STAGE 5-1
最速で終わるChapterが開幕したゲームの実況プレイはーじまーるよー。
前回は新作ゲームの作曲を改めて歌夜にお願いしたところで終わりましたね
今回からChapter5、原作もゲーム版もここらが折り返し地点なので気合いを入れましょう。
ちなみにですが、Chapter5は原作通りに進むため、ほんの数partで終わります。
その理由は数part分の尺に、たまちゃんが入部する前すなわち百武照が暴れまわっていた頃のSNS部の過去編『SNS部の新作落ちました』が挿入されているからですね。
RTAではないので流しても良いんですが、燎原くんが出ないのでカットとなります。気になるやつは原作買って、読め!(ドゲンジャーズ)
そんなわけで部室から続きます。珍しく関あやめと二人で部室にやって来た燎原くんは、ヘッドフォンを装備して椅子に三角座りしてパソコンに向き合う歌夜を発見しました。
相変わらずスゲェ形相で作曲をしている歌夜を見てあやめも感心していますが、その実彼女は音が浮かばねえ! と焦ってました。椅子ごと背中から床に倒れた歌夜は、昨日寝てないから横になると意識飛びそうと言っています。
目が覚めたら姉が音楽をやってた頃に戻らねえかな~となっている歌夜が、おもむろに『私、小学生になる』とか宣いました。*1……*2
歌夜の精神が遂に限界になって燎原くんにバブみを感じてるのかと疑われるでしょうが、むしろ一周回って平常運転ですね(適当)
あくまで小学生のフリだよとは言うものの、小学生……小学生ってなんだ?
……と哲学的な話になりつつも、あやめは小学生である弟たちが将来の夢を問うアンケート用紙を持っていたのを思い出して『大きくなったらおはなやさんになりたいです!』と一発芸。
歌夜は大爆笑、燎原くんも一文字に閉じた口の端が微妙に痙攣しています。大ウケですよ。
ちなみに私の小さい頃の夢はパトカーでした。トランスフォーマーかなんか?
小学生のノリも分かってきたぜ、テンション上がるなァ~となってきた歌夜は、燎原くんの家に遊びに行こうと提案します。原作ではあやめ宅に向かう話ですが、燎原くんへの好感度が高いから選択肢が分岐したみたいですね。
なんだかんだとあやめも着いてきたので、三人で犬井宅にて去年のSNS部で作ったいつぞやのパズルゲームを起動、負けたら交代のルールで数回プレイしました。
燎原くんは案の定
ゲームを終わらせると、そういえば歌夜とあやめの門限とかどうなってるんだ? という話題に移りました。歌夜のところは姉妹の時点で色々とアレなのもありますが、わりと放任主義らしくその辺は気にしなくていいとのこと。
じゃあついでに晩飯作るの手伝ってくれよん……と歌夜に問いますが、小学生だから難しいことわかんな~い☆と返されます。ええい都合良く年齢を操作するんじゃありません。
ほいじゃあ買い物に行きますよーいくいく。今回はお客が二人いるので、原作通りにオムライスでも作りましょうか。
──スーパーで三人で会話をしながら材料をカゴに放り込む傍らで、料理とかしないだろう歌夜にお使いとかしないのかと問いますが……まあしないでしょうね。この人、基本的に家では勉強するか作曲してるかのどちらかなので。
逆に弟も居て人並みに料理が出来るあやめは家庭的ですね。ステまのメインキャラ組で一番普通の家庭環境なだけはあります。*4
そんなこんなで材料を買って帰宅、台所で歌夜に食材を切ってもらっていますが、玉ねぎのみじん切りで手が止まっています。
仕方がないので卵を割ってもらおうと思いましたが……何故か卵と殻がぐちゃぐちゃです(QVC福島)。じゃあ何なら出来るんだよ。
