Chapterが短すぎるけどキャラの濃さは変わらないゲームの実況プレイはーじまーるよー。
前回はあやめと歌夜が泊まりに来たところで終わりましたね。今回は翌日、学校の廊下で始まるイベントから再開です。
SNS部の声担当こと池谷乃々にアフレコしてもらう原稿が完成したらしく、燎原くんとたまちゃんは、あやめからノートを受け取りました。
データで送ればええやんとマジレスするも、恥ずかしいからと断られます。なんで?
しょうがないにゃあ……と了承し、二人で乃々を探しにいきましょう。
中学の棟に向かい、クラスメートに何処に居るかを聞くと、どうやら職員室に居るそう。
クラスメートの子達は成績の良い池谷さんが放課後も復習を欠かさないなんてサスガダァ……と賞賛していますね。彼女が優等生気取りでその実アホだとはまだ気づいていないようです。
んだらば職員室に向かいます。ちょうど中から廊下に出てきた乃々を発見しますが、その顔は渋くなっていました。案の定点数が酷かったんでしょうね、残念ながら君を救う方法は無い。
……と思っていたら、乃々はおもむろにスマホを取り出して何かを見ると逆に笑顔になっています。これは……SNSでファンからのリプを見ておるな? 承認欲求モンスター……!(戦慄)
ちなみにSNSの内容は、人気生主でもある乃々に動画サイトでランキング上位の曲を歌ってほしいというものでした。
それでは返信のリプを入力中の乃々に近づいて挨拶しましょう。オッハ──!!(爆音)
ちょっと熱いんじゃないこんなとこで~! と接近すると、乃々はキャルルン☆(死語)とした余所行きの声で反応してきます。
すると、その拍子に取り消ししようとしたリプを送信してしまったようです。『歌ってみた』の収録をしようにも家に親がいるらしく、もう既に返信が来ていました。
うわあこれは大変ですね。じゃあ俺、ギャラ貰って帰るから……と離脱しようとしたら、乃々に掴まれて引っ張られていきました。言ったことが嘘にならないように、今から収録するとのことで、いつぞやの優待券を取り出しています。
──着くゥ~(倍速)
音楽練習室にやってきた燎原くんたちは、乃々がこんな行動に出た理由を聞きます。
リプしたの一人だけだしまた今度に訂正すれば? と話しますが、承認欲求モンスターとしては楽しみにしているファンのためであり、
ちなみに『恋詩露咲るるな』というのは生主兼投稿者である池谷乃々のハンドルネームです。すげぇネーミングセンスですね。
早速と録音……といきたい所さんでしたが、唐突な行動だったせいで録音機材を忘れていますね。はいガバ、再走しろ。*1……*2
機材をSNS部から借りてこようと、部屋を出ていった乃々が練習室の鍵を閉めていったから出られないしやることもないので、あやめが渡してきた原稿でも読んでましょう。
原稿自体はイベントの進行でたまちゃんが読み始めるアイテムですが、その前に自分で読むと【シナリオ】の熟練度が上がるからですね。
そろそろ、百武照攻略の為のスキルレベル上げも真面目にやらないといけません。
『3つ以上のスキルを2以上に上げつつ数値を揃える』という面倒にも程がある条件が存在しているため、メインの【イラスト】に伴い【サウンド】と【シナリオ】の熟練度上げをしているのが現状……というのはご存じでしょう。*3……*4
──それはともかく、関あやめのご用意した原稿を拝見しましょう。内容はちょっと過激な同人ゲーム特有の台詞とかが多いですね。
深夜のノリで書くとエロに寄りがちになるから気を付けてってお母さん言ったでしょ。
少し過激すぎ……三点、と評価しつつ、これは不味いですよ! とあやめに電話を入れるたまちゃんを横目に原稿を読み進めて【シナリオ】の熟練度稼ぎに利用します。
暫くすると音楽練習室の外で瀕死の重傷を負っている溶けたあやめを跨いで乃々が入ってくるので、録音の光景を後ろで見ていましょう。
なんかやたらとくねくねしたり息を入れてるのは見ているこっちが恥ずかしいですが、需要に応えるための努力は素晴らしいと思います。
などといったところで関あやめが黒歴史量産して死にかけているので今回はここまで。次回、久しぶりにあの子が登場。お楽しみに。
──池谷の収録が終わり、妙な疲れが押し寄せてくる。大衆に聞かせる歌というのはああも……媚びた声色なのかと、少しばかり驚いた。
「今日はありがとうございました~!」
「ど、どういたしまして……」
俺と同じように、たまがげっそりとした顔をして返していた。そうそう慣れない事だ、たまの疲労は恐らく俺よりも酷いだろう。
「池谷、関さんからの預かりものだ」
「わっ、ゲーム用の原稿ですね? おうちでゆっくり読みますっ」
受け取った原稿を鞄に入れる池谷は、どこか誇らしげな表情をしている。
これから家に帰ったら、今日収録した曲をアップロードするのだろう。
小走りで廊下を駆けていった彼女の背中を見届けて、俺はたまに口を開く。
「こっ恥ずかしい録音風景だったが、俺たちには出来ないことを池谷は出来る。それは……素晴らしいことだと思う。なあ、たま?」
「うんっ、そうだね。ちょっと聞いてて恥ずかしかったけど、歌も凄く上手いし……ん?」
俺を見て笑いかけるたまは、ふと背後に振り返るとすっとんきょうな悲鳴をあげた。
「うわ──っ!? ナメクジ!?」
「……おちつけたま、これは関さんだ」
「…………うう……も、物書きの……端くれとして……か、書き直させてくれ……」
「おいたわしや関さん」
「ヴッ」
原稿を読んだところ、明らかに夜中のテンションで書かれた台詞が多々見受けられた。
あとになって恥が勝ってこうなったのだろう、そのまま溶けたように力無くノロノロと帰って行く関さんは、どこか哀れに思う。
……だが、仮に映画監督の母さんが添削したら理詰めで論破されてボロクソに言われていたのだろうと考えると、ある意味で関さんは運が良かったのかもしれない。
──夜、音楽を聴きながら小説を読んでいた俺は、池谷のハンドルネームを思い出した。
「……確か、恋詩露咲るるな、だったか」
凄い名前だな……と呟きながら、傍らのノートPCを開いて動画サイトで検索をかける。
すると、本人のアカウントらしいチャンネルのコミュニティで、ちょうど生配信を行っていた。好奇心からそのまま配信を読み込むと、画面にほんの数時間前に見た池谷が映った。
【そういえばですね~、最近同人ゲームサークルにお邪魔してまして、これが台本ですっ!】
「……あ」
【でも、書き直したいから明日返してって言われてまして。読まずに返すのも勿体無いので、今からアテレコしたいと思います!】
「…………むごい」
ここまで来れば、もう俺に止める手段は無い。これから起こる遠回しの関さんへの公開処刑を、俺は眺めることしか出来なかった。
──池谷のアテレコ自体は普通に上手かった、とだけ言っておく。