかった。

 

 東京優駿では3着だった。

 この時はまだ良かった。しかし京都新聞杯では4着、菊花賞では5着。割って入ることも難しくなっており、二人とは着実に差は開きつつある。

 焦りは禁物だ、分かっている。そんなのは私の性ではない。

 

 しかし二人に引け目を感じたくない

 ダービー卿CTではスズパレードにも負けてしまった。

 あれは、私の奢りだ。

 GⅢなら大丈夫だと思っていた。

 その慢心を、シンボリルドルフとビゼンニシキと共に走り続けて来たウマ娘に突かれてしまったのだ。

 あの二人と走り続けて、弱いはずがなかったのだ。

 

 気持ちを入れ替える。

 私は挑戦者だ、一ヶ月にも満たない期間では彼らに届かない事は分かっている。

 それでも、先ずは挑むことからやり直す。

 このレースは、新たな私の一歩目だ。

 

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▼6枠11番ステートジャガー

 

 地方からの刺客! 今年の大阪杯覇者が、やって来た!

 大阪杯以後もGⅠレースの出走を続けるも善戦止まり、そろそろ新しいタイトルが欲しいところだ!

 6枠11番ステートジャガー。期待を背負って、6番人気です!

 

 実力はあると思うのですが、結果が出ませんね。

 勝機はあります。シンボリルドルフ、ロッキータイガー、ステートジャガー、ニシノライデン、スズパレード。シンボリルドルフ一強と云われる時代ではりますが、能力的には、なかなかの役者が揃って来ました。

 世代を支える一人として、強いレースを期待しています。

 

 

 ステートジャガーを担当に持つトレーナー、久瀬(くぜ)智子(ともこ)は観客席の後方から両手を合わせて祈りを捧げていた。

 膝をガクガクと震わせて、全身から冷たい汗を流しながら「お願いします、お願いします」と神に救いを求める。自分がステートジャガーの担当として力不足なのは自覚していた。彼女が大阪杯以降、大舞台で結果を残していないのは間違いなく自分のせいだ。だからといって私が出来ることは、そう多くない。出来るだけ、彼女の邪魔にならないように、彼女がトレーニングとレースに集中できるように、面倒事を引き受ける私の役目だ。

 だから応援する時も、ひっそりと。出来るだけ彼女の邪魔にならないように、でも願わずにはいられない。

 

 最初は使命感だけだった。

 でも、今は違う。彼女はもっと輝けるウマ娘だから、もっと日の当たる場所に出て欲しい。

 あの時、あの場所で見せたウイニングライブを観た時から、私はトレーナーである以前に貴女のファンなのだ。

 勝って欲しい、これは私にできる精一杯の我儘だ。

 シンボリルドルフよりも、ニホンピロウイナーよりも、シンザンだって目じゃない。ハイセイコーだって超えている。

 私にとって、ステートジャガーは最高のスターウマ娘なのだ。

 

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▼6枠12番メジロモンスニー

 

 外からメジロモンスニー! 東京優駿の末脚を、あの時以上の輝きを今、再び!

 6枠12番メジロモンスニーは13番人気!

 ミスターシービーと競った東京優駿と皐月賞の2着は今も記憶に新しい!

 高松宮杯を引っ下げての参戦です!

 

 よくぞ、此処まで持って来ました。

 菊花賞を前に故障し、約一年の時間を過ぎて重賞レースに二度出走するも掲示板外。更に月日が過ぎた翌年四月、皐月賞、東京優駿から丁度、二年が過ぎて、再起を掛けたプレオープン戦では見事に勝利を飾りました。春の天皇賞では良いところがありませんでしたが、夏の重賞、高松宮杯では不良馬場の中、意地の勝利をもぎ取っています。

 能力的には厳しいですが、二度に渡り、ミスターシービーと競り合った実力を、もう一度見てみたいですね。

 

 

 メジロ家の悲願は、春の天皇賞。

 しかし有マ記念が、その世代を代表する16名の集まりであるならば、メジロ家からも一人は送り出さなくてはならない。

 そういう訳で始まった家族会議。まだトレセン学園にも入学していないメジロマックイーンは勿論、パーマーやライアン、ドーベルはお呼びではない。先ず候補に上がったのは、去年の有マ記念にも出走したメジロシートン。しかし彼女は去年のアルゼンチン共和国杯以降、いまいち結果を出せずに伸び悩んでいた。同期のメジロトーマスは去年の秋から今年の冬明けまでは調子が良く、京都金杯、京都記念と重賞二つに勝っているが、それ以後、精細に欠けておりオープン戦にすら苦戦する始末であった。

 出走させるならメジロトーマス、しかし最後に活躍したのが今年の二月。メジロ票をトーマスに集めたとして、これで本当に有マ記念に出走できるのか?

