【完結】ステラのまほう/百武照攻略実況   作:兼六園

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STAGE 1-4

 まだメインヒロインが登場してないタイトル詐欺の実況プレイはーじまーるよー。

 

 前回は部室で弁当を食べて終わりましたね。

 今回はかっ飛ばして土曜日、裕美音と一緒にたまちゃんのスケブをSNS部に持っていく回から再開です。えっ、マックで語らうイベントが抜けてるって? ……知らんな。

 

 マジで何も進展が無い回はトークに困るのでキャンセルだ。それでは部室まで倍速。

 中では作曲に難儀している体育座りの歌夜と踊っているあやめ&椎名という混沌とした光景が展開されていますが、これがSNS部──死んだ魚の目日照不足シャトルラン部の洗礼です(嘘)

 

 裕美音は若干ゃSNS部に不信感があると言いますか、普段からのほほんとしている天然気味のたまちゃんがここでやっていけてるのか不安なようですね。燎原くんという保護者が居るから大丈夫だって安心しろよぉ!(GO is GOD)

 

 ……とはいえ、イラスト担当のたまちゃんもデジタルに挑戦しないといけませんが、教えられる人が燎原くんしかおりません。

 ですがここで燎原くんが親身になりすぎると、この後発生する椎奈がたまちゃんにお古のペンタブを渡すイベントが消えるので注意しましょう。あのイベントは椎名がかつてイラスト部に居たことを知るイベントに繋がります。

 

 先代部長に教えを請うにしても、後腐れなく卒業した百武照に頼るのも違うと考え、先輩組は作曲に忙しい歌夜にバトンパスします。ここで聞ける『テマワリさん』の名前は覚えておきましょう。あとで歌夜関連のイベントで登場します。

 

 

 と、ここでようやく歌夜が来客に気づくので会話に混ざってきました。改めてたまちゃんのスケブを拝見することになり、ここでようやく先輩組はたまちゃんの渋い絵柄で描かれた自分達の作品のキャラを見ることになりますね。

 

 たまちゃんは今日日珍しいレベルのファザコン且つ老け専なので、昔から世紀末覇者的な奴とかコブラじゃねーかとか後ろに立たれたくない奴みたいなハードボイルド系を嗜んでいます。

 なのでめっちゃ簡単に言うと、男塾の作者にプリキュアを描かせてるようなもんですね。

 

 

 そして気になる評価は……歌夜の爆笑でした。これに関しては『別に気にすることでもないのに』程度の意味なので馬鹿にしているわけではありません。歌夜は飄々としている性格なので、女たらしな処も相まって誤解を生みがちなんですよね。というか数part後に誤解(アンジャッシュ)されます。

 

 まあ歌夜のクール気取ってる感はキャラ作りと言うか余裕ぶりたいだけと言うか。

 内心をコンプレックスと執着心と姉の才能に遠く及ばない劣等感で苛まれた呪われている子なので、上のも創作に真剣だからこその反応なんですよ。君ちょっと面倒くさいね……。*1

 

 それではたまちゃんの今後を期待されたところで今回はここまで。次回、合宿。お楽しみに。

 

 

 

 

 

 ──自分の絵柄を見せるのは恥ずかしいからとたまからスケッチブックを託された俺と裕美音は、部室の前に到着した。

 

「りょうくんとたまちゃん、なんて名前の部に入ってるんだっけ。SNS部?」

「死んだ魚の目日照不足シャトルラン部だ」

「……自分で言ってて理解できてる?」

「いや、まったく」

 

 ……最近、呆れた顔をされる回数が増えたような気がするが、俺もする回数が増えているから何とも言えない。ともあれ部室の扉を開けて中に入ると、部屋の中で関さんと部長が踊っていた。

 

「失礼しま~す──!?」

「…………」

「ふぇあっ!?」

 