──まあ、某桃色魔法少女みたいに卵を割るだけで鮮やかに発光させるわけじゃないだけマシですね。紆余曲折を経て、数個の卵を犠牲に人数分のオムライスが出来たので居間のテーブルに並べましょう。親父殿は相変わらず執筆作業中なので部屋に運んでおきます。
などといったところで今回はここまで。次回、池谷乃々と収録。お楽しみに。
──歌夜と関さんが浴室から出てくる音を聞いて、俺は洗い終わった皿を拭う作業を切り上げる。パジャマに身を包む二人の為にと、冷蔵庫から買い置きのスポーツドリンクを取り出して蓋を開けてコップに半分ずつ注ぐ。
「どうぞ、風呂上がりと暖房も相まって汗が出ているでしょう」
「おっ、ありがと犬井さん」
「いやー……三人は入れそうな檜風呂なんて初めて入ったかも」
「……それで、歌夜と関さんは、今日のところは泊まっていくんですよね?」
コップの中身を一息で呷った二人は、頷いてから俺に言葉を返す。
「燎原くんがこないだうちに泊まったんだし、じゃあ私も泊まっちゃおうかなって」
「この流れで私だけ帰るのも仲間外れ感あるし……家にも連絡したから大丈夫だよ。というかなんで女物のパジャマと下着があるのさ」
「たまや裕美音が昔からよく泊まりに来るので、二人の為の着替えを揃えてあるんです」
「あー、本田さんと布田さんって幼馴染なんだっけ。仲良いよな~三人とも」
そうですね──と言って二人の顔を思い出す。今日は珍しく一緒にいる時間を取れなかったが、小さい頃はずっとベッタリだったな。
「昔から、たまなんかは週末にほぼ必ず泊まりに来てましたね。あの風呂も、当時は『足が底に付かなくて怖いから』……と言って必ず一緒に入っていました」
「……マジ?」
「はい。確か小学校を卒業するまで」
……冷静に考えて、幼馴染とはいえ女子と風呂に入っていたのはどうなんだろうか。誤魔化すように話題を切って、俺は二人の座る居間で、テレビの音を聞きながらイラスト作業を続けた。
ふと、俺の顔を見てボーッとしている歌夜と目があって、おもむろに口を開く。
「……歌夜? どうした」
「え?」
「俺の顔に何か付いているか」
「あー、いや。自分の家だとすぐ部屋に籠っちゃうから
「……ああ、姉と喧嘩中だったな。それは確かに、そちらの家では気まずいだろう」
お姉さんとの喧嘩も四年以上、今さら仲直り出来るならここまで拗れてはいまい。
「──おっ。犬井さん、この本なに?」
「それは──音楽……曲を書くためのものと映画などにおける脚本の書き方の本ですね」
「────へえ、燎原くんも二足のわらじをやっちゃう感じ?」
「俺
テレビの近くに置かれたゲーム機の傍に並べられていた本を見つけた関さんの手に、数冊の本が握られている。内容を説明すると、歌夜の声が低くなった。……いかんな、地雷だったか。
「部の設立者……照先輩がそんな人だったんだよ。『広く浅く』とか言って、自分の限界を見限るのが早かった……そういう感じ」
「なるほど……あの軽快な雰囲気からして
「言いそうってか言ってたよなぁ」
関さんが呆れたような物言いで締める。照さんがいかに浮気性──いや、飽き性か──とはいえ、俺も浅く学ぼうとは思っていない。
「俺は、絵だけでどこまで行けるかの限界を試すほど酔狂では無いですからね。
選択肢は増やしておきたいんですよ、音やシナリオ担当のお二人は、俺たちよりも早く部を卒業してしまうでしょう?」
「ああ、まあ……そっか。プログラム担当の
「だからって、燎原くんがあれもこれもなんてやる必要ないでしょ。今は絵に専念したら?」
「……流石に絵を優先しますよ。当然、二足のわらじにならないように、ゲーム制作に使える一定以上には仕上げるつもりではありますが」
そう言って、俺は関さんから本を受け取って自室に戻しに行く。
──仮に俺がイラストに加えてサウンドとシナリオを兼業するとして、プログラムは誰に頼めばいいのだろうかと、ふとそんなことを考えた。
