STAGE 3-1
これ完結するの3年後くらいにならない? なゲームの実況プレイはーじまーるよー。
前回はたまちゃんとはーちゃんと燎原くんの三人で作ったゲームを夏コミに出したところで終わりましたね。今回から単行本3巻、すなわちChapter3が開始となります。
†星屑のインテンツィオーネ(前編)†とかいう特大の黒歴史を掘り返されゲーム化までされた悲しき被害者こと関あやめが、とある提案をしてきました。次の企画は……そう、PV制作だね!
……というわけでなんか撮影とかやってはみたけど、あやめは部長にMADを作られてます。SNS部の自己紹介映像でレジギガスの鳴き声でも真似すればええやん。*1……*2……*3……*4
──ドゥエドゥエと音MADで遊んでる部長とあやめをよそに、たまちゃんが歌夜と燎原くんの二人と会話をしています。曰く、自分達が作ったのはノベルゲーム2つだけど、ノベルゲームってゲームと呼べるんですか!? とのこと。
やめろ──っ!!(飛電)
たまちゃんのその質問は、音MADで遊んでいた部長とあやめに致命傷を与えます。
ぶっちゃけ部活PRの時のパズルゲームの方が面白かったよなー! セガなんてダセーよなー! と元々アナログゲーム作りが好きなたまちゃんは言います(そこまでは言ってない)。
じゃあノベルゲーム以外で何を作るか、という話になり、言い出しっぺとはいえちょっと言葉に詰まるたまちゃん。そんな彼女に歌夜がアナログゲーム即売会に行かないかと提案しました。
倍速して帰り道、裕美音も混ぜて即売会の事で話し合うと、歌夜が胡散臭くて心配なので着いてくると言ってきました。でもあくまでゲームの即売会だから同人誌ないよ。
──BL本ないと困るよ! とのことで、結局来ませんでしたとさ。はーつっかえ!*5
では日曜日、駅で先輩組を待っていますが、来たのは歌夜一人だけでした。
あやめは弟の運動会があるから来られず、部長は案の定遠出するときにピンポイントで体調を崩す特殊能力が発動したらしいです。
……はい、現場に到着しました。この即売会では、各々が制作して持ち込んだゲームの販売だけなく、半分ずつで区切られた別スペースでそのゲームを体験することが出来ます。
たまちゃんは早速とゲームで遊びますが……なんでここにはーちゃんが!?(くぅ疲)
なんかことあるごとに出くわすはーちゃんですが、ここであったが百年目。折角なのでたまちゃんと遊んでおいてもらいましょう。
燎原くんは別ゲーで遊びます。実はここ、スペースの隅にミニゲームコーナーがあり、そこでTRPGで遊ぶことが出来るんですね。アナログゲーム制作にオリジナルシナリオの持ち込みという抜け穴で参加するとは……やりますねぇ!
今回のTRPGはクトゥルフでした。ソードワールドかクトゥルフかシノビガミのどれかからランダムで選ばれるので、まあこれも運です。
ふん……私のダイス運に勝てるかな?
いざ──勝負ッッッ!!
──ぐわああああああ!!!(ファンブルに次ぐファンブルでPCが死亡する音)
……はい。最終決戦で死にました~(カッチャマ)ので、たまちゃんたちの元に合流します。
なんだかんだと言って色んなゲームを買ったらしく、はーちゃんも門限が迫っているので次はこうはいかねぇぞおぉん!? と捨て台詞を吐いて帰りました。あんたたち本当に仲良いわね。
といったところで翌日の部室を映しながら今回はここまで。ではまた次回、お楽しみに。
──紙袋に幾つかのTRPGシナリオ集を詰めて帰路を歩く俺に、歌夜さんが声をかける。
「犬井くんはなにやってたの?」
「TRPGのオリジナルシナリオを持ち込んでいたサークルで遊んでいました」
「そうなんだ、クリアできた?」
「いえ、最後の最後で何度も
あらら、という歌夜さんの声にかぶりを振る。相も変わらず捨て台詞を吐いて帰った水葉を見送るたまが戻ってきて、歌夜さんとは帰り道が違うからと電車で別れた。
「──それで、たま。新しいゲームの構想は浮かんできたのか?」
「うんっ、帰ったらさっそく色々描くよ」
「それは良かった」
俺と別の、手作りゲームでいっぱいの紙袋を抱えるたまは、そう言って笑う。
昔からアナログゲーム作りが好きだったこの子を見ていると、時折小さい頃の裕美音も思い出すのだが……あの頃はまだ普通だったな。
「いつからああなったんだ……」
「なぁに?」
「いや、なんでもない」
俺の呟きは、電車の音に掻き消された。
──翌日、部室でイヤホンを片耳につけて音楽を聴きながらクロッキー帳に絵を描いていると、関さんと部長の会話がもう片方の耳に届く。
「昨日走ってる弟を録ってて思ったんだけどさ~、やっぱ頑張って走る姿って魅力的に映るんだよな。PVもそういうのを録るべきだろ!」
「はあ。それで新しいMADを作れと」
「素材提供じゃねーよ!!」
どうやら本来は弟を撮影するためのものだったらしいカメラを手に、関さんはそう言った。それからおもむろに、俺の横でゲームの構想を練っているたまを撮影しながら声をかける。
「我がSNS部のイラストレーター・本田珠輝さーん! 新作ゲームの進捗どうですかっ」
「えっ!? ま、まだ描いてる途中ですよ! 関せんぱいのえっち!」
「ええ──っ!?」
俺とお揃いのクロッキー帳を関さんから隠すように閉じるたまの独特の反応に驚きつつ、彼女は続けて俺にカメラを向ける。
「じゃあ、今度はこっちのイラストレーター・犬井燎原さーん、進捗どうですか」
「これは俺も『星屑のインテンツィオーネ後編まだですか』と聞いた方が良いですかね」
「ぐう──っ!!」
反撃されてソファに倒れ込む関さんを見送って、改めて絵に意識を戻す。
ちらりと部長を見たとき、こんな茶番めいた会話を聞いていたのだろう笑みを確認して、俺もまた口許に微笑を作って──シャーペンを片手に、曲に耳を傾けるのだった。