カウンセラーとしての実力が上がって行くゲームの実況プレイはーじまーるよー。
前回は裕美音を尾行して小学校以来のホモ仲間と交流したところで終わりましたね。
今回は後日の部室から再開です。
珍しくも燎原くんと関あやめの二人きりな部室で、あやめは執筆に苦戦していました。
丸椅子に座りながら器用にブリッジして『語彙力~~~~』と唸る様は見ていて面白いのですが、スカートでやるとパンツ見えますよ。──クソっ! パソコンが邪魔で見えない!
……しゃーない切り替えていけ。飲み物買ってきてやるか! しょうがねえなあ(すっとぼけ)
部室を出て自販機で飲み物を買って戻る途中、黄昏れているたまちゃんを見つけます。
反対からやってきた歌夜とも合流して話しかけると、まるで歌夜がたまにやるような変顔がごとき表情でむすっとしていました。
話を聞くと、どうやら普段はパパに絵を見せると褒めたり撫でてくれたのに、今朝はぽんぽんしかしてくれなかったらしいです。そう……
キミ確かカッコいい大人の女性になりたいとか言ってなかったっけ? となりながらも、追加で二人分のジュースを買って三人で部室に向かいます。ほんま燎原くんは気遣いの達人やでぇ。
そんなんだからSNS部のカウンセラー担当になるんでしょ(辛辣)
──ついでに歌夜も大人の女性には憧れがあり、落ち着いててクールなのが良いのだそう。
そんなことを言いながら部室に入ると、中ではあやめが謎のCDプレーヤーとディスクを持っており──歌夜は勝ち取りたい物も無さそうな勢いであやめに迫って奪い取りました。*1
むぎゃおー! と暴れそうな歌夜をソファに(優しく)ぶん投げつつ、あやめからCDプレーヤーの出所を聞きましょう。曰く、部室に置いていたあやめの
あやめの持っていた家族に見せられない闇の書も気になりますが、ここはお互いに詮索しないという事で話は終わりました。……今日は外でメロディを考えると言って出て行った歌夜はプレーヤーを置いていきましたが。*2
──試されてる……! 果たして好奇心に負けず聴かないで居られるのか!?
というのはさておき、今日の作業は一枚絵いわゆるスチルの仕事。同人誌入れの紙袋にされていたサミュの呪いが解け、カッコいいおじさまに戻るというたまちゃん担当の作業です。
そしてそのシーンに合わせたシナリオを同時進行で執筆するあやめに、呪いが解けたサミュの露出具合を聞くたまちゃん。
その腹筋のモデルは燎原くんなんじゃないの? 正体見たり! って感じだな。
ちなみにあやめの脚本はちょっとだけ覗いたり出来ます。折角なので読んでみましょう。
【以下イメージ映像】
サミュ『両の足で地を踏み締める……なんと久しぶりの感覚か……』
サ『お嬢(ユミーネ)、此様に傷だらけになってまで……私めの解呪の為に……』
サ『ハハ、本当に、お嬢のお転婆ぶりと来たら……』
サ『不躾ではありますが少々肌寒うございますので、なにか羽織るものなど──』
ユミーネ『そんなことよりさ』
ユ『アレ(CD-RW)になんの曲が入ってるのか気になって。あ~聴きたいほんまに聴きたい』
──はいカット。
ちょっと邪念が混ざっていますね……。
確かに、歌夜が見たこともない狼狽え方をしていては気にもなります。じゃあ仕方ねえ、聴くかァ──ッ!(デビルマン)
責任なら冨岡義勇と関あやめが腹を切ってお詫びするそうだ。それに本当に駄目ならCDも持って行くだろう。なので……ヨシ!(現場猫)
んだらば早速再生。少しして流れ始めたのは、歌夜ではないだろう誰かの、ギターの弾き語り。聴こえてくる歌声も、歌夜の声ではないですが、どこか聞き覚えがある声をしています。
歌詞に入っている『シンナイ』という単語も……そう、これは
たまちゃん共々部室の外に引っ張られて行きながら終わります。ではまた次回。
