生徒会の魔の手が迫るいつも切迫してるゲームの実況プレイはーじまーるよー。
前回は生徒会に『文化祭で遊べるゲームを作れなかったら部室没収』と無慈悲に言い渡されたところで終わりましたね。今回は受験生向けの見学日の校内から再開です。
燎原くんは来年受験する関あやめの弟こと春馬くんと、その下の弟である信人くんを連れて、たまちゃん共々部室まで案内しています。
しかし部室に居たのは、案の定中二全開でシナリオを書いているIri§先生でした。
前にもこんなのあったな~とデジャヴを覚えつつ、家に一人になるからと連れてきた信人くんに『化粧ケバいから嫌い(無慈悲)』と怖がられているあやめを交えて話を続けます。
春馬くんも絵を描くタイプなのでSNS部に!? といきたいところさんなのですが、姉貴と一緒の部活はアレだし……と好感度の低いときメモ並の理由でイラスト部に流れようとしていました。
あやめがSNS部の良さをアッピルしますが、絶賛制限時間付きでゲーム制作を迫られている部活に入ろうとは思われません。地に足つけた生活って……大事だよね……。
創作は誰にも邪魔されず、自由で、なんというか救われてなきゃあ駄目なんだ……という各方面にぶっ刺さる理由で断られました。
とかなんとか言いつつ、部のポストに入っていたという手紙を渡されます。
先日の件で話があるからという生徒会室からの物で、たまちゃん一人で来るようにとの事でした。なので……燎原くんも行きます。*1
あやめは弟たちを預かろうとしますが信人くんがIri§モードのあやめを警戒しているので、この子も連れていきましょう。なあに生徒じゃないからセーフセーフ。燎原くん? いやあその……たまちゃんの保護者だから多少はね?
生徒会室のインターホンを鳴らすと、時間差でおもちゃの矢が飛んで来るのでキャッチしておきましょう。幕末で鍛えた反射神経を食らえ! 二指真空把ァ!!*2
投げ返した矢が室内のマリカの額にヒットしたのは特に意味はありません。
そんなこんなで生徒会室へ。中には清水マリカの他にもう一人、生徒会第2書記の
燎原くんは髪型の一致などで普通に気づいていますね。うわスゲェ顔してる。
席に座った我々に、智亜は百武照の写真を見せてきます。まるで尋問みたいだぁ……。
智亜いわく、照は『学校生活でしか出来ないことを』と宣って目についた部に入部しては数週間で退部──というのを高3の夏までの5年半繰り返していたらしいです。
入退部の届け出が杜撰なせいで、書類によって所属している部活が違うため、事実確認で何度も煮え湯を飲まされていたそうな。*3
……それはそれとして、百武照がコネで入手した部室は今のSNS部には過ぎたものでは? そもそも同人制作なんて家でも出来るのでは? というか前回のゲームも自宅で作りましたよね? と、しれっと我々のゲームを買っておきながら正論を叩きつけてきます。ロジハラやめろ。
とは言いつつも、智亜にとっては今回の一件はあくまでも百武照のもたらした部室を使い続けるだけの価値がSNS部にあるのかの確認なので、どちらにせよたまちゃんと燎原くんの頑張り次第なんですね。そんな智亜は、二人にゲーム制作が嫌になったらイラスト部にいいよ! こいよ! と勧誘してきます。
それでは、たまちゃんが反発して信人くんと共に生徒会室を出ていったところで今回はここまで。次回、進路に悩む藤川歌夜。お楽しみに。
──槍居書記の誘いを断り、珍しくやや怒りながら信人を連れて生徒会室を出ていったたまを見送って、小さくため息をついた。
「……あまりあの子をからかわないでやってくれますか、編集長?」
「おや、犬井様は覚えていましたか」
「様付け……ええまあ、たまは気付いていないでしょうが」
槍居さんはすっとぼけた表情で小さく笑うが、その瞳は情熱が燃え盛っている。
「本田様の絵が素敵なのは事実ですから。断られた以上、今は引いておきますが、私は諦めませんよ。それに……貴方もですよ」
「俺が、ですか。はて」
相手に合わせて俺もまた、とぼけた様子を演じて返すと、彼女はくつくつと喉を鳴らす。
「犬井様も本田様も、百武照の急ごしらえの部でその才能を眠らせておくのは惜しい。どうです? 本田様にはゲーム制作を、そして貴方はイラスト部で活動する……というのは」
「──なるほど。確かに、ゲーム制作にイラスト担当なんて二人も要らないでしょう」
「そうでしょう? なにも裏切れだなんて言うつもりはありません、うちの部員がそちらで共同制作をしたように、犬井様はこちらで活動しつつ、余裕があるときに向こうを手伝えばいい」
にこりと、槍居さんは笑う。しかして、俺は、
「……残念ですが、お断りします」
「──そうですか。理由を聞いても?」
「そうですね……俺としては、
「────」
会釈して、踵を返す。いまだに額に先端が吸盤の矢が刺さっている清水を一瞥して、俺は生徒会室の中から廊下へと出ていった。
「──ふ、ふふ。看破されていましたか。なるほど、なるほど。百武照なんて関係なく、もっと情熱的に行くべきでしたね」
「オーウ、略奪愛デスねー!」
「全然違いますが…………」
閉めた扉の奥でそんな会話をしていたことを、当然として、俺は知らない。