 メジロ家の御婆様が悩む中、そっと手を上げたのがメジロモンスニーであった。

 

 確かに彼女にはクラシック時代、ミスターシービーと対等に戦い抜いた箔がある。

 一年前に二度出走した時の完敗も怪我明けで調子が悪かったことを言い訳にすれば、票を集める事も難しくはないはずだ。なんせ、あのミスターシービーである。彼女の鮮烈な走りを知るコアなウマ娘ファンであれば、その横で走り抜いたメジロモンスニーの勇姿も覚えているはずなのだ。そして彼女には今年、高松宮杯(GⅡ)に勝利した実績があった。

 不安要素はひとつ。骨折した後、脆くなった彼女の脚だ。

 

 御婆様は息をひとつ、零して端的に問いかける。

 

「行けるかい?」

 

 はい。と、メジロモンスニーは力強く頷き返した。

 

 メジロ家の者ならば誰もが知っている。

 彼女が入院の時、歩くことすらもままならない状態から這い上がってきた事を、思っていた以上に入院が長引いても挫けず、腐らず、彼女はリハビリを熟し続けていた。故障前の状態に戻すまで一年、そこで二回出走して完敗した。彼女は元に戻るだけでは駄目だと悟り、更に半年もの間、黙々とトレーニングに費やした。嘗ての栄光は何処にもない。ミスターシービーと共に魅せた走りはもう、二度と見る事はできないかと思った。

 しかし彼女は、やってのけた。春の天皇賞では惨敗するも、高松宮杯では、ウインザーノット、スズカコバンといったウマ娘が出走する中で優勝をもぎ取った。ハナ差、意地の勝利であった。

 彼女の積み上げてきた努力、不屈の精神、その道の果てに得た勝利をメジロ家の者ならば知っている。

 

 彼女が自ら名乗り上げるなら、メジロ家の代表として立つ事に不服がある者など居るはずもなかった。

 不安要素は、脚の負担。それだけだ。

 

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▼7枠13番シリウスシンボリ

 

 二年連続で東京優駿にシンボリの名が輝いた!

 7枠13番シリウスシンボリは3番人気! クラシック3強、最も持っているウマ娘!

 結果問わず、来年は海外遠征の予定が決まっている!

 此処で箔付けをしておきたい!

 

 彼女の走法はストロングスタイル。

 パワーにものを云わせた走りが特徴的ですが、その分、彼女の末脚にはコダマのようなキレがありません。

 長く伸びる脚を、どのように使っていくかが重要になってくるかと思います。

 最後の坂が彼女の勝負所ですね。

 

 

 シリウスシンボリ、クラシッククラスで最も華のあるウマ娘。

 持ち前のパワーを駆使したストロングスタイルで悪路を踏み均し、坂を駆け上がる。そのど迫力な姿は、容易く観衆の心を掴んだ。レース前の強気な発言は観る者を楽しませるし、彼女が見せる感情の発露は他者に共感を与えた。

 兎にも角にも周りを味方に付けるのが上手なウマ娘だ。

 昔気質で口数の少ないミホシンザン、のらりくらりと躱すサクラユタカオーよりも取材する側にとってありがたい相手でもある。なによりも彼女はシンボリルドルフと同じチームに所属しており、機密には触れない程度に、ちょっとした裏話も話してくれるものだからマスコミ関係からも人気があった。

 民衆が、何を望んでいるのか感覚的に理解している。と言い換えても良い。

 