──見た目からは信じられないくらいの力でたまと一緒に引っ張られ、俺は歌夜に部室の外まで引きずり出される。
後ろに隠れて震えるたまに盾にされながらも、意を決して質問しようとしたその時、一転してにこやかな歌夜にプレーヤーを見せられた。
「いい曲でしょ~?」
「えっ!? あ、はい!」
反射的に返したたまの言葉に満足そうな表情をして、一旦は落ち着いた歌夜。
そのまま廊下に並んで座ると、俺を間に挟んでおもむろに口を開いた。
「昔、姉さんが私の為に作ってくれた曲なんだ。もちろんコピーしてるけど、これに音源入れてもらったのが最初かな」
「そうだったのか。奏さんの……」
脳裏に歌夜の姉・藤川奏の姿を思い返しながら、俺とたまは曲の続きをイヤホンを分けて聞き直す。なるほど確かに、少し古い音質だがよく聞けば奏さんの声をしている。
「私にしか聴かせてない、私と姉さんだけの曲だ。──今はもう、私だけの曲かもね」
「……そうなん、ですか?」
「今の姉さんは、もうバンドやってた頃の姉さんじゃないから──」
「うおっ」
たまの質問に冷たく返した歌夜だったが、突然耳にしていた曲調が変わり、不協和音といわんばかりの雑音に切り替わりイヤホンを外す。
「ん、どした──うわっ!! 私の昔のカスみたいな曲だっっっ!?」
慌てた様子で電源を切った歌夜は、一拍置いてため息をつくと続けた。
「──はぁ~。こんな打ち込み丸出しのどうしようもない曲でも、姉さんはしっかり聴いてくれて、アドバイスもしてくれたりさ。
毎回どっかしらは褒めてくれたもんだよ、今では考えられないでしょ?」
「は……いや、去年歌夜の家に泊まったとき、奏さんは歌夜のアップロードした新曲を楽しそうに聴いていたぞ……?」
「どーせディスり目的だよ~、姉さんほんと意地悪いからさぁ」
あはは、と笑う歌夜だったが、どうやらそういうことにしておきたいらしい。
姉妹揃って素直じゃないのだが──なるほど、原因はこの曲だったのか。
「今の姉さんは私に音楽の道を辞めさせたくて仕方ないみたいだけど、私はアイツの話なんか聞くつもりは一切ないよ」
立ち上がり、俺とたまを見下ろして、据わった瞳で歌夜は断言した。
「──夢を、簡単に諦めた奴の話なんて」
「……歌夜」
「藤川先輩……」
その本心が、愛憎由来のモノであることは、すぐにわかった。……呪いなのだ。
歌夜にとって、この曲は祝福であり、同時に呪いとなってしまっている。
部室に戻ろうか、と笑う歌夜に、たまは冷や汗を垂らしながら言った。
「……藤川先輩、そうやってナチュラルにプレッシャー掛けてくるから、裕美音とかののちゃんに怖がられるんじゃないでしょうか」
「えっ私そんな怖い顔してた!?」
「子供が見たら泣くような顔だったぞ」
マジ!? と驚愕する歌夜。
彼女が飄々とした態度を取るのは、姉への感情を悟られないためのモノなのだろう。
しかし、逆に言えば奏さんと音楽に対してなら、歌夜は仮面を外して語る。
──放っておけない人で構成されたSNS部でのやるべき仕事を薄々察して、俺は小さくため息をつく。そのまま部室に入ると、足元で土下座で待機している関さんを踏みそうになった。
「うおっ」
「──本っっっ当にごめん! わざと曲聴こうとしたのは私だから二人は悪くないんだよ!」
「……いーよ別に。置いといたら関さん聴きたがるだろうなって思ってたから」
「嵌めやがったなふよん……!」
あっけらかんと返した歌夜に、関さんは納得のいかないような複雑な表情をする。
「……ったく。本田さんと犬井さんも巻き込んで悪かったなあ」
「いえ、歌夜の昔の曲とか色々聴けて楽しかったですよ」
「──!!!!!」
「だーめ」
俺の言葉に、関さんは勢いよく歌夜へと振り返る。好奇心を刺激されたのか、『聴きたい!!』とでも言いたそうな顔をしていたが、バッサリと断られるのだった。