ゲームのパソコン落としちゃった! なゲームの実況プレイの前半戦はーじまーるよー。
前回はまたIri§殿が犠牲になっていましたね。今回は前回の直後から再開です。
うっかり鞄に突っ込んでいた部長のパソコンを落としたたまちゃんからメーデー! メーデー! と連絡が来ます。彼女を探すと空き教室で呆然としていました。簡単に言えばうわー! ゲームのパソコン落としちゃった! どうか(データ)逝かないで! マァァァァァということです。
たまちゃんは良い子なので黙っておこうといった選択肢は出ません。だいたい『素直に謝る』か『オリ主が壊したことにする』の二択になりますので、原作通りに前者を選びましょう。
それでは外に出るまで倍速。部長の後ろ姿を発見したので、二人で突撃します。ちょっとそこのオネーチャンお茶しない?(ナンパ)
……ヨシ! とりあえず部長宅で話をすることになったのでそちらに向かいましょう。
村上家は村上母と部長の二人暮らしでして、父親は居ません。私の走ったゲームから察したホモは『死んでるのか?』となるでしょうが、単純に離婚してるだけなので安心してください。*1
村上母は部長が小さい頃に夫と離婚している現役のSEですね。自分の人生は失敗だと考えており、娘が自分と同じプログラマの道を歩んでいることを危惧しているごく普通の母親です。あと、後々とあるレズにロックオンされます。*2
──男友達を連れてきたことでなにやら余計な勘繰りをしてくる村上母と燎原くんの会話イベントを挟みつつ、部長の部屋に向かいます。
すると、室内では責任を感じたたまちゃんがケジメをつけますとばかりに服を脱ごうとしていました。これは村上母が女友達ばかり連れてくる部長をからかっていたからですね。女同士でもOKとかちょっと心が広すぎるんとちゃう? *3
部長は半裸のたまちゃんをがっつり見ている燎原くんの視界を塞いできますが……ふん! 燎原くんはたまちゃんの裸なんて見飽きてるよ!(幼少期から何度も風呂に入ってるので)
では改めて、たまちゃんが本題に入りま…………すと言いたいところですが、来客なので中断させられます。寸止めプレイは体に悪いってそれ一番言われてるから。
まあ誰が来たのかと言いますと、前回の犠牲者こと関あやめ……と弟の春馬くんですね。Iri§先生に扮する為に化粧したはいいけど、自宅に化粧落としが無いので村上宅に来たとのこと。
ついでに言うと更に下の次男くんがIri§先生の顔を見ると泣くらしいです。草。
では改めて(take2)たまちゃんが本題に入ります。ここまで来たらもうほぼ勢いでパソコンを壊してしまったことを暴露しました。
お詫びに指詰めます!(エンコのマエストロ)となる前に、部長がパソコンを充電して再起動。そうです、パソコンは壊れていたのではなく、単なるバッテリー切れで点かなかっただけなんですね。そりゃ落としたら壊れたと思うよね。
安心して腰が抜けたたまちゃんでしたが──ここで更なる乱入者。何者かが部屋に入ってきました。ウワ──ッ! 敵襲!*4
実はここ数日部長からゲームのスクリプトを教わっているはーちゃんがやって来たのですが、たまちゃんと燎原くんを見て予定変更。
期末試験前にさっさと完成させようと予備のペンタブを叩きつけてきました。
なんで予備が二つもあるんですか……という質問は置いといて、やるからには全力で行くしかねえ! 戻ってきたあやめもメイクバッチリだしな! ……何やってんだ関イイイイ!!(団長)
はーちゃんの気配を察知してメイクを塗り直すスゴ技を披露したあやめは置いといて、イラストの作業に入りましょう。
相変わらず燎原くんの作業は背景と表情差分担当ですが、小さな熟練度もChapter9になる頃には立派なスキルレベルになってくれます。
