Chapter5ラストの実況プレイはーじまーるよー。終わるの早い……早くない?
前回は関あやめがまた黒歴史を製造して致命傷を負ったところで終わりましたね。今回はあの一件から後日の期末テスト後から再開です。
ウキウキで掃除中のたまちゃんに、飯野家の堅物の方こと飯野夏が話しかけています。
曰く、たまちゃんのパパが今週は早く帰ってくるようで、それで気分がいいらしいです。
夏も近所の野良猫が遊びに来ていると撮った写真をたまちゃんに見せていました。
すると今度は、二人は廊下を掃除している燎原くんとはーちゃんに矛先をこちらに向けてきます。ウワ──ッ!! うっとうしい!
気色悪いのよ! と一蹴したはーちゃんは行くところがあるからとその場をあとにしましたが、燎原くんは夏とたまちゃんに取っ捕まります。やめろぉナイスゥ!
──あっあっあーっネコチャン可愛いネコチャンあっあーっスーッあーっネコチャンネコチャンあーっ……*1
…………はい(賢者モード)。
30分くらい延々パパと猫の話しかされてないのでカット。RTAじゃないから倍速&カットも許される。そう、実況プレイならね。
そんなわけで部室へ。期末も終わったし制作に本腰入れちゃうゾ、と気合いを入れていると、部室の前で乃々が立ち往生していました。
入りづらそうにしている乃々は、部室の中を覗いています。中にはいつものえげつねえ形相で作業している歌夜と…………まるではーちゃんみたいな子が何故かおめかししていました。そして廊下の奥からこちらを見ている部長。
ストーカーをストーカーしているような光景ですが、ようやくコミュニケーション取れる人がやってきたからか近寄ってきましたね。
仕方がないのでたまちゃんと燎原くんで対応しましょう。
ちょっと熱いんじゃないこんなとこでぇ~! とカチコミすると、はーちゃんはIri§先生を待つついでにイメチェンしていたみたいですね。
ちなみにIri§先生は部室にはーちゃんが居るから来ません(無慈悲)
おめかししたりたまちゃんのスケブに赤ペンしたりと忙しないはーちゃんは、次に乃々の期末の予習に先生が来るまでと付き合っています。
この世話したがりな辺りは根っこの良さゆえなんでしょうが、ちなみにIri§先生は部室にはーちゃんが居るから来ません(二度目)
燎原くんもイラストの仕事をしつつ乃々の勉強に口出ししていると、デジタル制作の件で部長と話をしているたまちゃんを感心したように見ているはーちゃんが後方師匠面で成長したわね、本田珠輝……と呟いています。*2
はーちゃんも昔こういうのを作ってたなと懐かしみ、気になるならと部長もたまちゃんのタスクを宛がおうとします。
……が、はーちゃんはたまちゃんのクリエイティビティを鍛えたいから仕事は手伝わないとのこと。君もう帰っていいよ!(戦力外通告)
ともあれ、あわよくばIri§先生の今回のゲーム制作におけるシナリオを出来てる分だけでも読めればと思っていたはーちゃんは、中々来ないIri§先生が試練を与えているのでは!? という結論に思い至ります。
……Iri§の人そこまで考えてないと思うよ。
──だからってあちこちに移動してんじゃねえ! ウワ──ッ!! うっとうしい!
なのでこうして企画書をそれとなく見える位置にスライドさせる。
Iri§先生のストーリーに感銘を受けたはーちゃんがまるでスケートリンクを踊るように熱いパッションをスケッチしている光景を見ながら、短いですが今回はここまで。
Chapter5は次回のAfterで終わります。
Chapter6で会いましょう、ではまた。
──水葉の情熱的なスケッチに採点をした直後、彼女の絵を背景に使えないかと提案する部長に、水葉は照れ隠し気味に言葉を返す。
「ふんっ、別に本田珠輝と犬井燎原の手助けをしたわけじゃないわ。Iri§先生の手助けになればと思っただけなんだからね」
「ツンデレだ……」
「わかりやすいな」
俺と池谷が小声でそう呟き、水葉が絵をスケッチブックから切り離してたまに様子を見守る。それから彼女は、俺たちが目標とする1000DL達成に尽力してみろと発破をかけて出ていった。
「……あ、嵐みたいな人でしたね」
「会った当初からあんな感じだ」
結局Iri§先生……もとい関さんには会えずじまいだったが、まあ、このままだとまた門限を破ることになってしまうからな。
「1000DL、本当に出来るのかなぁ」
「大丈夫ですよたまき先輩っ、私がコスプレ売り子してビラとか配りますから!」
「た、頼もしすぎる……」
そう言いたいわけではないのだが、しかしやる気があるのはいいことだろう。
ノートPCを閉じてペンタブごと鞄に入れると、自分の机で作業していた、今まで会話に混ざっていなかった歌夜がおもむろに声をかけてきた。
「──そんぐらいダウンロードしてくれたら良いよね、っていう緩い目標なだけだよ」
「聞いていたのか」
「んー、まあね」
席を立ちながら体を伸ばす歌夜は、そのままの動きで池谷の肩に腕を回す。
「池谷ちゃ~ん、主題歌入れようと思ってデモ作ったからさ。帰りながら方向性についてお話ししよっかぁ!」
「え゛っ、ふ、二人でですか……」
少しばかり嫌そうな池谷だが、歌夜と二人きりが精神的にキツいのはわからないでもない。
だが、着いていこうかと提案する前に、歌夜は池谷を連れて部室を出ていってしまった。
「忙しない奴ばかりだな」
「……でも、冷静に考えて目標ダウンロード数1000はヤバイと思うんです、私」
「それはまあ、はい」
たかが高校生の部活での自主制作ゲームを1000人にダウンロードしてもらう、というのは無茶ぶりというレベルの話ではない。
「……だって、ざっと1000もの人に我々のゲームがもて遊ばれるんですよ? 不可解です」
「『もて』を付け足す必要あります?」
いささかネガティブが過ぎる部長の言葉に返しつつ、時間も時間なため、たまと共に部室を出ようと出入口に足を運ぶ。
「じゃあ部長、私とりょーくんは帰りますね」
「では、失礼しま────なんだ……?」
ガチャリと扉を開けた俺は、眼前に誰かが立っていたことに気づいた。──直後、まばゆい輝きに目が眩む。それは、少女の輝き。
「†やあ、待たせたね。迷える子羊ちゃん†」
「うわあ……」
「せ、関先輩……!?」
「……あや、帰ったんじゃなかったの?」
──否、関さんもといIri§先生だった。その格好は制服ではなくなんらかのコスプレで、ご尊顔は関あやめだとばれないようにとワックスとカラコンで変装している。
「†準備に手間取ったけど、君が呼ぶならボクは何時だって駆け付ける†
†Iri§として正を受けた、この星の名の元にね──†……ってあれ、はーちゃん氏は?」
遅れてやってきたIri§先生は、もう既に帰っている水葉を探す。
だが、あまりにも遅すぎた登場に、たまと部長は5.1、1.2と低い採点を下した。
「遅すぎます……」
「あとそのイメチェンは蛇足」
「辛辣!!」
ガーン、と目に見えてショックを受けるIri§先生に、俺もまた採点の札を上げながら言った。
「努力は見えるので次に期待、3.2」
「いや、アプリのレビューかよ」