エイプリルフール、76日目────なゲームの実況プレイはーじまーるよー。
前回はIri§先生を犠牲にしてはーちゃんとたまちゃんの三人で星屑のインテンツィオーネ(前編)のゲームを作ることになりましたね。
今回からは夏服となり心機一転、今日も一日頑張るぞい! と行きたいところですが、クラスでお絵描きをする回は飛ばして次のイベント──そう、百武照回です!(灰の魔女)
駅前でたまちゃんと合流して二人で歩いていると、当然のように百武照とエンカウントしました。うあああ百武照が通学路を練り歩いてる!*1……*2……*3……*4
そんなわけで三人で通学路を歩いているのですが、ここで彼女がSNS部を知っている情報が入り、ようやくたまちゃん達が『テルさん』が『元部長・百武照』と気づくことが出来ます。はぇ~そうだったんすねぇ……(すっとぼけ)
そんな照は会話をしながらたまちゃんのヘアゴムを奪取して髪型の交換をしていますが、今日の彼女の猫耳カチューシャはカチューシャではなく本物の猫が頭に刺さっていました。えぇ……
高校の授業中はその辺ぶらついてるね~とか言って消えた照を見送り、燎原くんとたまちゃんは校内へ。たまちゃんは髪型の変化がイメチェンだと思われており、なんか恥ずかしいけど気持ちがいいそうです。男で言うと女装は解放感がある的なサムシングなのでしょう(適当)
その後はお昼になり食堂にでも行く、カァ……(カエル)と
ゲームのベースであるノベルエンジンは部長から教わるとして、絵をどうするかという悩みに衝突していました。
燎原くんはあくまでサブ……というか百武照攻略のためにスキルレベルを平均化させて器用貧乏にしないといけないので、イラストだけでなくサウンドやシナリオにも手を出さないといけないんですよね。だからあんまり表立って絵を描けません。余計な熟練度はガバの元ってそれいち。
とかなんとか駄弁っていると照が乱入してくるので1.5倍速。
百武照、(大学)1年ですとはーちゃんに語りますが、その辺の指摘は混乱というか混沌を生むのでお口ミッフィーちゃんしておきましょう。それから曲を作ってもらおうとDTM研に向かいますが、高校時代に歌夜との間に確執を生んでいる照は隠れてしまいます。へっ甘ちゃんが!*5
ついでにたまちゃんも以前歌夜とアンジャッシュコントしてたので入りづらいらしく、燎原くんとはーちゃんで行くことになりました。しゃーねえ、俺がすっぱり散らしてやるぜ!(CCO)
音楽の話の時間だ、コラァ! と扉を蹴破……るとかはせず、普通にガチャリンコと開けます。
入って早々はーちゃんが歌夜に『さくっと作ってくだち!』と提案し、彼女は『じゃあフリー素材でIKEA』と半ギレ。どのジャンルであれ創作者に『さくっと作ってよ』は誰が相手でもぶちギレ案件なので……しないようにしようね!
藤川歌夜……髪ふよふよのクセに恐ろしい人! となりつつ退室し、その事で照から部員のアダ名を聞いていたたまちゃんが『テルさんが藤川先輩のことふよんちゃんって呼んでた』と言います。でも君のアダ名も結構酷いと思うんだ。*6
──と、たまちゃんのそんな言葉に反応して廊下に出てきた歌夜が窓の外に注目。彼女は照に気づくと、たまちゃんの髪型がアレに弄られたのだと気づいてヘアゴムを渡してくれました。
そんなところで部室でゲーム制作スケジュールを練ろうとはーちゃんが提案してきたので今回はここまで、ではまた次回。
──水葉のゲーム制作に巻き込まれた俺とたまは、歌夜さんが居るのだろうDTM研の前に来ていた。通学路で邂逅した『テルさん』……いや、SNS部元部長の照さんを連れていたのだが、彼女は何故か窓の外にいた。
たまは以前DTM研で何かやらかしたのか行きたがらず、照さんもまた──どこか気まずそうにしている。歌夜さんとなにかあったのか。
「……照さん、何故そんなところに」
「私も恥ずかしいから隠れるね! がんば!」
「さいですか」
照さんはそう言って顔を逸らす。恥ずかしい、とは言うが……気まずいのか。その表情はどこか──確執のようなものを孕んでいる。
「本田珠輝の保護者! 行くわよっ!」
「……いい加減名前を覚えろ」
なんて言い草なのだ。もしや俺の名前を忘れているのではないか? かぶりを振って追従し、俺は水葉と共に室内で作業しているだろう歌夜さんと話をするべく顔を突き合わせた。
「──なるほど、夏コミに向けて正式に活動開始したわけだね。水葉ちゃんがリーダーで、絵は本田ちゃんと犬井くんの三人と」
「はいっ、できたら藤川先輩にも協力してほしくて!