 月刊トゥインクルでは、シンボリルドルフの特集記事を組む予定があった。

 しかし、そこを私が企画の修正を提案し、編集長に頼み込んだ。その結果、メインをシンボリルドルフとしながらもチームベテルギウスとして特集を組む許しを得た。マスコミは公平性と客観性を保たなくてはならない。その上で自分の主張を乗せる時がある。それは世論を操作したいとかではない、ただ知って欲しいのだ。手を加える事が許されているのは情報の取捨選択、数ある事実の中から読者にとって必要な情報を選び取る。目に通して貰う為にフレーズに凝る事はある、記事は読んで貰えなければ意味がない為だ。興味の唆る言い回しだってする。しかし、その程度だ。憶測でものを語らない、主張を挟まない。そこに善意もなければ、悪意もなく、執筆する記事には個人の正義も盛り込まない。

 面白い記事と、面白く加工した記事は別ものだ。裏打ちの取れた事実のみを記事に載せる。その一点に限り、記者は正義を振り翳すことが許される。

 

 シリウスシンボリの語る言葉に熱意を載せる。

 原稿用紙に筆を滑らせて、真実を語る。こんなにも素晴らしいウマ娘が居るんだぞ、と着色せず、憶測も交えずに語る。加工する必要はない、今のままでシリウスシンボリは十分に魅力的だ。ありったけのありのままを伝えるだけで良い。

 有マ記念、ありのままの彼女を観る為にレース場に訪れた。

 

 今日は仕事ではない。一人のファンとして訪れている。

 シリウスシンボリの応援グッズを両手に声を張り上げる。ありったけの熱意をぶち撒ける。

 その時、一瞬だけ彼女は自分の方を振り返った。

 きっと、それは気のせいだったに違いない。彼女の方からは認識できておらず、偶然、視線が噛み合っただけに過ぎない。

 それでも言いたい言葉がある。

 

 今、俺の方、向いたよね!? 違うとは分かっているが、ファンである時くらいは夢見がちでも良いじゃないか。

 

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▼7枠14番ニシノライデン

 

 京都大賞典では2着、かと思えば秋の天皇賞では12着! ともすれば阪神大賞典で1着!

 戦績にムラある爛漫娘は3枠7番ニシノライデン! 8番人気!

 ルドルフ世代を代表するウマ娘の一人! 斜行癖を乗り越えて、今日も元気に全力全開!

 ポテンシャルだけならクラシック三強にも負けていません!

 

 実力を出し切れば、掲示板内は当確。勝ち負けにまで持っていく事も考えられます。

 しかし、実力を出し切れずに大きく順位を落としてしまう事も多々あります。

 ……難しいですね、実際に走ってみるまでどうなるのか予測も付けられません。

 とはいえ、実力は人気以上のものを秘めているとは思いますよ。

 

 

 チームカペラのトレーナー、安藤(あんどう)康明(やすあき)は冷静に傾いた眼鏡を直そうとした。

 しかし、震えた手が止まらず、思うように眼鏡を動かす事ができない。何時だって担当ウマ娘のレースは緊張する。それが重賞であれば尚更の事、GⅠレースともなれば、まともな思考をする事も困難であった。これまでも重賞に勝てるウマ娘を担当に持った事はある。しかしGⅠ勝利は一度もない。皐月賞や東京優駿に出走して、手も足も出せずに泣いたウマ娘を何度も見てきた。

 正直、胃に来る。キリキリと痛む、それでもトレーナー稼業を続けている。

 

 ウマ娘に未勝利を勝たせることは難しい事ではない。

 しかしオープンクラス以上となれば話は別であり、才能が必要になってくる。

 担当したウマ娘が重賞にも挑戦できず、去っていくウマ娘を何度も見た。

 

 担当した事のあるウマ娘は、どいつもこいつも良い笑顔を浮かべてトレセン学園を卒業して行くのだ。

 

 その度に申し訳ない想いでいっぱいになる。

 もっとやれた、もっといい成績を残せた。

 自分はトレーニングを付けるのが上手い方ではない。

 ただ才能を見抜くのだけが上手かった。

 走るか、走らないか。それだけが分かる。

 次がある、次こそは上手くやる。そう思って、頑張って来た。

 次を考えている自分に嫌気が差した。

 彼女達には次がないのに、自分には次がある。

 性格的に、自分はトレーナーは合っていない事を自覚する。

 精神が疲弊する。ウマ娘の人生を背負う事は辛かった。

 

