闇を攻略する下準備の下準備の下準備をするゲームの実況プレイはーじまーるよー。
前回はたまちゃんと燎原くんがSNS部に入部するところで終わりましたね。
今回は帰宅したところから再開です。明日は部室に向かうので、手土産のお菓子を用意しておきましょう。女所帯への甘味は好感度稼ぎに最適なので忘れないようにしよう!(ゆうさく)
では親父殿と適当に会話をしたりしつつ、翌日まで倍速。──はい、朝ですね。それではたまちゃんと裕美音が来るのを待ってから昨日用意したお菓子を鞄に突っ込んで、いざ学校へ。
中身は部室まで秘密です。
んだらば部活の時間まで倍速──と行きたいところですが、正直に言ってしまうと実況の内容的に授業風景は完全に邪魔なのでバッサリカットします。RTAじゃないからまあ、多少はね?
原作通り故に話の一つ一つが短いので、私の実況もカットあり倍速ありでサクサク更新していきたいと思っております。
──なんというかこう、昔のバラエティのせーのでジャンプするとロケ地にワープしてるカット方法的なやつで部室前にやってきました。
部室に集まっている三人と合流し、自己紹介をしましょう。俺が原作クラッシャーで、こいつが超大型新人ってやつだ(進撃のまほう)
燎原くんのお菓子と同じく持ち込んでいたたまちゃんの金平を食べながら、今度は先輩組の自己紹介を聞きます。
三人は、どういう集まりなんだっけ? んまぁそう……くっそ簡単に言ってしまうと、彼女らは百武照とかいう『人生に絶望したニヒリスト』の青春ごっこに巻き込まれた被害者です。
先ず、後頭部でお団子ヘアーを作っているダウナー系が部長&プログラマの村上椎奈。
常時コミュ障のデバフ持ちで、尚且つ誕生日がクリスマス当日なため、プレゼントを一纏めにされてそうなSNS部の苦労人です。*1
次いで、金髪ツインテールのちょっと軽そうな雰囲気の子が、DTM研とSNS部で活動しているサウンド担当の藤川歌夜。
若干たらしの気があり、自分の作品を子供と表現するロマンチストな処もあります。*2
最後に、眼鏡をかけた茶髪(アニメでは絵面が地味になるから赤髪っぽくなってる)の子、関あやめ。元文芸部でBLもイケる雑食系ですね。ちなみに元ボクっ娘の中二病だったりします。*3
──(キャラの設定)濃いすか?
これちょっと燎原くんがキャラの濃さで負けてる可能性が110弱ほどありますね。
……とか言っていると、自己紹介も終わり次のゲーム制作をどうするかという話になりました。前回は先代部長のお陰でパズルゲームを作ることが出来ましたが、先代亡き今この部には素人しかおりません。だから、ノベルゲームを作る必要があったんですね。*4
最初のゲーム制作『ノベルゲーム』に必要な各スキルレベルは低いので、特になにもしなくても話自体は進行しますが、後のゲーム制作の為にも今のうちに熟練度を増やしてレベルを上げるのはアリです。というか燎原くんのスキルレベルを上げないといけないのでサボる余裕はないです。
んだらば最後にお菓子を開封して終わりましょうか。中身はアレです、
まあ美味しいからね、しかたないね。といったところで今回はここまで。次回、†星屑のインテンツィオーネ(前編)†。お楽しみに。*5……*6……*7
……コメント欄! 終わりっつってんだろ!
──たま共々SNS部に入ることを決めた日の夜、俺は明日持って行く菓子折りの用意に手間取っていた。仕方なく適当な未開封の菓子を台所に出しておくと、居間に戻った際偶然部屋から出てきていた親父と鉢合わせる。
「燎原。明日はさっそく部活なのかな?」
「ああ。SNS……同人ゲーム制作部だ」
「ほう……成る程、素人同士の合作だね」
「言ってしまえばそうなる」
会話をしながらテーブルを挟んで向き合うように座り、話を続ける。
「親父、進捗はどうだ?」
「まあ……ぼちぼちだね。しかし、ゲーム制作ということはデジタルなのだろう?」
「そうだな。……母さんが使わなくなったノートPCを借りてもいいだろうか」
「ああいいとも。僕の方から言っておくから、勝手に持っていっていいよ」
「助かる」
……あとは、何年も前に仕舞ったペンタブを引っ張り出さないとな。たまの分も用意するべきだが、そこまで甘やかすのは違うか。
そう思考を回している俺の顔を見て、親父は愉快そうに口角を緩めていた。
「なんだ」
「いいや、楽しそうだなあと思ってね。ほら、中学の頃はいつも仏頂面だったじゃないか。少なくとも楽しそうではなかっただろう」
「……あの頃は
「──そうか。ごめん」
俺の言葉の含みを理解したのだろう、場都合が悪そうに謝罪をされる。
「親父が悪いのではない。俺が、そっち方面の期待をされたくないだけだ」
──将来は
そう聞かれるのが不快で仕方がないのは、ひとえに勝手に期待されたくないからである。きっと、申し訳なさから来ているのだろう。
俺は、親父にも、母さんにもなれない。
「……親父はもう一度ミュージシャンになろうと思ったことはあるのか?」
「そうだねぇ……仮にまたギターを握る機会を与えられたとしても、考えて考えて考えて、結局その道には行かないんじゃないかな」
「何故? 親父は俺くらいの時にプロを目指していたと母さんから聞いたが」
ううん、と悩むような声を漏らすと、親父は一拍置いて続けた。
「趣味も夢も特技も、どう頑張っても最後の後押しに才能が必要だからね。僕にはミュージシャンの夢はあっても、ギターで人の心を動かせるだけの才能がなかったんだ」