 俺と裕美音を見てぎょっとする二人だが、ぎょっとしたいのはこちらの方である。

 数分の間を空けて、お茶を淹れるなどをして空気を切り替えると、部長が声をあげた。

 

「すみません、踊っていました。急なお客様とは知らず……ご無礼を」

「いえそんな、大丈夫ですよ」

「体を動かすのは脳の活性にも繋がりますし、ちゃんと制作もしている部なので……あ、あまり悪評とか流さないで頂けると……」

「そんなことしませんよ……」

 

 ちらりと、裕美音は俺を見る。部長は気が弱いから、そっとしておいてあげよう。

 軽いアイコンタクトで察した裕美音が視線を戻すと、部長が退室した。

 

「君、確かPRの時に来てたよね。今日は本田さんがらみの話かな?」

「はい、お使いを任されたので」

 

 後ろで作曲中なのか大人しい歌夜さんを余所に、残った関さんと会話を続ける。

 

「たまちゃんは帰りましたが、これを見せに行ってきて欲しいと」

「おっ、見ちゃっていいのかい?」

「私としても、たまちゃんとりょうくんがここでどんなことをしてるのか興味が──」

 

「──ふみゃああぁあぁあぁあぁっ」

 

「……きょう、みが……」

「あー今のはメロディで悩んでる音屋の鳴き声だから! ほらシャキッとしろ!」

 

 後ろで思い悩んでいるらしい歌夜さんの奇声が響き、またも裕美音が俺を見る。

 毎回毎回俺を見るのはやめろ。

 

「……たまちゃんは部活に入るの初めてで、ここで頑張ろうと張り切ってます」

「うん、確かに積極的だね」

「たまが変わろうとしているのは、俺も応援してはいるが……」

 

 ……視界の端から『ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!』と聞こえてくるのは無視しておく。

 

「正直に言って少し心配です! ぽやぽやしてるあの子は部に馴染めてますか!?」

 

 その言葉に合わせて、今度は『パンパカパーン!』という音が聞こえてくる。

 

「──って! なんですかこの音は!」

「ヘッドホンつけて作業(さぎょ)れお前は!」

「ん゛~~~音の響きがさあ……」

 

 椅子の上で体育座りしている歌夜さんは、横から見ても分かるほどに渋い顔をしている。

 それから唇をわなわなと震わせて、裕美音が俺に問いかけてきた。

 

「りょうくん! この部なんなの!?」

「同人ゲーム制作部だが」

「そういう意味じゃなくて!」

「落ち着け、まだ絵を見せていない」

「……むぅ」

 

 裕美音を落ち着かせて、たまのスケッチブックをテーブルに広げる。以前にも見た模写の部分は、素人目でも上手いと感じるが、やはり問題は自分の絵柄で描いた部分だろう。

 

「というか、ゲーム用の絵を描くってことはデジタルも覚える必要がありますよね?」

「まあ……そのうち」

 

 裕美音の疑問に、いつのまにか戻ってきていた部長が代わりに答える。

 

「作画作業の実働はまだ先なので急務ではないのですけども」

「スケジュール通りに行きたいよなぁ」

「教えられる人のアテがあるんですか?」

「…………」

 

 そこで黙るのか……。

 二人で顔を突き合わせて小声で会議しているのを余所に、裕美音が俺に問う。

 

「りょうくんは? 確か家にペンタブとかあったし、それで描いてたよね?」

「手は貸したいが、俺が何でもかんでもやってやるのはたまの成長にならないだろう。

 先ずはパソコンとペンタブを揃えることからだが……資金の問題もあるからな」

「まっ、そうだよね~」

 

 たまの家にはパソコンならあったはずだから、ペンタブさえあれば描けはする。

 早めの誕生日プレゼントとでも言って買ってやるか、あるいは。

 

「なー藤川さーん、なんかツテとかない?」

「う──────ん」

「聞こえてるかー? テマワリさんとかさあ~」

 

