今じゃリアルではやれないコミケに向かうゲームの実況プレイはーじまーるよー。
前回はたまちゃん宅でゲームの制作のラストスパートを掛けたところで終わりましたね。今回は夏コミ当日、たまちゃんと縁側でのんびりしているところから再開です。
いやあゲーム制作は強敵でしたね……とだらけていると、またもやはーちゃんが参戦してきました。縁側に侵入するのは法律違反なんだ。*1
歌夜に頼んでデュプリケーターでCDに焼いたゲームは、はーちゃんの知り合いのサークルで委託頒布する手筈なので売り子をする必要は無いのですが、夏コミは年に一回の行事なんだよ! とのこと。いつ行くの? 今でしょ(死語)。
そんなわけで
【イラスト】のスキルレベルはイベント進めてゲーム制作を続けていれば幾らでも上がるので、買うなら【サウンド】か【シナリオ】のパーク本を狙いましょう。
とかなんとか良いながら四人で談笑していると、人混みから見慣れた顔が。それは……なんかめちゃくちゃゲッソリしてる歌夜でした。
ふ……藤川ッッッ
なっ……なんで……(ガイア)
──んだらば知人の突発的なCD作りに付き合わされたらしいお疲れの歌夜も混ざって、五人でいざコミケに。まあ着いたら歌夜は即散! しますが。燎原くんたちは裕美音に先導され、いつの間にかBL島に到着していました。
やめろユミーネ! どうしてわかってくれないんだ! 普通の人間は自分の親友を男体化してBLのカップリングには使わないんだよ!
来てしまった以上は見て回りますが、BLは……普通……? と混乱しつつあるたまちゃんを正気に戻しつつ、裕美音の目的は『はる☆じゅく』なる作品のBL本らしいのでスルーしておきます。
ちなみにはる☆じゅくの正式名称は『春爛漫に熟した俺のとろろそば屋は満員御礼』らしいです。ちょっと気になるタイトルなのやめろ。
そんなたまちゃんも気になる
スパイダー感覚に反応あり……これは……【サウンド】の熟練度にボーナスが加わるパーク本ですね。お値段なんとワンコイン! ふん、燎原くんの財布なら同じものが100冊買えるよ。*2
では【サウンド】のパーク本も買えたので、先程言ったイベントに混ざります。
歌夜が居るサークルに混ざり、売り子を担当しましょう。たまちゃんは何故か歌夜の持ち込んでいたいつぞやのうさ耳カチューシャを装着。燎原くんもいつもの鶏マスクをパイルダーオン。
あとはひたすらボタン連打ァ! ふんふんふんふんふんふんふんふん!!
……ふんふん、ふんふん……ふんっ、ふん……ちょっと、疲れてきたんですけど……これあと1分続くってマジ? 誰か! ライダー助けて! お指こわれちゃ^~う! *3……*4
──と、ようやく終わりました。売り子イベントも終わりご褒美に差し入れのお菓子を貰ったのでたまちゃんと食べてましょう。差し入れするならせめてたけのこの里だよね。
それでは友人のサークルに挨拶しに行ったついでに次の申込書を持ってきたはーちゃんと合流した辺りでChapter2はここまで。次回、Afterの後にChapter3開始。それではまた。
──歌夜さんの居たサークルの売り子を手伝ったのち、差し入れの菓子類を土産に、隅でたまと渡されたそれを分けあっていた。
「りょーくんがこういうお菓子食べてるの、なんか珍しいねっ」
「そうか?」
「うん。いつも家で出てくるのって和菓子とお茶じゃない?」
……かもしれんな。羊羮や大福に熱いお茶、夏でも冬でも変わらずそれしか出さないので、なるほど確かにと考えなから、タケノコの形を模した市販のお菓子を──鶏のマスクの口をこじ開けて、中にある自分の口に放り込む。
「……犬井燎原、それ外したらどうなの」
「む……水葉か」
「はーちゃんっ、どこ行ってたの?」
どこからか戻ってきた水葉が、呆れた顔で俺たちを見ながらそう言った。
ここまで来たら終わるまで外さないでおこうという些細な意地だ──という説明をしたら、呆れた顔色がより濃くなっている。
「ふん。私の友達が居るのは別の棟のサークルだったから、そっちに挨拶行ってたのよ」
それと申込書もね、と言って、水葉は次のコミマ用申込キットを見せた。
「それにしても……私たちもいつか、あんな行列が出来るくらいのゲームを作りたいわね!」
「そうだねぇ~」
「そうだな」
「──一緒に絵を描いてるあんたらがそんな態度でどーすんのよっ!! 帰ったら追加パッチ作るんだから気合い入れるっ!!」
「ちょ、ちょっとは休ませてよ~!」
肩をガクガクと揺すられながら返答するたまの横で、俺はお菓子の残りを口に入れた。
──暫く経過して、帰るか……と提案したのち、外の空気を吸いながら俺はマスクを外す。
汗を拭って髪を掻き上げて、おもむろに首を傾げながらふと感じた視線に顔を向ける。
「…………うーん?」
「りょーくん?」
「いや、視線を感じてな」
「そりゃ、あんな若干狂気を感じるマスクなんか被ってたら皆あんたのこと見るわよ」
「これのことか」
「脱いだのに被るな!!」
裕美音と合流するまで、俺はマスクを被りながら延々と水葉を追いかけ回すのだった。
「……百武先輩、なんか……犬井くんと目が合った気がするんですけど……」
「あー……細目ちゃん、りょーげんくんはちょっと特殊だから」
どこか遠くから水葉を観察していたとある姉と、その姉に着いてきたOGがそんな会話をしていたことなど、当然ながら知る由もない。