──藤川歌夜は、夢を見ていた。
『あれ……っ! 姉さん、何処に行くの?』
ふわふわとした夢特有の世界で、奥へと消えて行く姉──藤川奏を追いかけようとして、その場に置かれているギターを持っていこうとする。
『ギター置いてっちゃうの?』
重いそれを持ち上げようとする幼い歌夜に対して、奏の声が空間に響いた。
『やめなさい、持ってきたって私は弾かないわよ。……打ち込みで音楽を作るのってさ、音源が同じなら同じ音を出せるってことでしょう? ねえ、歌夜。そうして出来た作品を「自分の子」とかいって扱うのってどうなの?』
『っ、や……めろ、やめて……』
夢という名の
『──大丈夫? ふよんちゃん』
『……照先輩』
──すると今度は、
『上手く作れないなら、いっそのこと諦めちゃえばいいじゃん』
『……駄目だ、私がそんなことをしたら……』
『じゃあ、ずっとこのまま?』
百武照は笑う。形が崩れ、黒くドロリとした、猫のような化物に姿を変えて、尚も笑う。
『藤川歌夜は現状の自分に一生満足できないまま、もう絶対に届かない姉の音楽を想い続けてて死んでしまいましたとさ。こりゃ愉快!』
──やめろ……っ」
「歌夜。大丈夫か?」
「……、っ、んぇ……?」
「おーい藤川さん、水飲みなよ」
魘されていた歌夜は、まぶたを開けると、視界に心配そうに自分を見下ろす燎原を見た。
台所から戻ってきたあやめから渡されたコップの水を飲むと、歌夜は居間に敷かれた布団の上に座る。暗い部屋で点けられたテレビでは、あやめがリアルタイムで見たがっていたアニメが流れていた。そこで、そういえばと思い出す。
「……あー、関さんと燎原くんがアニメ見るって言って、私だけ先に寝たんだっけ」
「ごめん、テレビの音大きかった?」
「いや、そうじゃないんだけど……」
──あれ、と呟いて、歌夜は起きた理由を思い出そうとするが、気付いたときには夢の内容をすっかり忘れていた。だが、漠然とした
「……歌夜、まだ起きてようか」
「燎原くん……?」
「寝たくないんだろう。なら、自然と眠くなるまで、三人でアニメでも見ていよう」
「まっ、そうだな。今日の話は初見でも楽しめるだろうし、面白いと思うぜ?」
燎原の言葉と歌夜の態度で察したのだろう、あやめはそう言うと、燎原と二人で挟むように歌夜を間に置いて畳に座る。そのあと改めて眠りに就いた歌夜だが、どうやら、二度も悪夢を見ることはなかったらしい。
──後日、部室で歌夜からの言葉を聞いたあやめと燎原は驚いたように眉を潜めた。
「歌夜と照さんは、喧嘩していたのか」
「喧嘩というか……うん、まあ、色々言ったり言われたりっていうか」
「あー、確かに私がお前なら怒る気持ちはわかるかも。『広く浅く、でもちょっと深めにぐらいが人生楽だよ!』とか言ってたよな」
「そんなことを言ってたのか……」
照さんについての知らない話がどんどん出てくるな、と燎原は苦笑をこぼした。それから不意に、部室のホワイトボードに書かれた大まかな予定を見て歌夜に言う。
「それはともかく、曲作り頑張らなきゃなー」
「……歌夜、ボードを見る限り、予定の〆切は昨日だぞ。一曲仕上げると書いてあるが」
「──Singna先輩っ!」
その言葉に追従するように、部室に入ってきた池谷乃々が声を荒らげながら入ってくる。
「うおっ、池谷ちゃん!?」
「たまき先輩からスケジュール管理役を代わったんです! というわけで早速……えーっと、『先輩! 〆切過ぎてますよ!!』」
「……それマニュアルかよ」
あやめにツッコミを入れられながらも、乃々が手元のノートに書かれている通りの質問を飛ばすと、歌夜は一拍置いて誤魔化した。
「…………小学生だからわかんな~い☆」
「歌夜、流石に無理があるぞ」