 次で最後、それでトレーナー稼業に区切りを付けて、トレセン学園を去ろうと考えていた。

 

 ニシノライデンの担当になったのは、ただ単に巡り合わせが良かっただけだ。

 彼女は直感的に物事を決めているようであり、賢そうな眼鏡をしてるから、という理由でスカウトを受けてくれた。

 そして、あっさりと重賞を掻っ攫ってしまった。

 

 ……能力があることは分かっていた。

 シンボリルドルフなんて化け物が居なければ、今頃、GⅠタイトルのひとつやふたつは取れているはずだ。そういう意味では、彼の皇帝と同じ世代に生まれたスズパレードやハーディービジョン、ビゼンニシキは揃いに揃って持っていなかったと云える。ミスターシービーやニホンピロウイナー程とは云わないが、カツラギエースやスズカコバン並の素質はあったと言っても良いはずだ。

 条件が整えばクラシック三冠だって食ってやれる。

 

 彼女の引退と同時にトレーナーを辞めるつもりだ。

 それは区切りだった、しかし今は別の想いがある。

 

 彼女、ニシノライデンのレースを観ていると次が見たくなる。

 芝を駆ける爛漫な彼女の姿を見ていると、トレーナーをやっていて良かったと思える時がある。

 彼女が引退する時を惜しみ、引退する決意を揺るがされる。

 

 自分は想像以上に欲深い性格をしていたようであり、与えられたものに満足できない。

 今はまだ見た事のない頂きの果てを望んでいる。

 あのウィナーズサークルで、GⅠレースのトロフィーを掲げる愛バの姿を見たくて仕方なかった。

 大観衆の喝采を受けた時に浮かべる満面の笑顔を見たかった。

 その後で開催される大舞台のウイニングライブで歌って踊る愛バの姿が見てみたい。

 

 なによりも彼女には泣いて、芝を去って欲しくはなかった。

 何故なら彼女には涙は似合わない。

 飛び切りの笑顔こそが彼女を最高に輝かせる。

 

 正直、今回のレースは厳しい。勝つ可能性は一割にも満たない。

 

「ライデン、頑張ってください! 大丈夫です、貴女ならできます!」

 

 それでも願わずにはいられない。

 理性で抑え切れない想いは、トラックコースに佇む愛バへの声援になった。

 背中を向ける我が愛バ、ニシノライデンは、耳をピクリと反応させた後、背中を向けたまま、ゆっくりと右手を空高くに掲げる。

 その親指は、堂々と立てられている。随分と、大きくなったものだ。

 

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▼8枠15番スズカコバン

 

 春のグランプリ覇者、スズカコバンは8枠15番!

 ミスターシービー、ニホンピロウイナー、カツラギエースから遅れること数年、悲願のGⅠタイトルを勝ち取った!

 ならば次に求めるものは何か!? 次のGⅠタイトルである!

 25戦を超える出走数、既に古豪の風格! 渋いウマ娘は、5番人気だ!

 

 関西圏を中心に活動しているウマ娘ですよね。

 突出したものはありませんが、全体的にバランスが良く、高いレベルでまとまっていると思います。彼女のようなウマ娘は、どんなレースでも掲示板内に食い込んできて、ふとした時に勝利を掻っ攫っていくので怖いですよ。

 春秋グランプリ制覇も期待したいところですね。

 

 

 後方でミスターシービーが腕を組みながらトラックコースを眺める。

 嘗て、同期の中では最も才能があると言われていた。何故なら彼女はミスターシービーのように暴走癖もなければ、カツラギエースのようにムラっ気がある訳でもない。ニホンピロウイナーのような生粋のスプリンターでスタミナに難もない。

 彼女は全体的に高水準の身体を持っており、他三人は何処かしらに欠陥を抱えた突出したタイプではなかった。

 

 だから彼女は三人の中で最も高い素質を持っていると言われているし、実際、それは正しいと今でもミスターシービーは考えている。

 彼女が不遇なのは誰にも負けない個を持っていない、それだけだった。もしウマ娘の能力を数値化して、その合計で競った時、私達四人の中で最も高い能力を持つのはスズカコバンだ。

 今のトゥインクル・シリーズで活躍する親友の一人に、声には出さず、心の中でエールを送る。

 

 頑張れ、と。お前が強い事は私達の世代、全員が知っている事だ。

 

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▼8枠16番ヤマノシラギク

 

 URAの全国10箇所にある全てのレース場に出走したウマ娘!

