【完結】ステラのまほう/百武照攻略実況   作:兼六園

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STAGE 1-8

 学生の身で修羅場を味わうゲームの実況プレイはーじまーるよー。

 

 今回は風邪を引いたたまちゃんの看病をするイベント……の、つもりでしたがァ! 

 特に進展が無い回なので思いきって飛ばします。薬飲んで、寝ろ!(ドゲンジャーズ)

 

 看病回と前回の間には歌夜とたまちゃんのアンジャッシュ回もあるのですが、あちらは燎原くんの関わりようが無いのでキャンセルだ。

 

 では改めて、前回はあやめ宅でショタの初恋が実らなかったところで終わりましたね。

 今回は期限の迫るゲーム制作を終わらせるべく部室で缶詰するところから再開です。

 

 というのも、看病回で明かされるのですが、本来なら8月頃の夏コミに合わせていたスケジュールが抽選漏れによっておじゃんになってしまったんですよね。予備で登録していたオンリーイベントが翌日に迫っているので、今日中にゲームを完成させないといけないというわけです。

 

 まるで編集時間が常に切迫していてギリギリの私みたいだぁ……(致命傷)*1

 

 

 そんなわけで土曜日、翌日のイベントに間に合わせるために部室に向かいましょう。

 たまちゃん……恐らくそのマイ枕は使われないから置いていこう!(無慈悲)

 

 部室では既にあやめと椎奈がスタンバイしていましたね、熟練度を上げて鍛えたスキル……見たけりゃ見せてやるよ。映画を見て、音楽を聴いて、絵を描いて鍛えたスキルでジェットストリームアタックを仕掛けるぞ! 

 

 これを見ているホモとノンケの皆さんは疑問に思うでしょう、原作の時点で普通にゲーム制作できるのに主人公がスキルレベル上げてなんか変わるの? と。分かりやすく言うとイベントを終わらせたあとの好感度上昇に補正が掛かります。

 

 恋愛フラグ建設の為以外にもちゃんと使うんですよ。まあこの段階では3つともレベル1なので、補正も1.1倍とまずあじです。逆に言えばスキルレベルMAXだと補正が2倍になりますが。

 

 夏コミ落ちたのを黙ってたあやめの仕事量が若干ゃハードですが、黙ってた方が悪いので燎原くんは助けません。悲しいかな……

 

 

 などと言いつつイベントは進み、過熱した修羅場がついに危険な領域に突入します。

 途中、入部希望の子がスルーされるという可哀想な事態になりますが、彼女は2巻からこの件を根に持ちながら登場するので大丈夫です。*2

 

 そこから更に数分、ゲーム内時間では既に数時間が経過している頃、パソコンで通話しながら作業していた歌夜からの連絡が途絶えるという事態に発展。あくまでも素人の合作という前提があるからこそ、作業を投げたことは責められないと、椎奈とあやめはさっさと切り換えてフリー素材使うか~となります。

 

『しゃーない、切り替えていけ』とはなれないたまちゃんが信じてあげないのかと漏らしますが、創作活動ってそういうもんだからね。我々は見てきた筈だ、失踪した幾つものRTAを……! 

 

 まあ私は二作も完走させてますが(マウント)

 

 

 ──とかなんとか言っていると、不意に歌夜が発注された6曲分のデータを椎奈のパソコンに送ってきました。そう、歌夜は逃げたのではなく曲を完成させるべくスパートを掛けていたから無言だっただけなんですね。

 

 それではこちらも完成させねば……無作法というもの……ということで大急ぎでゲームを完成させます。そんなところで今回はここまで。

 

 絵の印刷! マスターアップ! ディスクを焼くぞ! うおおお俺たちのゲームが動くと信じて! SNS部の次回作にご期待ください! 

 

 

 

 

 

 ──歌夜さんからの連絡が途絶えた、という部長の言葉。まあ、そんなものか、と作業を続行する俺の耳に、あっさりと頼ることをやめた二人に言葉を投げ掛けるたまの声が聞こえた。

 

「……りょーくん」

「どうした?」

 

 隣にストンと座り込み、たまは筆を取るが、その手は動いていない。

 

「何も非難しない俺が冷たい人間に見えたか」

「……うん、仕事中のりょーくんのお母さんも、たまにあんな顔をしてるよ」

 

 仕事……ああ、役者の演技を見ているときの母さんか。なるほど確かに──

 

「『要らないとわかれば簡単に切り捨てる顔』か。俺にはそこまでの権限が無いからなんとも言えんが……部長も言っていただろう、俺たちは素人の集まりだ。この場の誰にも、誰かを拘束する権限なんて無いんだよ」

 

「っ……でも……」

 

「たま、こっちは背景の修正が終わった。表情差分は俺がやるから少し休め」

 

 初めての修羅場に慣れない体力の消費をしているたまを寝かせ、持ち込んでいるノートPCと接続したペンタブに筆を走らせる。

 ──ふと、俺の肩に頭を乗せるたまが、俺の作業をぼんやりと眺めていた。

 

「……藤川先輩、本当にやめたんだと思う?」

「どうだろうな。だが、俺には歌夜さんの音楽への執着が、並々ならぬように感じた」

 

 差分を一つ完成させて、肩に乗せられたたまの頭に自分の頭をこつんと当てる。

 

「──歌夜さんが音楽に関係する事柄で逃げ出すような人間には見えん」

「……りょーくん、藤川先輩のことになると凄い気にかけるよね」

「他意は無い。この部の先輩は全員尊敬しているという話なだけだ」

 

 その証拠が──部長のパソコンに届いた音楽データである。不意に、疲れきった少女の声が、パソコンの向こうから聞こえてきた。

 

『うおおおおおお発注分6曲仕上げた! 眠い! 疲れた! 寝る!!』

 

「──!!」

「ほら、な」

 

 自分の仕事を終わらせた歌夜さんからの連絡が今度こそ途絶える。本当に眠ったのだろう歌夜さんの曲を確認して、それから部室の俺たち四人でゲームの残りを完成させるべく作業を進めた。

 

 

 

 徹夜での作業で遂にゲームを完成させることは出来たが、動くかの確認は最低限しか行えなかった。きちんと自分の仕事を完遂させた歌夜さんへの尊敬の念を抱きながら、俺は寝ぼけているたまを脇に抱えてイベント会場へと走るのだった。

*1
投稿予定日直前までサボる癖をどうにかしろ

*2
大丈夫の定義こわれる

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