「水葉、その発言は「──さくっと?」
席を立った歌夜さんは、彼女に詰め寄ると上から見下ろすように早口で語り始める。
「私は曲を生み出す以上はどの子にだって作る意義を込めたいし、逆に言えば適当な作品はいっそ作る意味なんて無いって思ってるから。
その辺理解してくれないと『フリー素材でよくない?』ってなるけどそれでもいい?」
「……いや、あの、ごめんなさい……」
「なに? それは何に対しての謝罪なの?」
完全に萎縮している水葉をそれとなく後ろに隠し、歌夜さんと向き合って肩を叩く。
「歌夜さん、歌夜さん。水葉も悪気はないんですよ、貴女の実力を期待しての言葉です」
「…………悪気がないのが一番質わるいんだけどねぇ~~~。ま、いいけどさ。協力するよ」
「ありがとうございます。水葉、帰るぞ」
──じゃあねぇ~、と手を振る歌夜さん含む部のメンバーに会釈して、俺達は廊下に出る。気迫に圧されていた水葉が、しみじみと呟いた。
「DTM研……恐ろしいところ……!」
「お、お疲れ。はーちゃん、りょーくん」
「ああ」
「全く……ツインテのふよふよ具合にすっかり騙されたわ。でもあの真摯な姿勢は憧れる!」
「! ふふ、ふよふよっ」
「どうした、たま」
水葉のふとした言葉にくつくつと笑うたまは、照さんに弄られ下ろしている髪を揺らす。
「テルさんがね、藤川先輩のこと『ふよんちゃん』ってアダ名で呼んでて──」
「へぇ」
「歌夜さん? あの、歌夜さん。歌夜さん?」
──ガチャリと扉を開け放ち、おもむろに現れた歌夜さんは、そのままつかつかと歩み寄ると俺を窓に押し付けながら肩越しに外を見る。
「照先輩、来てたんだ。ねぇ、犬井くん」
「言った方が良かったですか」
「…………いや、いいよ」
「──それは、気まずいから?」
「はは。さあねぇ」
耳元で小さく呟くように話す歌夜さんに合わせて小声で語りかけ、それとなく後ろに首を向けてそそくさと消える照さんを見送る。
……なるほどやはり、照さんはSNS部に何かしらの爪痕を残しているのだろう。特に、歌夜さんとの間に何らかの問題があるらしい。
「あと本田ちゃんは、いつも通りの髪型の方が似合うんじゃないかな」
「それについては同感です」
「突然なに!?」
いつもと様子が違う歌夜さんとイレギュラーの照さんに振り回された俺と水葉は、ヘアゴムを渡され髪を結んでいるたまを連れて部室に走る。
「藤川先輩、ちょっと怖かったね……」
「ええ。でも、あれくらいマジにならないとゲーム制作なんて出来ないってことよ!」
「とりあえず、今後のスケジュールは部室で組むとして……、関さんと部長、来てるのか?」
部室に着くと、ふと室内に気配を感じる。
意識を切り替えてドアノブを捻り開けて中に入ると、予想通りに二人が居たのだが──揃ってスクール水着姿で寛いでいた。
「──なんで?」
「……今回は水着回です」
「えぇ……」
ノートパソコンを閉じて、部長はあっけらかんと言い放つ。関さんが言うには次の授業が水泳だかららしいが──もう少し恥じらってくれ。
「……犬井さん、なぜ鶏マスクを?」
「察してください」
女所帯の部に所属するデメリットを見せつけられながら、俺は被り物のマスクで視界を狭めて部屋の隅に座るのだった。