「……それにしては、執筆に行き詰まると縁側で演奏するだろう。夜中に鳴らすと近所の七不思議に数えられるからやめてくれないか」
「それについては申し訳ない。……まあでも、才能がないからやめるにしても、それでもやっぱり、憧れることだけはやめられないんだ」
──だから、やめたけど、忘れない。親父はそう言って満足気に笑う。
……憧れ、か。成る程確かに、俺は小説家にも映画監督にもなりたいとは思わないが、両親の仕事という意味では尊敬の念を抱いている。
それから、親父は席を立って隣の書斎兼自室の襖を開けてから声を出す。
「僕は仕事に戻るけど、燎原は早く寝なさい。明日に響けば部の方々に迷惑だよ」
「わかっている。お休み」
続けて俺自身も部屋に戻り布団を広げ、さっさと眠りに就く。
その日見た夢は幼少期のたまと俺の夢だったが、何をしているかは思い出せなかった。
──翌日、SNS部の部室に訪れた俺とたまは手土産を片手に簡潔に挨拶をした。
「1年、本田珠輝です! ゲームも絵も未熟ですが、よろしくお願いします!」
「同じく1年、犬井燎原。趣味は筋トレと絵、あとは親父の趣味もあって音楽を少々」
「へぇー、君は作る方? 聞く方?」
「後者です」
先日の音担当、藤川さんが俺の自己紹介に反応した。その後はたまが作ったらしいきんぴらを食べながら、案内された椅子に座って傍らに菓子を入れた紙袋を置いておく。
「それでは改めて、2年で部長の村上です。こちらは部活PRの前日の夜中に隠しボスを作ろうなどと宣ったシナリオ担当の関です」
「夜中に隠しボスを作ろうとか言った2年でシナリオ担当の関あやめです……」
「突発的な提案は常識的な時間帯にするべきかと思われます」
「その通りです……」
眼鏡の少女──関さんは正論の前に項垂れ、その隣の藤川さんが口を開く。
「昨日も言ったっけ。同じく2年でBGMと効果音担当の藤川歌夜です」
「よろしくお願いしますっ」
「……そんで犬井くん、お父さんの趣味ってことは、職業はミュージシャンとか?」
「いえ、学生時代に下手の横好きで齧っていた程度らしく、今は別の仕事を」
「──ふぅん」
藤川さんは昨日と同じように暗い表情を一瞬だけ見せる。やはり、彼女は音楽に並々ならぬ情熱を向けているようだった。理由はどうあれ、音楽を投げ出した人を快く思わないのだろう。
……それが誰に対する感情なのかは、まだ聞かない方が良さそうだ。
「それでは自己紹介も程々に、今後の予定について話したいと思います。
昨年は創設者の先代部長の牽引でなんとかパズルゲームを一本作れましたが、あの人が居ない今、私たちは素人同然なので小さい企画からステップアップを図ろうかと──」
部長がそう言っている横で、関さんが鞄から紙の束──企画書を取り出して会話を遮りつつ力強く声を荒らげた。
「──今日のために新しいシナリオ考えといたから、SNS部の次回作の
「……リーダー? あやが?」
「なんか無理してない? 平気?」
「そこまで言うか…………?」
関さんから渡された企画書を回し読みして、内容を把握する。いわゆるノベルゲーム……小説のように文字を読んで進めるゲームだ。
「音楽はパズルゲームの方からアレンジすればそれっぽいかも?」
「なんだかワクワクするね!」
「そうだが……他人事のように言うな」
「へっ?」
「ノベルゲームですから、絵は当然としてお二人の仕事ですよ」
そう言われて、ようやくたまはハッとした様子ですっとんきょうな声をあげる。
「あっ……そ、そうでした……絵はパソコンで描くんですよね、やっぱり……」
「はい。ですが、無理そうなら無理で、やらなくてもいいんですよ」
「──っ」
「本田さんと犬井さんにはキャラの立ち絵・差分・画面デザイン・一枚絵・エトセトラ。そういった制作を任されることになるし、集団制作だから〆切だってあります」
気だるげながらもその言葉は真剣そのもので、気圧されて後ろ手に俺の手を握るたまの指を掴みながらも、部長の目を見て思考する。
不安なのだろう、彼女には今年から部長を任せられ、俺たちを纏める責任がある。
途中で投げ出されるよりは、最初からやらないと言われる方が全員を纏める立場上楽なのだ。しかしそれでも、この部に入ると言ったのはたまで、それに着いていくことを決めたのは俺だ。
安心させるように俺の手を掴むたまの手の甲を指で撫でると、ぐっと堪えて力強く言う。
「私──やり遂げてみせます!」
その言葉にどこかホッとしたような顔をする部長たちを見て、俺もまた、たまに向けて笑みを作った。それから解散することになり資料としてゲームを受け取り、最後に菓子を出す。
「ところで犬井さん、それは」
「みんなでどうぞ。大判焼きです」
「あー、今川焼きだ」
「えっ、回転焼きじゃないの?」
「……御座候では?」
──は? という声が同時に重なる。
やはりこうなるか、と考えて、机に広げたそれを奪い取って淡々と言う。
「不毛な論争をするつもりなら俺とたまで全部食べますよ。紙に大判焼きと書かれているんだからこれは大判焼きです。いいですね」
「……はーい」
甘いものをちらつかせ、占領するぞと脅す。
わかりやすい飴と鞭に手のひらを返す彼女たちはやはり子供である事に変わりはないのだなと、部長たち先輩組を見ながら呆れたような顔をして、俺は部室の片隅でため息をついたのだった。