それでは村上宅が賑やかになってきたところで前半戦はここまで。次回、第三の刺客襲来! はーちゃん死す!? お楽しみに。
──来て早々若干失礼ではあるが、お手洗いをお借りして廊下に出た俺は、玄関の散らかった靴を戻そうとして下駄箱に視線を向ける。
「……無い」
「あら、犬井くん……だっけ。どしたの?」
ふと、女性の声が背中に投げ掛けられる。靴の向きを揃えつつ、それとなく辺りを見回して、それから部長のお母様に向き直った。
キョトンとした顔をしていたが、俺は……敢えて一歩踏み込む。
「母子家庭、なんですか?」
「──あらまあ、良く分かったわね。もしかして椎奈から聞いてる?」
「いえ……ただ、男性の気配が無いのと、男物の小間物が何もないので、勘です」
俺の失礼な物言いに、部長のお母様は、おもむろに快活に笑って返した。
「別に、そんな気にしなくて良いわよ。夫とは……椎奈が小さいときに離婚しててね、あの子には苦労かけっぱなしなの」
「……そうでしたか。すみません、プライバシーに探りを入れるような真似を」
「礼儀正しいのねぇ。……そこまで言うなら、ついでに椎奈のこと貰ってくれない?」
「は──」
「ほら、私としても、椎奈には犬井くんぐらいのしっかり者が必要だと思うのよ」
さらりとそう言って、お母様はやや疲れたような笑みを浮かべる。思春期の娘の相手に仕事に家事にと、恐らく本当に疲れているのだ。
冗談混じりの発言、しかし内側には本音を秘めている。今の言葉には──娘に幸せになって欲しいという願望と、少しでいいから楽になりたいという切望があるのだろう。
「…………ご冗談を。それでは」
「────冗談ではないんだけどねぇ」
部長の部屋に向かおうとしてすれ違った時に聞こえてきた言葉だが、今の俺には聞かなかったことにするという卑怯な手段しか取れない。
そもそも部長の事は人として尊敬してはいるが、恋愛感情を向けた事はないし、恐らくこの先も無い。脳裏に不意に過った照さんの顔を思い出して首を傾げつつ、部長の部屋に入る。
「──あ?」
「──あっ」
迫真の雰囲気で服をはだけさせるたまと、俺を見て視界を塞ごうとするも身長が足りていない部長。彼女の伸ばした手がべちべちと顔に当たりながら、俺は小さくため息をついた。
「大丈夫ですよ、たまの裸は見慣れてます」
「見慣れてる!?!?」
小さい頃から何回たまを風呂に入れてやったと思っているんだ。
昔から俺の家に泊まりに来ては、湯船に足がつかないからと駄々をこねて俺と入ろうとする以上、見慣れてる以前に見飽きている。
……その後は関さんと弟の春馬、部長にスクリプトを教わっているらしい水葉の乱入はあったが、パソコンも故障ではなくバッテリー切れと判明し、ホッと一息つくのだった。
──同じ部屋に大人数がごった返すのは流石に落ち着かないからと、作業を中断してリビングのソファを借りている俺の隣にふと部長が座った。お互い同じ理由で離脱してきたのだろうと察して、俺はコップを借りて水を飲む。
「……以前、前の部長に次の部長を任されたとき、SNS部を10倍に盛り上げてくれと言われたんです。でも正直……はーちゃんさんと本田さんが勝ち負けの話をしていたときは不安でした」
「ああ、そうでしょうね。部長はあまり荒事を治めるのは得意ではないでしょうし、特に勝ち負けがどうとか、優劣がどうとか、そういった揉め事は嫌いですよね?」
……はい、と言って、ちびちびと俺とは別のコップに口をつける部長だが、それでもと呟いて後ろで騒がしい部屋に意識を向ける。
「……きっと、10倍ってこれくらいですよね」
「──だと、良いですね」
顔を見合わせて俺と部長は笑うが──そんな時、不意を打つようにチャイムが鳴るのだった。