仮面ライダーグリム&エグゼイド+ビルド ノベル大戦CAOSS 作:ひがつち
当作品はこちら様の企画に参加させてもらった作品です。
原作者様の小説もご拝見して頂ければー。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=248063&uid=179023
2030年。世界は一新された。
インフィニット・ストラトス──、通称「IS」の登場によってそれ以前の人類の造り出した兵器はおおよそ時代後れと化した。
天災、篠ノ之束は伝説とすら呼ばれるIS「白騎士」によるテロにすら比肩する事件を起こし、その性能を世界に知らしめた。
が、ISの致命的な欠点である女性にしか反応しないという点が明らかになると社会は女性優位なものへと流れていき、女尊男卑の世が形成されていった。
それからおよそ10年、現在。
日本が中心となって設立したIS操縦者を育成するための養成機関「IS学園」にある一人の
織斑一夏。世界で片手で数える程しかいない、男性操縦者である。
「ハァ……」
「どうした一夏、何か悩み事か?」
「ん、
そんな一夏に一人の少年が近づき心配そうに声をかける。
少年の名は宝条永珠。一夏の幼馴染であり、とある医者の息子。そして一夏と同じ秘密を抱える男でもある。
「やっと最近勉強の方に慣れてきたと思ってな」
苦笑と汗を流しながら今の今まで触れてこなかったIS分野に理解を示せてきたと溢す一夏にその気持ちは痛いほど分かると永珠が肩に手を置き頷いて同意を示す。
永珠は医者の息子であり当人も医師を志して勉学を重ねているがIS分野に関しては一夏とどっこいどっこいだ。
一言に理系と纏めても工学系と医学系では全く専門野が違う、という話だ。
「全くだ」
「そういう永珠は昨晩は随分と調べ物をしていたみたいだけど、何を調べてたんだ?」
「あぁ、最近、色々と街で物騒な事件が多いだろ?傷害事件だったり、行方不明事件だったり」
「……確かに、最近はそういうニュースが報道されているのが多いよな」
その言葉に一夏は眉を顰めながらここ数週間の治安の悪さを想う。いくらなんでも、治安が悪すぎる。
──財団X。二人の幼いころから様々な、それ以上に歴代のライダー達と悪事を企て争ってきた謎に満ちた組織。世間的には科学研究財団とされており、認めたくはないもののその規模と人員の多さから本拠地はおろか尻尾すら捕まえることのできないライダー達の手には余るモノ。
ここしばらく鳴りを潜めていたのかまた何か動いているのかと勘繰るが思考の末それはない寄りの考えだと結論を出す。
「確かに可能性自体は有るけどさ、アイツラのやることって拙い末端ならともかく往々にしてスケールと規模のデカいものになりがちだろ」
「確かに、それはそうなんだよな」
記憶に新しいものなら最上魁星によるエニグマ事件、伝え聞きになるが、ミュータントを使った超銀河王事件やC.O.M.事件、NEVER事件、とある島における実験なども思い当たる。
「英志さんに連絡は取ってみたけど少なくともバグスターによるものではないらしい」
「じゃあ、痕跡が無いぐらいに跡取りが負えないのか……、は流石にここで言っても仕方ないか」
そう結論を出し、憮然としながらもこの話題を終了とし、そろそろ次の授業のため移動するかと席を立ち教室の扉を潜った所で地震でも起きたのかと紛う轟音と揺れが発生し、二人は顔を引き締めその震源地へと駆け出した。
第三アリーナ。
一夏達一年一組と二組の合同演習授業として割り当てられたそこで件の騒ぎの元であるそれを鎮火させようと教員達が放水機を噴射していた。
「なんだあれ……。船?」
煙を上げて炎上している物体はよくよく見ると船のようなモノに見える。それも現代にあるような機械仕掛けの鉄ではなく、時代を遡ったような木造の船であるとも。
「アレ、アリーナのバリアをぶち抜いて降ってきたのよ」
「……!鈴!」
遠巻きに集団で野次馬を作っている生徒達の波を掻き分けながらこちら側にやってきた小柄な少女が一夏たちに事の仔細を説明する。
凰鈴音。中国の代表候補生であり、一夏の二人目の幼馴染。少々短気な気があるが、快活でありフットワークも軽いためとても付き合いやすい少女である。
「あの船、誰も人が乗ってなかったのか?」
「それは──」
その時、おい!人が居たぞ!という声が響き、救助隊員に支えられて一人の奇妙な男が連れてこられている姿が映る。