 関さんが被せたヘッドホンを外して歌夜さんに質問を飛ばすが、不意に聞こえた『テマワリさん』というワードに裕美音が食い付いた。

 

 

「テマワリさん!? 『小悪魔的☆萌える詰め将棋画集800』で有名なあの絵師さんっ!」

「えっそんな本出してるのあの人」

「テマワリ……とは、誰なんだ」

「りょうくん知らないの!? テマワリさんはネットで凄い有名だし、あの人の絵はイラスト部でもファンが多いんだよ!」

「そうか……」

「あー、藤川(コレ)がよく会ってるらしいよ」

 

 なんでも歌夜さんとテマワリさんは、コラボして音楽や動画を作っているそうだ。とはいえ、そもそも俺はネットで他所様の絵は見ない。

 

 裕美音がテンションを上げている様子を端から見ていると、ようやく俺と裕美音に気が付いた歌夜さんがすっとんきょうな声を出した。

 

「──うひゃあ!? びっくりしたー!」

「……俺達はさっきから居ましたが」

「お客さん来たなら言ってよも~!」

(おせ)────よ!!」

 

 関さんに怒鳴られいそいそとソックスを履く歌夜さんは、立ち上がると裕美音に挨拶をする。

 

「へえ、本田ちゃんと犬井くんのお友だちなんだ。音担当の藤川です、よろしくね」

「…………1年、布田裕美音です」

「もう少し周りを見ませんか、歌夜さん」

「いやあごめんごめん、テマワリさんがBLのドラマCD作るらしくて曲書いてたんだけど」

 

 中々難航でさー、と言ってからから笑う歌夜さんだったが、BLの二文字に裕美音が反応する。

 

「て、テマワリ先生のぼーいずらぶ……」

「おや……?」

「絵綺麗だよ」

「裕美音は『アレ』ですがお気になさらず」

 

 裕美音のアレはあまり公にできない趣味だが、勝手にカップリングのモデルにされても友人を辞めないのは俺とたま位なものだろう。

 ハッスルから戻ってきた裕美音は、咳払いを一つにテーブルのスケブを手に取る。

 

「……デジタル作画は私なら少しは手伝えますが、とにかくたまちゃんの絵を見ましょう」

 

 そうして、遂にたまの絵柄で描かれたSNS部のゲームキャラを目にすることになった。

 案の定渋いというか一昔前の絵柄をしていて、おおよそパズルゲームのイメージとは程遠い。味はあるのだが、大衆受けはしないだろう。

 

 俺も裕美音もたまから『ちょっと趣味が出ちゃう』とは聞いていたが、これは……少し……? そう思っていたのも束の間、部室の先輩方からの反応で最初に耳にしたのは、歌夜さんの笑い声。

 

「ふっ……アハハハハハハハッ!」

「そんな、笑うこと無いじゃないですか!」

「裕美音、落ち着け」

「りょうくんっ!!」

 

 飛び掛かる勢いの裕美音の腕を掴んで制止すると、彼女は俺を睨むほどの剣幕を見せる。だが歌夜さんの笑い声に悪意は感じなかったのだ、ここで怒るには些か気が早い。

 

「いや、ごめん。だって普通に上手いのに本田ちゃん気にしすぎなんだもん」

「そうですね。俺は嫌いではありません」

「でしょ? そりゃ流石にゲームとは違う絵柄だけどさ、本人が好きで描いてるんだな~ってのが伝わってくるし。なんかPRの時の落書きを描いてる顔が浮かんだんだよね」

 

 スケブを片手に歌夜さんはパラパラとめくり、たまの絵柄で描かれた渋い顔の作品キャラを見ては喉を鳴らしてくつくつと笑う。

 

「うちのこ達も本田ちゃんに描いて貰えて幸せだろうに、こんな渋いナリで……っ」

「そっ──そんなカッコつけたって誤魔化されませんからね!」

「すまん、コイツこういう人だから……」

「……スケブを返さないといけないのでそろそろお暇します。裕美音、帰るぞ」

 