 ティアラ路線でありながらもクラシック路線に進んだウマ娘相手に善戦し、中山レース場を除いた全てのレース場で掲示板内に入っております。なればこそ、今日、この中山レース場の舞台で掲示板内に入って見せようではないか!

 8枠16番ヤマノシラギクは16番人気!

 

 去年の有マ記念の解説がヤマノシラギク派と言っていたヤマノシラギクですね。

 能力はあるとは思いますが、流石に今日の面子は厳しいですね。掲示板内に入れば、大健闘と云ったところでしょう。

 今日がシニアクラスの三年目、最後のレース。これを機にレースを引退する事も表明しています。

 しかし、芸能方面も続けるのでしたっけ?

 

 今年の紅白歌合戦にも呼ばれたみたいですよ?

 

 えっ、なにそれ、すんごい。

 私も呼ばれてないのに! 私、ダービーとオークスに勝った唯一のウマ娘ですよ!

 11戦11勝、全てのレースで1番人気の完全無欠、最強のウマ娘ですよ!

 ミスパーフェクト! アイアムパーフェクト!

 

 レースの才能と芸能の才能は違いますからね。

 ヤマノシラギクはオリコンランキングで1位も取ってるんですよね、歌で。

 ライブ映像のDVDも飛ぶように売れているみたいですし。

 

 ……なんで、この子、レースで走ってるの?

 

 ……ウマ娘だからでは? 知りませんけど。

 

 ウマ娘だからかあ、なら仕方ないなあ……

 

 

「この前、ちょっとしたコラボ企画でヤマノシラギクを呼んでみたんですよ。同じチームですし」

 

 チームポルックスに所属するトウショウペガサスは、トラック場に立つ着物姿のヤマノシラギクを指で差しながら告げる。

 

「その時に必要だからって事でアカウント取ったんですよね、シラギクの。ついでにチャンネル登録もしたんですよ。その翌週に彼女、収益化してたんです。ウマチューブで、生配信してる時にリスナーの言われるがままスパチャ解放したらたくさんお金が振り込まれて慌てて電話して来たんです。私、そこまでなるのに結構、頑張ったんだよ。ねえ、トレーナー、聞いてる? 私、全国を走り回ったんだよ、グルメ旅で! 私、日本一位だったんだけど、一週間で抜かれちゃったんだよ! 登録者数!」

 

 ねえ、ねえ! と自身のトレーナーである阿知(あち)常代(とこよ)の身体を揺する。

 常代は非常に面倒臭そうな顔で「そうですね」と口を開いた。

 

「もっとレースに集中したらどうです? 今年で卒業する貴女に言っても仕方ないと思いますが……」

「留年してまで走るべきか、ちょっと悩み中。でも今は私の事よりもシラギクを応援しようよ」

「……まあ、そうですね」

 

 頑張れー! と逃げるように声を張り上げるトウショウペガサスに常代は溜息を零す。

 メリービューティーも一緒におり、トウショウペガサスの横でヤマノシラギクの応援に参加していた。

 

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 パドックでの紹介も終わり、続々と各ウマ娘が(ターフ)に場所を移しています。

 クリフジさん。今年の面子に関して、何か一言ありませんでしょうか?

 

 去年も解説の方がレベルが高いと言われていましたが、その去年よりも全体的に力が底上げされた感じがしますね。

 やはり本命はシンボリルドルフですが、同世代からは去年に引き続きニシノライデンとスズパレードに加えて、大阪杯覇者ステートジャガー。シニアクラス2年目には、皇帝を破ったギャロップダイナを始めとして、去年に引き続き出走の宝塚記念覇者スズカコバン。ミスターシービーの好敵手として知られるメジロモンスニーの復活にも期待です。ティアラ路線からは今回、ヤマノシラギク。そしてクラシック3強。ヤマノシラギクはさておき、年が年ならば有マ記念を取っていても不思議ではない面子が、これだけ揃っているのです。残りの面子も状況次第では、GⅠレースの1つも取っていても不思議ではありません。

 今年は強い者同士の戦いにはなりません、全てのウマ娘が強い。誰が抜け出すか、というよりも最後まで残ったウマ娘が勝つレースになるでしょうね。

 

 ……思ったよりも語りますね。クリフジさんから見ての特に注目するウマ娘は?