「大丈夫ですか!?」
それを見た永珠が血相を変えて駆け寄っていく。
「あぁ……、ここは、いったい」
「ここはIS学園ですよ。貴方はここに不時着してきたんです」
意識が朦朧としているのか受け答えが覚束ないと身体の男の問いに優しく答え、その服装に改めて疑問を覚える。
赤いレトロな印象を受ける前開きのコートに黒い長ネクタイ、フロックブーツにこれまた赤い幅広帽。高価そうな骨董品のような装飾品が多数と酷く現実味がない。
だが、それでも目の前で怪我をしている人間を宝条永珠という人間は見捨てることが出来ない。
容体を診察し軽傷以外は見当たらないことにホッと安堵を覚えた時、周囲がにわかに騒がしくなる。
周囲の人々は空を見上げており、いったい何がと永珠も見上げた後、異変を認識した。
空にぽつぽつと浮かぶ黒点。青空をキャンバスとしたならば筆先で絵具を垂らしたような小さなものは時間が経つにつれて次第に大きくなるにつれてこちらに落下してきているのだと感づいた。
「あれ、人じゃない!?」
「……人形?」
落ちてきた物体が生身の人間ではなく、木製ののっぺらぼうな等身大の人形であることに誰もが困惑する。それも一つ二つといった数ではなく十、いや三十は下らないほどだ。
「全員、そこを動くな。教師陣で確認をする」
一年一組を担任とする女性
物騒な獲物を持った人形襲い来る混沌の最中、それが一目でISとは関係のない異物であると判断した一夏と永珠は前に出て人形を蹴り飛ばし、あるいは殴り飛ばし皆を守るよう立ちふさがる。
「一夏。これ、なんだかは……分からないよなぁ」
「当たり前だろ。……けど、俺達のやるべきことは変わらない。だろ?」
「それもそうだな」
双方懐から取り出したバックルを腹部に宛がうと自動的にベルトが展開されドライバーへと形を変える。
一夏が取り出したのは青い工具のような造形をし、レンチやパイプといった装飾の成されたもの。
永珠が取り出したものはライトグリーンの配色をした携帯用のゲーム機のようなもの。
その時、永珠の手首が捕まれ僅かに首を動かして背後を振り返ると海賊男が不安を隠そうともせずに引き留めるようにこちらを見ていた。
「……行ってしまうのですか?」
「…………」
多少疑問に想うところは有っても少なくとも今は自分の患者だ。であれば患者に不安を抱いたままにするのは本意ではない。
逡巡する永珠を見かねたんのか男はふと表情を崩して言葉を紡いできた。
「せめて、お名前だけでも」
「……永珠。宝条永珠です」
その答えに満足したのか男が手を離すのを見届けて改めて人形達と向き合う。
「すまん。少し待たせた」
「いや?そこまで待ってもいないから大丈夫だ」
そして、互いに対応するアイテムを装填していく。
『DORAGON JELLY!』
『MITGHTYACTION X!』
「……変身!」
「大変身!」
永珠がピンク色のゲームソフトのボタンを押すとともに背後にゲームのメニュー画面のようなものが映し出されそこからブロックのような物体が展開され、現実世界を妙なフィールドが覆う。
一夏が装填した赤いパック飲料のような物体を入れれば工場音のメロディが流れ出す。
『潰れる!流れる!溢れ出る!』
『ガシャット!
レッツゲーム!メッチャゲーム!
ムッチャゲーム!ワッチャネーム!?
アイム ア カメンライダー!』
一夏が展開されたビーカーの中にまるで実験動物のように赤いゼリー状の液体に浸され、それが濃縮されるように一夏の身体を包み込む。
永珠は前方に出現したパネルを通り抜けるとともにずんぐりとしたゆるキャラのような姿へと変身する。そしてさらにゲーム機のような
『DRAGON IN CROSS-ZCHARGE! ブラアアアアアア!』
『LEVEL UP! MIGHY JUNP! MIGHTY KICK!MIGHTY MIGHTY ACTION X!』
片や赤い兎を象ったクリアパーツを鎧とした非道な人体実験にて生まれる怪人『スマッシュ』を相手に戦う黒い戦士。仮面ライダービルドチャージ。
片や、ゲーム『マイティアクションX』の主人公マイティを模した人間の脳に感染するコンピュターウィルス『バグスター』を相手に戦う電脳戦士。その次代を継いだ二代目、仮面ライダーエグゼイド。
この狂った舞台で踊る主役二人が壇上に上がった瞬間であった。