 どうどう、と裕美音を窘める関さんに代わって、俺が裕美音の腕を掴んだまま立ち上がる。歌夜さんの態度に悪気は無くとも誤解は生みがちなのだろう、一度時間を空けた方がいい。

 

「りょうくん! 私まだ言い足りな──」

「わかった、わかった」

「あっ、ちょっと、こらっ」

 

 たまのスケブ入りの手提げ袋を片手に、腕を振りほどこうとする裕美音を担ぎ上げ、肩に乗せて部室を出る。この運び方は無いと思う──っ!! という声が、廊下に響いていた。

 

「藤川さん、もう少し相手のこと考えな?」

「それもそうだね。悪いことしちゃったかな」

「……ところで椎奈(しー)は?」

「さっきの子に悪評流されたらどうしよう……とか言いながら部屋の隅にうずくまってる」

「しぃぃぃぃぃ!!?」

 

 

 

 

 

 ──夕焼けの下、帰路を歩く裕美音は、露骨なまでに機嫌を悪くしていた。

 

「今日のりょうくんには少しだけ失望した!」

「そうか」

「あの先輩に絵を笑われたとき、真っ先に掴み掛かるのはりょうくんだと思ってたもん」

 

 頭から蒸気でも出しかねない程の怒りを見せる裕美音に、俺は一拍置いてから返す。

 

「そんなことはしない。

 歌夜さんからは悪意を感じなかったし、裕美音が怒ったからこそ俺も冷静だっただけだ」

「……りょうくん、時々バトル漫画みたいなこと言い出すよね。お母様の影響?」

 

 隣を歩く裕美音が俺の顔を見上げて口角をひくつかせる。バトル漫画云々は置いておき、母の影響を受けている自覚は……あった。

 

「かもしれん、母の観察眼は恐ろしいからな。今ほど忙しくなかった小さい頃なんかは、たまに撮影現場に連れていってくれたこともあったし、横で見ていれば自然と鍛えられる」

 

「お母様凄いよね~、人気俳優だろうと役に会わなかったらバッサリ切り捨てるらしいじゃん。それで代わりにエキストラの人から主役を選んで大ヒット、のちにその人も俳優になったとか」

 

 近々映画だけじゃなくドラマの監督も任されるそうだが、果たして次に纏まった休みを獲得して家に帰ってくるのは何時になるのやら。会話が途切れて、思わずため息をつく。

 

「……りょうくん、寂しい?」

「──いいや、たまと裕美音が居るから大丈夫だ。部の先輩もいい人だし、これから忙しくなるからな。寂しがってる暇もない」

 

 おもむろに立ち止まり、釣られて立ち止まった裕美音の頬を指で撫でて続けて言った。

 

「もう、怒ってないな」

「…………うん」

 

 裕美音は一瞬目を見開いて、それから目尻を緩めて俺の手に頬擦りをする。すっかり怒気が抜け、手を離すと彼女は自分の手と絡めた。

 

「ねっ、駅まで手繋いでいい?」

「元々送るつもりだ、良いとも。ああそうだ……部室での歌夜さんの評価はぼかしておけよ」

「分かってるよ」

 

 一転して上機嫌になる裕美音に、一応と釘を刺しておく。善し悪しは兎も角、歌夜さんに笑われたという事実は胸に残るだろう。

 

 それから改めて、駅までの道を裕美音と一緒に歩く。俺は先輩たちと、たまと、裕美音。

 この五人の繋ぎ役を担っていることをなんとなく悟り──オレンジ色の天を仰いでいた。

 

 

「ところでりょうくん」

「なんだ?」

「あの先輩のこと名前で読んでるんだね」

「…………そこは引っ掛からなくていい」

「りょうくん……?」

 

 俺の手を掴む裕美音の手が、力強かった。

*1
メインキャラほぼ全員面倒くさい定期

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