 

 ヤマノシラギクさんのウイニングライブでのパフォーマンスに期待しています。

 

 私も気になりますけどー!

 同じティアラだし! クリフジさんも!

 そうじゃなくてー!

 

 シンボリルドルフ、ミホシンザン、ギャロップダイナ辺りは当然として……面白い事をしてくれそうなのはスズパレードでしょうか?

 

 それは、どうして?

 

 先程の紹介の時にもありましたけど、前走のダービー卿CTでサクラユタカオーに勝ってるんですよ。

 波乱が起きるとすれば、この辺りじゃないでしょうか?

函館記念(GⅢ)2連覇

菊花賞、スプリングS(GⅡ)、京都新聞杯(GⅡ)

京成杯(GⅢ)

船橋S(3勝クラス)

ダービー卿CT(GⅢ)、福島記念(GⅢ)、ラジオNIKKEI賞(GⅢ)

クラシック3冠、ジャパンC、有馬記念、天皇賞(春)

ステイヤーズS(GⅡ)、新潟大賞典(GⅢ)

天皇賞(秋)

弥生賞(GⅡ)

皐月賞、共同通信杯(GⅢ)

大阪杯

高松宮杯(GⅡ)、シンザン記念(GⅢ)

東京優駿、ホープフルS、神戸新聞杯(GⅡ)

阪神大賞典(GⅡ)、京都新聞杯(GⅡ)、鳴尾記念(GⅢ)

宝塚記念、京都大賞典(GⅡ)、神戸新聞杯(GⅡ)

京都大賞典(GⅡ)2勝、小倉大賞典(GⅢ)

15戦6勝:函館記念(GⅢ)2連覇

8戦5勝:菊花賞、スプリングS(GⅡ)、京都新聞杯(GⅡ)

10戦3勝:京成杯(GⅢ)

29戦4勝:船橋S(3勝クラス)

15戦6勝:ダービー卿CT(GⅢ)、福島記念(GⅢ)、ラジオNIKKEI賞(GⅢ)

14戦12勝:クラシック3冠、ジャパンC、有馬記念、天皇賞(春)

25戦9勝:ステイヤーズS(GⅡ)、新潟大賞典(GⅢ)

33戦8勝:天皇賞(秋)

11戦3勝:弥生賞(GⅡ)

8戦4勝:皐月賞、共同通信杯(GⅢ)

6戦1勝(地13戦8勝):大阪杯

19戦6勝:高松宮杯(GⅡ)、シンザン記念(GⅢ)

10戦6勝:東京優駿、ホープフルS、神戸新聞杯(GⅡ)

19戦6勝:阪神大賞典(GⅡ)、京都新聞杯(GⅡ)、鳴尾記念(GⅢ)

28戦6勝:宝塚記念、京都大賞典(GⅡ)、神戸新聞杯(GⅡ)

54戦7勝:京都大賞典(GⅡ)2勝、小倉大賞典(GⅢ)




有マ記念の出走表まで書いたので、言います。
お気に入りと感想、評価を入れてくれると私が喜びます。お願いします。
書く栄養になります。

余談ですがアンケートで順位は変わらないので、その辺りは安心して投票してください。

複勝のみ(3着以内)

  • 1枠1番9人ウインザーノット
  • 1枠2番2人ミホシンザン
  • 2枠3番13人サクラサニーオー
  • 2枠4番12人ハーバークラウン
  • 3枠5番11人スズパレード
  • 3枠6番1人シンボリルドルフ
  • 4枠7番15人カネクロシオ
  • 4枠8番4人ギャロップダイナ
  • 5枠9番10人スダホーク
  • 5枠10番7人サクラユタカオー
  • 6枠11番6人ステートジャガー
  • 6枠12番14人メジロモンスニー
  • 7枠13番3人シリウスシンボリ
  • 7枠14番8人ニシノライデン
  • 8枠15番5人スズカコバン
  • 8枠16番16人ヤマノシラギク

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