どうして分かってくれないんだ! ゲーム制作はバグとの戦いなんだよ! なゲームの実況プレイはーじまーるよー。
前回は新たな強敵・飯野水葉とデザイン勝負したところで終わりましたね。今回はSNS部にやってきた彼女がChapter1で作ったゲームのバグを指摘してきたところから再開です。
バグの修正は椎奈がやってくれたので、その場で真エンドを見ることが出来たようです。おめでとう、よかったな!(イキスギイレブン)
そもそもなんで来たのかについては、前述したゲームのバグを直すパッチを探そうとしたのにホームページに作品紹介の欄すら無かったからですね。うーんこれは百武照が悪い。*1
そんなこんなで自己紹介も済ませますが、はーちゃんはたまちゃんに対して少々刺々しく、あやめに関しては雑な扱いを受けた恨みもあって完全に敵対しています。
はーちゃんのマイフェイバリットである
だから、サインの要求にあやめが応えてもキレるだけなんですね。
そんなはーちゃんがあっそうだ(唐突)と話題を切り替えると、ホームページで部員紹介をするっていうのはどうッスかぁ!?(KBTIT)と提案するので、とりあえず話に乗りましょう。
これもイラスト担当のたまちゃんに絵を描かせるため……卑怯とは言うまいな。
とは言いつつも、たまちゃんが放課後まで悩んでしまうため、気分転換にゲーセンに行くことになりました。特に用はないのでこの辺は倍速で飛ばしますがね。甥のKMR、加速します。
……はい。翌日、たまちゃんが自己紹介に使う事にした画像を発表します。それも……きんぴらごぼうです。絵を描けや!
という真っ当なツッコミもしたくなるでしょうが、椎名がきなこソーダという謎の飲み物、あやめが弟の写生という名の謎画像、そもそも絵が描けない歌夜は曲の歌詞と、かなり酷いチョイスなので……総合的にたまちゃんの勝ちですね。
ちなみに燎原くんの画像は制作したゲームのヒロインのSDキャラですね。マトモに紹介する気があるのは僕だけか!?*2
なお、彼のハンドルネームは猟犬です。犬井一家は『犬』に関連するハンドルネームを付ける癖があるらしく、小説家の父は『山犬先生』だし、監督の母は『犬山監督』です。ややこしや。
そしてMUR先輩並に便乗してきたはーちゃんが部のゲームのイラストを描いたと見せてきます。結構上手いのですが、君はそもそも部員じゃないよね……という。
入れば良いのに断る辺り、もはや意地なのでしょう。まあこの子イラスト部所属ですしね。
といったところで今回はここまで。果たしてあやめは自分がIri§先生であることをはーちゃんに明かせるのか!? ではまた次回。
──水葉が部室に転がり込んでくるなりゲームがバグで止まったと絶叫。プログラム担当の部長がネガティブから戻ってきてバグの修正をする光景を、俺たちは遠巻きに眺めていた。
「私、イラスト部の部員なんですけど、最近マンネリ気味で……。前からSNS部のこと気になってたのを思い出したんです」
それでこの間部室に来ていたのか、と納得する。それにしたってよりによって追い込みの時に来るとはタイミングが悪すぎたが。
内心で得心が行った俺の眼前で、関さんが水葉に言葉を投げ掛ける。
「じゃあ、今からでも入ってみたら? 絵描ける人が増えるのは心強いしさっ」
「…………今ので気が変わりました。
そんな事言って、どうせ私にデバッグさせようって魂胆なんでしょ?」
「君、私とデバッガに悪いイメージ持ちすぎ」
じとっとした目を向ける水葉は、関さんから目線を移して部長と歌夜さんと話をしている。
関さんに近づくたまが、もやもやとした表情で話しかけていた。
「あの子、関先輩に失礼だと思います!」
「やー、私はまだ諦めないぞ」
「……あの子、恐らく関さんがIri§先生だとは気付いてないですよ」
「……マジ?」
「はい」
そもそも気づいているなら、あそこまで入れ込んでいる相手にこんな態度は取るまい。
多分、Iri§先生という偶像を崇拝しているのだ。第一印象と相まって、盲目になっている。
「ところでその……Iri§先生もこの部に在籍してるんですよね?」
「うん……まあ……」
「あのっ、今度いらした時にサインとか──」
「──ほい」
「あっ」
という声が、俺とたまの口から同時に発される。歌夜さんの横合いからおもむろに関さんが手を伸ばすと、さらさらとゲームディスクを入れているパッケージ──いわゆるマキシケースに油性ペンでサインを書いていた。
「…………ふざけてんの? アンタみたいなのが易々と名乗っていいもんじゃないのよ、Iri§先生という名前はァ!!」
──これもダメかーっ! そんな声が関さんの顔から伺えた。そりゃそうだろう。
それから水葉の提案でホームページに部員紹介の欄を作ることになり、彼女は遠回しにたまに絵を描かせる機会を与えたのだが──どうにも案が浮かばないらしく、裕美音と共にゲームセンターで息抜きをすることになっていた。
そうして翌日、たまのプロフィール画像が決まったらしいのだが……発表されたのは、どの角度からどう見てもきんぴらごぼうだった。
部に混ざっている水葉が、指を曲げて俺に『来い』とジェスチャーする。
「保護者」
「はい」
「アンタの教育どうなってんのよ」
「厳しく育てた記憶はあるのだが」
精々、嫌いな野菜を食ったり風呂に入れてやった程度だ……十分厳しく育ててきたな。
これで一応、たまのきんぴら、部長の飲み物、関さんの……弟、弟? の写生、そして歌夜さんの曲の歌詞と俺のSD化させたゲームキャラとホームページの画像は揃った……のは良いのだが。
「……部長、これ何の団体なんですか」
「…………さあ……」
──ともあれ、クオリティは兎も角、部員紹介はこれで完成……と思っていると、水葉がたまに怒声を上げる。どうやらたまを絵描きとしてライバル視しているらしく、折角絵を描く機会を与えてやったのにと怒っていた。
「ったく。アンタよりそっちの鶏の方がよっぽど絵描きらしいじゃないの。……私もIri§先生に見せられるくらい練習しなきゃ。
そしてIri§先生の過去作──星屑のインテンツィオーネを絵に起こしてみせる」
「それは……いい夢とモチベーションじゃないか。それと俺は鶏ではない」
「あのマスクをもう1回見てから同じ事を言いなさい。じゃ、そろそろ失礼します! Iri§先生によろしくお伝えくださいっ!」
それだけ言うと、水葉は歌夜さんたちに手を振って部室から出ていった。……今度会ったらマスクの嘴でつついてやろうか。
開け放たれたままの扉を閉めて戻ると、どこか膨れっ面のたまが立っていた。
「どうした」
「りょーくんって、ああいう子が好きなの?」
「話に脈絡が無いぞ。ただ……そうだな。あれくらい表情がコロコロ変わる奴は、見ていて楽しいだろう? それに愚直だしな」
「ふーん」
水葉の態度は些か落ち着きを加えるべきだが、少なくとも、両親の仕事からかけ離れた事がしたくて絵に没頭している俺よりは健全だ。
「ああそれと、関さん。貴女がIri§先生であることは伏せた方がいいと思いますよ」
「だよねー……」
諦めたように呟く関さんを、後ろの歌夜さんと部長が同情するように見ていたが、きっとその眼差しは、本人だけが知り得ないのだろう。